2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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荒木真理子氏(以下、荒木):それから、1つ目なんですけれど、忙しい人でも、コミュニケーションが取れることがあるんです。ある京都のお寺に標語があるんですけど、こんなものがありました。ご紹介させていただきますね。
「ひと月待てた手紙の返事、メールになって1週間、LINEになって1時間? 待てなくなってる。せわしないね」というものが掲げられていたんです。この時代、本当にみなさん、待てなくなっているんですよね。
そんな中で、自分が思うことを、つらつら自分勝手に話したり、時間がないのに、「えーっと」ってなっていると、やっぱりイライラされてしまう。そういう時代になってきました。そんなときは、10秒と決めて、コミュニケーションが取れるといいですよね。
アメリカで、エレベーターピッチという言葉があります。聞いたことありますか? 起業家が、投資してくれる人に会ったときに、エレベーターに一緒に乗り合わせている間にPRできなければ、勝負は負けだと。
短い時間でいかにPRができるか。自分のPR、商品のPR、会社のPR、そういうことが必要になってきている。そんな時代じゃないかなと思っております。
ではそこで、今日は、みなさんにこれをお土産にしたいと思っております。最強の10秒自己紹介を作ろうということで、今日はせっかくお集まりいただきましたので、先ほどみたいに、「一言ごあいさつを」と言われたときに困らないように、この場で考えていきたいなと思っております。
これから新年会に向けて、PRする部分も、増えてくると思います。面接、自己紹介、あと最近、幼稚園とかでも他己紹介があるみたいですね。それからプレゼンテーション。最強の自己紹介を作っていただきたいなと思います。
それでは、みなさん、携帯電話お持ちですか? もしくは、ペンと紙でも大丈夫です。せっかくですので、ちょっと狭い中、恐縮ですが、携帯電話のメモ画面とかメールの作成画面を出してみてください。頭の中で記憶できる方は、頭の中でもいいです。
そして、人から指摘される長所、それから自分が好きなことや特技。長所が出て来ないぞという方は、短所でもいいです。3つ、がんばって書き出してみてください。
せっかくですので、時間を有効に活用していただきたいなと思います。
(参加者が特技や特徴を書き出す)
どうですかねみなさん? なにか、趣味でもいいですし、人から言われることでもいいです。私の場合は旅行が好きなので、旅行。テニスをずっと4年ぐらいやってますので、趣味がテニス。それから、人からよく言われるんですけど、せっかち。こういったものをあげていました。
どうでしょう、みなさん。けっこう真剣に携帯電話と向き合っている方が多くて、ちょっとうれしいですね。
では、ちょっと耳を傾けていただきながら、次のステップにいきたいと思います。そして、書き出した特徴を、自分だけのオンリーワンに変えていただきたいと思います。
ポイントは3つあります。まず、数字を入れること。または、固有名詞を入れること。あとは、エピソードを入れること。どれか3つのうち1つでも加えていただきたいなと思います。
例えば、私は旅行が好きなのですが、この間、世界遺産に行った数を数えてみたら、100ヶ所ありました。ですので、例えば、「巡った世界遺産は100ヶ所を超えました。旅行好きの荒木真理子です」と自己紹介ができます。
あとは、テニスが趣味なのですが、全然上達しないんです。だから、テニスを長所にはできないので、例えば、「テニスレッスンは、4年間、週1で通っていますが、上達したのは主婦同士の会話です。おしゃべり好きな荒木真理子です」というような、自己紹介ができます。
それから、せっかちというのは、実は、アナウンサー試験で、短所を答えてくれというふうに言われまして、そのときに答えたものなんです。
そのときは、「改札を出てから家に着くまで10分あるんですが、もうそのときから鍵を出しているほど、せっかちです。そんな荒木真理子です。ただ、このせっかちな部分は、仕事を先回りする、スピード感ある仕事についていけるのではないかなと思っております」というふうにちょっとプラスに変えて、短所を言ったというきっかけがあります。
