2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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田端信太郎氏:ただいまご紹介いただきました、LINEの田端と申します。
私のほうが45分ほど時間をいただいて、LINEがそもそもどういったメディアか、あるいは今日のタイトルにもあるんですけれども、今非常にマーケティング的な意味で人に動いてもらう、買ってもらうというコストが上がっている時代だと思うんです。
そういったところがそもそも論で、そういったものがもたらされているんだという前段の部分からお話しさせていただいて、最後はそのソリューションですね。解決策としてLINEを使っていただくみたいなことをお話しさせていただければと思います。
まず自己紹介をさせていただきますと、私のほう、一番最初のメディアの立ち上げというところが、リクルートでR25というWebマガジンの立ち上げをやりまして、その後いわゆるlivedoor事件が起こる前のlivedoorに移りました。
その後はVOGUEやGQ、ある種高級な、高額な、高いブランド紹介が載っているようなファッション雑誌等、デジタル活用してもらうWebサイトだったりとか、iPhone、iPad向けのアプリであったりとか、そういったことをやりました。
また3年ほど前からLINEのほうに入りまして、LINE、あるいは今日の本題ではないんですけれども、NAVERまとめだったりとか、livedoorだったりとか、そういったところのマネタイズをやらせていただいています。
今日この会場をざっと見ましても、おそらく皆さん、変な話、この会場来ていただいた時にスマートフォンをお持ちじゃない方、みたいな。挙手いただくと、いらっしゃいますかね? 恐らくほぼいないんじゃないかなと思います。
そういったところで、最初からちょっと話をさせていただきたいのは、LINEがどうだっていう前にスマートフォンについてお話をさせていただきたいと思います。
こちらはですね、アメリカのほうのマリッサ・メイヤーという非常にネット業界で有名なアナリストが出してくれているデータなんですけれども、いろんなメディアが普及してくるにあたっての、いわゆる普及のS字カーブというんですが普及度。S字のカーブを描いていろんなメディアは普及してまいります。
一番最初の、この左にあるのがAMラジオ。普通のラジオですね。次にありますのが、オレンジのところがTVです。こちらPCとインターネットで、今垂直に立ち上がっているのがスマートフォン、モバイルのインターネットになります。
一番最初日本にiPhoneが来た時、どういったモバイルが反応したか。いわゆるiモード、ガラケーのマーケットで儲かっている会社ほど、既にですね、日本ではiモードという成熟した携帯に力を入れていた。
いわゆるスマートフォンっていうのはオタク向けのおもちゃであって、一般のコンシューマーは皆もう使わないんじゃないか。という話も結構ありました。大体今から5、6年前。ところが今やほとんど当たり前のように、誰もが持つ時代になりました。
皆さんには、さっき言ったように、恐らくほとんどの方スマートフォンお持ちだと思うんですけれども、実際に触っている時間の中で、10%以上通話してるぞっていう方いらっしゃいますか? ほとんどいないですよね。私なんかもう1%くらいです、通話している時間。
何を言いたいかと言いますと、電話の延長という見方でしかとらえられないかもしれないんですけれども、電話じゃなくて、やっぱり本質はコンピューターです。
常時接続のコンピューターが、ほぼ皆がですね、カメラも付いててネットにもいつも繋がっている、常時接続のコンピューターを常に持ち歩くようになった前提でこれからどうビジネスしていくかと、マーケティングしていくかということを考えなきゃいけないんじゃないかと思います。
ちなみにこれは別のデータなんですけれども、PCの出荷台数、デスクトップの出荷台数とモバイルノートパソコンの出荷台数がこちらです。緑のほうがいわゆるスマートフォンの出荷台数です。
2013年にはスマートフォンの出荷台数がPC、デスクトップを足したものを上回りました。おそらくもう二度とこの逆転、PCがスマートフォンの出荷台数を抜かすことはないと思いますね。
そういった意味ではPCはノートも含めて明らかに斜陽産業ですし、これからはコンピューターって言えば、どっちを指すって言えば、スマートフォンを指す。コンシューマーにとってのコンピューターって、基本はスマートフォンになる。
あるいはコンピューターって環境だけじゃなくて、メディアとかマーケティングとかコンテンツ商品の中で言うと、これが明らかに一番大事な主戦場なんだというふうにお考えいただきたいかなと思います。
先ほど私、携帯電話とスマートフォンというからには電話だと思っているかもしれないですけれども、本質的に世の中に与えているインパクトという意味で言いますと、おそらく車に近いんじゃないかと思います。
今日歴史の授業をするつもりは全然ないんですけれども、比喩として少し語らせていただきます。一般人がですね、普通に車に乗るようになったのは、ちょうどT型フォードというのが出てきまして、アメリカで今からちょうど100年ぐらい前なんですね。
流れ作業で車を組み立てるようになって、安価で一般の人も車を買えるようになったと。これが世の中をどんどん変えていくわけですね。人がどこに住むか、どこでものを買うか、どこで働くか、どこに家を建てるか。ビジネスの現場でいえば、どこに商店を出すか、工場を作るかが全て変わっていったわけです。
ところがT型フォードが出てきたのは、今から100年くらい前で1910年代から20年代なんですけれども、ドライブスルー。普通の一般消費者が車に乗っていることが前提になっているような商売の形態ですよね。これがアメリカで一般的になり始めたのはいつかといいますと、おそらく30年のタイムラグがあります。
つまり1920年からの30年間というのは、車に乗ることは当たり前になったけども、車に乗っている人向けにビジネスをする、車に乗っていることを前提にビジネスの消費が行われる、あるいは工場が立地する、家が建つみたいなところまでは30年ぐらいの時間軸がかかっているんです。
