【3行要約】 ・現場で優秀な結果を出すプレイヤーと、メンバーの力を引き出して組織で成果を出せる管理職。その違いはどこにあるのでしょうか。
・株式会社アクティブ アンド カンパニーの佐久間大輔氏は、自身の成功体験に固執して「プレイヤー体質の思考」に留まるリスクを指摘します。
・管理職がパンクせず、チームワークを発揮して組織の成果を達成するために必要な「仕事を任せるスキル」の本質を解説します。
本記事では、特に反響が多くあった同イベントの1記事目を再掲します。
同じシリーズの記事はこちら 「仕事を任せること」はマネジメントに必要なスキル
佐久間大輔氏:本日はお忙しい中ご参加いただきありがとうございます。みなさん、日々仕事の取り組み方に悩まれていませんか。今日は部下にどのように仕事を任せていくか。プレイングマネージャーとして仕事をしていくためにはどうしたらいいかとか、実践的なスキルを学んでいただこうと思っております。多様な価値観を持つ部下をどう理解し、仕事を任せていくかが鍵になります。
私の話の中で、みなさまからのクエスチョンも交えながら進めていきますので、気軽に参加していただき、明日から使える実践的なヒントを持ち帰っていただければと思います。
仕事を任せることは、マネジメントにおいて必要なスキルになります。正しい考え方とコツをつかめば必ず変化が見えていくんじゃないかなと思っておりますので、一緒に楽しみながら、1時間半かからないぐらいで終わりますのでよろしくお願いいたします。
人事領域のプロとして20年の実績
少し弊社の紹介をさせていただきたいと思います。「経営人。」というサイトに、弊社所属のコンサルタントが人事領域全般のコラムを書いております。私も載せておりますので、お時間ある際にご覧いただければ幸いです。
続いて弊社の情報となります。我々アクティブ アンド カンパニーは、人事領域のプロフェッショナルとして、人事制度構築、人材育成、人事管理システム、給与計算代行などさまざまなサービスを展開しております。おかげさまで20周年を迎えることができまして、さらなる発展に向けて日々活動しております。
弊社のサービスマップとなります。人材調達のところから設計、研修の実施、最終的な運用に当たるまで、ワンストップでサービスを人事領域で行っております。
2024年3月より、奨学金バンクという日本で初めての人材支援サービスの提供が始まりました。新入社員の定着率を上げるためのサービスにもなりますので、興味がありましたらお問い合わせいただければと思います。
大手・中小企業さま、さまざまな業界・業種での取引実績となります。ISO(9001)の取得をしている初めてのコンサルティング会社で、質の高いサービスを展開しております。
最後になりますが、当社で2冊本を執筆しております。内容としましては
『タレントマネジメント概論 人と組織を活性化させる人材マネジメント施策』と
『HR Standard 2020 組織と人事をつくる人材マネジメントの起点』ということで執筆しておりますので、ご興味がありましたらぜひ手に取っていただければと思います。
子どもたちへのサッカー普及活動や社員育成
続いて、本日のファシリテーターである私の簡単なご紹介をさせていただければと思います。専門学校卒業後にJリーグのサッカーのチームにいて、指導者として勤務しておりました。子どもたちへのサッカーの普及活動とかをしておりまして、今の現日本代表選手やJリーグで活躍する選手を多数輩出しております。
その後、大手の専門学校にて勤務をして、16年間学校運営や教員としていろいろなことをやらせていただきながら、若手の育成とか新入社員とかの(研修)プロジェクトを中心として、社員育成の講師として登壇しておりました。
その後、現在のアクティブ アンド カンパニーに参画して、現在では若手向け研修とかロジカル系の研修とかコミュニケーションを中心とした講座を主催させていただいています。階層別をはじめとして、各種研修の企画から運営、実施までを手掛けております。
本日は私と一緒に、1時間ちょっとの時間ですが、みなさんお忙しい中集まっていただきましたので、実のあるような時間にさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