ですのでみなさんも、書き出した特徴の部分に、何年間やってるのか、何ヶ所行ったのか、あとは、どんな成績を収めたことがあるのか、具体的に数字で入れてみていただきたいなと思います。どうせ考えなきゃいけないんだったら、今考ちゃいましょう。そんな感じです。時間がもったいないので、考えていただければなと思います。
昔、イナバ物置のCMがありまして、「100人乗っても大丈夫!」って言って、物置の上に100人乗ってるんですけれども、あれも100人乗っていて、その絵柄があるだけでもすごく想像つくんですよね。数字を入れることで、簡単にキャッチコピーになるわけです。
では、このステップ2の番外編、ちょっと発展形をご紹介したいと思います。
これ、私が出産したときのネットニュースです。ちょっと恥ずかしいんですけれど、「色っぽすぎるお天気キャスター荒木麻里子さんが、第1子出産」となってまして。
色っぽすぎるお天気キャスターの異名を持つって、「持ってたのか!?」って感じがするんですけれども(笑)。どうやらネット上で、色っぽすぎる気象予報士みたいな言い方をしていた方がいたようです。
この話を、あるとき、ちょっとネタにしたんです。報道ステーション出てました、Jチャンネル出てましたって言ってるんですけど、「色っぽすぎる気象予報士なんて言われてます」って言うと、なぜか名刺に色っぽすぎる気象予報士とメモを取られたりとかするんですけれども(笑)。
なぜ、そこに人は惹かれるのか? これをちょっと紐解いてみましょう。
実は、どうやら人は、意外な言葉の組み合わせが大好き。印象に残る、という法則がありまして。色っぽいという言葉と、堅い理系の資格である気象予報士、この組み合わせはけっこう印象に残るんです。
それから、実は、この本の帯にも入れました、「あがり症アナウンサー」。あがり症ではあってはいけないアナウンサー、この意外な組み合わせですね。
そのほかにも、世の中にはこういった言葉が溢れているんです。例えば「ツンデレ」。ツンツンしてるのとデレーっとしている、ツンデレという言葉。あとは、「ブサカワ」とか「細マッチョ」とかもそうですよね。
「世界中が敵に回っても、僕は君の味方でいるよ」というのも、実は、相反する言葉だったり。あとはオリンピックの白井健三君の言葉で、「世界で一番心臓に悪い日が、世界で一番幸せな日になった」とインタビューで答えてるんですけれども、やっぱり新聞はこういうの好きですよね。翌日の紙面を飾っていました。
ですのでできれば、相反する言葉を組み合わせてみて、印象に残るような自己PRができるといいですよね。合コンに行っているのであれば、例えば、「照れ屋の合コンマスター。仕切るのは得意ですけれども、美人の前では緊張します」と、ちょっと言い訳を入れてみたりとか、そういったことも使えるんじゃないかなと思っております。
この組み合わせ、ちょっと思いつくのに時間がかかるので、ここは宿題にしたいなと思います。
続いて、実際に作ったキャッチコピーを、みなさん、携帯電話に保存しておきましょう。いつでも見られるようにしておきましょう。そして、例えば、電車の移動時間とか、それこそこういう講演会で始まる前の待ち時間とかに、ブツブツ練習しておきます。
私はよく風邪予防のためにマスクをしていたんですけれども、そのマスクをしていたことで、ブツブツ電車で言っていても、あまりばれないという効果もありました。
それでいざ、自己紹介するシーンです。「はい、では一言ごあいさつをお願いします」、「一言、自己紹介をお願いします」って言われたときには、今日だったら3つですね。3つの中から、その場に合ったものを1つだけピックアップします。
3つも欲張ってはいけません。1つだけピックアップします。ピックアップするものとしては、先ほど申し上げましたが、相手が必要とする情報を、できれば選んでいただきたいなと思っています。
さあ、最後のステップですけれども、それをそのまま話せばいいのかというと、最強の自己紹介にしたいので、ちょっと大人のたしなみを加えたいと思っております。
自己紹介のサンドイッチをするんですね。前振りと、後締めの言葉を付け加えます。ここに先ほど考えたキャッチコピーを入れていただきます。
この前振りが、その場に合ったものです。例えば、招待していただいたんだったら、「本日はお招きいただきましてありがとうございます」、キャッチコピーを言って、「最後まで楽しんでいただきたいと思います」みたいなかたちでやっていきます。
