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「管理」を手放したら、なぜか組織が回り始めた。 〜『手放す経営』出版記念トークライブ ✕ PAG〜(全3記事)

会議も理念も事業計画もない、でも社員の離職率は0% 「管理型」から乗り換えた会社のあり方

【3行要約】
・事業計画や目標に縛られる管理型の組織と、社員の自律を重んじる人間中心の組織。その違いはどこにあるのでしょうか。
・手放す経営ラボラトリー代表の坂東放レ氏は、「会社中心というものを手放してみてもいいんじゃないか」と指摘します。
・社員一人ひとりの個性を最大限に尊重したいと考えるリーダーへ、これからの組織づくりに必要な視点を提示します。

『手放す経営』を出版

坂東放レ氏:坂東放レと言います。今日はよろしくお願いします。このPAGに呼んでいただいて大変うれしいです。今、全国で講演とかトークイベントとかを108ヶ所全国行脚するっていうことでやらせていただいています。

いつも60分から90分で話をさせていただいて、それでも時間が足りない感じでやっていて。今回野見さんから、ぜひ話してほしいと言っていただいてうれしかったんですけど、時間がなんと今日は30分しかない! しかもさっき直前の打ち合わせで「ケツカッチンでお願いします」と。伸ばすんじゃねえぞって念を押されまして、大変困っております(笑)。

でも、僕の内容はどこも切り落とせないというか、伝えたいことがたくさんあるので、ここからは3倍速で、早口でいきますので、みなさんついてきてください。

さっそくスライドを共有しながら話をさせていただきます。といってもそんな難しい内容はないんで、気軽に聞いてください。

(スライドを示して)僕の簡単な自己紹介なんですけど、手放す経営ラボラトリーという会社の代表を務めています。神奈川県出身で、福岡に移住して20年以上経っていまして、今は2拠点生活みたいなかたちでやっています。

茶道をやっていたり、サウナに入ることが趣味だったり、最近は葛藤が趣味にもなっています。葛藤が増えると、お茶を点てて心を落ち着かせたり、サウナに行って整えたりしています。

会社自体は2011年に作りまして、2018年にWebメディアとして「手放す経営ラボラトリー」を作りました。今年(2026年)の5月、この『手放す経営』という本を出させていただきました。

経営を「会社中心」から「人間中心」へ

手放す経営とは何かというと「経営や組織づくりにおいての固定観念や常識(=会社中心)を手放し、一人ひとりの自律を尊重する(=人間中心)経営のあり方」ということです。

一言で言うと、会社中心から人間中心という経営のあり方があるんじゃないかということですね。そもそも会社っていうのは会社中心だよねって、誰もが思っていると思うんです。なぜかというと、事業計画があり、目標設定があり、それを達成するのが会社にとって一番大事だからです。



社員は役割分担されたものを、その会社の目標達成とか事業計画の実現に向けて動いていく。会社に合わせて自分を行動させるじゃないですか。

だけどそうではなくて、一人ひとりの社員が中心、一人ひとりの社員がやりたいこと、働きたいワークスタイル、それが尊重される経営のあり方があるんじゃないか。だから、会社中心というものを手放してみてもいいんじゃないかという考え方を、手放す経営と言っています。

実際に僕たち自身もそういった会社をリサーチしながら、自分たち自身も人が人らしくいられる組織が実現できるのかどうか実践しています。今はコミュニティと会社がくっついたような、コミュニティカンパニーというかたちの経営を模索しています。これが正解だと言いたいわけでもないですし、これが手放す経営だと言いたいわけでもありません。

会議も理念もないのに、社員が離職しない会社

そういう会社ってどういう会社なのっていうことなんですけど、例えば(スライドの)上の会社は、稟議も決裁も承認もないし、売上目標もないし、組織の階層がないし、上司がいないんですね。それから評価制度もない。会社のお財布が誰でも見れる状況にあると。こういう会社があるんですね。



それから下の会社もですね。これは名古屋の会社で、今従業員が800人以上になっていて、100以上の店舗数で、いろいろな事業を運営されているんですけど。

会議もないし、理念もないし、事業計画もないと。なのに直近の離職率がほとんど0パーセント。

手放す経営にアップデートできるプログラム

こういった会社がなぜ存在しうるのか、何のためにこういうことをしているのか。これは「人間中心(の経営)を実現したい」っていうあり方から、こういったかたちでやっているんですけど。

(でも)こういった会社って、ちょっと意味がわからないじゃないですか。(だから)こういった会社をリサーチをしています。

僕たち自身はいろいろなコンテンツや事業をやっていまして、今僕も手に持っているんですけど、この『DXO(ディクソー)』というテキストが、いわゆる管理しない経営、今日の手放す経営に、会社をアップデートできるプログラムになっています。これは無料公開していて、誰でもこの紙のテキストを手に入れることができます。

