【3行要約】
・部下を成長させる理想のリーダーと、無自覚に組織の成長を止めてしまう上司。その決定的な違いはどこにあるのでしょうか。
・研修トレーナーの伊庭正康氏はGoogle社の大規模調査を参照して「信頼とは意思である」と語り、過剰な管理が招くリスクを指摘します。
・心理的安全性の確保や的確な意思決定など、チームの成果を最大化させるために明日から実践できる10の行動要件を提示します。
Google社の調査に見る、理想の管理職10の要件
伊庭正康氏:研修トレーナーの伊庭です。今回は「理想の上司ベスト10」を紹介していきます。同時に「上司にしてはいけない人」も紹介していきますので、ぜひ楽しみにしてください。

今回のおもしろいデータはこちら、Googleの「プロジェクト・オキシジェン」です。有名な調査なんですね。2008年に(調査を)開始して、2018年にも改訂されたものがあります。今日はこれを紹介していきます。

1万件を超えるデータと100以上の変数を分析して、ハイパフォーマーな管理職に共通する要素を10個出した(調査になります)。これ、知りたくありませんか? 今日は特定された10個の行動と、その要件を紹介します。
一方で、「これがなければハイパフォーマーになりにくい」ということでもあるんですよね。ですから10個のうち、もし1つでも押さえていないものがあれば押さえておきましょう。楽しみにしていてください。
このチャンネルは年200回登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えする、本物のTipsを紹介するチャンネルです。
ブレずに決める「意思決定力」と組織を繋ぐ「コラボレーション」
では、さっそく10位からいきましょう。今回のランキングはプロジェクト・オキシジェンでGoogleが言っている(調査結果の)10個の要素なんだけれども、(表現を)私がアレンジしていますので、そこだけよろしくお願いします。
さあ、ではいきましょう。第10位、ドン! 「強い意思決定力を持つ」です。プロジェクト・オキシジェンによると、プレッシャーの下でも判断をちゃんと下せる人が、ハイパフォーマーの管理職ということがわかっています。チームの離職率が低くて、満足度が高い。2018年に追加された項目です。

一方で、どういう人が上司になってはいけないのか。一言で言うと「決めきれない人」ですね。「上に確認してから」「おいおい、いつまで待たせんねん」ですよね。
ということは、決められない人は部下からも「なんだ、あいつは」となっちゃうわけですよね。ですから「決める」ということを、ぜひできるようにしておいてください。決定力、大事ですね。
さあ、ではいきましょう。第9位。「横断的なコラボができているか」。ほかの部署と連携して新しい取り組みをやっている人は、ハイパフォーマーの管理職になっている傾向がわかったんですよ。どうでしょうか、あなたはできていますか?

2018年に追加された項目で、社員から(見て)「ほかの組織とコラボしている上司」はハイパフォーマーの要素を持っていることがわかったんですね。
一方で、ダメな管理職は縄張り意識、縦割り意識。「うちの組織さえよければ」という人、いません? 場合によっては別の組織に対してちょっと悪口を言ったりとか。縦割り組織はダメだということです。
もちろんね、思うことはあると思うんですよ。思うことはあっても言ってちゃダメということですよね。ほかの組織とコラボができているかどうか、これはけっこう大事なんですよ。ぜひ押さえておきましょう。第9位は「ほかの組織とコラボができているかどうか」。
理想論で終わらせない現場理解と支援
第8位。「現場を理解し、的確に動く」。プロジェクト・オキシジェンによると、専門知識で部下を適切に支援できているかどうか。そのためには何が必要でしょう。そう、現場の実態を知っていることですよね。

じゃあ一方で、ダメな管理職は? そうです。私も研修を通じてさまざまな企業さまと接点を持たせていただいておりますが、やはり現場を知らずに理想論で押し通すリーダーは「人望? ダメです」とか、「適切じゃありません」ってことがよくあるんですね。
例えば「うちの方針は今、こうなってるよね」という理想論。あと「工夫が大事よ」という抽象論。これで押し通そうとしても、なかなか現場はついてこないですよね。「この上司、わかってない」なんてことを言われます。
第8位は「現場を知った上で、専門知識で自身の部下を支援する」。もしこれができていないようであれば、ちゃんと現場を見に行ってください。そして現場の声を聞いてください。その上で判断していきましょう。
チームの存在意義を語り、ビジョンを示す上司
第7位、「明確なビジョンを示す」。プロジェクト・オキシジェンによると、チームの存在意義と方向性をちゃんと語れるリーダーはハイパーフォーマー。どうでしょう。「なんでこのチームがあるのか」ということを、きちんとメンバーに伝えているかどうかですね。

誰のために役立つ、なければ何が困る。じゃあ何をしていくべきなのか。「うちの組織の価値は……」といったことをちゃんと語れるのが大事なんですね。なので、もしこれが語れていない場合は、上司にしてはいけない人かもしれません。
方向性を示せない。「こうやっていきたい」ということも示せないし、(あとは)ブレることもあるんですよね。「上から言われたからこれをやらないといけない」とか、場合によっては「これが大事だ」と言っているのに「Aって言ったけど、会社の状況はこうだから、ちょっと今はBでお願いね」。わかるけど、Aをブラしちゃダメなんですよね。
Aも大事。これでいくぞと。「これをやりながらもBを今やるよ」、Aを1回引っ込めたらダメなんですよね。でもね、意外と多いんですよ。「方針が変わったから」とか「今、緊急事態だから」とか。それはやっちゃダメなんですよね。メンバーはそこをはっきりわかっています。
第7位は「明確なビジョンを示す」でした。存在意義と方向性をちゃんと語る。ブレないでください。