2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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最後、これはまだふわふわしてるんだね。うちの会社のクリエイターのトップは坪田っていうんだけど、坪田と私もこの世界が来るか来ないかっていうところを、侃々諤々議論してるところなんですが、私の仮説を、ちょっと聞いてもらおうかなと思います。いったんUI/UX、クリエイター、クリエイティブ、デザインは忘れて。 「マーケティングって何?」っていうと、単純にこれですね。「関心をもってもらう」「利用を始めてもらう」「楽しみ続けてもらう」。これをちゃんとやっていくことをマーケティングと呼びます。
関心をもってもらうために広告を打ったり、利用を始めてもらうために初回無料キャンペーンとかをやってみたり、楽しみ続けてもらうためになにかをしてということです。 例えばまだ利用してないユーザーさんに初めて我が社のサービスを使ってもらうといったときに、全ての人に同じ刺激を与えるとか、同じ言葉を伝えるとか同じコミュニケーションをするというのと比べると、年代、性別による最適化(が効果的)。 セグメンテーションっていう言葉、聞いたことあるよね? セグメント別にコミュニケーションのしかたとか刺激の仕方とか変えたほうが全然効果があるよね、と。これが20年前の常識なんです。
昨年の半年間、我が社のゲームで実験を繰り返して導き出した数字なんですが、セグメントによる最適化と個別最適化を比べると、(利用継続に関して)10倍の力の差があるっていうことがわかってきました。 これは例えばニュースなど他のサービスもそうなんですね。個別に最適化して個々人全部にバラバラの内容を届けると、その人が私たちのニュースコンテンツを読んでくれる力、読み続ける確率が10倍に上がってくるということなんですね。これは実数として私たちも驚きました。こんなに如実に出るとは思わなかった。
これがいわゆる「セグメント最適化」から「個別最適化」へということですが。この個別最適化をクリエイティブに応用できないだろうかと。世の中で誰もデザインとかクリエイティブにこれを本格的に取り入れているとこ、まだないんだよね。
同じニュースでも、同じゲームでも、トーンとかUXとかUIとか、ちょっと私向きにカスタマイズをする。完璧に個々人に向けたもの、例えば5,000万人に向けて5,000万通りの絵、UXは用意できないけれども、ある程度その人がよく反応するものに合わせて、幾つかのパターンの組み合わせからその人にベストなものをカスタマイズする。 多分21世紀後半っていうのは、そういうことをやらないと生き残れない時代になるのかもしれないな、と。21世紀後半とまでいかないですかね。もうあと10年ぐらいでそういう時代が来るんじゃないのかなっていうのが私の仮説です。どうなんだろう。これちょっとチャレンジね。ということで、今日、3つの話をしました。 Permission型からPermissionless型へと。そしてStrategy drivenからUI/UX drivenへと。そしてもう1つがセグメント最適化から個別最適化へと。 この3つっていうのが、今私が大きいうねりとして感じている3つのメガトレンドであります。完全なフロンティアだというふうに感じています。
その中でも最後のところも含めて、やっぱりクリエイティブ、そしてデザインっていうのが我が社のサービス開発の中心になってくるっていうのはここから出てるんです。この3つの大きなトレンドに遅れずに世界の最先端を切って極めていきたいと。 むしろそれができないとDeNAという会社に将来はない、というところから経営会議じゃない、役員じゃない、ものをつくる人たちだと。 そしてその中でもクリエイティブだと。デザインだと。UXだ、UIだと。というところでこのイベントに、本来私はあまり出てこないんだけれども、お願いして出させてもらったというところであります。今まで、私の個人的ないろんな理屈っぽい話をしたんだけども。ぐちょぐちょ理屈を言ったんだけれども、やっぱり私はユーザーにどれほど喜んでもらえるのか(が大切で)。 そして喜んでもらった瞬間が一番うれしいんだよね。だからデライトした瞬間が一番デライトできる、自分でも。というふうに感じています。 企業っていうのは何のために存在するのか? もちろんいろんな考え方があるだろうけれども、やっぱり1人の人間の人生っていうのは、80年なり90年なりで終わってしまって、その中でも仕事をがむしゃらにやるのって真ん中の30年ぐらいかもしれないね。