2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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石井リナ氏(以下、石井):次に、Snapchatの海外での利用状況を兵頭さんからお聞かせ願えればと思います。
兵頭陽氏(以下、兵頭):はい。先ほど紹介があったので簡単にですが、アクティブユーザー数はかなり増えていますね。ダウンロード数でいうと3億ダウンロードを突破しているので、日本人口全員×3ぐらいの方が使われていると。
場所でみると英語圏が多いので、いわゆるランゲージバリアがないところ、母国語が英語の方が活用してることが多いです。ユーザー分布も先ほどと同じですね。ミレニアル世代がかなり使われています。
SNSの利用頻度・状況なんですが、今アメリカではTwitterが、日本でいう“オワコン”というかたちで言われていまして、もう利用する人がかなり減っています。逆にSnapchatが伸びてきている状況です。
私もふだんはアメリカで働いているんですけれど、新しく入ってくる従業員とか大学生、30代までの人は本当にSnapchatを、みなさんダウンロードしていて使っている状況になっています。
広告の観点、マーケティングでどうやって海外で使っているかを簡単にご紹介させていただきます。広告枠でいうと、こちらSnapchatさんが公式に出している公式名になるんですけれど、Discoverのところと(Live)Storyのところ、あと先ほどもご説明があった写真のところが2種類あって、(Sponsored)Lensesと、Geofilters。4種類あります。
Discoverが、FacebookのページやTwitterのハンドルと同じような使われ方なんですけれど、メディアがSnapchat内に自分のSnapchat枠を設けて、定期的に発信をするという使われ方をしています。
Discover内の広告でいうと、だいたい4~8枚ぐらい、Discoverの各メディア内で横にスワイプできるんですが、その中の真ん中、(スライド)下でいうと黄色のところです。Adと書かれているところに、10~15秒の動画が流れるような仕組みになっています。
広告の効果としてよいのが、ヴァーティカル。縦型といわれてるメディアなので、視認性がスマホ内では1番大きいというところで企業からは注目されています。Snapchatさんの広告収益の大部分が、このDiscoverの広告になっています。
Live Storyも同じようなかたちになるんですが、企業色が強い広告よりもユーザー同士が投稿するものになるので、ネイティブアドに近しいようなものです。ユーザーが投稿しているかのようなフォルムでアドが出てくるので、いわゆるネイティブアドといわれるやり方をしています。
(Discoverと)同じように、4~8枚のスワイプの間に、真ん中あたりにアドが入ってきます。基本的には10秒以内の動画が入ってくるようなかたちになっています。Storyなので、24時間で消えてしまうんですね。なので、フラッシュマーケティングの延長線上で使われる企業さんが多いです。例えば、「今日Live Storyの中のアドを見て、そのアドを踏んでLensesを撮ったら10パーセントオフです」みたいに、時間的に限定をする広告で使われることが多くなっています。
Lensesに関しては、先ほどあったように自分たちのフィルターを使って、企業のブランディング、認知施策をしたりしています。Lensesを作っているのはSnapchatさんではなくて、Snapchatさんのパートナー会社のクリエイティブエージェンシーさんが作っているんですけれど、だいたい3日とか5日で作ってしまうんですが、かなりクオリティが高いですね。
(スライドを指して)オリエンテーションといいますか、こういうかたちでイメージを伝えるだけで、例えば、1番右の虹は「気分がハッピーになるようなLensesを作ってください」と言うと、3~4枚候補が上がってきて「じゃあ、これを選びます」みたいなかたちで、Snapchatさんとパートナーのクリエイティブエージェンシーさんと話をしながらLensesを作るというフローになっています。
Geofiltersは、限定した場所だけで出てくるLensesという認識をしていただければと思います。例えばStarbucksさんだとシアトルにStarbucks 1号店があるんですけれど、シアトルのStarbucksでLensesを撮った写真を店員さんに見せれば20パーセントオフとか、そういう使われ方をしています。以上、大きく4つが広告枠になります。
石井:ありがとうございます。次に、松村さんからお話をお願いいたします。
松村淳平氏(以下、松村):うちでやっている「Snapchatters JAPAN」の紹介になります。国内初のSnapchatのユーザーグループというのものになっています。
「なぜ始めたのか?」というところなんですが、そもそもうちの会社ではユーチュバーとかインスタグラマーを活用したインフルエンサーマーケティングをけっこう長くやっていまして、そのなかで先行者メリットを痛感したと……。
ここは笑っていただくポイントだったんですけど(笑)。
(会場笑)
本当に早めにやっていくことが、強みだなと思いまして、そう思っていたところ、2015年末あたりから、スライドの上の方に出ているような著名人の方々がSnapchatをかなり利用し始めました。
さらにこちら、アプリのダウンロード数の推移をみて見たところ、年末からすごく増えていまして。
さらに、Googleでのワードの検索数も去年の年末から一気に増えてきたというのを見まして、今年「Snapchatters JAPAN」を設立したという背景です。
この「Snapchatters JAPAN」、うちの組織でどんなことをしているのかと言いますと、まず1つがプロダクションです。YouTubeだったらHIKAKINさんとか、Vineだったら大関れいかさん、MixChannelだったらまこみなさんみたいな、各プラットフォームに対して「このプラットフォームといったら○○」という方が、やっぱりどのサービスもあると思うんですが、そういったところをSnapchatで作っていくということが、我々のプロダクション事業の1つです。
