2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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中村:似たような仕事の人もいますよね。そういう時は、どうしたんですか? 同じ部署とか。……いや、同じ部署ってことはないんですかね?
生嶋:あります、あります。
中村:そうしたら、仕事の差があまりないときとかっていうのは?
生嶋:そんなに差がない方はいなかった。
中村:書き分けはできるレベルだったんですね。
安田:それは広報さんが素晴らしい仕事を。
中村:なるほど。かぶらないようにしてくださっていたんですね。どういう話をするかまで、広報さんのほうで事前にある程度セットアップしてくださるってことだったんですか?
安田:いや、それはなかったね。
生嶋:それは、ないです。
中村:「この人に取材をしてね」までですね。
生嶋:そのセットアップがあるというのは、社長(宮坂学氏)だけでしたね。「これを聞いてください」と。
安田:そうね。事前に質問事項を提出してっていう。
中村:社長さんのインタビューはすごく印象に残っていますが、インタビューの時はどんな感じだったんですか?
生嶋:社長さんのインタビューだけは「質問事項を厳選してください」というのと、広報チェックが何度かありました。結果、広報さんの「これを聞いてほしい」が出てきたんです。
最初の質問が、「この20年間のヤフーを振り返ってどうですか?」「宮坂さんが入った当時を振り返って、全体的にどういう感想がありますか」という質問だったんです。でも、それに対しては一言「楽しかったです」って。シーンってなっちゃったんですよ(笑)。
なんか、もっと「いろいろ、こうでした」「ああでした」「20年間を振り返って、あんなことも、こんなことも」だと思ったんですけど。
中村:一言で収まっちゃった。ライター的には、非常に困る瞬間ですね(笑)。どうしたんですか、それで?
生嶋:一瞬、パーって頭が白くなっちゃって(笑)。「あれ!?」って。でも、ほかの質問もあるし、そこは連携プレーで安田さんが次の質問を言ってくれてね。
中村:そこはAチーム、Bチーム、一緒にやってたんですね。
生嶋:そうなんです。2人でやりました。
中村:なるほど、なるほど。
安田:社長さん、宮坂社長以外も、役員の方とか。役員すべてではないんですけども。みんな個性的でしたね。
中村:そのこと、くわしく聞いてもいいですか?
安田:すっごく楽しんで仕事をしている人と、やっぱりFaceToFaceで取材をすると、すごく危機感を持って話す人と、すごく楽しいって感じで話す人と。いろんな方がいて、すごく個性的だなぁと思いましたね。
中村:ヤフージャパンは大企業だと思うんですけど。大企業って、ちょっと堅い人とか、平均的な人がいるようなイメージがあります。そういうものとはぜんぜん違った?
安田:そうですね。なんか「本当におもしろかったな」とは思いましたね。
中村:年齢のおもしろさの差とかはあるんですか? 若手の方と重役の方がいらっしゃいますけど。
安田:この本の特徴が、全員が2ページで、並び順とかも「先に社長がとかっていう話は一切やめてくれ」「逆に、全部、ワンオブオールでやりたい」という意向があったんです。
どっちかと言うと、人にフューチャーしてる&スポットをあててる本だとは思うので、取材したものをほぼそのまま載せてるっていう感じですね。整えるだけでした。(それぞれの取材時間が)30分なんで、載せられない部分もあったんですけども。テープ起こしして、ほぼそのままのかたちで載せている部分が多いです。
中村:本当に、非常に資料性が高いというか、読む価値のあるもの。売るために加工したものっていうのは、売れるとは思うんですけど……。ああ、いやこの本が売れないって言ってるわけじゃないですよ(笑)。
なんか、ある種の編集が入ると「こういうふうにかっこよく見せたい」という思惑が、どんどん入ってくるわけですよね。だけど、この本に関しては、本当に素朴な、まるで田舎蕎麦みたいな仕上がりになってると思います。
安田:20周年記念なので、文集を作ってるような。
中村:あとからも読み返してほしい本ですよね。
安田:ヤフーの仕事内容と、あと、「こういう人がやってるんだ」っていう思いは載せない部分があったんで。中には、本当に意外な、「こんな仕事もやってるんだ」っていうところもけっこう出てるとは思うんですけども。
中村:僕がこの本を読んだときに、どう読もうかなって、けっこう悩んだんですよ。1から読んでいくタイプの本ではないと思いますし。僕がヤフーさんの社員だったら、「あの部署どうかなっ」ていう読み方はできると思うんですけど、完全部外者の自分として、どこから読もうかなって思いました。
そこで僕はパラパラ読みで、気になったところを読んでいくやり方をしたんですよ。生嶋さんと安田さんは、どういう読まれ方を想定して作られたんですか?