30年かな。40年かな。短い時間です。長い長い地球の歴史の中でとっても瞬間のような時間なんですね。 その時間を個々人の人間がどう過ごすのかっていうところ、それを大切にしたい。 1人でできる喜びよりもみんなで集まったほうが大きい喜びをつくれるよねっていうことが、私がDeNAっていう会社を作って、そして今でもDeNAに一生懸命な理由なんです。 それは本当になかなか言語化が難しいんだけれども、うまく表してる1枚の写真があります。この写真はDeNAがこれまで何万枚と社員の写真を撮ってきた中でも、私が今まで撮った写真、見た写真の中でも最も好きな写真です。
本当に多くのことを私に教えてくれた瞬間なんですね。これがDeNAなんだと。これが自分が仕事をしている喜びの源泉なんだ。それを一番感じた瞬間が写真に収まってたってことなんですね。それがこれであります。これは初めてDeNAが会社を作って一番最初のサービス、ビッターズっていうサービス、今はDeNAショッピングっていう形になってるんですけど、そのDeNAショッピングの前身がビッターズっていうオークションだったんですね。そのオークションサービスが世の中に出た瞬間です。 その前までは開発環境の中で見ていたビッターズが初めてインターネット上でみんなに公開された、その瞬間にインターネットから自分たちのサービスを覗いてみた。そしたらすぐに入札が1個入ったっていうそういう瞬間なんですね。 ユーザーに初めてオープンして、そしてユーザーがそれを使ってくれた瞬間。1999年11月29日朝5時10何分だったかな、の写真であります。 これはユーザーさんに使ってもらえた、デライトを届けたっていうのもあるんだけど、チームがすごいデライトフルな顔してる。うれしそうな顔してます。 この4人、写真載ってる4人は、むちゃくちゃ個性豊かです。全員日本人の男じゃないか、って言うかもしれない。最近はダイバーシティ、人材の多様性っていうと、いつも男と女って話になってしまいます。でも、日本人の男性だけでも実に多様なダイバーシティのある4人なんですね。 まずモチベーションの源泉が全然違いますね。一番右の人は何によってモチベートされるかっていうと、この人はほめられたい。「何でそんなに一生懸命働くの?」「僕はですね、自分の名前が付いたチャプター、章を歴史書に残したいんだ」って言ってました。すごいですよね。いろんな人にほめられたいんだと。そこまで正直に言うって、それもすばらしいなと思いました。 右から2番目。これたまたま今のうちの社長、守安功。彼は当時は、今もそうかな、勝ちたい。試合に勝つっていうのが好きなんだと。だから全て何でも勝負事にして勝つ。勝ちたい。負けず嫌い。 右から3番目。これはラーっていいますね。彼も今でも我が社のサービスに関わってくれてるけど、彼はユーザーコミュニティに尽くしたい。貢献したい。コミュニティメンバーのためなら幾晩徹夜しても大丈夫です。尽くしたい。誰も見てなくてもほめてくれなくても、僕はコミュニティに尽くしたいんだ。なぜならコミュニティが大好きなんだと。 左側の一番、歯だけ写ってる人いますよね。歴史的な写真にもう少し屈んでいれば、彼は目まで写ったんですが。彼は、自分はエンジニアで自分の技術力でチームや社会に役に立ちたい。貢献したい。技術力が役に立ってる瞬間っていうのが一番幸せなんだそうです。 すなわちこの4人はバラバラです。みんなバラバラなモチベーションの源泉を抱えてるメンバーがものすごく心が1つになって同じことに喜んでる瞬間なんです。 このときに私は組織をまとめるために、評価システムがどうだとか、あるいはレポーティングがどうだとか組織構造がどうだとか、そんなことはもう小さいことだと。 そうじゃなくてすごく高い目標を掲げて、ユーザーにこういったもので喜んでもらうんだっていう目標を掲げて、そして実際にそれをユーザーに「どうだっ」て披露したときに、喜んでくれたかどうか。 それが喜びの源泉。そしてそれがチームをまとめる大きな力になる。そういう会社にしていきたいなというふうに思った。 だからデライトが大事。デライトは自分たちのデライトにとっても大事。そしてそのデライトを届けるためにいかにこれまでのような頭でっかちではなくて、UX/UI、デザインが中心的になってきたのか。 だからDeNAもこの笑顔を維持するために変わらなきゃいけない。そんな挑戦をしているところです。
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