続いて、こちらはマッチングシステムを今、作っています。これはクリエイターマッチング・プラットフォームです。Snapchatを利用しているクリエイターさんがこのプラットフォームに登録していただければ、企業から仕事のオファーがきたり、ほかのクリエイターさんから「コラボしましょう」という連絡がきたりするプラットフォームです。
3つ目がミートアップイベントです。これは、インスタグラマーとかもよくやっているようなユーザー同士で集まるミートアップイベントを開催しています。
4つ目が、先ほどもいろいろ紹介があったとおり、Geofiltersというものがあるんですが、こちらの制作をしています。料金は、規模とどれくらいの範囲でやるのか、どのくらいの時間でやるのかによってかなり変わってくるんですが、それを作った上で使用数とか視聴数というものが出るので、それをレポーティングして出しています。
5つ目、アカウントの運用代行もやっています。こちらは、企業の方で「Snapchatでアカウントを作って運用してみたいけど、なにをどうすればいいかわからない」という方が多いので、コンセプトのメイキングから入って、こういったかたちの運用をやっております。
うちのけっこう特殊なところは、スナップチャッターとして登録してくれた方を社員として採用しているところです。スナップチャッターという社員枠があるみたいな。そういう方たちの意見を取り入れながら、ユーザー感覚を持って、そういう人たちにどんどん運用してもらう。さらに、うちに所属しているインフルエンサーが、アカウント上に出てくれたりするといったものです。
最後、こちらはコンサルティングで、「Snapchatのアカウント作るまではまだいかないけれど、でもいろんな話を聞いてみたい」みたいなところに、うちのスナップチャッターを週1で連れて行ってコンサルティングするということもやっています。以上、このようなことをやっております。
石井:ありがとうございます。次に、事例紹介に移りたいと思うんですけれど、まず最初に私から2事例、お話させていただければと思います。
こちらは日本の事例をお持ちしたんですけれど、日本で今、Snapchatをちゃんと……、「ちゃんと」という言い方はあれですが、しっかりと運用している企業は本当に少ないんですけれども、なかでも早かったのが『ELLE Japan』さんだと思っています。私がやっているメディア「COMPASS」でもインタビューさせてもらったんですけれど、Snapchatのプロモーションをしていたので、どうされたのかというお話を聞かせていただきました。
(スライドを指して)これはSnapchatだけではなくて、Facebook、Twitter、Instagram、SnapchatというSNSの4媒体を横断したプロモーションでした。一応、メインの主軸はInstagramだったんですけれど、EXILEのAKIRAさんと一緒にタイアップをしていたプロモーションで、「ELLE MEN」というアカウントをELLEは作っているんですけれど、そこでAKIRAさんとデートする。それを1日密着して動画をあげていくプロモーションになっていました。
Instagramもオンタイムで時間通りにあげていくプロモーションだったんですけれど、Snapchatをどう活用したかというと、AKIRAさんはすごく人気がある方なので、「この1週間以内のXデーにSnapchatで撮影風景をすべて配信します」と。撮影している背景とかを全部撮られていたというような使い方をしていて、本当に24時間に近いかたちで、AKIRAさんをずっとSnapchatで配信していました。
すごいのが、まだまだダウンロード数が少ないなかで、「彼の姿をオリジナルコンテンツとしてSnapchatで配信します」という告知をして、Xデーがいつなのかわからないにも関わらず、1,000人ぐらいフレンド数が増えました。
次が、Walt Disney World(Resort)の事例です。これは、どのぐらい数が増えたかとか、フレンド数とかいうところの指標ではないんですけれど、海外にはすでにSnapchatアーティストと呼ばれるような職業の人たちがいるんです。(スライドを指して)このマイケル・プラトコさんという人が、たぶん1番有名なのかなと思ってるんですけれど、Snapchatの撮った画像とかの上にイラストを描かれるんですね。
もともと、彼は高校教師だったのかな。学校の先生をやっていたんですけれど、これが話題になってWalt Disney Worldから声がかかって。今はフリーのかたちで、Walt Disneyだったり、LEGOだったり、USのテレビ局だったり、いろんなところでイラストを描くことをしている方になります。
この方を採用することによって企業がどうなるのかというと、InstagramやTwitter、Facebookだとフィードに流れてくると思うんですけれど、SnapchatとかInstagramのStoriesはアカウントをタップしないと見てもらえないと思うんですね。
あとは、前の日とかの続きで見るというかたちになると思うんですけれど、「このアカウントだったら、いつもおもしろいことやってる」と期待感を持たせることも大事だと思っています。
なので、そういう意味でエンゲージメントをかなり深められた事例だと思っています。次、松村さん、お願いします。
松村:(スライドを指して)こちら、Snapchatの成功事例ということでご紹介します。海外の事例なんですが、僕が見ているかぎりSnapchatの中でかなり流行ったプロモーションかなと思ったものを1つ、ご紹介させていただきます。
これは、Taco BellのSponsored Lensesというものです。(スライド)左に出てるようなLensesが作れますよというもので、こちら、規模がものすごくて。このLensesの視聴数がまず2億2,400万も出ている。日本人口を超えるレベルで出ています。
さらに料金もめちゃくちゃ高いんですが(笑)、7,700万円~となっていて、詳細は明かされてはいないんですが、これ以上の料金がしていると。ですが、視聴単価で見ると2.9円ということになるので、高いか・安いかはもうわからないんですが(笑)。こういった規模のプロモーションができるということは、Snapchatのすごい強みだと思っております。
石井:ありがとうございます。
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