2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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モデレータは、ブルーマーリンパートナーズ株式会社代表取締役、個人投資家応援サイト「シェアーズ」代表、山口揚平様。
山口揚平氏(以下、山口):よろしくお願いします。
司会:お願いいたします。そしてパネリストとして、マネックスグループ株式会社代表執行役社長CEOの松本大様。
松本大氏(以下、松本):よろしくお願いします。
司会:お願いいたします。C Channel株式会社代表取締役社長の森川亮様。
森川亮氏(以下、森川):よろしくお願いします。
司会:お願いいたします。そして、株式会社マネーフォワード代表取締役社長CEOの辻庸介様。
辻庸介氏(以下、辻):よろしくお願いいたします。
司会:お願いいたします。ここからは、山口様に進行をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
山口:はい、ありがとうございます。山口でございます。
1時間ほどでございますけれども、今日は大変すばらしいゲストをお迎えして、できるだけ皆さんに楽しく、それからお金についての専門家でありながら、仕事についても非常にハイパフォーマンスを出していらっしゃるお三方ですから、そういったところも突っ込んで伺いたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
まず最初に松本さんに伺いたいんですけれども、お金という意味では今のこの経済状況を見ていて、どういったマーケットの見方といいますか、皆さん知りたいことはお金といえばまず、今どういうふうに株価がなっていて、どういうふうに理解すればいいのか?
あるいは投資をするにはどうすればいいのかとか、そういったトレーダーといいますか、投資家の視点としての松本さんのご意見、いかがですか?
松本:マネックスグループ、マネックス証券の松本でございます。物の値段というのは、お金の現象なんですよね。これはいくらかっていうのは、これに100円とかそういうお金のラベルをつけているから100円なのであって。
もし何と言うんですかね、この空間の中にビンが1つでお金が100しかなかったら100円。でも、ビンが1つでお金が200円あったら、これ200円になっちゃうんですね。そんな感じで、あるいはキャベツなんかもそうなんですけれでも、キャベツをいっぱいつくり過ぎるとキャベツの値段が安くなっちゃう。
という感じで、全て物の値段というのは本質的価値とかもあるんですけれども、お金の現象として考えるべきじゃないかっていうふうに思うんですね。
特に日本ではすごい勢いで金融緩和、金融緩和というのはお金をいっぱい刷っているということなので、日本という国の中に存在するお金の量がどんどん増えていっているんですよ。
そうすると、何が起きるかというと物、物というのはこういう水もそうですし、株式とか不動産とか、いろいろな物が日本の中にあるわけですけれども、人件費なんかもそうですけれども、物の数は基本的に一定です。
お金を刷る前と刷った後で、物という言い方が正しいかわからないんですけれども、物の数は一定だけれどもお金がふえているので、どうしても値段が上がっちゃうんですね。
ところがこういう水の値段とかは上がらないが、株式とかの値段は簡単に上がりやすいので、そうすると勢い、動くもののほうにお金がいっちゃうと。世界で見るとお金をいっぱい刷っているところの値段が上がりやすくて、現象としては。
価値が上がるという意味でなくて、お金というラベルの数字は高くなりがちで、かつその国の中では値段が動きやすい物の値段が上がる。こういう人件費とか、水の値段とかは、そんな簡単に動かないけれども、株式だったら簡単に上がるので、ということが起きているんだと思うんです。
簡単に言うと、今だったら日本株が1番いいということになっちゃうんですけれども、そういうふうに考えると何と言うんですかね、今の世界の情勢を考えた場合に、どこが1番その投資とか値段が上がりやすいかということを考えると、やっぱりお金が1番刷られているところということになると思うんですね。
山口:なるほど、はい。そうすると、日本株。
松本:今だったら日本株が1番、昨日15年ぶりに日経平均で2万円を超えましたけれども、時価総額で言うと東証の時価総額が今600兆円弱。これって実はバブルのピークのときの時価総額とあんまり変わらないところまで、もう来ているんですけれども、やっぱり日本が今かなりホットなのかなと。
本質的な価値等で言うと、やっぱりアメリカとかね、すごいしっかりしていると思うんですけれども、今この瞬間にどこがマネー現象としてホットなマーケットかというと、日本株ということになるんだと思うんです。
山口:ありがとうございます。
日本株が上がっていますと、それでマネーフォワードを使っている人に対して、日本株が上がっているけれども、それをドルベースで表示すると、一方で円安が起こっているから、全く実は価値が変わっていないのではないか? ということをおっしゃっていたんですけれども、それはどうなんですか?