管理職の大半がプレイングマネージャー
「プレイングマネジャーからの卒業~部下に仕事を任せていこう!~」ということで、みなさまの会社で、ご自身も含めて、プレイングマネージャーとして働かれている管理職の方々は何割か。マネジメント専門で働かれている方は何割か。それぞれを割合で表した時に、どれくらいでしょうか。
もしよろしければ、私もみなさんのコメントとかを知りたいなと思いますので、チャットで「何割、何割」みたいなかたちで、会社の状況を教えていただければと思います。
(チャットを見て)ありがとうございます。いくつか答えていただきました。パッと見た時には、今日参加していただいている方の会社では、プレイングマネージャーのほうが多いのではないかなといったことがわかりました。
実際に、マネジメントのみで業務が回っている会社って少ないと思います。ただ、みなさんも日々仕事をされていく中で、管理職の仕事としては「プレイング」、要はプレイヤーとしての割合よりも「マネージャー」としての割合が高いほうがより、管理職としては望まれるといったところだと思います。
プレイングマネージャーがパンクしてしまう可能性
そんな中で今日のアジェンダの概要を説明させていただきます。自社内においてどういった傾向があるかは、チャットにて確認をさせていただきましたが、本当にプレイングマネージャーでずっとやるべきなのかを問われると、そんなことはないかと思います。
また、ずっとプレイングマネージャーとして、プレイヤーとしてもマネジメントとしても行っているとパンクしてしまう可能性もあります。「うちの社員は大丈夫」とか「自分は体力的にあるから大丈夫」とかは置いておいて、新たに仕事のやり方や取り組みを考えるのが必要だと考えております。
昔とは異なる、今の時代の昇進の条件
「みなさんの会社では、どのような方が評価をされ、管理職に昇進していきますか?」といったところで、各会社さま人事制度が多く導入され、その人事制度に沿って評価がされていると思います。
昔であれば年功序列で、年が上がっていったら評価をされるかたちが多かったと思います。また「飲みニケーション」じゃないですけれども、「上の人に気に入られて」っていう時代もありましたが、今はほとんどなくなってきていると思います。なので、スタンダードとしては、仕事で評価されて管理職に登用されることが多いかと思います。

(スライドを示して)次の図をご覧ください。一般メンバーから主任に上がる時、どうやって上がっていくのか。配属先の部署で優秀な結果を出したことで、主任に昇進すると思います。
じゃあ、主任になってからはどうなのか? これも同じように、配属先の部署で優秀な結果を出したことで昇進をします。
係長に行ったとしても、課長に昇進する際には、おそらく優秀な結果を出したことが評価される。こんなところが考えられると思います。
「管理職になる人」が評価されているポイント
じゃあ「優秀な結果って何ですか?」って言われた時、どんなことが「優秀な結果」だと思いますか? 私が考えるものとしては「会社で設定した目標で成果を出す」です。会社が設定した目標っていろいろあると思うんですけれども、その中で、評価割合が高い部分で評価を出せるかどうかがポイントだと思います。
人事制度であればそれぞれウェイトがありますから、ウェイトが低い部分でいくら成果を出したとしても、多少の加点にはなりますが、大きな加点にはなりづらいですよね。なので「優秀な結果」=「会社が求めている割合が高い仕事」になります。
なぜかというと、仕事は自分の好き勝手やればいいわけではなく、組織なので、組織の中で求められる役割をこなさないといけないですよね。ですから、管理職になる人は、そのウェイトが高い仕事でより評価されていることがわかります。
「自分の成功体験=正解」と思ってしまうワケ
ただ、そのウェイトが高い仕事は、自分のプレイヤーとしての評価になるので、自らの目標に対して結果が秀でていたことが理由であり、それはプレイヤーとしての評価の証です。なので、いくら一般メンバーとして評価されたからといって、管理職の能力を評価をされて管理職になった人はいないはずです。