生嶋:どこから読んでもいいように、というのは(意識した)。
中村:僕、正解なんですね。
生嶋:正解、ですよね?
安田:読者に対して、ちょっと不親切かもしれないですね(笑)。なんかね、とりあえずそのままのものがいいと言って。ページ順を、名前のあいうえお順にしようかとか。
中村:あ~、部署もバラバラ?
安田:「部署もバラバラにしようか」っていう話もあったんですけど、それはあまりにちょっと不親切じゃないかというところで、一応部署ごとにしています。その部署ごとも、どういう順にしていくか。そのへんも広報さんと話しながら、まとめてはいったんです。
興味のないところもあるかもしれないですけど。ただ、個人にあててるんですよ。だから、読んでおもしろいとは思うんですよね。けっこうプライベートな「趣味はなんですか?」っていうところまで書いてるところもあったりするので。
ただ、1冊読み終わるのに、どれくらいかかるのかはぜんぜんわからない。
中村:そうですね(笑)。隅から隅まで読んだ人が、果たして、何人いるかっていう(笑)。
生嶋:逆に聞いてみたいです(笑)。
中村:読んだ人は、感想を送ってほしいですよね。どうなるかなぁ?
安田:海外の会社、アメリカとかベトナム?
生嶋:ベトナムとかイギリスとか。
安田:それは、FaceTimeで時間を合わせてもらってインタビュー。
中村:Yahoo JAPANという会社は世界的に広がりがあるわけですね。
安田:国内でも、八戸とか、高知とか。
生嶋:九州。
安田:全国にヤフーさんのグループ会社があるので、FaceTimeでつないでもらいました。
中村:なるほど。ところでこの企画は、例えば、ほかの会社でまたやろうとか?
安田:ビジネスモデルとして「どの会社でもできるねっ」て話していましたが、やりたくないですね(笑)。
生嶋:終わった直後くらいはね、「どこでやろうか、次に」って言ってたんですけど。そのまま(笑)。
中村:次、30周年で300人っていうのが来るかもしれない(笑)。
安田:いや~。
中村:作った方がこんなに渋い顔をされるくらい、作るの大変な本なんですね。普通の本に比べて労力は3〜4倍は軽くいきますよね。
生嶋:ずっとインタビューの仕事を長くしてきたんですけど、1日7人とかって、本当に初めてで。
中村:考えたくもないですね(笑)。
安田:そうですね、取材は……疲れが。
中村:安田さんにうかがったのですが、音声ファイルを管理するのも大変だったと。200個ですもんね、MP3。
安田:そうなんですよ。すっごく重たくて。
編集をずっとやってて、どこもけっこう辛かったりするんですけど、喉元すぎると忘れちゃうんですよね。この本を作ったというのは自信になっているので、またできると思っているんです。でも、またやって、「あ~そうだった、こうだったんだ~」って思う感じなんですよ。
中村:例えば、『ドコモの全仕事』みたいな本の仕事をやりませんかって来たら?(笑)。
安田・生嶋:(笑)。
中村:でもなんか、会社の性質として、そういうインフラ系の会社とか作れなそうですよね。
安田:そうですね、なにか意外性のあるものをやってるところとかはおもしろいとは思うんですよね。
中村:あと、ある程度規模も必要ですよね? 20人くらいの会社でもちょっと成立しないですよね(笑)。
生嶋:でも、1人を長くしゃべれば(笑)。
中村:誰が買うんだっていう話になりますよね(笑)。
だいたい、制作秘話はこんなところですかね。聞いてみたいこととかある方、いらっしゃいますか? 1部で取り扱った書籍の制作についてです。
(会場挙手)