それから、YouTubeとかPodcastとか、メールマガジンとか、次世代のマネジメントスクールとかをやっています。

組織のOSに注目する

今日、ぜひ覚えて帰っていただきたいのが、進化型組織とか手放す経営とか自律分散型組織って言い方をしているんですけど、新しいかたちの組織を理解するポイントですね。ここだけ押さえるとすごくわかりやすくなります。



「組織のOSに注目する」っていうことで。スマホとかパソコンとかみなさん使っていると思うんですけど、OSがあるじゃないですか。OSが入っていて、アプリが上に乗っかっているという仕組みだと思うんですけど。

会社もそういう構造なんじゃないかって僕らは思っていて、社員教育とか人事評価とかリーダーシップとか、こういったものは、スマホに例えると、アプリに相当するんじゃないか。

じゃあ、このアプリを動かしているベースとなる組織のシステムがあるんじゃないか。それがあるとすればなんだろうっていうことを、ラボとして研究してきました。

組織にはOSがあると僕らは思い至って、それはどういうものなのかっていうことなんですけど。これは一言で言うと、意思決定のシステムだと僕らは定義をしました。組織のベースとなる考え方、システムは、この意思決定がどうなっているかっていうことですね。

「管理型OS」と「進化型OS」

(スライドを示して)この左側、ほとんど世界中のすべての会社に「管理型OS」が搭載されています。意思決定はどうなっているかっていうと、会社か上司がするんですね。

当たり前すぎて、この組織のOSについて、今まで語られることはなかったんです。だって、1つしかないから。これ(管理型OS)以外の意思決定のシステムって世の中にないんですよね。

だけど、今「進化型OS」というものが世の中に登場してきました。それは意思決定が個人やチームでもできる、意思決定したい人ができるっていう、そういうOSを搭載した会社が世の中に出てきているんですよ。これが僕らの研究のポイントになっています。

こういった進化型OSを搭載していると、会社のかたちがピラミッド型じゃなくなったり、あるいは管理っていうものが、そもそも存在しないことになってくるんですよね。

一人ひとり誰でも意思決定できるということは、仕事を自分で決められる権利があるってことなんですよ。そうなると、管理をしようとしても「私は管理されたくありません」って言ったら、その人が尊重されちゃうんで(笑)、管理が機能しなくなるって話になるんですよ。

社員教育が上から下にされる理由

それでなぜ会社が回るのかって不思議になるんですけど。さっきこのOSとアプリっていう話をしたんですけど、スマホの場合このOSが変わっても、アプリって基本的にはLINEとかメールとか、一緒じゃないですか。だけど、会社の場合は下のOSが変わると上のアプリが全部変わっちゃうんですよ。これがすごく大きなポイントです。

「意思決定が誰でもできる」っていうOSになると、上の社員教育のアプリとかが、今までの教育制度じゃできなくなるんですよ。なんでかっていうと、今の社員教育は誰がするかって、みなさんご存じです? 会社か上司がすると思うんですよ。若手社員が部長の教育をする教育システムとか研修ってないんですよ。

なぜなら意思決定は会社か上司がする。会社のほうが偉い、上司のほうが仕事ができるし優秀だ、部下のほうが仕事ができないっていう大前提に立っているからですね。なので、教育は上から下にするんです。逆がないんですよ。

「意思決定が誰でもできる」OSに変わると

ただ、これが「意思決定は誰でもできる」ってことになると、その社員教育のアプリ自体が変わらざるを得なくなるんです。

人事評価もそうなんですよね。人事評価も会社か上司がするじゃないですか。社員は勝手にできないですよね。社員が勝手に評価できる評価制度とか、新入社員が入ってきて社長の給料を決める給与体系のシステムとかないんですよ。

それはOSが「意思決定は会社か上司がする」だからです。このOSが変わると上が全部根こそぎ変わることになる。

さっき言った、決裁とか目標とか会議がない会社って、これは見た目の表面的なことなんですけど、こういった会社は、そもそも「チームでも個人でも意思決定できる」というOSになっている。上の制度が全部変わってきているんですね。そう理解をしてください。

会社がOSを選べる時代に

そのOSは、Windowsでもmacでもどっちでもいいじゃないですか。今は選択肢が登場してきている。「じゃあうちの会社ではどっちでいく?」って選べるようになってきている時代なんですよね。

なので、一般的には管理型組織で、会社が大きくなってきたら管理しないと会社回んないよねっていうのが当たり前なんですけど「いや、管理しなくてもいいんだったら、そのほうが良くない?」と。

あるいは「社員一人ひとりの個性や付加価値を最大限に尊重したい」っていうことだったら「意思決定をしたい人ができる進化型のOSのほうがよくない?」と。「そっちに乗り換えないか」っていう議論が、これからできるようになってきているってことですね。

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