2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
著者と語る朝渋『人生の勝算』著者・SHOWROOM代表取締役社長・前田裕二さん・幻冬舎編集担当/箕輪厚介さん(全8記事)
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西村創一朗氏(以下、西村):どんなトラブルがあったんですか?
前田裕二氏(以下、前田):「朝6時までにお願いします」って言われたんだけど、「なんとか7時までにならないですかね!?」というその1時間の争いをしていましたね。
西村:え~。
箕輪厚介氏(以下、箕輪):それを4日連続とかやるから、本当に今だったら無理(笑)。
西村:3徹4徹とかそういうレベルですよね。
箕輪:前田さん本業ありますからね。
西村:作家ではないですからね。
前田:一生映らないと思うんですけど、本には、はじめにというか、プロローグがあるじゃないですか。タクシーの中でLINEで書いたんです。
(一同笑)
前田:しかも一筆書きで。そしたら箕輪さんから「完璧です」って来て。
西村:「本当か!?」と思いながら(笑)。
前田:あ、これは本当に箕輪さんに書いた、プロローグのLINEです。
西村:本当にLINEだ! 緑色!
箕輪:LINEでやってましたよね。
前田:全部LINE。LINEにテキストをベタ貼りです。
箕輪:赤字の戻しとかもスクショでやってましたよね。50枚くらいスクショがある(笑)。
前田:スマホをPCと同じくらいのスピードで打てるんです。それでバーっと書いて。
箕輪:いやぁすごかった。
前田:箕輪さんから、「プロローグ、完璧です。もう本当に完璧です」と来てて。
西村:2回言っていますね!(笑)。
箕輪:思ったんですよ! 僕が、「こういうふうにしたらいいと思いますよ」というのを全部受けとめて、それプラスアルファで味がある。この人すげぇなって。
前田:いやいや、オーダーがすごいです。
箕輪:「1章から5章までの、何を書いているかを説明しつつ、なんで本を書いたのかという個人的な自分のエピソードを紐づけて」みたいなこと言ったら、全部想像以上のクオリティで戻って来た。
前田さんがすごいなと思うのは、熱があるような文章を書く人って、論理的に破綻していることが多いんですが、それがないんですよね。
西村:偏りますよね、やっぱり。
箕輪:そう。論理的にロジックが完璧な人は本当に機械的な文章だったりして。前田さんの場合は文章に熱がすごくあるのに、ロジックがものすごく丁寧で、辻褄があっている。これを成立させるのがすごい。
西村:もともと両方得意だったんですか?
前田:いやいや、もともと超直感右脳派な感じです。
西村:そうなんですね!
前田:だから今の事業もそうですけど、なんとなくうまくいくかなと思うときは、だいたい直感や人に説明できない理由だったりするんです。でも人を巻き込むときに必要なことって、情熱と論理的な説明が絶対必要だと思ってるんです。
だから後天的に身につけたというか。自分でディベートをやったりとかもしました。人にちゃんと伝わるように説明する能力はわりと意識して身につけた感じで、むしろ、もともとは本当に苦手でしたね。
西村:自分でディベート?
前田:高校生くらいのときから……。
西村:あ~そっかそっか。本にも書かれていましたね!
前田:そうです。すごく直感型だなぁと思っていたので、論理的に物事を整理して構造化して話すスキルみたいなものは身につけなきゃなって、明確に思ったんですよね。
竹田:それを高校生で思ったのはやばいですね(笑)。
箕輪:なんでも早いですよね(笑)。
前田:いつも早めなんです(笑)。それで、せっかくやるんだったら英語でやったほうが楽しいかなと思いまして。もともと家の事情で、海外には行けない制約があったんです。だから、その制約があるなら、英語のディベートに出て帰国子女に勝ったらかっこよさそうな気がしたんです。それをモチベーションとしてがんばりました。
英語のディベートはかなり自分の左脳を鍛えたという感覚がありますね。だいたい物事は3つあるんだと、そこで学んだ。逆に言うと「3つあります」って、まず言う癖がありますね。
一同:あ~!