辻:今起こっていることって、世界的にお金がどんどん増えていって、株価が上がっているというところだと思うんですけれども。
一方で日本の中で見ているのと為替が当然ありますので、為替がどんどん円安になりますと、銀行預金で100万円持っている方が、日本円ですとずっと100万円ですけれども、ドル換算すると100円が120円になったとすると。
それだけで価値が20パーセントぐらい減っているということなので、日本円で持つことのリスクというのは、かなりあるんじゃないかなというふうに思っていまして。
僕は、前職松本さんの下で働かせていただいていて、数年前に松本さんが、これからは米国株だってひたすらおっしゃっていて、僕らなんか何をおっしゃっているのかなってのが、よくわからなかったんですけれども。
結局あのときに、僕は米国株を買えなかったので恩恵を受けなかったんですけれども、あのときにちゃんと米国株を買っていれば株価が上がり、為替のあれも取れたので、何かよかったなとか、ちょっと今初めて松本さんにこんなこと言いますけれども、ちょっと後悔しています。
松本:数年前から比べると、米国株が1番いいですよね。1ドル80円が120円、それだけで1.5倍。株価だけで見てもやっぱり1.3倍とかなっているので、両方合わせると2倍とかになっていますから、この数年前で見ると米国株というのが1番よかった。
確かに当社、数年前から米国株だって言っていたので、それはぴったりだったんですけれども。ただ、日本株で見ても1万円のものが2万円になり、為替は80円が120円なので、株価は2倍、為替は1.5分の1。それでもやっぱり、ドルベースで見てももうかってはいるんですね。
本当に便利で、例えば「Voice Translator」というアプリで、日本語でしゃべるとそのまま丁寧に、ちゃんとした英語で返してくれるアプリであったりとか、あるいは「フライトスタッツ」というアプリで、これは搭乗口がどこなのかというのが全世界のフライトでわかったりとか。
松本:あと、どれだけ遅れるかとかですね、全部わかるんです。
山口:遅れるかとか、はい。シートグルーというところで、どの機体が、どこの席に座るといいのかと、こういったものを使っていらっしゃるんだなというふうな、それでデンバーからニューヨークへの便を見つけて今のご結婚に至ったという、そういうお話は(笑)。
松本:それは、随分飛躍があるんですけれども。
山口:飛躍がある、失礼いたしました。
松本:今言ったアプリケーション、全部タダのアプリケーションで、本当にすばらしいアプリが利用できるので、それをうまく使うと本当に特に出張とか外に出ているときにはすごい便利ですね。時間も節約できるし、リスクをすごい下げられる、効率化できるので、そういうのを利用されたほうがといいと思いますけれどもね。
山口:ありがとうございます。何となく、すごく情報の長い速い世界で、しかも為替も変わりますし、株価はお金を刷ったら当然お金の価値が下がったりとか、そういうふうな動きの中でついていくために、どういうふうな情報の扱い方をしているかというのはとても勉強になりましたので、少しずつそれもご紹介したいと思うんですけれども。
森川:そうですね、女性のための動画ファッション雑誌「C Channel」なんですが、僕自身もともとテレビ局に10年ほどおりまして、そういうメディアの仲間が多いんですが。最近メディアを見ていると、どちらかというと年齢層高めの方向けにどうしても偏っちゃうところがあって。
それは年齢分布的に年齢層の高い人が増えているので、ビジネス的にはしょうがないんですけれども、でも結果的には若い人が共感しにくい状況になっていると思うんですね。
