
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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木暮太一氏(以下、木暮):このテンプレップの法則を応用して、聞いてもらえる伝え方にするためにどうすればいいか。コミュニケーションというのは一方的に言えばいいというものじゃないですよね。
相手に反応してもらわなければいけない、つまり相手に聞いてもらわなければいけないんです。ただ演説になっちゃうと聞いてもらえないわけですよ。
これがプレゼンテーションと説明の大きな違いなんですが、先ほど、プレゼンのスキルと伝える力は違いますよという話をしましたけれども、なにが違うか?
プレゼンはこういう感じ、説明はこういう感じ。プレゼンテーションはいろいろ演出があったり、売ることが目的だったりします。伝えるということは、営業トークとかではなくて、内容自体を理解してもらうことが優先なんです。
いろんな違いがありますけど、一番の違いってなんだと思います? プレゼンテーションが得意でも伝えるのが下手な人っているんですよ。それはこの違いを理解してないからなんですね。その違いはなにか?
プレゼンテーションでは、今あなたがその場でその事を話すことに相手は同意しているんですね。だって今僕がここで話し始めて「えっなんでここで話すの?」って思わないですよね。同意してここに参加しているかならなんですよ。だからこの場では僕の話は聞いてもらえる前提なんです。
プレゼンテーションでも一緒です。内容がおもしろいとかつまんないとかいうのもありますけれども、まず話す人と聞く人で役割がもう決まっているんですよ。聞くのを合意して座っているんです。だからもう聞く耳は立っているんです。
でも、伝えるというのは日常的にいろんな場面で起こります。会議中もそうです。いきなり話し始めますよね。家庭で旦那さんとか奥さんに話す時もいきなり始まりますよね? 5時30分から私の発言のタイムです、とかないですよね。
(会場笑)
だからいきなり話し掛けるんです。その時には「今その話をしていいよ」っていう合意が取れてないんです。
合意というとちょっと言葉が強すぎますけど、話すことに対して準備してないんですよね。準備してないから聞いてないんですよ。
女性の方は旦那さんとか彼氏にいきなり話しかけるじゃないですか。でも聞く側はその準備をしていないから、パソコンとかいじっているわけですよ。もしくはテレビでも見てるわけです。
で、話し掛けられますよね。でも男は単純で1個のことしかできないから、テレビを見てたらテレビを見る時間なんですよ。
それでいきなり話し掛けられるから、「うん、うん、うん。んっ? うん。……うん?」みたいな感じになっちゃうんです。
(会場笑)
それは最初に合意が取れてないからそういうことになるんです。じゃあ合意を取るためにはどうすればいいか? はい、確認をするんですね。では、どういうふうに確認をするか?
先ほどのテンプレップの法則にしたがって話をしますと、まずテーマを伝えます。「これからこういう話をしますよ、いい?」「この場でその話をしていい?」って確認をするんです。これだけで相手の聞く態勢は整います。リアクションしないといけないですからね。一方的に話しかけても相手はリアクションしません。
「いい?」と言われたら、よければ「いい」って言うし、悪ければ「ちょっと後にしてもらいたい」って言うし。「いい」って言った時に聞かなかったら、それはみなさん怒っていいですよ。ですけど、とにかく確認をしてから話し始めましょう、というのが話を聞いてもらえる最大のテクニックですね。まずこれをやりましょう。
それから、これはぜひやってほしいという内容です。
後はテーマだけでいいというふうにお伝えしましたけれども、今日は女性のみなさんが多いので、男に話をずっと聞いてもらうための1つの法則というか秘訣をお伝えしたいと思います。
このテンプレップの法則って非常に男性的な話し方だとお伝えしましたが、男のなかではこれは非常にしっくりくる話なんです。というのは、男は話のなかに結論を求めているんですよね。
ビジネスでもそうですけども、やり取りのなかで結論がない話ってあまり出てこないんですよ。ずっと相手の話のなかに結論を探してるんです。
でも女性はただ単に雑談を楽しみたいとか、発言をしたい。僕の大学の後輩で「女子旅に行ってきた」っていう子がいて、「なんの話してたの?」と言ったら「聞いてない」って言うんですよ。「自分が別のことをしゃべって、相手の話は聞いてなかった」って言うんですね。
まあそれは半分冗談だとは思いますが、単に発言をしたいっていうか会話のキャッチボールというか、内容はどうでもいいからとにかく話す、というような目的で話すことも女性ではよくあると聞いています。
でも男はそのなかに結論を探しちゃうんですよ。女性は結論のない話をしてるでしょ? でも男はその話のなかに結論を探しているんです。でも結論が出て来ないんですよ。見つからないんです。だから最後、話し終わった時に「で?」って聞いちゃうんです。
あれ、悪気はないんですよ。探しているものがないから「で? なにが言いたいの?」って聞いちゃうんですよ。だから女性のみなさん、男性に話をおとなしく聞いてもらいたいと感じたとしたら、「結論がないっていう結論」を先に言ってください。
(会場笑)
「今から言う話は結論ないからね」って言うと、「お~そうか、聞いてりゃいいんだな」ってなりますから。
(会場笑)
とにかく、その結論がないのを最初から話してあげてください。「黙って聞いてくれればいいから」って言ってあげてください。そうすると黙って聞きますから。最後に「で?」って言わないです。これで家庭内不和を避けることができますから。ぜひこれはテクニックとして使ってみてください。
もう1つのテーマですね。自分の言葉を引き出す。わかりやすい流れで伝えるためには、「テーマから入っていきましょう」「テンプレップの法則に従ってやっていきましょう」というのはあります。
もう1つ、そのなかで使う言葉が自分の言葉じゃないと、「あいつ誰かから借りてきた言葉とかどこかで読んだことをずっとしゃべってるな」っていうふうに思われてしまいますので、自分の言葉でしゃべりましょう。
それで大事なことっていうかポイントになるのはこの2つですね。「感情に焦点をあてる」というのと「感情にグラデーションを付ける」ことです。
まずは正しいことを言わない、言おうとしないでくださいって話なんです。
自分の感情に焦点をあてればそれで自分の言葉は出てきます。よく「自分の視点で物事を見よう」とか言われることがありますけど、めちゃくちゃ難しい話なので、自分の視点とか自分なりの切り口とか、そんな難しいこと考えなくていいです。自分の感情を入れたところにフォーカスを当てればそれでいいんです。
僕はこれを子供たちに教えています。全国の小学校を完全ボランティアで回ってまして、作文の授業をやっているんです。もう交通費含めてボランティアですよ。大阪まで新幹線代自分で払って、作文の授業、1時間目から5時間目までやったりするんですよ。
大阪の小学校行って作文の授業やりますけど、作文の体はとっていますけど、要は子供たちが自分の言葉でしゃべれるように自分の言葉引き出せるように、どうすればいいかという授業をしています。
そこでなにをやっているかっていう話をするんですが、ちょっとその前に、大人は全然自分で感情を出せなくなってきているので、感情を出す練習をします。
今からここに単語が出ますので、それが好きか嫌いかを瞬時に答えてください。口に出してくださいね。例えばこういうものを出します。はいみなさん好きですか嫌いですか?
