2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
第34回:差別化や強みを出すなら「裏付け」もセットで(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
中山陽平氏:今回は差別化や強みを出すなら「裏付け」もセットでという話です。
ホームページ、Webサイトを作る時、必ず聞かれるであろうことは「他と何が違うのか」ということだと思います。そういうことをマーケッターや制作会社の人に聞かれることが多いと思います。
また自社でホームページを運営する時も「(お客さんが)他社ではなくなぜ自社を選んでくれたんだろう? どういうところが競合に勝っているのだろう?」ということを、皆さん必ず考えると思います。
そういうところを考えて、強み、差別化要因をいうものを出して、それをホームページ上に出しているということをやっているんだと思うんですね。
もちろんこれはとても大切なことだと思うんですね。
お客様が比較検討する際には、こういった「他とは違う要因」が書いていないとお客さんは判断ができない。
判断ができなければ、判断しやすい方を選んでしまうのがお客さんなので、必ず差別化や強みというものは出していかなければなりません。
ただ、その時に忘れてはいけないのが「裏付け」なんですね。
例えば、現実世界に置き換えてみてください。一般的な商品が、5000円くらいの価格帯の商品があったとします。それが2500円や2000円で売られていたとしたら、「あっ安いな」と思うけれど、「なんで安いんだろう」とも皆さん思うと思うんですよ。
例えば、漆のお椀を買おうとして「おお綺麗だ。これだったら普通5000円くらいするだろうな」と思って裏返して値札を見てみたら980円と書いていた。
そうすると皆さん「見た目はいいけれど、言っていることがダメなんじゃないかとか、素材として使っているものがすごく粗悪なものなんじゃないか」ということを疑いますよね。
ただ、そこに980円と書いていることの横に「こういう理由で少しだけキズが付いています」「ここが欠けています」「こういう理由で売れ残ったものです」と。「こういうものは商品価値がないので、どうしても一般的には売れません。だけどもったいないため格安でおろさせていただいています」というふうに書いていたら「そういうことだったら物はしっかりしていそうだから買おうかな」というふうに思うと思うんですね。
これがWebサイト上で表現する際にも重要になってくるんです。
これは価格という面でもそうでしょうし、それ以外のすべての強みや差別化についてこれは行なうべきです。
例えばスピードが命だとすると単に「他社より1.5倍の早さで納めることができるんです」というふうに書いていれば「スピードは早いけど品質は劣るんじゃないの」と思うと思います。
そうではなく「最新鋭の機械や仕組みを入れてそれを実現しているんだよ」ということを書いていたとしたら。
例えば「1.5倍のスピードでできる理由とは?」というコンテンツを作って、その中で「3年間にわたってこういう無駄を省くような改善を行なっていって、その結果こういうふうになって皆さんに同じ品質でお届けできるんですよ」ということを書いたり、「新しく機械を入れたので単純に早いんですよ」といってその機械の写真を載せたり。そういう裏付けがあると、ここはちゃんとしていてしかも早いんだなということが思ってもらえます。
この裏付けというものがとても大切です。
それ以外にも色々あります。
強みとしてはなんですかね。「当サービスの満足度は97パーセントです」と書いてあって、数字だけが一人歩きしても納得できないと思います。
例えば「一定の期間にテストをやった結果97パーセントだったんですよ、毎回アンケートをとって集計しております」と。
例えばアンケート、全部を公開するのは難しいかもしれませんが10枚、20枚公開して「良い評価をもらっているんですよ」というコンテンツを作って裏付けを出していく。こういうことを行なわないと、逆に差別化や強みということが「これってハッタリなんじゃないかなとか別の部分でマイナスなことがあるんじゃないかな」とか思われてしまいます。
もし品質を犠牲にして早さを追求しているというサービスだったら、それを正直に書いてしまった方が良いです。
例えば、「うちは2倍の早さで名刺を印刷することができます。何時までに入稿してもらえれば、何時までに発送します」ということがウリなんだったら、正直に「早さというものを一番に大切にしています。なぜならば品質が劣る名刺であっても渡した方がまだ良いですよね。名刺が足りなくて渡せないよりは、多少品質が悪くても渡せた方が次の営業につなげられますよね。だからうちはとにかく早く印刷しています」と。
「品質は少し劣るところがありますがスピードには特化していますのでそれらをお望みの方は、うちに依頼をしてください」というふうにポジティブに語るんです。
そういう形の方が良いです。お客さんを騙すのではなく、言いくるめるのではなく。
強みが誤解されないようにすること。その裏にもし弱みが発生してしまったとするならポジティブに伝えること。
こういった裏付けをすることでお客さんが納得してくれる差別化や強みというものがホームページ上、Webサイト上で表現することができます。
この辺り皆さん絶対に押さえといてください。
皆さんのホームページに書いている差別化や強みが納得感のあるものになっているのかどうかチェックしていただいて。これだけでは信じてもらえそうにないなと思ったとしたら、それを裏付けるような内容のコンテンツなり追加の文章なりをつけてみてください。
それだけで反応は変わってくるはずです。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには