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広告主とつくる、激ヤバ記事広告のレシピ(全3記事)

「商品は冷たく扱え」 谷口マサト式、広告嫌悪の時代に愛されるネット広告のレシピ

「広告主とメディアが一緒につくる、ウケる広告コンテンツセミナー」と題して開催されたイベントに、LINEの谷口マサト氏、狩猟社の山辺浩平氏、エウレカの赤坂優氏が登壇。イセオサム氏の司会のもと、激ヤバ記事広告の“レシピ”について話しました。商品を冷たく扱うほどユーザーにはウケる!? 「全力コラボニュース」などで多くのバズを産んできた谷口氏が経験から身につけた秘伝レシピについて話します。

ユーザーに喜ばれる広告は?

イセオサム氏(以下、イセ):この3媒体っておそらく共通して記事広告をやっていると思うんです。クライアントさんの商材でコンテンツを作って出すみたいな。

どういったものがユーザーに喜ばれて、受け入れられているのか、と。あとその時に、どういうものを指標にしているのかについてお話してほしいと思います。まずはLINEの谷口さんにお聞きしたいと思うんですけど。

谷口マサト氏(以下、谷口):はい。

イセ:何本ぐらいやっているんですか? 記事広告。

谷口:ペースですか? 多い時は月に13本作ったんですけど、疲れちゃって、今は抑えています。かなり作り込みますんで。今は単価を上げてじっくり作ってます。

イセ:僕、ライブドアの全力コラボニュースがシェアされているのをかなり見るんですけれど。基本的にすごいやってるんだなって思ってました。その時にこうやるとウケて、こうやるとウケないみたいな法則ってあるんですか?

商品を褒めた時点でユーザーが離れていく

谷口:基本的には商品をいかに冷たく扱うかですよね。商品を褒めた時点でユーザーが離れていくので。

パラドックスで、商品を褒めれば褒めるほど信用が失われて、商品をけなせばけなすほど、けなすというか客観的に冷たく言うほど、商品のことを見てくれる。なのでいかに冷たく扱うか。

冷たくっていうのは、商品をいじるとか、突っ込んでいるとか、なにかユーザーの目線で扱うってことなんですけど。

「ポジティブにこの商品いいですよ」って言った瞬間に、ユーザーは離れるなと思いますね。

イセ:どうしても広告主と作ると、「ポジティブに言ってくれ」ってなるじゃないですか。その場合の調整でなにか気を付けてることってあるんですか?

谷口:そういうのはやっぱり「ユーザーが離れます」と、はっきり言ってますね。例えば、下手なライターだとクライアントを呼び捨てにできないんですね。

トヨタさんとか、JTBさんとか、その時点で、こいつらはユーザー目線ではないと記事中で見られてしまうので。なのでここはトヨタとか、リクルートとか、呼び捨てにしろと言ってますね。

イセ:なるほど。おもしろいですね。

谷口:そういうフラットな感じで、あくまで読者目線であるということをいかに細部にアピールするかということになりますね。

ユーザーの関心に合ったかたちで

イセ:Couplesもターゲットは違うと思うんですけど、どういったものがウケるんですか?

赤坂優氏(以下、赤坂):実際に今LINEの谷口さんがおっしゃった通りだなと思っていて。うちの場合はカップル専用メディアなので、恋人たちが週末の情報を探しにきてるとか、自分磨きをしにきてるわけなんです。

なので、そのフォーマットに合ったかたちのクライアントさんの見せ方でないと、まったく興味が無いかなと。今日、会場に広告主の皆様が来ていただいていると思うんですけど、毎回毎回、僕も営業に行く度に、「気持ちはわかるんですけど、見せ方は極力抑えていきましょう」みたいなことを、すごくお伝えさせていただいています。

フォーマット的に言うと、例えば、某飲料メーカーさんでお茶のプロモーションをやるときに、お茶のクリエイティブをガッツリ出して「新商品が出ました」ってプロモーションをやるのと、もう1つ我々からご提案させていただいた、寝起きにこれを飲んで、こういう会話をできるとラブラブになるよねみたいなトークをした記事広告だと圧倒的に後者のほうがパフォーマンスが高かったりするので。

その数字をもって、実際にクライアントさんにご理解いただいて、次にやってもらう時は、そっちのフォーマットに変えてもらうようにしています。

谷口:おっしゃる通りで、「コンテンツ・イズ・キング」と思うか、「コミュニケーション・イズ・キング」と思うかでかなり違ってくると思いますね。基本スマホはコミュニケーションが主体なので。それにどうのっかるかっていうことを、考えていかないと。だからコミュニケーションが取れないと売れないっていうのは、それに近い考え方ですね。

赤坂:そうですね。インターネット広告もそろそろ歴史が長くなってきているので、バナーに飽きていると思うんですよね。例えば、僕らよりも若い世代のほうが、広告に対する嫌悪感がすごいと思うんです。それを避けていくというのが、今後の広告の課題なのかなと思ってますね。

修正するほどPVが下がる

山辺浩平氏(以下、山辺):あ、いいですか。ViRATESの場合は、横軸で記事広告を出した後の修正の回数、縦軸がPVみたいな感じで言うと、やっぱり並べた時にほとんど完全に反比例するかたちになっているので、「基本的に修正は無いほうが見られますよ」って話をします。

イセ:ラフを出してから、「やっぱりここをこうしてくれ」と言いたくなっちゃうんですよね。広告主からすると。そこを媒体に任せてくれるかどうかですよね。どうですか?