ちょうどですね、この30年のタイムラグってところが、今まさしく置かれている状況なのかなと。おそらくなんですが、この2、3年で、スマートフォンの普及率はほぼ100%にいくと思います。
ちょうど今年ですね、格安スマホみたいなものがどんどん出てきています。これは非常にLINEにとって追い風ですし、あるいはスマートフォン向けにモバイルコマースをやりたいところとか、色んな業界にとって非常に追い風ですし。
値段ということが問題になって残っていた最後の2、30%、乗り換えなかった人達が、スマートフォンに乗り換えていくでしょう。そういった中で言いますとほぼ100%になってくるんですが、2、3年のうちにスマートフォンは100%になっていきます。
けれども、スマートフォンを皆が持ち歩いていることが前提でビジネスをしていく世の中の構造がどうなっていくかってことに関しては、おそらく今後10年、20年かかってくるんです。
例えばなんですが、ブロードバンドの接続、Yahoo!BBさんが2001年ぐらいに出てきました。2004、5年くらいにはほとんど常時接続がどこのご家庭でも当たり前になったと思います。
ところが実際ですね、本屋が潰れだした。大型の書店が潰れだした。あるいはHMVのようなCDストアが都市部から姿を消しつつあると。大体ですね、2009年、2010年くらいですね。
初めて日本に光とか出てきてから15年、あるいは常時接続が当たり前になってから数年。それぐらい大体かかります。今はちょうどこれからスマートフォンが普及していくことで、これからいろんなビジネスが変わっていくと思うんですけれども、ちょうどその過渡期にあるんじゃないかと思ってまして。
是非ですね、スマートフォンに対応できないと、地方の街中のシャッター通りの商店街のようになる。これは車という波に乗り遅れた人達です。これは人の流れが変われば、当然財布の流れも変わり、ビジネスのどこが一等地かも変わる。
例えばなんですけれども、今限界がでだしているのが、皆さんショールーミングっていう言葉はご存知でしょうか。色んな都市に、例えば、ブティックだったりデパートだったりがあります。それで服を買うときに試着をします。で、上下コーディネートをします。
実際にその服が気に入ったとしても、フィッティングルームから出て、ありがとう、ちょっと考えますと。1回出て、スマートフォンですぐ検索して、楽天やZOZOTOWNやAmazonで服を買うと。
これが都心のデパートからしたら非常に大問題でしてね。ただ試着だけされて、一部売り上がると。いかんともしがたい現象としてどうにもこうにもそれでも進んでいきます。
そのトレンドをわきまえていないと、透明人間にタコ殴りにあってるなというような形で、ちょっとずつ、ちょっとずつなんですけれども、ビジネスが苦しくなっていくと。
今日はですね、この会場をざざっと見渡しますと、いろんなバズワードに満ち満ちていますよね。例えばクラウドだ、マーケティングオートメーションだ、いろんなソーシャルメディアだ。
でもそういった2、3年サイクルぐらいでくるくる回っていくバズワード、ラベルと、少し違った次元でおそらく5年、10年、20年と続いていく本質を是非見極めていただきたいと思いまして。
例えばなんですけれども、モバイル、あるいはソーシャルメディア、あるいはクラウド、こういったことはですね、私からすると、ひとつ本質的な動きにどう光を当てるかってことなんです。
例えばなんですが、Twitter、Facebook、あるいはLINEでもいいです。なぜそれほどまでに皆が使うんだっていう。手元にスマートフォンが無ければ、それこそ今日のランチ何食べたとか、どこに遊びに行ったとか、写真アップすることは無いと思います。
もちろん出来るんですよ。デジカメで撮って、デスクトップのパソコンに取り込んで、今日は誰々さんとこんなパスタ食べてとか、投稿出来るんですけれども、それではおそらく投稿の回数が10分の1とかに激減すると思います。
で、ちょっとカフェで待っている間の待ち時間とか、オーダー待つ間の待ち時間とか、そういった隙間時間にモバイルを使っていくことで、ソーシャルのポストが上がっていくと。
そうすると、今一番誰よりも個人の写真が溜まっているのはスマートフォンの中なんじゃないかと思います。取り込みさえされていないです。多分枚数もおそらく数十枚、数百枚、数千枚ってものが溜まっていると思うんですけれども、あるいはメールであったりとか、連絡先であったりとか。
でもこんな小さなものなので、トイレに落っことすかもしれない。タクシーに忘れるかもしれない。だからクラウドにバックアップしましょうっていう必然性が出てくる。
1個1個のそういったラベルに惑わされるのではなくて、本質的にどういったものなら進んでいるのか、あるいは1個1個のラベル同士が中でどう繋がっていくのかっていうことについて、是非注意を払っていただきたいと思います。
そしてしつこく言いますけれどもスマートフォンは、電話というよりは、あえて言えば車に近いと。何がと聞かれれば、精神や注意力だったりがここに置かれているんですね。
例えば大学の授業だったり、あるいはLINE株式会社なんかですね、スマートフォンに触っているのが仕事みたいな社員ばっかりなので、つまんない会議中はですね、どんなに僕が説明しても、若い社員なんかはすぐスマホを触り出すんですよ。
これは会議中でもですね、スマホ触ってて、週末に向けて何か例えば予約をしたりとか、LINEを送ったりとか、あるいは彼氏彼女と喋ったりが出来るわけです。それを物理的な環境に閉じ込めて勤務時間で縛り付けても仕方がないわけです。
労働者、サラリーマンですらそうなので、意外とですね、リビングルームにいる、あるいは電車の中にいる普通の生活者を思いのまま動かそうなんていうのはほぼ不可能ですね。そういったふうにお考えいただければと思います。
何度も言いますけども、スマートフォンに対応できないと、車のオプティマイゼーションに対応できなかった地方のシャッター通り商店街のようになってしまうということです。
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