例えば、そうですね。今日、下で本を買っていただいたのであれば、「今日は下で本を買ったら、偶然講演をやっているということでやってきました。パソコン5台を目の前に普段仕事をしてます。人前が苦手な○○です。ただ今日は、自己紹介を身につけて帰りたいと思います」。
みたいに、ここはいつも同じことをしゃべっていても前振りと、後締めをちょっと考えれば、急にアドリブが利く。そんなふうに思ってもらえるという特徴があります。
これ、最初から全部考えるとけっこう大変なんですけど、キャッチコピーを事前に用意できているのであれば、前振りと後締めだけ、当日考えればいいということになります。
「ありがとうございます」「よろしくお願いします」だけでもいいと思います。ここがあるということが重要だと思います。
ここまで大丈夫でしょうか?
では、これだけ準備しても、「でもやっぱりダメだよ」「苦手だよ」という方のために、あがり症対策をご紹介したいと思います。
まず一番は、こまめに練習することです。みなさん、驚くほど練習をしないですよ。というか、練習すると思っていないです。ただ、アナウンサーって、ペラペラしゃべっているように見えて、実は、下準備のプロなだけなんです。ずっと練習を重ねて本番を迎える。そして、場数を踏んで、しゃべることを日常にしているだけです。
ですから、みなさんも、携帯電話を見て、ブツブツ、10秒間だけでいいので、こまめに練習してください。
すると急に、「あ、じゃあ、一言ごあいさつを」と言っても、必ずスッと言葉が出てくるようになりますし、「あ、名刺交換お願いします」というときも、自分のキャッチコピーを言うことができるようになります。
それから2つ目、完璧主義をやめてください。私は、これに気づくのが遅くて、失敗したんじゃないかと思っています。
アナウンサーになるまでは、もう本当にきっちり話せないと嫌だなと思っていたところがありまして、放送原稿も、てにをは1個間違えただけで、「あ~間違えた! どうしよう、どうしよう」って、次からもうまったくグチャグチャと崩れてしまっていました。
そういうことがありましたので、もう完璧主義をやめます。本番直前になったら、「ま、いっか。ここで失敗しても死ぬわけじゃないし」くらいの精神でやると意外に成功します。ただ、練習だけはちゃんとやってください(笑)。
それから、同じような内容ですけれど、背伸びするのはやめましょう。うまく見せよう、よく見せようとすると、だいたい失敗します。等身大の今ある自分で十分です。そこで勝負してください。
それから、意外に重要なのが、本番前に他の人に聞いてもらうことです。今、携帯電話の中にちゃんとキャッチコピーや特徴を書けた方は、それをぜひ身近な家族、友達に聞いてもらってください。
「なにやってんの?」と家族にバカにされたりとかして恥ずかしいんですけれど、でも、本番で恥をかくのか、家族の前でちょっと恥ずかしい思いをするのかっていうと、やっぱり本番で恥かくほうが大変なので、なるべく聞いてもらってください。
そうすると、「あの人が大丈夫って言ってたから」というふうにお墨付きをもらったことで、急に自信が湧いてきます。事前に、ちょっと恥ずかしいですけれども、身近な人に聞いてもらうようにしましょう。
それから、大変なようで、けっこう使えるのが、視線を誘導するという作戦です。先ほど、例えば私が、こうやってストップウォッチを掲げていました。するとみなさん、ストップウォッチで本当に10秒かなぁと、見るんですよね。その瞬間、私のことを見ているのではなく、ストップウォッチを見ます。
だいたい緊張する理由っていうのは、みなさんが自分のことを見ているときです。それがすごく緊張する原因の1つじゃないかなと思うんです。なにか小道具を、簡単なものでもいいから使うと、意外に視線を逸らすことができて、緊張が緩和されるパターンが多いです。
例えば、結婚式のスピーチを頼まれ、スピーチをそのままするときにも、「これは新婦との思い出の1冊の本です」っていうふうに見せると、「へ~」っていうふうに、見てもらえますし、ちょっとプロっぽい技かなというふうに思ってもらえるところかなと思っています。
それから、最後、対処法を知っておく。あがってしまって、「あ~もうどうしよう!」って1回失敗すると、本当に大変なことになりますので、対処法を知っておくだけでも、リカバリーできます。
あがり対策法としては、大まかに2つお伝えしたいと思います。
まず1つ目が、繰り返すこと。これは、この226ページにも書いているんですけれども、みなさん、テレビで速報ニュース聞いたことはありませんか?