質問者1:インタビューした後に、文章として書き起こすかと思うんですけど。1日に7人から聞いて、そのあとすぐ7人分を書いてしまうんでしょうか? 日が経つと、どんどん印象が薄れてしまうかなと思ったんですけど。
生嶋:そうですね。本当にその通りなんですけど。やっぱりほかの仕事もしているので、その日のうちに(テキストを)起こせられれば起こすっていう感じなんですけど。起こせなかったら、まとめて起こしたりしながら、資料を見て思い出したり。
でも、けっこう印象強い方ばっかりだったので、聞いていれば、あ~そうだなって思い出したりしてやってました。
安田:取材するときは最初に写真を撮らせてもらって、それから名前などを思い出していました。写真を見ながら、「あ、そうだった、こうだった」っていう感じで。テープ起こしは、あとでまとめた感じですかね。
実際に忘れちゃってたりとかも、けっこう多かったんで。
生嶋・中村:(笑)。
安田:大変だったですけど、今思うと、おもしろかったです!
中村:じゃあ、あともう一方くらい、もしいらっしゃれば。
(会場挙手なし)
……早く本命の2部に行きたいということですかね?(笑)。
(会場挙手)
では、2部のモデレーターのもっちさん(鶴田浩之氏)さん。
鶴田浩之氏(以下、鶴田):ありがとうございます。2つ質問があり、どちらも編集に関してなんですけれども。サブタイトルに関してです。とくに象徴的だなと思ったのが、過去・現在・未来っていう、このキーワードに込めた想いをちょっと聞いてみたいです
あと、マキさんが実際にインタビューして、それぞれ段落の中で、小見出しを作ると思うんですけど。その小見出しが、その人を表すコピーのようなもので、大変だったんじゃないかなと思うんです。そのあたりの話をうかがいたいです。お願いします。
安田:サブタイトルは、けっこう最初から決めていてですね。ヤフーの20周年というところで、ヤフー創世記という話をしていました。
あと、取材対象者の段階で、広報さんとけっこう話していたときに、最初のころからいた人の話と、宮坂社長に変わる代の話。今後のヤフーの展開・戦略的なものを、全部網羅したいと広報さんにご提案をしたんです。そうしたら、広報さんも「そういう感じでやってください」というところで。
サブタイトルに関しては、企画書段階から変わってないですね。それでいて、縦軸が時代的なもので、横軸が幅広いっていうのを、ちょっとクロスさせた本にしたいなとは思っていました。そういう想いが込められていると思います。
小見出しは、僕は作ってない(笑)。
生嶋:ほぼほぼ(笑)。流れ作業的になってたので、たくさんいたから。私が原稿を書いて(安田さんに)渡す、みたいな。
安田:原稿の中で、光るものをピックアップしたり、あと、ポイントは小見出しだけ見ていってもらっても、この人はなにをやっているか、どういう仕事かがわかる。そういったリードと小見出しを意識したんですね。
中村:これ、タイトル・小見出し読みってすごくいいかもしれませんね。
タイトルのところでは、例えば、192ページに「子どもでも簡単に触れ合えるヤフージャパンを目指して」と書いてあって。ほかにもk「リアルな看板で感じる、自信の仕事の成果」って小見出しがあったりとか。小見出しだけ追って、「『子ども』って書いてあるな、なんだろう」って、刺さったところだけ読むこともできますね。
そんなところで、ちょうどお時間になりましたので、第1部はここまでにしたいと思います。安田さん、生嶋さん、ありがとうございました。
安田・生嶋:ありがとうございました。
(会場拍手)
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