2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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聴講者:バスルームの話は?
ジョエル・ピーターソン氏(以下、ジョエル):バスルームのはよく使われるテクニックですね。沢山水や食べ物を与えて、ただ話し続けるんです。プレッシャーを与え続けるんです。バスルーム休憩のテクニックはパワフルです。
ではレベルとは、何を意味しているのでしょうか? あるレベルに達しなければいけない。スケジュール、その通りですね。あるレベルに達するまで、ただ交渉を続けるんですね。
ゆっくり話し、事実を引っ張りだし、最後の瞬間に反対するんです。ちょうど相手がそのレベルに到達しようとしている時に、コロンボみたいに「もうひとつ」と言うんです。
これらの影響を受けたことがある人はいますか? どんな気持ちでしたか?
聴講者:常に能力がないかどうかを評価する必要があるものは悪い誓約でしょうか? 困難になり得るし、煩わしくもあります。
ジョエル:どちらにしても、どんな気持ちになりましたか? 能力のない人や、悪い相手に対して。
聴講者:時間の無駄だと思いました。
ジョエル:気分を害したんですね。
聴講者:そうです。
ジョエル:ほとんどの人はこれに気づかないんです。テーブルの反対側にいたら、「なんてこった。何が起こってるんだ。理解できないけど、これは自分に降り掛かってるんだ」と。
大抵の場合は、これらのテクニックにすぐ気づきます。それで腹を立てるんです。これらのテクニックでは決して合意は得られません。取引はできるかもしれませんが、関係を築き、解決策を創造するような、継続的で柔軟な取引にはならないでしょう。
しかしこれらのテクニックは、いつの時代も使われてきました。特に投資銀行にね。冗談です。
(会場笑)
聴講者:競合と取引する際によく使われたテクニックがあります。長い長い交渉の対立の中で、競合相手はまったく異なることを他の誰かに言い、自分が反対する時にされる説明は「申し訳ありませんが、分かりません」と。
ジョエル:真似ですね。あなたのすぐ後に不利益を与えるんですね。他のテクニックはありますか?
聴講者:我々は部屋に閉じ込められたことがあります。窓から這い出たんですが。
(会場笑)
ジョエル:面白い体験をしたみたいですね。他は?
聴講者:言語に関することです。中国で交渉した時、テーブルの反対側に座っていたジェントルマンは全く英語を話さない人だったんです。幸い通訳を付けられたんですが、ある意味それがバリアのようになりました。
なぜなら彼は英語を理解してくれると思っていたんです。あとはタバコですね。彼はヘビースモーカーだったんですが、私は煙を我慢できませんでした。だからそれを悟られないようにするのが大変でした。
ジョエル:つまり物理的に居心地を悪くしたりするということですね。他にも言語を使った例があります。罵倒するような言葉です。Fワードを使ったり、叫んだり罵ったりすることで、有利な立場に立てると思っているんですね。我々の中には誰しも子どものような部分があり、尻込みしてしまいます。
聴講者:私は逆の経験をしました。問題があって合意には至らず相手は帰ってしまいました。相手はもっと言うことができたはずですが、対応は優しかったので乱暴な言葉を使うのとは逆でした。
ジョエル:足を引きずって歩くようなものですね。人は騙すためにいろんなテクニックを使いますからね。はい、どうぞ。
聴講者:どうやってポジティブに交渉を進めることができるんでしょうか? 特に「これが本当に買収したい企業だ」という場合や、「この仕事に本当に就きたい」という場合は。あまり多くの選択肢はないけれども、相手はこれらのテクニックを使ってくるわけですよね。その際にどうすればいいかアドバイスをお願いします。
ジョエル:訴訟において、敵対する弁護士が私に証言させた時のことです。彼は立ち上がり、私に面と向かって怒鳴り始めました。「何故これこれこうしたんだ!」と。本当に不快ですよね。記録には「なぜこうされたんですか?」と丁寧に書かれていたんですが。
(会場笑)
面と向かって非難するように怒鳴られた時に、どう感じるかを答えるとしたら。その理由をお教えします。そのやり方は効果的ではありません。最も効果的なのは、まさにみなさんが言った通りです。「何故立ち上がって、怒鳴っているんですか?」と言うんです。これは記録に残りますからね。
(会場笑)
丁寧に訴えるんですね。何故声を張り上げているんですか、その質問に対して何があなたを怒鳴らせるんですか、何故立ち上がっているんですか、何故記録されている間フロアを行ったり来たりしているんですか、と。
通常の交渉では録音する必要はありませんが、ひとつの手段ではあります。他にどんな方法があるでしょうか?
聴講者:私は質問から始めます。
ジョエル:質問は非常に有効ですね。ただ尋ねるだけ、質問を提示するだけです。まったく攻撃的ではない言い方で、ボリュームのレベルを下げ、情報を得て、相手をクールダウンさせることができます。他にはありますか?
