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カルチャーイベントとフードイベントの仕掛け人が語る、まだまだイベントで出来ること(全3記事)

ヤフーの社食で「肉フェス」が楽しめる? イベントプロデュースの潮流は“横展開”へ

2017年8月30日、イベンターによる、イベンターのためのイベント「BACK STAGE 2017」が開催されました。トークセッション「カルチャーイベントとフードイベントの仕掛け人が語る、まだまだイベントで出来ること」に登壇したのは、アソビシステム・中川氏とTAMARIBA・牧野、AATJ・遠藤氏。きゃりーぱみゅぱみゅなどのカルチャー、『肉フェス』などのフードを起点としたイベント企画の現在地と“これから”をパイオニアたちが語ります。

社食やビアガーデンで「肉フェス」が堪能できる

牧野晃典氏(以下、牧野):AATJさん。ヤフーと、あべのハルカス。こちらもノウハウを提供することでビジネスをしてますよね?

遠藤衆氏(以下、遠藤):ヤフーの社食は、社食で肉フェスの肉を食えたらいいんじゃないかみたいなところから始まりました。この2つとも肉フェスをちょっとIP化していろんなところに出していけたらいいなと始めたかたちです。社食にしては高めの値段設定でしたが、かなりウケまして、全品売り切れみたいなかたちになっていました。

あべのハルカスのほうは、ビアガーデンです。ビアガーデンに肉フェスのメニューのレシピを提供するかたちで、ビアガーデンで肉フェスを展開しました。

牧野:どれもアソビシステム、AATJがリスクを取って主催するイベントではなく、それぞれコンテンツホルダーや主催者がいて、その人たちがアソビシステムのノウハウ、AATJのノウハウを「ぜひ欲しい」と、そこに対してビジネスが生まれる。

これはイベントブランドを長く続けていくことで得られる1つのメリットだと思いますし、彼らが持っているメリットをここにいらっしゃるみなさまとも、ぜひ接点を作っていければと思います。

例えばPAC-STOREはコンテンツです。昔からあるコンテンツをアソビシステムと組むことで新しく見せる。ASOBASE、これもBASEさんはeコマースプラットフォームなので、そこにエンターテインメントコンテンツがほしいとなって、アソビシステムに声がかかる。

ヤフーさんも新社屋に引っ越して、社員の福利厚生を高めるPRをしたいときに、肉フェスと組めば社食が賑やかになるという提案をAATJにする。あべのハルカスもちょっと見ると、肉フェスが主催でリスクを取ってイベントしているように見えますが、実はあべのハルカスさんがビアガーデンをやる中でメニューのPR要素を高めたいから肉フェスに声がかかる。

それぞれまったく違う業種、コンテンツ、eコマース、ヤフーさん、それから商業施設、全部違う業態ですけど、それぞれの業態がアソビシステムAATJに「一緒にイベントやりましょう」「コンテンツ出してください」「ノウハウ提供してください」と声がかかる。

リスクを取るイベントをやりつつ、こういうところにビジネスの幅を広げていくことで、イベントがもっともっといろんな業種業態と組めると思います。

ビジネスの入口はどこにでもある︎

牧野:このへんを広げていきたいという戦略というか、どういう方々からまず最初に声がかかるとか、Facebookのメッセンジャーにいきなり問い合わせがあるのか? どういうプロセスで成り立っているんですか?

中川悠介氏(以下、中川):いろいろです。僕はFacebookでメッセージをもらったりしますし、電話の問い合わせもあります。こういうイベントでお会いした方と実際にイベントを始めることもあります。どこにでも入口があると思っています。

あまり好きな言葉ではないですけど、コンサル的。僕たちって芸能事務所と思われがちですけど、実は芸能事務所ではない。コンテンツを使ったPRやプロモーションが得意な会社だと自分たちでは思っています。

なので例えば、ただ単にタレントを使ってマストバイキャンペーンみたいなものは極力しない。去年もローソンさんと一緒にローソンさんのバイトの子たちからデビューさせる企画を作ったんです。

それもローソンのバイトを増やそうとか、ローソンのイメージアップをしようみたいなことでやらせてもらった。いろんなきっかけをいただければ、それを僕たちのアイデアで組み替えていくみたいなことを積極的にやっています。

牧野:どうですか、遠藤さん。ヤフーはどういう声がけだったんですか?

