2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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菅原弘暁(以下菅原):改めて松尾さんよろしくお願いします。
松尾彰大(以下松尾)氏:よろしくお願いします。
菅原:「ぶっちゃけ採用オウンドメディアってどうなの?」というタイトルでやらせていただきますが。先ほどお話しさせていただいた通り、PR Tableでは採用広報について質問をいただくのが多くて、けっこう人事の方とお仕事させていただくんですが、「採用オウンドメディアやりたいんですよね」とご相談させていただくことがとても増えてきました。
その時によく聞かれるのが「メルカリさんがどうやっているのか」とか、あとは「採用オウンドメディアって効果があるのか」とか、「どうやって始めればいいのか」とか聞かれるので、ちょっとこういう会を催させていただいたという運びでございます。
簡単に私のプロフィールをご紹介させて頂きますと、元々オズマピーアールというPR会社にいまして、最後の1年間は博報堂のPR戦略局というところに席を置いていて、それこそ企業の謝罪会見とか官公庁案件とか重めの仕事もやっておりました。あと事業会社で広報・ブランディングをやって、一昨年の秋からPR Tableにジョインして、今100社以上のストーリーコンサル、300本以上のストーリー編集ということをやっております。
繰り返しになりますが、今日のテーマはこれ(「ぶっちゃけ採用オウンドメディアってどうなの?」)でございまして、「採用オウンドメディアやりたいんですよね」という時に「メルカリってどうやってるんだ」「よく毎日更新できるな」「どういう具合にやってるんだ、教えてくれ」と言われるんですけど、僕はメルカリの人じゃないので、当然知らないと。
(会場笑)
じゃあいっそのこと中の人に聞いてみようということで、今日松尾さんに来ていただいています。では松尾さんに自己紹介していただければと思います。
松尾:どうぞよろしくお願いします。メルカリの松尾です。メルカリには去年の3月に入ったので、もう少しで1年経ちますね。所属はHRグループです。仕事としては採用というのが一番の重きに置かれていて、私はメルカリのプロダクトメンバー、職種で言うとエンジニアだったりデザイナーだったりプロデューサーだったり、その辺のメンバーの採用に携わっています。
それプラスアルファでメディアの運営をしているというところで、メルカンというのをやっています。
菅原:メインは採用実務のほうですね。
松尾:そうです。使ってる時間もリクルーティングが一番多いですね。
なんで人事がこんなメディアをやってるんだというところなんですけど、僕は元々エン・ジャパンという会社に新卒で入りまして、その時に営業で採用されたはずだったんですけど、なぜか企画側のほうに配属になりまして、プラスアルファで会社もやったことが無いメディアに1から携わる機会に恵まれて、編集経験を積んだというところですね。それが「CAREER HACK」というWeb・IT業界向けのメディアでした。今も継続して運営しています。僕がいた時とは全然違うものになっていますけど。
菅原:どうですか、松尾さんがやられていた時にどういうことを気を付けてやっていたんですか? ポリシーとか。
松尾:「CAREER HACK」ですか? 当時は基本的には内製主義というものを僕の前の編集長から引き継いでやっていて、なんて言うんですかね、フロー型かストック型かとよく話題になるじゃないですか。その時にやっぱりストック型として……、目先のバズを生むのはその時は気持ちいいんですけど、本質的じゃないよねっていうところで、1年後、1年半、2年経っても読みごたえのあるキャリアについての話というのを主軸に置いたメディアをやろうというところを意識してやっていましたね。
菅原:なんでまたメルカリに入社をされることに決めたんですか?
松尾:私のキャリアはちょっと特殊だと思うんですけど、インターネットど真ん中の事業会社に行きたかったというところと、会社のなかに好きな人がたくさんいて。あと本音を言えば、職種的にメディアだけで食っていけないなと。自分のキャリアを作っていく上でも。編集系のキャリアから逃げて都合のいいところをとって、HRプラスその会社の中でも求められることというか、自分が自信を持ってできる仕事を今やっているっていう感じです。
菅原:なるほど、ありがとうございます。
松尾:そもそもメルカンってなんなのっていうところで言うと、オウンドメディアと言えばオウンドメディアなんですけど、一応定義としては会社のコンテンツプラットフォームでありたいよねという話をしています。スタートしたのは昨年の5月です。なので、入社して2ヶ月ちょっとでリリースしたかたちになります。コンテンツとしてはインタビューとかPodcastとかブログだったりとか、あとは広報が毎日更新するものであったり、というのを中心に構成しています。HRとPRと総務等々を中心に運営されていますね。
菅原:社内的な呼び方としてメルカンってなんて呼ばれているんですか? 外からだと「採用オウンドメディア」とか言えると思うんですけど。
松尾:……メルカンですよね。
菅原:プラットフォームとかメディアとかでもなく、メルカンとして?