どうしても上目線で報道すると、どっちかというと「若い人はけしからん」みたいな切り口になりがちですし、どうしても若い人が出るよりはちょっと上目の人が出たほうが数字も上がるしみたいな、そういうところがあって。今、若い人が共感するとか若い人が活躍するメディアがどんどんなくなってきていると。
ただ、僕が今後日本を元気にするためには、やはり若い人の中からスターが出てこないと変わらないので、ある意味そういう若いスターが出るようなプラットホームとしてのメディアをつくって、それも日本だけじゃなくて世界で活躍できるような、そういうプラットフォームとしてのメディアをつくりたいということで、今回会社をつくりました。
山口:ありがとうございます。
森川:そうですね。今回、縦にすごくこだわりまして、よくコロンブスの卵だというふうに言われるんですけれども、実はゲームもずっと横だったんですね。皆さん、やっぱりモバイルっていうのは片手で持ちたいわけなんですよ。そうすると、縦のほうが効率的だし、見やすいということでゲームは縦になったんですね。
多分動画も縦になるだろうと、その縦の動画の時代を我々C Channelがつくったと後で言われるような、そういうサービスかなというふうに思っています。
山口:なるほどですね。本当にすごいなと、ちょっと1歩先を行って見ていらっしゃるなと。パッと見てわかるメディア、それでかつ若者に対して訴求するもの、そしてまた若者がクリッパーといいますか、昔で言うと読者モデルというんですかね。
森川:そうですね。その概念は昔、ビデオジャーナリストという概念がありまして、もともと記者の方と、映像を撮る人と、編集する人と分業化されていたのを、ジャーナリストがそのまま撮って出せばいいだろうというふうに言われていたんですけれども、なかなか上の年齢層の方はカメラも重かったりして、なかなか実現できなかったんですね。
今は、スマートフォンで動画が撮れちゃう時代なので、スマートフォンジャーナリストがいろんなものを撮って、そしてリアルタイムで編集も今サーバーがあって自動的にできるようになってきていますから、そうするとアップしてすぐに出せるような、そういう環境ができてきたので。恐らく、メディア環境そのものが大きく変わるような気がしています。
山口:ありがとうございます。それから、海外まで進出というお話もされていましたけれども、海外というのはどういうところをイメージされているんですか?
森川:いろんなところに今始めているのが、何人か特派員みたいな契約をして、その人たちも同じようにスマホで撮ってアップをすると、24時間365日新しい情報が入ってくるということで。
今までどうしても、撮って、そして送って出すっていうとリレーがあって、もちろん生放送というのはありましたけれども、一般の主力のというのはちょっとリレーがあったので、それを速いスピードで回すことによって情報も鮮度が高いということですね。
今、例えばニューヨークに行こうというと、今のニューヨークの情報がリアルタイムで入ってくると、そういう鮮度というのがすごく重要かなと思っています。
山口:ありがとうございます。
森川:おじさんですね。
辻:すみません。僕、言葉を選んで今、男性って(笑)。おじさんじゃないですか。
森川:おじさんじゃないですよ(笑)。
辻:おじさんじゃない、すてきなおじさんですか?
森川:ありがとうございます。
辻:どんどんドツボに入っていますけれども(笑)。どういうふうにユーザーの方の気持ちを、想像してつくられるのかというのは?
