
2025.03.19
急成長するドバイ不動産市場の今 投資のチャンスと注意点を専門家が解説
Stanford Graduate School of Business Jennifer Aaker: Power of Empathy(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ジェニファー・アーカー氏:共感。他の人が何を考え感じるかを理解することは、私たちを繋げてくれます。共感は自分と自分の家族、友人たち、そして同僚たちと繋げてくれます。そしてお互いにどう接するかに影響を与えます。
本能的に私たちはこのことを理解していますが、良い商品をデザインしたり、従業員の働きを向上させる点での、共感の重要性について私たちは十分に理解をしていないかもしれません。それに、その特質を培うのがいかに簡単かということを見逃す傾向があります。
「HopeLab」は非営利組織で、テクノロジーを利用して私たちの健康と福利を向上させるかということにフォーカスを当てています。
彼らの初めての商品は小児がん患者のためのビデオゲームでした。「HopeLab」の研究者たちは始めに子供たちの話に耳を傾け、若い患者たちはがんを恐れるのと同じくらい、がんの治療自体に恐れを抱いていることを知りました。
彼らは病院に行って化学療法を受けるために家を離れなければなりません。その過程は通常、自分で分かったうえでも苦しいものです。しかし通常の治療について行くことも、彼らにとっては生死にかかわる重要なことなのです。
「HopeLab」の挑戦は、そのような子供たちの態度を切り替えさせ、彼らが化学治療を、がんになったことによる悲惨な一部分ととらえる代わりに、ゲームの中で使える武器の一つとみなすことができるようにしました。
「HopeLab」がデザインしたゲームは「Remission」(再任務)という名前で、体の中でがん細胞を爆発させる、ロキシーという名前のロボットを導くという内容です。ロキシーの爆弾が少なくなったときは、パワーアップのために化学療法のマークを探してゲットしないといけません。そうすると彼女は更に有効にがんと闘うことができる、というゲームです。
ある研究によるとコントロールゲームに対して「Remission」で遊んだ子供たちはもっと定期的に抗生物質を摂取しましたし、医者たちは彼らの血液中で化学療法が、高いレベルで効果があることを発見しました。
さらに、他の研究結果によると、患者が「Remission」をやっている間、原動力に関係のある神経経路である、脳の中脳辺縁系が活発になりました。この活性化は化学療法に対する態度に著しい変化をもたらし、患者の治療への執着を高める助けとなりました。
共感の洞察により、若いがん患者からの視点で世界を見、「HopeLab」はそのような子供たちが自分の病気と効果的に戦える助けとなるゲームを開発したのです。
では次に従業員の仕事の出来栄えに関して見てみましょう。ある大学資金調達者たちは心理学者のアダム・グラントと同僚の目に留まりました。彼らは、資金調達する人たちが卒業生に寄付を呼びかける電話をして成功しているのを見て、その動機の原因に注目しました。
通常、資金調達者たちは、寄付から直接益を受ける立場である、奨学金受領者が誰かを知りません。それで、ある研究のなかで研究者たちは資金調達者たちの幾人かに、寄付集めの電話をかける前に、奨学生と5分間話をして個人的な関係を築けるようにしました。
結果は、生徒と個人的な関係を築いた資金調達者たちは、電話口で2倍の時間を費やし、対照群と比べて3倍近くの寄付を集めました。
共感を促進すると、仕事をパーソナル化します。ビジネスの指導者たちに朗報なのは、共感が、学ぶことのできる1つのスキルであるということです。
心理学者のカリーナ・シューマンとその同僚はある研究をしました。被験者の半数には、共感は生まれつきの特徴であると話し、もう半数には、共感が習得可能なスキルであると話しました。
後者のグループの方が、もっと共感を示し、他人の話にさらに時間を費やし、他人を助けるために進んで行動する傾向が見られました。
さらに、新しいテクノロジーは共感を教えることをさらに容易にしているのです。スタンフォードのジェレミー・バリソンと彼の同僚は、仮想現実を用いて被験者が他の人の立場で歩き回る経験をできるようにしました。
その研究結果によると、他人の視点で物事を体験すると、たとえそれが短時間であっても、共感を形成することができました。共感は私たちの結びつきを強め、他人をどう扱うかに影響を与えるということは、長い間周知の事実でしたが、増長する証拠によると、共感を促進することは、私たちがより良い商品を作り出し、従業員の仕事の内容を向上させる役にも立つということが分かります。
この深く力強い財産は、私たちの役に立つ未開発の場からすでに離れたわけですが、さらに重要なことに、これらの研究結果によると共感は習得可能であり、プロフェッショナルな私たちの生活に溶け込ませるか否かは、私たち皆ができる選択なのです。
関連タグ:
2025.03.12
SNSで炎上している研究者は「研究者として正しい」 人文学のプロ・阿部幸大氏が説く“強い意見を出せない時代”に対する考え方
2025.03.17
ソフトバンクとOpenAIにとって「歴史的な日」になった 孫正義氏が語る、AI革命の全ぼう
2021.09.30
「なぜセーラー服で出社してはいけないの?」 さくらインターネット・江草陽太氏の自由な発想の源
2025.03.11
自分よりできる人を採用し、ゴリ押しで権限委譲 東大発スタートアップに学ぶ、組織を伸ばすマネジメント
2025.03.13
改正後のiDeCoと退職金の受け取り方の事例 「改悪」は本当か? プロが真相と狙いを解説
2025.03.12
新規事業を継続するかどうかを見極める2パターンの判断軸 会社の規模別「撤退基準」の設け方
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由
2025.03.14
三流の上司と一流の上司の違い 部下の心を動かす科学的アプローチ
2025.03.12
年収別iDeCoの税制メリット 1年で軽減される税負担をプロが試算
2025.03.17
いくら読書をしても「成長しない人」が見落としていること 10分でできる「正しい学び方」