「速報です。先ほど関東地方で震度4の地震がありました。先ほど関東地方で最大震度4の地震がありました。」というふうに、繰り返すんですよね。
実は、この繰り返すのって、重要な情報なのかなって、受け手はもちろん見ているんですけれども、重要な情報ではあるんですけれども、実は、情報がないから困っていて、そこを埋めているだけにすぎないんです。
だけれど、それを繰り返されることで、みなさん見ている方は、「あ、ここ重要なんだ」っていうふうに勝手に認識してくれる。ですから、もし、真っ白になってしまって、全部忘れちゃったっていうときは、重要なポイント、もしくは、例えば、タイトルとかを繰り返す。それを、1つ戦法として持っていてほしいなと思います。
例えば、「ということで、いかにあがり症であるかということをお伝えしているわけですけれども」と言ってる間に、メモを見ればいいんですね。そんなふうに繰り返して、その場をしのぐというのが、1つ対処法です。
繰り返すことも忘れてしまった場合は、もうぶっちゃけちゃってください。「あれ? 3つ用意したんですけど、2つ忘れちゃいました。ちょっと見させてください」って、それでもいいと思います。そうすると、急に場の空気も和んできて、緊張感もだんだんソフトな感じになってきますので、1つ、それも手じゃないかなというふうに思っております。
ただ、私がここでお伝えしたいなと思うのは、どんなにあがってしまっても、話し方が拙くても、情熱を持って言ってください。これは必要な情報ですよというふうに言えば、伝わります。せっかくですので、10秒に魂を注いで、お話をしてほしいなと思っております。
最後になりますが、今日は女性のお客さんも多いので、ちょっとお話をしておきたいなと思うことが1点あります。この本を書いたきっかけでもあるのですが、ちょっと子育て中の女性のキャリアについて、おまけで話をさせてください。
私は、テレビ局に16年勤めていました。夜は3時まで働くこともあれば、朝2時半に出勤してくださいと言われるときもありました。母親になってから、その環境にすぐ戻れるかというと、残念ながら第一線に戻ることは難しいと、思いました。
それから今は、保育園事情もありますよね。私は、保育園入園の希望を出しに行ったときに、区役所に、「はい、42番目ですね」というふうに言われました。1人枠に42番目。そんな環境もありますので、なかなか子育てしながら、仕事をしていくっていうのは難しいことだなというふうに思います。
そこで、なにか両立できる仕事の仕方がないかなと思って、書いて、伝えるということを、1つ手段として選びました。私の周りには、SEでバリバリ働いたあとに、料理の趣味で仕事をしている方もいますし、大企業の管理職だった方が資格を取って独立したという方もいます。
今やりたいことができなかったとしても、過去の延長線上の仕事に限らず、未来の自分から逆算して、なにかやりたいこと、やれることを探すのも1つの方法じゃないかなと、女性のみなさんにも伝えていきたいなと思うところです。
そんな思いを伝えたところで、今日の講演会のまとめとさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
(会場拍手)
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