多くの方が現場のプレイヤーとして評価され、評価され続けることで管理職に登用される。ただそうすることで長い間プレイヤーとして活躍するので、プレイヤー体質の思考と行動になってしまいます。
なので、管理職になってもプレイヤーとしてのさらなる成果を追い求めたり、部下に対しても自分の成功体験が絶対基準、価値観になってしまって、自分と同じようにやっていない、自分よりもできていない部分に対して細かく口を挟むようになってしまいます。
その挙げ句、結局「自分がやるよ」っていう話になってしまって、パンク寸前になって、「私は忙しい! なんでみんなもっと仕事をしないんだ!」って愚痴を言い出す。「私が部下だった時にはもっと仕事をした」みたいなかたちで、負のスパイラルを作ってしまうかたちになります。
プレイヤーとして評価をされ続けていたので、思考とか考え方、プレイヤーとしての視座にとどまってしまうことになります。
またマネジメントをする際にも、「自分の成功体験=正解」だと思ってしまうと、部下の意見、考えよりも、自分の意見を取り入れるようになる。
管理職になった途端、評価がガタ落ちすることも
そうすると、みなさんもよく聞いたことがあるような状態になります。「名選手、名監督にあらず」。どこの世界、どこの会社でもよく聞くところですよね。
実際に管理職になる前は会社としてすごく評価をされていたんだけれども、管理職になった途端、「あれ? なんか評価がいきなりガタ落ちしたよね」みたいな人もいると思います。
「じゃあ、そうならないためにもどんなことを取り組んでいけばいいのかな? どういうふうな考えが必要なのかな?」っていったところをですね、次にお示しさせていただきます。
(スライドを示して)左と右側のどちらがいいかはみなさんもわかるとは思います。左側は、先ほども言ったようにプレイングマネージャーとしてずっとマネジメントもする前に、プレイヤーを優先しながらマネジメントを少しやるみたいなかたちです。
マネジメントを行う意識はあるんですけれども、組織の成果を1人でなんとかしていこうという意識が強くて、スーパープレイヤーになろうとする気質がございます。
そうすると、最後のところに書いてありますが、部下との距離が発生し、組織の結果がなかなかブレイクスルーしないということになります。
一人で何でもできてしまう人には相談しにくい
みなさんもよくあるとは思います。私もそうだったんですけれども、スーパープレイヤーの人、要は特に1人で何でもできてしまう人に対しては、部下や後輩もちょっと相談しにくいっていうことが多くないですか?
「あそこまで、なんか、成果出せないな」とか「あそこまで仕事に打ち込めないな」みたいなふうにですね、思ってしまったりですとか、あとは、部下が入れる隙間っていうのがなくなってしまいますよね。もし悩んだとしても、「ちょっとあの人、いつも忙しいからな」って思ったりとかしますよね。
その人が未来永劫そこで仕事をできるのであれば、会社としても問題ないと思います。ただ、みなさんも今までも経験したように、同じ人数で同じ人たちで5年も10年も同じ組織ってなかなかないと思います。転勤、転職、家族の状況変化などで職場を離れるっていうことが毎年のように誰かしらあると思います。
業務を属人化させず、チームで成果を出せる管理職に
なのでその時に必要なのは、どんな時でも、業務を属人化させることではなく、チームで取り組み、その意識をですね、部下の育成に力を入れていくことが重要になります。
みなさんの会社はもしかしたらあったかもしれませんが、今の時代ですね、退職代行を使って辞められるケースも多々うかがいます。
なのでいきなりその人が行ってきた業務をレクチャーや引き継ぎもなく行うことは非常に大変なので、今の世の中ではそんなことも実際にいろんなところで起こってしまうということが現状でございます。その時に慌てるのではなくて、ふだんからですね、その意識を持って取り組むことが必要になるんじゃないかなと思っております。
なので右側に書いてあるように、まずはメンバーの力を使って組織の成果を出す管理職になるように部下に仕事を任せて信頼関係を醸成でき、組織の成果を組織で達成していく。そんなようなですね、チームワークを発揮していくような管理職になっていただければと思います。