森川:一応、自分が若い女性になったつもりでつくるわけなんですけれども、ただそれには限界が当然あるわけですから、それは例えばうちの娘とか奥さんとか、あとは周りの人に触ってもらって、これどうだ、ああだというのを聞きながら、どんどんチューンナップしていくんですけれども。
ただ多分、小説家とか映画を撮る方もそうだと思うんですけれども、最初は自分の中で想像しますよね、きっとこうだろうと。そこから何人か聞いてみて、そういう意見をもらって、そこから一度つくって、あとは触ってもらってそれを改善して出すという、そういうプロセスになりますね。
森川:そうですね。僕はここで働いていましたからね昔、ソニー時代。このビルで働いていました。
山口:松本さんは、ソニーの。
松本:そうですね。マネックスというのは、もともとソニー株式会社と私、半々で出資してつくった会社なので、大変深い関係があります。
山口:辻さんも。
辻:僕は新卒でソニーに入って働いたので、森川さんと一緒で実際に品川とかで働いていました。
山口:ちょっと、お三方にお伺いしたいんですけれども、ソニースピリッツといいますか、というものはどうでしょう? 皆さんの中に少し残っていらっしゃるのか。先ほど、森川さんと松本さんがVAIOのラップトップを使っていらっしゃって、確かに持ったらすごく軽いんですね。
でも、私はずっとレッツノート派だったんですけれども早速、先ほど注文しました。いや、本当に非常にいいものができていて。ふたつお伺いしたいんですけれども、ソニースピリッツというのは皆さんの中に少しあるのか? もう1つは、これからソニーはどうなっていくのか? ということを、ちょっと伺いたいですけれども。松本さんのほうから。
松本:私からですか? 私は特にないですけれどもね。
山口:いやいや、そうですね。出資していただいている。
松本:出資なわけじゃなくて。でも、是々非々だと思うので、いいものはいいし、悪いものは悪いし、ソニーの製品全部が好きなわけでもなくて、いいものはいいから使っているだけであるし、全体で見たらアップル製品のほうがやっぱり多く使ってはいるんですけれども。なので、別に特別な魂みたいなのがあるわけでは。
山口:ジョン・メリウェザーとか、どうですか?
松本:この人のトレーダーはちょっと別で、この人のこの言葉は好きだっていうのはあるんですけれども、この人が好きだとかっていうのはないですね。本当に、ある意味で無味乾燥というと変ですけれども、ちょっとあっけらかんとした感じなので、だから是々非々なんですけれども。
ソニーがこれからどうなるかっていうは、実は私にはわからないんですが。ただ、随分大きく変わっている。1つだけ、どうなるかわからないですけれども、おもしろいと思うのは、今から1年前でしたっけ? ダニエル・ローブっていうアメリカの投資家がソニーの株を買って、いろいろ要求してきたわけですね。
そうして結局1年たったら、それと真逆の方向に行ったというのが、何かこのダイナミズムというのがおもしろいなと、そういう感想があるぐらいで、それ以上のことは私にはよくわからないです。
山口:逆にちょっと突っ込みますけれども、松本さんが、この会社はいいんじゃないかって、先ほど日本株がいいっていうふうにおっしゃっていましたけれども、この会社は安いんじゃないか……(笑)。
松本:当社(笑)。
山口:失礼しました。
森川:そうですね、僕は実はソニーに入ったときに、あなたはソニーらしくないってよく怒られて、ソニー塾に入れさせられたんですけれども。それだけ、ソニーらしくなかったと思うんですけれども。
ただ、ソニーがつくってきた歴史っていうのは、人間をワクワクさせてきた歴史だと思うんですね。僕もワクワクしたいからソニーに入ったわけで。なので今、そういう意味でも新しいサービスをつくるときにも、もちろん機能とかデザインとか、何かいろいろもうかるか、もうからないとか、いろいろありますけれども。
基本は、何かワクワクするものをやりたいですね。今のC Channelも、見た瞬間にワクワクするようなデザインって何だろう? ってこだわってつくっているので、そういう部分はソニーに共感しているところがありますね。
ただ、最近ちょっとワクワクする商品が少ないのが残念かな、というように思います。
山口:辻さんは、どうですか?
