2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
第20回:「そもそもユーザーテストとは具体的にどうすればいいのか?」(全1記事)
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中山陽平氏:皆さん、こんにちは。ラウンドナップコンサルティング代表の中山です。今回のノンスペシャリストのためのWebマーケティングラジオは、前回の内容を受けましてユーザーテストというところですね。前回のPodcastをお聞きになっていない方は、まずは前回のPodcastを聞いていただければと思います。
普通にユーザーテストをやるのではなくて、ちゃんと競合というものを意識してやらないと意味がないですよ、というのが前回の趣旨でした。
今回は「そもそもユーザーテストってどういうふうにやるの?」というところのご質問をいただくことがありますので、一般的なやり方というものを、改めてお伝えできればと思います。
まず、ユーザーテストなんですけれども、どういう時に使うかというと、アクセス解析のデータってありますよね。ああいうものは数字になっている。つまり定量的なデータですけれども、それだけではどうしても解決できない部分があります。
例えば、滞在時間が短いのはそのページに興味がなかったからなのか、それともそのページがわかりやすくて全部吸収できたから「もうひとまず今日はいいかな」と思って去っているのか。
こういうものは定量的なアクセス解析のデータからはわからないですよね。頭の中にアクセスすることはできないので、わからない。ということで、そういうところを補完するために、定性的な分析が必要になってきます。
その中でおそらくいちばんメジャーなものが、ユーザーに実際に操作してもらいながらいろいろな気付きを得る「ユーザーテスト」というものです。
このユーザテストをどういうふうにやるのかなんですけれども、一言で言えば、「実際に使ってもらって、それを観察する」というところに尽きます。
やり方はいろいろあるんですけれども、本当に本格的にやろうと思ったら、アイトラッキング用のメガネみたいなものをかけて、実際にどこを見ているのかというのを解析する、なんていうことをやっているところもありますし。
ただ、そんなにごっついと言いますか、しっかりとやってしまうと、時間とかお金とかがかかってきますし、やること自体が大変になってしまいますので、もっと簡単なやり方を今回お伝えいたします。ぜひやってみてください。
ユーザーテストの流れなんですけれども、大きく4つですね、1番、2番、3番、4番という流れがあります。
1つ目は、お願いするテスターを探す、というところですね。2つ目が、テスト環境を整える。環境というのはパソコンを用意するとかそういうのもありますけれども、テスターの人に対して、どういうふうなインストラクションを行なうかというところも含まれます。
3つ目が実際にテストを行なうというところ。大事なところですね。それから4番目は、それをWebサイトにフィードバックする。フィードバックのほうは今回あまり深く触れませんけれども、大きくはこの4ステップになります。
では、まず最初の「テスターを探す」というところなんですけれども、まず、もちろんやってくれる人を探さなきゃいけないんですね。選ぶポイントは、もしペルソナを設定していれば、ペルソナにできるだけ合っている者、つまり狙っているターゲットユーザーとなるべく共通点が多い人を選んであげてください。
年代とか性別によって、行動、それから思考、考えてることとか好みというのはガラリと変わります。
とくに性別なんていうのは本当にクリティカルな問題なので、狙っているターゲットユーザーの性別がわかっていれば、それはきちんと合わせたほうがいいです。男女どっちもいるという場合は、両方とも用意しましょう。1人だけにやってもらうんじゃなくて、3〜5人ぐらいに少なくともやってもらいたいですね。
これ、結構社内の人間を使う場合が多いんですけれども、あんまりサイトに詳しい人、例えばWebマスターとか、そういう人はやめてください。また、その商品自体に詳しい人、たとえば実際売っている方ですとか、そういう方も避けてください。そうではなくて、全然違う部署の人とかだったら別に問題ないと思います。
これはやっぱり、お客さんになるべく近いタイプの人を選ぶっていう考え方ですね。
その後は実際にテストを行なっていきます。ちなみにテスト環境を整えるってところですね、その前に。
テスト環境というのは、一応パーテーションか何かで区切ったスペースに普通に一般家庭にあるようなパソコン置いて、それを後ろから見てメモをする。あるいはWebカメラか何かで後ろから撮るということや、スクリーンキャプチャのプログラムですね。例えばCamtasia(カムタジア)とか、そういったもので録画をする。これで十分です。