箕輪:まさに質問しようと思ってました。前田さんは絶対最初に数を提示して、そのスピードに嘘だろってなる(笑)。3つ、2つと最初に言って、あとからその数に合わせて話をしているんじゃないかって(笑)。
前田:そうそう。僕、3つあるっていうとき、だいたい1つしかないです。
(会場笑)
西村:無理やり3つに分解するんですね(笑)。
箕輪:1つ目のときに3つ目を考えてる(笑)。すげぇな、この人。
前田:そうですね。だいたい3つかなっていう(笑)。
西村:ひねり出してるんですね。
前田:あと、だいたいみんな「3つあります」って言うんです。だから、あまりインパクトに残らないなと思って、最近は「2つあります」に変えました。
箕輪:ですよね。3つと2つ。あ、2つバージョンだってなる。
前田:「2つなんだ」と印象に残るかなと思いまして。
箕輪:聞いてる人は聞きやすいんですよね。最初に目次を提示されるほうが。ダラダラどこまでいくかわかんない話より。
前田:本当に高校生のころからの癖ですね。ディベートって最初にメニューを出さなきゃいけなくて。例えば、「死刑制度は廃止すべきである。理由は3つある」と言ってから、しゃべるっていうルールなんですよね。
箕輪:3つ目、ちょいと弱かったりしないの?
前田:3つ目はちょっと弱かったりします(笑)。
西村:そこだけ突っ込まれる(笑)。
(会場笑)
前田:ディベートは突っ込まれていいというか。突っ込みどころをいくつも用意しておいて、あそこで突っ込んで来るなって想像しながらしゃべって、突っ込んできたところに対して用意していたデータをぶつけて勝つっていうゲーム。けっこう普段もそうですね。
箕輪:おそろしい(笑)
竹田:3つあるって言ったら、2つ目くらいがすごく弱くて、突っ込んでくるんだろうなと思う。もし聞いてきたらこんなことをしゃべろうと考えながら話す。
箕輪:前田さん確かにそこ強いですね。「ここってどうなんですか?」と聞いたら、「あ、そうですよね」って吸収して倍返しにしますよね(笑)。強いんだよな~ディベートが。
前田:しゃべることは疲れると思うんです。自分がしゃべると、相手がこういうふうに返してくるから、それに対して自分はこう言い返す。そしたら相手はこういうふうに言うからと、3手か4手先まで読みながらしゃべるんです。
西村:囲碁の世界ですね。もはや(笑)。
箕輪:前田さんと話をすると、見城さんとか、インターネットをそんなにわかってない人が感銘を受けるわけですよ。「新しいなにかと出会ってしまった!」みたいに。
やっぱり上手ですね。その人のリテラシーに合わせて、その人が1番響く例えを用意する。「具体的にこういうふうな成長が描けますよ」と。それは本当にすごい。その人その人に合わせる力。
本もまさに読者を想像して書いている。それは編集者の役割で、書いてる人はバーって書くというのはよくあるんです。僕なんかより前田さんは「これ誰が読みますかね?」と、ずっと考えながら書いてた。常に他者を具体的に想像してやっていますよね。
前田:そうですね。
西村:それはやっぱり、小さいときからの路上の弾き語りをやっていたのもそうだし、ショーを生むビジネスを経験しているからこそ、そういう感覚センサーみたいなものが人一倍身についたということなんですかね?
前田:そうですね。発信をするとき、基本的に(自分自身が)相手の目にどれくらいなれるか、客観的な目をどれだけ持てるか。そういうのはすごく考えたかもしれないですね。
西村:僕、今までSHOWROOMの存在は知っていたものの、『人生の勝算』を読んで初めてSHOWROOMをユーザーとして使ったんです。
前田:SHOWROOM(西村氏の発音)ってあれですね。外人みたいですね。思いません? SHOWROOMかっこいい(笑)。
(会場笑)
西村:試してみたら、そんなつもりなかったんですけど、1,500円くらい課金しちゃったんですよ! このコミュニティーの作り方は本当になんだろうなと思って。
普通の配信とかって、演者と見る人の1対1の関係性なのに、SHOWROOMは横のつながりがあるというか。「初見さんですか?」みたいな感じで勝手に説明してくれたりして。すごいなと思う。
前田:そうなんですよ。ここにもしWebサービスを作っている方がいらっしゃったら、参考になるかもしれない。
SHOWROOMは最初使うときわかりにくいから、普通ディレクションが必要なんですよね。チュートリアルとか。SHOWROOMってチュートリアルがあんまりなくて不親切じゃないですか。
西村:ないですよね。
前田:あれ、めっちゃ意図的にやってて。
西村:へー! そうか。
前田:不親切だと何が起こるかというと、周りの人たちが助けたくなる。
西村:お節介を生んでくれるわけですね。
前田:だいたいみんな「星ってなんですか?」「星はどこに持ってくるんですか?」という話になる。すると待ってましたとばかりに古参のSHOWROOMユーザーが腕まくりをして(笑)、「星というのはね」みたいなことを語り始める。それが楽しい。
西村:まさにそれを体験して、気づけば課金してた。恐ろしい(笑)。
前田:ありがとうございます。
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