谷口:強く言われればその通りにしますよ(笑)。

イセ:そうですか。ちなみにその時にうまくいったかどうかって結構わからない時って多いじゃないですか。それの指標ってどうとらえればいいですかね? ライブドアニュースだとどういうものを指標にするんですか?

谷口:基本はやっぱりPVなんですよ。あとは時間の長さですね。記事形式なので、バナーとは違うので。平均して調べると6分ぐらい読んでるんですね。長い記事だと10分ぐらい読んでいます。

これはわかれていて面白いのは、ぱっと見てすぐ去る人もいますし、2極化していて、読む人は時間をかけてすごい読んでるんですよ。

これは自分に当てはめてもわかるなと思ってまして。自分もニュースをパッと流し読みしてますけど、気になる部分があるとじっくり見るじゃないですか。ネットなので延々と情報がありますから。今、シリア問題どうなっているんだろうみたいな感じで。延々と読むじゃないですか。結構、時間かかりますよね。

時間をかけるかかけないかで2極化しているので、そのかけるほうにどう寄せるかというのが、記事を作っていくポイントかなと思ってます。

イセ:ユーザーの時間をそこで確実に取っていくというようなイメージですね。

谷口:そうですね。

広告の効果はどこで判断する?

イセ:ViRATESは、指標はどうしてるんですか?

山辺:popInさんのREADっていう記事の読了率が計れるツールがあるんですけど、基本的にはそれとGoogle Analyticsの滞在時間ですね。本当はTwitterのリツイートの回数とか言いたいんですけど、最近使えなくなったので、はてブがいいんじゃないかと言われてるんですけど、ちょっと今は模索中という感じではあります。

イセ:はてブも、世の中、一般でいうとそんなに使われてないですからね。この界隈ではみんなだい好きですけど。Couplesは指標はどうしてるんですか?

赤坂:PV、滞在時間っていうのはめちゃくちゃ重要だと思っていて。それがベースなんですけれど。うちだとやっぱりコミュニケーションメディアなので、なにができるのか我々も考えて付けているのが、「週末何しよう、これから何しよう」に対して、記事広告をお気に入りにする機能があるんですよ。

お気に入りにすると(カップルの)相手にもその時点で共有されるんです。なので、ユーザーさんがどれだけその記事を、実際にお気に入りボタンを押してとって置いたか、保存したかっていう数字をお渡ししているのと、あとはその場でカレンダーに入力することもできて。

例えば、某なんとかファッションビルで、こんなセールが始まりますよっていう情報をその場でカレンダーに入力することができるので、その件数をKPIとしてご提示することもできるし。あとはその場で2人のトーク画面に「ハワイ、HIS、5泊7日で、何万円のキャンペーンやってます」っていうのを送れたりするので、自分が見た記事を相手にすぐ共有して、「これ行きたーい!」みたいな感じで言えるというのが、1つのKPIになるかと思うんですね。

なので行動を促すっていうところまでが、結構重要かなと思ってるんです。

イセ:それだと必然的に、物を買うというよりは、イベントだったり、そういうのに合わせてどこかへ行こうとか、そういうネタが増えるんですか?

赤坂:そうですね。クライアントさんにとって、記事を読むか読んでないかがめちゃくちゃ重要なのと同時に、「結局うちのやつ店頭に買いに来てくれたんだっけ?」と今はやっぱりおっしゃるし、それって重要じゃないですか。

イセ:はい。

赤坂:そういうのまでどうやったらおさえられるのかというのを、メディアサイドは考えなければならないのかなと思うんですね。

谷口:怖いのは、測れない価値が広告の美味しいところなので。例えばCMとかっていうのも、あまり明確な指標が無いじゃないですか。出稿量はわかりますけど。でもどれだけユーザーにインパクトを与えて、空気を変えたか、気分を変えたか、っていうところっていうのは結構測れないですよね。

ただそこがブランド広告で1番大きなエリアなので。測れるエリアだけでネット広告をやっていたら、それは伸びしろが無いなと思っていて。

だからよりドカッとしたリーチで、ドカンとしたクリエイティブでCM並の測れないものに挑んでいかないと、先は無いなと思ってるんですよね。

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