聴講者:より高いレベルに達するには、あなたがこのタイプのモードに入っていて相手に誠意がない場合、関係性を築く必要があります。その関係性は最終的に結ばれる実際の取引よりも重要になることも多いです。だから相手に目的は何なのか、と要求しなければいけないと思います。
もし相手と自分の目的が違っていたら、意味がありません。両者がベストな取引を求め、win-winでなければならないと思います。
ジョエル:時にはパワーやアドバンテージ、その取引を本当に必要とすることもあります。相手が逃げてしまえばそのレベルに到達するのは難しいですね。情報やパワーにおいて、両者のバランスが取れていなければかなり困難になります。
そんな時に私が試すのは、無視したりして相手の行動を完璧に無駄にすることです。相手がやることには注意を払わず、水も飲まないんです。そうすると膀胱でも相手に勝り長時間耐えられますからね。
(会場笑)
それかホテルをもう一晩取るか、翌日に別のフライトを取るかですね。それで時間を心配しなくて良くなるので、今夜は5時には帰るよと相手に伝えます。相手はプッシュして来ますが、こちらは焦らなくていいんです。
そこに留まって、交渉を続けよう。今日の飛行機はもう無理だから、続けよう。夜の11時だけど問題ない。そのまま続けられるから、となるわけですね。
そうやって相手が苦しむようなゲームにするんです。それで相手はその価値を払う。無益にするんです。これらのテクニックはある種の人たちには、短期的に効くこともありますが、長期的にはとてもパワフルなテクニックだとは言えません。
ジョエル:議論や交渉の教科書を見ると、こんな言葉が載っていると思います。
今日はこれについてはお話しません。もっと実用的で実社会に即した話をします。これから交渉の授業を受けようと思っている人や、これまでに受けたことのある人には、これらの言葉は交渉の用語としては馴染みがないかもしれません。
交渉を成功させるための実用的なカギがいくつかあります。とてもシンプルで、最も実用的なものです。
まずは的確な相手と交渉をすることです。まとめる前にいくつかのストーリーをお話します。私がどうやってこれらを学んできたのかが分かると思います。
的確な相手を得ること。どれだけ多くの交渉が間違った相手と行われてきたかを知ると、きっと驚くことでしょう。権力のない代理人や、決定権のない人物などです。だから、的確な相手を見つけて下さい。正しい相手と話しているか、と。
ジョエル:2つ目は信頼のある交渉人になることです。CCPという機能があり、私の生徒は分かると思いますが、キャラクター(Character)、自信(Competence)、パワー(Power)です。
人から信頼されるには、高度なキャラクターと自信と、判断を下すパワーがなければいけません。的確な相手、信頼できる相手と交渉したいと思ったら、自分が信頼される人物でなければいけません。
より高い質の交渉をしたければ、キャラクターと自信とエンパワーメントに基づいた高いレベルの信頼が重要になるのです。それから自分のBATNAを知ることです。BATNAが何か分かりますか?
聴講者:Best Alternative to a Negotiated Agreement.
ジョエル:声を合わせて。
(会場笑)
聴講者:Best Alternative to a Negotiated Agreement.
ジョエル:OK。これは1981年に、ハートフォード交渉学のフィッシャーとユリーによって提唱された言葉で、何が自分たちにとってベストな代替案かということに気づくことが出来れば、その交渉は上手くいくというものです。
そうすると良い結果に結びつき、さらに自信を得ることが出来ます。私はこれをまた別のレベルで捉えてきました。交渉に入る時は上手くいくかどうかは分かりません。でも相手のBATNAは何だろうと考えてみるんです。
相手が達成したいことは何か、相手の選択肢は何があるかと真剣に考えるんです。そうすることにより、自分の目標だけに囚われず全体像を掴むことが出来ます。
「私が欲しいものは、price, term, remedies, warrantyだ。私はこれが欲しいんだ」と、多くの交渉人は自分の目標に入り込みがちです。そうではなく、相手の欲しいものを考えることが、手助けとなるんです。
ジョエル:フィッシャーとユリーのマップについては後で少し話をしますが、彼らのブロードマップについては3つか4つの提案があります。これはとても役立ちます。
“Battle”と”War”の違いを区別する。”Elephant ant”というアリがいますが、ゾウとアリを区別できない人もいます。あらゆる取引のポイントにおいて勝たなければいけないと思っている相手に出会ったことはありませんか?
すべてを比較され、すべてが持ちだされ、あらゆることに勝たなければいけない人たちです。それは非常にダメな交渉のやり方だと私は思います。ニコラが言ったように、関係を深めようとしたりクリエイティブな解決法を生み出そうとすれば、ギブ・アンド・テイクなんです。
あらゆることに勝たなければいけない、という考え方は持つべきではありません。だからどこにゾウがいて、どこにアリがいるのかを見分けて下さい。いくつかのBattleには負けても、Warには勝つようにして下さい。
聴講者:自分がポイントを理解するだけではアドバンテージにはならないと思うのですが。相手も同様に理解しないといけませんよね?
ジョエル:そうですね。相手も、自分もです。効果的なWin-winの交渉では、到達点が共有されているものです。クライスラーを好転させたレイ・コカは、「何かを成し遂げたい時は、相手に自分が欲しているものと、それを得るためにいくら払うかを正確に伝えるんだ」と言いました。それが共有の出発点となり、沢山の情報が共有されるようになるんです。
それがいつもみなさんができることだとは限りません。これらのテクニックに戻ると、あまり収穫を気にしすぎないでほしいと思います。慎重になることで、何かに気づくことが出来ます。
相手が怒鳴ってきたり、部屋から出て行ってしまったり、物を投げたりという行動の中にも情報があります。ある時、不動産ビジネスのパートナーが(親指と人差し指を広げて)これぐらいの厚さのジョイント・ベンチャーの資料を見ていました。
彼はそれを見て、持ち上げて、そのくらいの厚さであれば、どんな資料でも私のためになったんです。物を投げたり、叫んだり、ドアを叩いたり、部屋に閉じ込めたり、そのようなことの中にも、何かみなさんのためになることがあるんです。
みなさんはより高いモラルを持っていますが、少なくともそこから何らかの情報を得ることは出来ます。だからそんな人たちのことを心配しすぎる必要はありませんが、注意はして下さい。そして相手のことをよく理解して下さい。これは先ほどの相手をよく理解するという話に通じますね。
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