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AI時代の人事に必要なスキルについて考える 〜経営陣の視点から求める人材とは 〜(全4記事)

一見“基本的で地味な能力”ほど重要になる AI時代の「優秀さ」を定義する5つのスキル [1/2]

【3行要約】
・AIの導入が進められる一方で、なぜ現場の業務効率化や組織のAI化が思うように進まないのか悩む企業は少なくありません。
・山田進太郎D&I財団の石倉秀明氏は「AI活用で定義書をちゃんと書くのはめちゃくちゃ面倒くさい」と現場の本音を指摘します。
・面倒な作業定義を乗り越え、文脈に応じた最適な判断を下すために必要な視点を探ります。

AI時代のスキルやキャリアを考える

石倉秀明氏:今日は「AI時代に必要な人事のスキルを考える」ということでお話します。タイトルに「考える」と書いてあるように、別に僕は正解を知らないですし、正解かどうかもよくわからないんですけども。

みなさんが存じ上げているかわからないんですが、今、(メルカリ創業者の)山田進太郎という人と一緒に働いていまして……ちょっと笑うところなんですけど。

(会場笑)

メルカリさんとかを中心に、AIをかなり積極的に使っている人たちが周りにけっこういるなと思っています。そういう人たちともいろいろディスカッションをしますし、さっき吉田(洋介)さんからもお話しいただいたんですが、けっこう今、研究もしていて、経済学をやっていたりします。

その中でも、AIが雇用とか我々のスキル、キャリアみたいなものにどう影響を及ぼすかという研究がけっこう出てきています。そういう話も踏まえつつ、一緒に考えていければと思っていますが、今のところ僕が「こうなんじゃないかな?」と思っていることをお伝えできればというのもありますし。

一応、会社を経営しているというか、今は財団の理事ですけれども。財団法人ってみなさん、なじみはないかもしれませんが、簡単に言うと普通の株式会社とあんまり変わりません。社員は社会保険にも入りますし、理事は会社の取締役みたいな感じで、理事会で何かを決議していくので、あんまり変わらないんですよね。

そういうことをずっとやってきた中で、「人事に求めることってどうなっていくのかな?」とか、「組織が変わっていくと人事はどうなっていくのかな?」ということも考えたりするので、今日は一緒にお話をしたいなと思っています。

僕はたぶん1時間はしゃべらないと思うので、お話をする上でいろいろ質問があれば、オンラインの方もオフラインの方もぜひいっぱいご質問をいただければなと思っております。

人々が自分の能力を最大限に発揮できる社会に

自己紹介をさせていただくと、石倉秀明と申します。名札に「ヒデ」と書いてあるんですが、財団でもよくそう呼ばれるので、よかったら「ヒデ」と呼んでください。

今、公益財団法人の山田進太郎D&I財団というところで常務理事兼COOをやっています。うちは理事が3人いて、簡単に言うと取締役が3人いるような感じなんですが、常勤が僕だけみたいな。

山田進太郎はメルカリがありますし、もう1人の理事の方もご自身の会社があるので、常勤の取締役は僕だけしかいないみたいなイメージで捉えていただくといいのかなと思っています。

キャリアをざっくり話すと、もともとキャスターという会社の取締役を2016年から2023年の夏まで約8年やっていました。この会社は、創業からずっと全員がフルリモートワークで働いています。今は800人ぐらいいる会社で、そこの会社の取締役をずっとやっていました。2023年に東証グロースに上場したんですけど、その後任期が終わって今の財団にいるという感じです。

さっきちょっと触れていただいたんですけど、慶應(義塾)大学の政策・メディア研究科という、キャンパスで言うとSFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)ですね。そこの後期博士課程で今2年目なので、あと1年ちょっとで博論を書いて、博士号を取れるといいなという感じです。

あと人事の方とか特に女性……個人的にはジェンダーギャップとか、どうやったらいろんな人が自分の能力を最大限に発揮できるような社会になるのかなということに最も興味があります。「最大のマイノリティ」と呼ばれている女性向けのスキルトレーニングみたいなことも、自分の個人会社で主催しています。

もしご存じない方とか、少しでも興味を持った方がいたら、XでもFacebookでも(僕の)名前を検索すると出てきますので、フォローいただくなり申請いただければなと思っています。

今、「Grab Your Career」という、最近僕らがやっているサービスのQRコードが出ていますので、ぜひみなさん読み込んでいただけると(笑)。この後も何度か出てきますので。

「なんでそんなことをやっているのか?」ということを書いていて、そこに今日話すようなことをほとんど書いてしまったので、読んでいただければもう後は雑談でいいんじゃないかなと思っているんですけど(笑)。そんなことをやっています。

ディー・エヌ・エーの元人事部長を経て、採用代行で起業

あまり知らない方もいらっしゃるかなと思うので、私と人事のつながり的な話でいくと、起業する直前は実はディー・エヌ・エーという会社にいて、最後は人事部長をやっていました。

主に新卒採用や中途採用などの採用がメインだったんですが、HRBPの部門とか、アロケーションとか、サクセッションプランニングみたいなことをディー・エヌ・エーでやっていて、直属の上司が南場智子さんでした。

実は起業して一番最初は、RPO(採用代行)事業を始めています。人事で採用をやっている方とかはよくご存じだと思うんですけど、最近RPO事業って多いじゃないですか。私は12年前にやっているんですよ。あんまりみんなに知られていないと思いますが、たぶん日本でもけっこう最初にやっているはずで。なので、実は人材領域に関わっていたり、人事の部門にずっといるような経歴だったりします。

オフィスとリモートワークでの「評価のされ方」の違い

さっき言ったとおり、現在博士課程にいるんですけど、経済学の中でも人事経済学といって人事が持っているデータというか、みなさんが働いている(会社の)社員や労働のデータを用いて、物事の因果関係を明らかにするようなことをやっています。

ちょうど1週間ぐらい前に、経済学の専門のジャーナルに、僕が書いた論文の掲載許可みたいなものが出たんですけれども。どういう研究かというと、例えばリモートワーカーで新しい人が入ってきた時に、どういうチームに入れるとパフォーマンスが高くなるのかということを研究したりと。

先日やった論文だと、オフィスで対面で働いている時は「タバコミュニケーション」とか「飲みニケーション」とか言いますけど、仲がいい人のほうが出世しやすいとよく言うじゃないですか。

実はこれは、経済学の研究で本当だというエビデンスがある程度出ていて、「プロキシミティ・バイアス」と言うんですね。「近接性バイアス」という、近い人が高く評価されちゃうようなことがよく言われるんです。

これはリモートワークでも起こるのかを研究したものがあって、要はリモートワークなんだけど、「しょっちゅうSlackでやりとりする人のほうが高く評価されるんじゃないか?」みたいなことをやったんですが。結果としては、リモートワークではプロキシミティ・バイアスは存在しないこととかをキャスターのデータを使って調べたり。

これは人事の話じゃないんですけど、ちょうど今、とある教育系の会社さんからデータをいただいて、文系と理系を選択するのは、男性と女性によってぜんぜん違う変数によって決まっているというのを分析したり、研究しています。なので、リスキリングや大学院に興味がある方もいたら、ぜひ聞いてもらえればなと思っています。

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