松尾:そうですね、メルカンっていう。
菅原:それぐらい社内で浸透してるってことなんでしょうね。ありがとうございます。ここから、「ぶっちゃけどうなの?」というところを順次聞いていきたいなと思っておりますけど。
松尾:なんでも喋ります。
菅原:事前にみなさんから頂いた質問を元に構成しております。最後に質疑応答を残しておりますので、ちょっとこれ聞いてないな、まだ聞きたいなと思うことがあったら挙手お願いします。
早速ですが、「採用オウンドメディアってなにから始めればいいの」と。そもそも誰がやろうよと言い出すのかというところですけど。そもそもなんでこれ「やろうよ」となったんですか?
松尾:僕、入社前に今の上司でもある取締役の小泉とただ朝ご飯を食べている時に、「もし松尾さんがメルカリ入ったらなにする?」って言われて、普通の会社だったら絶対やらないんですけどメディアやりますね、って話しました。それが結果、今に繋がっています。
どうして「普通の会社だったら絶対やらない」と言ったかというと、僕も前職時代からいろんな会社さんから、どうやったら「CAREER HACK」みたいな記事を書けるんですかとか、こういうの自社媒体でやりたいと思っているんですけどって相談受けるたびに、「基本やらないほうがいいです」ということを伝えていたんですね。効果なんてほとんど見えないし、お金とか都合のいい換算しないと生き残れないし、本当に辛かったんです。
だから、「普通の会社だったらやらないです」と。ただメルカリの当時のステータスであったり業界の注目度、第三者から見ても、中にいる人の期待値だったり成長値と差別化要因等々を考えたら、自社で媒体持ったほうが絶対いいと。
黙っていても取材されるような会社にどんどんなりつつあったんですよね。となったら、会社の情報が1つにまとまらなくなってくる。で、候補者の方だったりいろんな方に(情報が)「出たよ」って案内してもそれは全部アンコントローラブルなものなんですよね。メディアが消したら消えるし。というところで、その情報をある意味、社内的にも持っておきたい、コントロールできるようなものを持つべきだという思想からオウンドメディアみたいなことをやろうという話になりました。
菅原:なるほどね、きっかけはそっちだったんですね。
松尾:そうです。それがまず第一ですね。そうじゃなきゃやりたい、やるべきなんて絶対言わないです。
菅原:なるほど、ありがとうございます。実際にその思想を持った時に、じゃあどういうところから手を付けようかとか、どういうふうに始められたんですか?
松尾:前職時代に、企画から全部自分でやって、自分で取材依頼して、自分で取材して、自分で写真撮って、自分で記事書いて、校正して写真の加工もして、リリースまでする、みたいなかたちで全部やる経験をさせてもらえていたので、少なくとも本数は、僕ががんばればなんとかなることはわかっていました。ただ企画の面に関してどこまでの温度感でいけばいいのかっていう点は本当にゼロからだったので、まず企画を作ってみるところと、メディアの側としての開発、ディレクションみたいなところを同時並行でやっていきました。
菅原:なるほど。今いろいろな会社さんが採用オウンドメディア始めようとか、自分たちのオウンドメディアを始めようということ自体が、ほかの媒体から取り上げられないから自分たちで発信しなきゃっていう。メルカリさんの場合逆で、ある意味黙っていても来てくれる仕組みになりつつあるから、まとめないとよくないよねと。
松尾:そうですね。特殊なケースだと思います。
菅原:逆ですよね。
松尾:はい。なので質問に「採用オウンドメディアってなにから始めればいいの」というと、後の質問にも繋がっていくかもしれないんですけど、このメディアってそもそもコンテンツっていう枠、要するに他社から取材されるっていうのはほかのメディアからコンテンツとして消費されるっていう意味なんですよね。
採用オウンドメディアをやるっていうのはメディアを自分たちで作っていくっていうことなので、そもそも中に入れるコンテンツを作る力がない、もしくは継続的に作れないとメディアとして成立しない、プラットフォームとしても成立しないので、まずはコンテンツを自分たちで作ってみる、作れるのかっていうところが大事なのかなと思ってます。
菅原:話が逸れるんですけど、最近すごい感じるのは、メルカリさんの場合は全部内製でやっていると思うんですけど、外部のライターを使う時もけっこうライターってメディアが続くかどうかって見ていると思うんですよね。お金の問題じゃなくて、ちゃんとこの人たちやり切るのかとか、最悪ライター離れた時に中の人がやり切れるのかとか、それも見ているなと思っていて。
うちも1年半ぐらい、メディアでのプラットフォームですけど続けてきて、ようやく振り向いてくれたライターさんがいたりとか、けっこう試されていたんだなというのは最近感じますね。そういう意味ではやっぱ中で書けるとか、やり切る意思を示すということはけっこう大事なんだなというのは感じますね。
松尾:そうですね。なんだかんだやっぱりお金で解決できることってたくさんあって、1本いくらだとか、どれくらいの期間でどれくらい。そもそもそうやるとまた効果がなんだかんだみたいな話にどうしてもなると思うんですけど。クオリティーは一旦置いといて、書く気概があるかどうかがそもそも大事なのかなっていう気はします。
菅原:ありがとうございます。では次に進めさせていただきます。あ、ちなみにこれログミーに公開しますんで。
松尾:あ、ログミーいるんだ。
菅原:そうなんです。で、WANTEDLYとか採用広報ツールと言われているものとの住み分けをどうするんだと、これもいろんな会社さんからよく聞かれることですね。とくに自社グループだったりとか、広報グループ・人事グループそれぞれ乱立しているじゃないですか。こういった住み分けをどうされているのか。この辺はどうですか?