遠藤:ヤフーは本当に先ほど牧野さんが言った通りです。新社屋になったときに福利厚生でなにか考えたい。僕らも社食で肉を出したいなと考えていた(笑)。

あとは社食のマーケットって、実は給食のマーケットよりデカくなっている。なので、僕らにもビジネスチャンスがあると、ちょうど思っていたときに、タイミングよくできたかたちでした。

牧野:やってみて反応はどうでした?

遠藤:これは本当によかった。ちょっと値段の高いものを1日限定で出したんですけど、それも全部完食。そのあとも、けっこういろんな会社さんからお問いあわせもらっていますので、広げていきたいと思います。

横展開のイベントが可能性を生む︎

牧野:自社のノウハウを相手に提供することでパートナーシップが生まれるのは、これからどんどん横展開として広がっていく話だと思います。

このイベントが横展開していくことが、どういうことなのか? 僕ら3人で考えたのが、イベントってけっこう〇〇イベントと言い切れちゃうことが多い。

例えばアパレル、ファッション、音楽イベント、食イベント、肉フェスがそうです。あとBtoBのイベント、このBACKSTAGEがまさにそうだと思います。

あとオタクと書いてありますけど、ニッチな層に向けて限定されたイベント。これはハロウィンですが、自治体がされるハロウィンやクリスマス、バレンタインなど、季節もののイベント。あとは大きなスポーツイベントがあると思います。

それぞれのイベントって、当然1つの言葉で言い切れる。ファッションイベント、音楽イベント、BtoBのイベントですと言い切れるかたちの縦軸のイベントがあると思います。

さっきの話に振り返ると、今後イベントはノウハウをお互い持ち合って、1つのイベントのリッチコンテンツを横展開で顧客に対して満足度を高めていくことで、ビジネスがイベントビジネスの中の次のステップであると思います。

(スライドに)「ホリゾンタル」と書きましたけど、横展開です。例えばこのBACKSTAGEに、このあとお昼があります。ロビーで肉フェスが出展しています、そこで有名なお肉屋さんの、「○○ハンバーグが食べられます」というコンテンツがあってもいいと思うんです。

BACKSTAGEのアフターパーティーがあります。そこにはアソビシステムのアーティストが、そのイベントに参加していただいたみなさまを盛り上げるとか。

逆にアソビシステムが仕掛ける音楽イベントのカンファレンスをやりましょう、音楽業界の未来を考える、〇〇を考える、これからどうやってエンターテインメントは生きていくかを、そこに集まる方々とBtoBも含めてやっていきましょうとか。

そういうかたちでそれぞれのイベントの縦の強みを横に交わらせることで顧客に対して新しいメッセージも届けられる。イベントコンテンツを持っている側も今まで接点がなかったお客さんと出会えるきっかけになると思います。

多様化していくイベントの未来︎

中川:僕らも今、さまざまな協業やシェアをやっています。なぜかと言うと、僕らは若い子を見ていると、メディアというものがなくなっていると感じる。個人、1人がメディアになってくる時代だと思っています。

そうしたときに、好きな人に対して、その人のやっている音楽とか好きな服とか、好きな食べ物。そういうことが注目されやすい時代だと思っているので、今までみたいにメディアがドーンじゃなく、個々の人にまつわるエトセトラみたいなことも大事だと思う。

それが僕らで言うコンテンツ。人やIP、企業さんもそうだと思います。それにまつわるエトセトラみたいなことを、こういう感じで表現していくことがすごく大事だと考えています。

牧野:アパレル業界もファッションデザイナーよりもスタイリストの価値が高まったり、音楽業界もアーティストよりも例えばDJの価値が高まったり、ものづくりももちろん、キュレーションする力というか、どうセレクションして、どう複合的に見せていくかは、けっこう全体的な流れですよね?

中川:そうですね。そこの流れはすごく強いと思っています。今の若い子としゃべっていると、テレビのニュースとか新聞のニュースをまったく見ていない。毎日SNSに出てくる情報や、それを拾ってテレビを見にいくとか、そういう時代になっている。

どんどん1人ずつがメディアになっていって、そのキュレーションされたものを好きになっていくことが実際に起こっている。

牧野:遠藤さん、どうですか?