辻:そうですね、まだ同期もたくさんいるので、よく飲んだり一緒にしますけれども。「愉快なる理想工場」っていう強烈なビジョンがあって、やっぱりプロダクトがワクワク、森川さんがおっしゃったようにワクワクするプロダクトでニュースになってほしいと思います。
何か組織変更がどうとか、ああいうのは別にどうでもよくてですね。我々もサービスをつくっていてワクワクする、何か使っていて気持ちいいとか、何かそういうサービスをつくりたいなというのは僕たち自身は思いますね。
山口:ワクワクするプロダクトを。
辻:使っていて気持ちいいとか、楽しいとか。
山口:先ほども、ソニーのVAIOでワクワクし過ぎて、若干女性陣が引いていた10分間がありましたけれども。
辻:久しぶりにVAIOが2台一緒に並んでいるのを見て、僕だけMac使っていたんですけども、2人がVAIOのよさを10分ぐらい語り合うみたいな。
山口:すごく自由に生きている方たちだなというふうに、プラグマテックというのは実際的といいますか、現実的なお考えだということを松本さん、おっしゃっていると思うんですけれども。
非常に今楽しいとか、そういうことをすごく大事にされていて、森川さんも新しくワクワクする楽しいこと、しかも若者が日本を元気にするということだというふうなお考えだというふうに思いました。
皆さん、会社の経営者でいらっしゃって、私も経営者なんですけれども、皆さんと違うところを私はぜひ皆さんにかわってお伺いしたいのは、お金を調達する、あるいはお金を使う経営者として、例えば松本さんであればソニーと、それから松本さんとで最初につくったときから、ドーンと100億ぐらいでしたっけ?
松本:会社つくったときには、10億ずつと。
山口:10億ずつ。
松本:5億ずつぐらいですか。
山口:その後もドンと大きくして、わずか何年で上場されましたっけ?
松本:会社つくってから上場までが4人で会社つくったんですけども、4人で会社つくってから上場するまでが15カ月ですね。
山口:15カ月、はい。森川さんも今回LINEを退任されて、それからまた新しい会社を先ほどつくったということで、それでたくさんお金を集めたわけですけれども。それから辻さんも、マネーフォワードでお金を集めていらっしゃいます。
こういった企業経営者にとって、どうやって何かをするためには大きなお金が必要で、どうやってそれを集めるの? と。そのためには何が必要なのかとか、そういったところをお伺いしたいんですけれども、どうでしょう?
松本:私からですか、順番これ? 不利ですね(笑)。
山口:順番変えましょう、すみません。挙手形式にしましょうか? どうでしょう。
辻:僕からいきましょうか? お金ですよね。僕は3年ぐらい前に起業しまして、1番初めは自分たちのお金でやらせていただいて、それこそ松本さんがいらっしゃったマネックスベンチャーズさんから投資いただいて。その後今、資本金が22億円ぐらいの投資家の方に投資いただいて今やっているんですけれども。
お2人に比べたら、まだまだ駆け出しなので全然レベルが違うんですけれども。
1つ今、ベンチャーの業界ですごくいろんなお金が、やはり恵まれた環境に今までと違ってあるので、ベンチャーでも比較的大きなお金を集めて、例えばニュースアプリでもSmartNewsさんとかGunosyさんとか、大きく集めてコマーシャルを打って、一気に認知を拡大する。
スマートフォンのマーケットというのは本当に今、ガーッて出てきているところなので、Yahoo!さんを見ているとおわかりになると思うんですけれども、1位しか生き残らない分野ですので、スマートフォンのニュースで例えばニュースメディアですと、SmartNewsさん、Gunosyさん、LINE NEWSさん、Yahoo!さんみたいな、そこでどこが残るかみたいな。
この競争に勝つためには、ある程度の資金力が必要になるなということで、やはりある程度今大きなマーケットがガーッと開くときに、資金を調達してしばらく赤字で放っても、必ずや勝ち残ると大きな果実になるので、そこの絵をきちんとお見せして調達をさせていただいて、きちんとサービスをつくり成果を出していくというような流れをつくる。
つくれないと逆に今ベンチャーで、新しいマーケットで勝つことができないなと。実際に皆さん、伸びていらっしゃる方は、そういうことがきちんとできる経営者の方々がすごい多いんじゃないかなというふうに思います。
山口:ありがとうございます。