松尾:メルカリの場合をまずお話しすると、あんまりこれ表に言わないし本当にできるかわからないんですけど、そもそも今のWANTEDLYでのメルカリのポジションで言うと、多分フォロワー数がダントツなんですよね、全企業の中で。なのでメルカリがWANTEDLY上でなにかしら露出をすれば、多くの方に見てもらえる環境はあります。、そこから実際採用にも繋がっているし、ブランディングにも繋がっている。
ただ、これって結局僕らはプラットフォームに乗っかっているっていうだけなので、あんまり気持ちよくないんですよ。いずれWANTEDLYに頼らなくても自分たちで全部できるくらいブランディングしなくては自分自身にプレッシャーを与えているし、候補者の方からもWANTEDLYで話を聞きにきたいとか、そういうアクションじゃなくて、僕らの主催するイベントとかに自分たちで来てもらうとか。もしくはこっちから振り向いてもらわないと来ないんじゃなくて、もう直接応募で受けに来てくれと。それぐらいの温度感を持ってブランディングしていきたいなっていうのが、いつできるようになるかわからないんですけど。それでメルカンもやっているというのが、まず1つですね。
菅原:なるほど。けっこう他社のプラットフォーム、言わば、デパートの中にテナントがたくさん入っているようなものと、本当に自分たちで路面店を出しているかの違いかなと思うんですけど、能動的に来てくれる人とか、いわゆる転職潜在層みたいな方ですよね。そういうプラットフォームではなくて直接来てくれる人の方が多いですよね。
松尾:そうですね。それこそ「僕がいるから」とか、「こいつそう思っているから」とか、そういう話じゃなくて、メルカリってこういうことがなんでできるかっていうとやっぱりプロダクトがすばらしいし、会社としての思想もすばらしい、僕が言うのもなんですけど、やっぱり本当に思っているんですよね。だから差別化要因にそもそもなっていて、その採用を強化するっていう意味合いでこれを今やっているっていうのが正直に申し上げるところです。
菅原:その思想の1つが「Go Bold」とか、そういうところですよね。そこをちゃんと打ち出していけばとるべき人材だったりとか届くべき人には届くであろうと。
松尾:逆に言えばメルカリもメルカンもやる前はWANTEDLYをすごく、今でもすごく活用していますけど、めちゃくちゃやっているんですよ。フィードとかもちゃんとメンバーがさぼらずにやったり、新規募集記事でABテストをしたり、HR自身もABテストをすごくやって、そういった取り組みの上でやるっていうのがやっぱり大事なのかなと思っています。僕もよく「メディアやりたいんです」「コンテンツ作りたいです」って言われた時に答えるのは、じゃあまず「WANTEDLY上でやるのが一番ですよ」って必ず言います。
それはなぜかというと、その記事を見たら会社も知れるし、会社のフィードのコンテンツになるし、フィードの利用料がかからない。募集への導線がそもそも整えられています。なので自分ががんばればできることですよね。なので、それをやれるか、週何本でもいいのでまずルール決めて3ヶ月ぐらいやってみるとか、ネタが切れるんだったら止めてみるとか、そういうアクションを最初にやる場としてはWANTEDLYっていうのはすばらしいプラットフォームだなとは思ってます。
菅原:そうですよね。けっこう、画像を変えるだけとかタイトルを変えるだけで反応が違いますもんね。あれでしっかりPDCAを回せたらまず第1段階っていうところですかね。ありがとうございます。
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