2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
中村全信氏(以下、中村):皆さん、こんにちは。グーグルの中村と申します。
今日は「企業のネット動画の活用法」というパネルディスカッションをこの後に行いますので、その冒頭に、まず弊社のプラットフォーム、YouTube内で起きていること、それに基づいて企業様がどのような活動をされているのかというのを中心にお話させていただきたいと思います。
まずYouTubeなんですけれども、どういうイメージを皆さん、お持ちでしょうか。こちらにあるような、ちょっと暇なときに見ればいいかなというイメージをお持ちの方が多分、まだ多いのかと思うんですが、実際はそんなことはないんですね。
今、YouTubeをご覧になっているユーザーの方、それから後ほどユーチューバーというテーマも出てくると思うんですが、そのユーチューバーの方々は、非常に熱狂していて、大変多くのファンがいて、商品の購買に結びついているという時代になってきました。
これはアメリカにおいては本当に昔から起きていることなんですけれども、日本もここ数年で、その動きが加速してきているなと感じています。
それを象徴するイベントを弊社でも、来週行うので、1本、ビデオを見ていただきたいと思います。
(動画再生)
動画音声:YouTube FANFEST、イズ、カミングバック。人気ユーチューバーたちが一堂に会するこのイベントは今年も開催。
出演はDaichi、エグスプロージョン、FEMM、はじめしゃちょー、HIKAKIN、LADYBABY、Miracle Vell Magic、日本エレキテル連合、SEIKIN、and more。MCはクリス・ペプラー。
11月18日、EX THEATER ROPPONGI。YouTube FanFest、詳しくはこちらのWebサイトをチェック。
(動画終了)
中村:このYouTube FANFESTというものをグローバルでやっていまして、去年から日本にも上陸して、去年が1回目、今年第2回目が来週に行われます。
私もその初回から参加させていただいているんですけど、本当に非常に多くのファンの方々が集まって、こんなにもファンがいて、こんなにも熱狂しているんだというのを、目の当たりにする瞬間だったりします。
これも、Livestream等でも見れたりするので、ご興味のある方はぜひ、見ていただきたいと思います。
今日、私からお話させていただくのは、こういったファンが非常にたくさんいるYouTubeというプラットフォーム、それからYouTube自体だけじゃなくYouTubeの外でも、YouTubeの動画はエンベッドされて展開されていくので、マーケティングにおいても様々な効果が期待できます。生活者がどのように動画を見ていて、企業がそれをどのようにマーケティングに活かしているかということに関して、ヒントになる話をさせていただきたいと思います。
まず大きく3つあります。
1つ目はターゲットのインサイトを知りましょう、ということです。企業のメッセージを制作しても、企業が意図するようにメッセージが伝わるということは、もはや、もう皆さんご承知の通り、なかなかうまくいかない時代で、それぞれの皆さまのターゲットである生活者の方々が普段、どのような生活を送っていて、それに基づいてどういうメッセージを出せばいいのか。
2つ目は、そのインサイトを把握した上で、では実際にはどのような動画コンテンツがよく見られて、かつ見られるだけではなくて、態度変容にまで落とし込めるのか。このコンテンツの作り方。
そして3つ目は、そのコンテンツをただ作って終わりじゃなくて、どのように最適なターゲットに届けるのか。この3つのテーマでお話をしたいと思います。
まずインサイトなんですが、今、グーグルではインサイトというものを話す上で非常に重要な考え方として、マイクロモーメントという概念を提唱しています。これも一つ、ビデオを見ていただきます。
(動画再生)
マイクロモーメントとは何かと言いますと、何気ない普段の瞬間、その瞬間、瞬間のなかに、皆さん自身が何かをしたいとか何かを見たい、何かが欲しい、そういった具体的な意図が発生した特別な瞬間を指しています
意図が発生している瞬間、その瞬間をマーケッターはいかに掴むか。そして、その瞬間に関連性の高いメッセージをいかに届けるか。これが非常に重要です。この考え方自身は、別に目新しいことでも何でもないんですけれど、これをいかに掴むかというところが、これまでなかなかできなかった世界だと思うんです。
それを一つ解決するのが、皆さんが今お持ちのデバイス、そう、スマートフォンです。スマートフォンというものは、これまでのデバイスで、これまでのメディアでは掴み切れなかった瞬間を捕まえることができるようになりました。
具体的にイメージしてみますと、朝起きてすぐのベッドの中で、on the go、どこかに行っているときに、カフェ、学校や仕事場など。
朝起きて天気を知りたいとか、移動中に次の移動先への行き方を見たいとか、レストラン、近くにないかなとか。さまざまな瞬間で発している、生じているその瞬間、「あっ、知りたいな」と思って真っ先に手に取ってみるのが、スマートフォンなんです。
YouTubeに話を移してみても、視聴時間がだいたい朝、ポコンと上がって、通勤時も上がって、ランチタイムや夜に向かってだんだん伸びてくるんですが、テレビのプライムタイムでも上がるのですが、さらにその後なんです。一番ピークを迎えるのは寝る前です。
この寝る前、ベッドの中。
ちょっと聞いてみますね。この中で、寝るその瞬間、ベッドにまでスマートフォン持って行っていますよという方、いらっしゃいます?