森川:そうですね、資金調達という観点において言うと、やっぱり出すほうは、結局もうかるのか、もうからないのかということですから、やっぱりもうかるシナリオをちゃんと書いて、それを実行することがすごく重要かなというように思うんですね。
僕自身は、今回は創業しましたけれども、前の会社ではいっぱい株主がいて、ここに結果を出して見せるということをずっとやってきたので。何だかんだ言って、やっぱりちゃんと実績を出さないといけないということは、あるというように思うんですね。
一方で、会社にとってのお金っていうように考えると、すごく張りどころが重要かなと思っていまして。やっぱりお金で解決できることをベンチャーでやってしまうと、結局お金で負けてしまうということになるので、いかにまずはお金と関係のないところで勝負できるのかが、まず第1に重要だと思っています。
その上で張りどころですよね。やっぱり僕も経営者をやっていて、何度か大きな失敗をして、成功の確率を7割ぐらいに上げないと、やっぱりいろんな意味で人がついてこないので。
そういう意味だと、いかにいいタイミングで賭けるか、その波が来てなかったとしたらお金は使わずに貯金しておいたほうがいい場合もあるのかなと思うので。何か張りどころ、お金の使い方は重要かなと思っています。
山口:ありがとうございます。
やり方でいろいろあるっていうか、なので私が思うのはその資金調達というのは、どうやってその金額を集めるかということよりも、どうやってというか、これだけのお金が必要だから、じゃあ何とかして集めようというそういうことよりも、そもそもどういう仕組みでそのお金を使えるようにするか、借りるのか、出資してもらうのか。
出資も、少数特定の株主から出資してもらうのか、パブリックマーケット、上場みたいな形で大勢の人からもらうのかとか。そういう何と言うんですかね、株主構成でも偏らせるのか、バランス・オブ・パワーみたいな形で分散してやるのかとか、そういう借金とデットエクイティ、あとそれぞれのバランスとかですね。
あとIPOみたいなことをするのかしないのかとか、そういう仕組みを正しくその会社に合った、あるいはその会社のステージに合ったように設計するというか、デザインすることが、すごい大切なんじゃないのかなと。
僕は辻さんがおっしゃった、ベンチャーはお金があってバーンとマーケティングできるから、そういうところから勝っているんだと、そんなような感じのお話もあったと思うんですけれども。
そういう見方もあるし、あるいはそういうお金の集め方とかの、バランスがその会社の性格とかに合っている会社が成功していく、そういう定量というより定性的な部分のほうが実はお金は重要なんじゃないのかと。
結局お金は天下の回り物なので、量の問題は何とかなることのほうがかえって多いんじゃないのかなと、性質のほうが大切なんじゃないのかなと私は思います。
そういう意味では松本さん、日本が事業の特性、経営のスタイルの特性に合った資本政策、資本構成ができるようなためには、今の日本で必要なものって、どういった……?
松本:今の日本は、ほとんどあると思いますよ。
山口:ありますか。
松本:少なくとも、私が起業した17年前とかに比べると、デットでもエクイティでも桁違いに出てくるし、私が会社をつくったときは、まだ個人保証入れましたからね。
個人保証を入れないと、会社を自分で株を出資して会社つくっているにもかかわらず、加えて個人保証をほかの株主に対しても、あるいはお金をあんまり借りてなかったんですけれども、それでもそういうところに入れないといけないし。
そういうのに比べて、今はそういうのは必要なくてできるし、全然それは今日の段階、アメリカと比べるとキリがないかもしれませんけれども、アメリカの5年前ぐらいと同じぐらいの環境は、もう日本にあると思います。
山口:ありがとうございます。松本さんは、どういう性質のお金を集めるのが大事だと、特にシリコンバレーでよく聞きますけれども、スマートマネーといいますか、ちゃんと知恵つきのお金じゃないと、もういらないよっていうベンチャーも出てきているというふうな話も伺っていて、そういったこともあるのかなと思いました。
辻さんと森川さんのお話からは、お金の使いどころというところが、何に使うのか、どういうタイミングで使うのか、ということが大事だっていう話だったと思います。
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