会場:好き。
木暮:そういうふうに言ってください。出しますから、瞬時に。考えすぎなくていいですから。はい、じゃあ次行きますよ。
(会場が回答する)
木暮:大人はいろんなものを気にして好き嫌いが言えなくなっています。本当ですよ。好きも嫌いも言わないほうがなんか波風立たなくていいんです。
あまり嫌い嫌いって発信する必要はないんですけど、好きぐらいは言いましょうよ。好きぐらいは言っても全然人を傷つけないしね。いいと思いますよ。そういう感情をまず出さないと、自分の言葉っていうのは出てきません。
まずは感情を出すこと、しっかり言葉にすることが自分視点を作ることになるんですよ。例えば僕、ビアガーデンが好きなんですけど、なんで好きかって言うと、その場で真っ裸になれそうな感じがするからです。
わかります? あの開放感。あんなふうにみんな立ち上がって乾杯するところなんてないですよ。つぼ八じゃあ立って乾杯しない。ビアガーデンだったらやるんですけど。そういうテンションの違いがあったりするから、ビアガーデンが好きだったりします。
あと僕、高い所が苦手なんで観覧車はすごく嫌なんですよね。あんなの開発した人って気が知れないです。
あんなのデートで行ったらもうそわそわしちゃってしょうがないですよ。上まで行ったら観覧車が吊られてるじゃないですか。これゴンドラをこうやって吊ってるじゃないですか。ここ(ゴンドラを吊っている部分)が取れたら、って思っちゃうんですね。怖くて嫌なんです。
そういう、なんで自分が好きなのか、嫌いなのかっていうのにも自分の視点が出てくるんです。まずは自分の好き嫌いを言葉にしましょう。
例えば今日、このちゅうつねサロンに来て、3人の話を聞いて、「ちゅうつねサロンどうだった?」って聞いても「うん、楽しかった」ぐらいしか出てこないんですよ。でも「教えたいことはなんですか?」って聞くとぜんぜん違うのが出てくるんです。
「今日この場に来てない人になにを教えたいか?」というふうに考えてみてください。教えたいことですよ。伝えたいことじゃないです。言いたいことじゃないです。教えたいことです。
この「教えたいことはなんですか?」という視点で世の中を見ると、今日の晩御飯もぜんぜん違うメニューになります。これから読む本もぜんぜん違う書評が書けます。
これを子供たちに投げ掛けるだけで、まったく文章を書けなかった子が原稿用紙1枚半書き上げるんですよ、1時間以内に。自分の感情をまったく出さなかった自閉症の子が一番に作文を書き上げて、僕のところに見せに来るんですよ。
自閉症の子って他人にあんまり接する勇気というか、そこがやっぱりハードル高いんですよ。ですけど、まったく知らない他人のおじさんに見せに来るんですよ、自分が書いたものを。そういう力があるんです。
この「教えたいことはなんですか?」というのをご自身に問い掛けてみてください。それができるようになると自分の言葉が出てきます。自分なりの視点が出てきます。それで会話ができるようになります。
なんで教えたいことって言ったらいいのかっていうと、難しいことも書きましたけど、要は先生になれるんですよ。ドヤ顔になれるんです。なんたって自分しか知らないことだから正解・不正解とかないんですよね。
で、相手が喜ぶんです。教えてあげたいことなんですよね、これって。教えてあげたいことは、相手の役に立つんです。相手がもう喜んでくれるとなると一緒にテンション上がりそうなことなんですよ。
「教えたいことはなに?」って言うと、自分のなかでそこに焦点が当たるんですよ。子供たちに聞いてみてください。子供たちのドヤ顔っていいですよ。本当に生き生きしてて。大人はね、おじさんのドヤ顔はちょっとうざいですね。
(会場笑)
そういうものを引き出せるのがこの「教えたいこと」という問い掛けなので、ぜひこれは使ってみてください。自分にもいつも使ってみてください。ぜんぜん違う切り口が出ると思います。
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