なので、家庭用のビデオカメラでもいいですし、それからスクリーンキャプチャー用のソフト、Macであれば「Camtasia for Mac」があれば、一通りなんとかなります。Webカメラをつけてスクリーンキャプチャーをすれば、実際にテストをしている人の顔や声も写りますし、実際に動かしている様子も写ります。
多分、Windows版のCamtasiaでもできると思います。これは本当に簡単なので、適当なもの選んでやってもらえればOKです。
じゃあ、その環境で実際にテストを行なう場合、まずポイントは2つあります。1つ目はテスターの人に「あなたはこういうものを達成したいんだ」というわかりやすい目標と、それから状況設定。例えば、急いでいるですとか、友達に頼まれているですとか、そういう状況設定をしてあげることです。
これをやらないと「なんだかよくわからないけれども、このサイト見てます、私」みたいな形になってしまいますので、あまり良い結果が見られない。
それから、頭の中で呟いたことまで口に出してもらう。でも、人間ってそんなに口に出さないですよね。あんまり出されてもうるさいだけなんですけれども。
でも、テストの場合は頭の中の声も出してもらわないと改善点がなかなか見つからないので、「あー」とか「うー」とか、何でもいいから。「あれー」とかそういう声でもいいので出してくださいというふうにお願いする。
それから、前回のPodcastでお話ししましたけれども、競合というものを意識したやり方をする。この辺りを押さえておいてください。だから、2つというよりは3つですね。
例えば、あなたはこういう家族構成のこういう立場の人で、どれぐらいの金額を使える人です、と。そういう中でこういう目的でサービスを探していて、そういうシチュエーションなんだけども、まずはパソコンで探っているところを見せてもらっていいでしょうかと。
検索か何かから始めてもらって。仮にこのサイトがあったとしても、テストを続けてくださいみたいな。もし検索結果に出ない場合はそういうやり方もいいですね。
それから事前のお願いとして、やっぱりお客さんって遠慮しますよね。テスターとして呼ばれた時に、なるべく相手の気持ち良いほう、相手が喜んでくれるほうにやろうという気持ちが働きます。なので、ちゃんとお願いしてください。
例えば「このサイトの悪いところを炙り出したいんで、思いついたことを文章にならなくてもいいんで、全部何でもいいので口に出してください。それが私たちのためになりますのでお願いします」と。これは明確にお願いしないとだいたい皆さん遠慮しちゃいます、絶対。
あるいは、10個以上悪いポイント見つけてくれたら何かあげますとか、そういうふうにしちゃうと、その人の言い訳ができます。罪悪感を減らすことができますので、そういう仕組みを入れちゃうのもいいですよね。
こうやって実際にWebサイトを探る、あるいはそもそも情報を探索するという行動を後ろからキャッチすることによっていろいろな気付きを得る。これからフィードバックというものを行なっていきます。
フィードバックについてはいろんな問題点出てくると思いますので、2つのキーワードだけ押さえておいて下さい。それは「ちゃんとプライオリティをつける」こと。それから「解決するまでの期限を設ける」こと。これが1つ目ですね。もう1つは、これはプライオリティと同じですけれども、もうやらなくていいものは諦めると。
人間が触りますと、想像しているものよりたくさんの問題点が見つかります。それぞれ全てをやっていると、もうそれだけで1年間が終わってしまいますので、その中で気づきがあって大きなものをまず改善して。それが終わったらもう1回テストをする。これぐらいでいいと思います。でないと、本当にデスマーチみたいになっちゃいますよね。
ということで、具体的なテストの流れというものを今回お伝えしました。やり方というのはもちろん企業によっていろいろありますし、やりながら「こういうふうにやったほうがうちの場合うまくいくな」ということがわかってくる場合もあると思います。
また、こういったものを遠隔ユーザーテストみたいな形でサービス提供もしているんですね。うちでも来年から取り扱いますので、もしこういう環境というものを構築できないという方がいらっしゃいましたら、ちょっと一声お掛けいただければと思います。かなり安く提供できるはずです。
今リモート遠隔ユーザーテストというやつですね。一般人の方に実際触ってもらう。これ、スマートフォンでもできるやつです。
そういったものを来年2014年から提供していきますので、興味のある方は今のうちからお問い合わせいただくと順番が早くなると思います。
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