2024.10.01
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第5回:辞書に意味は載っていない?<ラジオ「西澤ロイの頑張らない英語」>(全1記事)
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ロイ:例えばなんですけどput onという句動詞で、「着る」という意味がありますけど、日本語だと「服を着る」「ズボンを穿く」とか、「指輪をはめる」とか「身につける」とかいろんな言い方をするんですよね。ただ、英語は全部put onで言えてしまうんです。
上村:なるほどね、そうなんですよね。この『頑張らない英語学習法』の中にも例文としてShe put on my bootsでしたっけ?
ロイ:She put on her bootsみたいな。
上村:はい。イラストが書いてあって、put onの場合だとスッと穿く感じのイラストなんですよね。
ロイ:そうですね。put onというと普通の言い方になるんです。一番普通の「身につけた」「着た」「履いた」という時の言い方なので、特にイメージがくっついた言い方ではないんですね。
上村:なんかこう、苦労を伴ってないというか。ツッカケ履いてお出かけ、みたいな。
ロイ:そうですね。普通に「履いた」という時にput onが使えるんですけど。
上村:はい。
ロイ:pull、引っ張る(という意味)のpullを使うこともできて、She pulled on her bootsみたいに言うと、引っ張ったということが強調されるんですよね。
上村:そう言われると、やっぱりイメージが湧いてきますね。put onとは違って、頑張ってブーツを履いている、長いブーツを履いているイメージが湧きますよね。
ロイ:そうなんですよ。だからpullというのは力を入れてグイッと引くのが pullなんですよ。だからそうやって着るということは、例えばちょっとキツめのブーツなのかなとか、例えばちょっと濡れてて履きづらいのかなとか、いろんな想像ができるじゃないですか。
上村:なるほどねえ……。
ロイ:本の中だとpullまでなんですけど、例えば slipも使うことができるんです。
上村:slip?
ロイ:slip。滑るの slipですね。それを使って slip onみたいに言うこともできるんですよ。例えば、She slipped on her boots.みたいに slipを使って言うと滑らかな感じが出るので、サッと履いた、みたいなそういうイメージに変わるんですよ。これって、辞書に載ってない場合がすごく多いんですよ。put onは「着る」「身につける」と書いてあって、pull onと調べると「着る」「身につける」と書いてあることが非常に多いんですね。
特に薄い辞書、コンパクトな辞書とかだと、そういう詳しいことを書いてないので、書いてあったとしても「引っ張って穿く」みたいに書いてあって、イメージできるかどうかはまた別なんですよね。言葉で覚えちゃうかもしれないので。
上村:そうなんですよね、言葉というか、数学でいうと公式を覚えるみたいにコレはコレ、と当てはめちゃうからそれがよくないんですね、きっと。想像する、イメージする余地を残すというか。
ロイ:英語の動詞は動作を表すんですよ。なので、どんな動作なのかをイメージすることがすごく大事なんですよね。
上村:そこに辿り着くのにこれだけ時間がかかったというか(笑)。
ロイ:なかなか教えてもらえないんですよね。
上村:そうですよね。特にこの年になると、なかなか中学生英語から教わるってすごく恥ずかしい気持ちが先に立っちゃって、今さら誰にも聞けないし、みたいなのがあって。
ロイ:ありますよね。
上村:そういうのが大人の悪いところなのかな(笑)。もっと素直にならないとダメですね。そういう意味ですごく、キッカケになる書籍でございました。
ロイ:ありがとうございます。
上村:また、1回読んだだけじゃなくて何度も読み返して理解が深まるとまた見えてくるものが違うのかなと思います。なんでも、ロイさん自身も、読んでる内容がだんだん更新されていくというか、今の学習法で使っている表現からさらに進化していってる、みたいな話もありましたけど。
ロイ:そうですね、書いたのがもう4年前なので。今はNEWロイで(笑)。
上村:NEWロイ(笑)。いいですねNEWロイ(笑)。
ロイ:NEWロイが今回満を持して出したのが『頑張らない英文法』なので。
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