遠藤:僕らもイベント自体をプラットフォームみたいなかたちで考えています。一応、肉や餃子など、そういうフードをメインにして人を集めますが、その中でちょっとした気づきをいろんなところで与えたいと思っています。フードだけではなく、ステージをやってエンターテインメントを見せたり。

例えばオリンピックイヤーに向かってスポーツの要素を入れてみたり、そこに来るとすべてが楽しめ、かついろんな気づきがあるようなプラットフォームを目指していきたいと思っています。

これからは個人が協業する時代︎

牧野:彼らが持っているノウハウをいろんなイベントに展開していくことで、それぞれのイベントがリッチになっていくパートナーシップ関係が今後イベントの新しいかたちとしてあると思います。

そろそろまとめに入ります。ここにいらっしゃるみなさま方、アソビシステムはカルチャーの一番強いイベントを仕切れる会社と言ってもいいでしょう。AATJは肉フェスをはじめとするフードのイベントの一番強い会社と言ってもいいでしょう。

そしてここのBACKSTAGEにお越しのみなさまが手を組んだときに、新しいイベントができたり、出会いみたいなのが今日このあと、お二人とみなさまで接点を作れればと思います。

冒頭にお2人はすごくアナログな方と紹介しましたが、イベレジ(EventRegist)さんの登録すら「どうしたらいいかわからない」と、さっき会議室で言っていました(笑)。それくらいアナログな方なので、簡単に言うと、イベントをやっていく中でこういう悩みを抱えているんです。

待ち時間の解消はどうしたらいい? 食券のIT化ってどうやるんだ? 会員組織ってなんですか? みたいな、そういうフードテック、エンターテックみたいな、いろんなカタカナが飛び交うけど、どうしたらいいんだ?みたいな。悩みは尽きないと思います。

イベントを3日に1本、月に2本回していかなきゃいけない人たちなので、当然コンテンツと顧客サービスがメインになっちゃいますが、まだまだ改善の余地はいっぱいありますよね?

中川:いっぱいあります(笑)。

牧野:こういった悩みは、当然自社だけで解決できるものではなく、いろんなパートナーさんと一緒に顧客に対してソリューションを提供していったり、サービスを向上させていくことだと思います。

ここにいらっしゃるみなさまが、どこかのポイントでお2人と一緒にお仕事ができそうなノウハウなり、サービスをお持ちであれば、ぜひこのあとお会いいただければと思います。ここにいるみなさまと一緒に解決しましょう。最後にお2人からプロモーションや、お伝えしたいことも含めて何かあれば。

イベントに来れば何かが生まれる︎

中川:さっきお話させてもらいましたが、僕たちは芸能事務所だと思われがちですけど、そうじゃない。いろんなことを一緒に作っていくカルチャーカンパニーです。なので企業さんや自治体さん、イベント会社さん、いろんな方と組んでいくことができると思います。

芸能界って取っつきにくい業界と思われがちですけど、気軽にお話いただければと思いますので、ぜひお願いします。

遠藤:フードイベントも、まさにちょっと取っつきにくいというか、別物と思われている方が多いと思います。肉フェスも餃子フェスもすごく間口は広くていろんなことができると思いますので、ぜひいろいろご相談させてもらえればと思いますので、よろしくお願いします。

中川:あと9月の駒沢公園肉フェスでは、ここにいる3社で一緒に、なんと肉フェスで並ばなくて食べられるVIPルームをやるので、みなさんぜひ大行列の肉フェスを並ばずにおいしいシャンパンとおいしい肉を食べられます。ぜひそれも来てもらえれば。

牧野:ぜひ! シルバーウィークですよね。

遠藤・中川:はい、シルバーウィークです。

牧野:シルバーウィークの駒沢公園にお越しいただければ、このお二人はいますので、おいしいお肉でも食べながらお話もできればと思います。以上、「これからまだまだイベントでできること」と題してお伝えしてきました。少しでもみなさんのお力なり、お知恵になれたらと思います。

今日BACKSTAGEにお呼びいただき、主催者のみなさま本当にありがとうございました。これからまた、みなさまと一緒にアソビシステム・AATJがなにかビジネスでつながっていければと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

中川:お願いします。

牧野:今日はどうもご清聴ありがとうございました!

遠藤・中川:ありがとうございました。

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