(会場挙手)
ほぼ全員ですね。これが事実なんです。
今までのメディアでは、寝るほんのその直前の瞬間までメディアに接触することはそんなになかったと思うんです。先ほどの通勤時間なども含め、こういった今まで捉えきれなかった時間軸を捉えることを可能にし、かつ迅速な効果測定を実現したのが、まさにスマートフォンで、そこにはマイクロモーメントが詰まっているんです。
では、そのマイクロモーメントをどう掴むのか。これがマーケッターにとって非常に重要な仕事になってきます。
今までのブランドメッセージというものは、1つのメッセージを絞り込んで絞り込んで作って、それをマスメディアに載っけて出すというのがメインでしたよね。
ただ、皆さんも今、自分たちの日常生活を思い返して、多分あらゆる情報をスルーしているんだと思うんです。それはなぜか。それはなぜかというと、関連性がなかったり興味が湧かないからです。
それは企業の、自分たちから言いたいことしか言えてないという事実。もしくは生活者に響くメッセージを送っていたとしても、それはほんの一部の人しか届かないメッセージの送り方をしているからかもしれません。
皆さん、YouTubeを見ながら、動画広告が出てきて、スキップするところにマウスを合せに行こうとすることがあると思うのですが、合わせにいっている最中のときに、企業としてはいかにスキップさせないクリエーティブを出すか。ここに非常に注力をしているクライアントさんもいます。後半にその話をしますね。
いずれにしても、その瞬間、瞬間、なぜ、そのブランドメッセージを受け止めないのか。そこをちゃんと解剖をしていかないといけません。メッセージを送るためのリーチを獲得するという話だけでは、もはや、ないんです。
メッセージが届いて、本当に浸透しているのか。本当に態度が変容するのか。そこまでが、マーケッターが考えるべきポイントです。
今日は次世代マーケッター育成というのがテーマですので、若いマーケッターの方は、まさにそこを、クライアントのマーケティング課題を解決するためにも、そこをきっちりと考えるという癖付けをぜひ、一緒にさせていただきたいなと思っています。
それを知る上でよく、トレーニングとかワークショップをやるときによく使うのが、この「GET TO BUY」という方法論です。具体的に誰をターゲットとして、どのように動かして、そのために必要な情報だったり、真実って何かという場合に、この「GET TO BUY」の部分をちゃんと持ちましょうねというお話をよくしていきます。
その上で、じゃあ、戦略的なコンテンツの仕分けというところに、メインに移るんですが。ちょっといろいろなところで私もお話させていただくので、ご存知の方、いらっしゃるかもしれませんが、この「スリーH」と呼んでいる、ヒーロー、ハブ、ヘルプという考え方があります。
まずヒーローは、これは言わずもがな、やっぱり感動するストーリーとか心に響くようなメッセージですね。
ただしとても重要なのは、メッセージがしっかりとブランドのフィロソフィーとか、商品特性を伝えているかということです。多くのバズ動画と言われるような動画は、この要素が欠けてしまっています。バズればいいというのは当然あるかもしれませんけど、例えば再生回数、稼ぎましたっていうのはあるかもしれせん。ただ、その再生回数の中身を知りましょう。
再生回数の中に含まれている実際のターゲットユーザーがどれぐらいいて、その彼らが、どれぐらい心が動いて、商品を買うなり、それからブランドスイッチしたとか、そこを見ないと、真の成功とは言えません。
そうは言っても多くの方に見てもらう指標としての再生回数が重要というのはそのとおりなので、そのときにお話するのがこれです。時期をうまく活用しましょうということです。
もう終わりましたけどハロウィン。この渋谷という街も六本木も、すごかったですけれども、ハロウィンのシーズンは、「ハロウィン 衣装」などの検索キーワードも急増しますが、動画でも衣装やメイクの動画が、よくシェアされます。
これからやってくるクリスマスだったり、バレンタインデーだったり、年越しみたいなところは、人々の興味関心のの濃度が濃くなっている瞬間なので、そういうコンテンツを作ってお届けすると、より言の葉に乗りやすい、シェアされやすい状況になったりします。
あと1つポイントは、その作った動画を皆さんが何というひと言を加えてシェアするかということまで考えると、より響くメッセージを作ることができます。
これはユーチューバーの皆さんがよく考えていらっしゃるポイントで、ただメッセージを出すだけじゃなくて、「これ、感動的だよね」「おもしろい」「こんなこと私もしたい」というようなひと言メッセージが添えられているようなものこそが、よく再生される、シェアされるコンテンツのポイントになるというふうにおっしゃっています。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには