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なぜ、1on1は現場任せにすると機能しなくなるのか? ― 人事が押さえるべき「1on1マネジメント設計」の考え方(全4記事)

1on1がうまい上司は部下の愚痴を“翻訳”できる 現場の不満から組織課題を改善する思考法 [2/2]

具体的な研修カリキュラムに落とし込んだ例

これはみなさんもご関心があるところだと思いますが、実際に研修のプログラムを作ってみると、(スライドを示して)1つの例としては、こんなことができるかなと思います。「1on1を組織マネジメント成果につなげる上司のための『翻訳スキル』習得研修」という仮称をつけて、例として1日研修を作ってみました。

5章立てにしておりまして、第4章までが主になりますが、(第1章で)「1on1を組織マネジメントに位置づける」という、そもそも論の理解を最初に押さえる。そして(第2章では)1つの核になる「上司に必要な翻訳スキル」を磨いていく。

そして(スライドの)右上に移りますが、(第3章では)「1on1技法の実践」ということで、ここは以前からある1on1研修の主な項目にもなってくると思います。先ほど、認識の統一を図るためのアプローチとして、コーチング、カウンセリング、対話、ティーチング、アドバイスの5つを申し上げました。そんなところをロールプレイでやっていくのがいいんじゃないかと思います。

そして(スライドの)右下の第4章です。ここは1つポイントであり、けっこう難しさのあるところだと思います。「1on1情報を組織改善に活かす仕組み」ですね。1on1情報を整理して、上司から人事、そして組織改善にどうつなげていくか。

そして、この第4章の3つ目はけっこう難しさがあります。守秘、心理的安全性を守る仕組みをどうしていくのかという話ですね。これはこの後でちょっと具体的に共有したいと思います。

そしてそういったことを「1on1マネジメントの設計演習」(というワーク)で取り組んでいく1日研修ができるんじゃないのかなと思います。これは1つの例ですね。

1on1を組織に活かす5つの段階

最後に本日のまとめをしていきたいと思います。(まず、)1on1は個人スキルよりも組織マネジメントにおける設計を重視する。2つ目は、1on1を組織の歪みを検知するセンサーとして機能させる。3つ目は、1on1で得た情報を安全に組織判断に変換するということですね。この「安全に」というところがけっこうポイントなんですね。

(スライドの)下の「翻訳スキルの思考プロセス」ということで、これは1on1を行う上司の頭の中と思っていただければけっこうです。まず部下の声を聞いてセンサーを働かせましょう。まず、組織シグナルへの翻訳が入ります。「組織マネジメント上で何が起きているかな?」と翻訳していくんですね。

そして、次に2つ目の翻訳が入ります。「これはどこに原因があるんだろう?」という構造に意識を向けたいと思います。そして3番目の翻訳は、「これはマネジメントの中でどんなアクションを取ればいいのかな?」。つまり「何を整えたらいいのかな?」に落としていきます。

整えるという話は、今日の前半の、箱の上にメンバーが乗っかっている「基盤」のところでお話ししました。例えば情報の共有や役割分担、組織内やチーム内の基準、ルール、決まりごとなどに落とし込んでいくということですね。

つまり、翻訳スキルの思考プロセスは、組織進化モデルでもあるということです。1on1をする上司の思考プロセスがこのように進んでいって、何らかの方法でこれを会社や人事が吸い上げることができたら、それはまさに組織や会社全体の進化につながっていくんじゃないのかなと思うんです。

つまり、ここで1on1が活かせる、機能するということ。機能するとは、やはり会社や組織全体に働きを持たせたり、良い影響を与えたりすることなんだと思うんです。こんなことがとても重要になってくると思います。

ちょっとここでみなさんの頭の中を覗いてみたいと思います。懸念される問題点ですね。おそらくみなさんのご関心は、こんな疑問点やモヤモヤ感ではないかと思います。

1on1情報を人事がどこまで扱うべきなのか? 「だって、守秘義務や心理的安全性の観点ってあるでしょ」と。(また、)「1on1情報は人事がどう集めればいいの?」というやり方(についての疑問も)ありますよね。

そして、「いや、とはいえ上司の力量差をどう埋めていくのか。できる上司とできない上司がいて、これが最大の悩みなんだよね」。最後は、評価面談とどう分けるのか? 「だって、人事が情報を集めるとなったら、評価面談と変わらなくなるんじゃないの?」ということです。

そのとおりですね。1on1の場って、人事評価に影響を与えないから安心感を持って安全にできるんですよね。それが上司に何かしらを吸い上げられるとなったら、「おいおい、ちょっと待てよ」という話になりかねませんよね。ここが非常に大事なところだと思います。

自社の段階を見極め、ゴールに向けた1on1の仕組みを構築する

じゃあ、私なりの回答は何かというと、(スライドを示して)これなんですね。みなさんの会社が今どの段階にあるかによって、これらの答えが異なります。ちょっと逃げているようですが、ここが本質だと思うんですね。

1on1が機能しているか機能していないかについて、今はどのあたりの段階にいらっしゃるのかを振り返っていただきたいと思います。図をお示しいたします。1on1が組織マネジメントに活かされるまでの5段階を作ってみました。みなさんの会社はどの段階にいますかということですね。

(スライドの)下からいきましょう。「導入段階」「スキル依存段階」「人材育成段階」「組織センサー段階」「組織マネジメント統合段階」を作ってみました。今日の私の話は上の2つを一生懸命しゃべっております。組織マネジメント統合段階と組織センサー段階に行き着きたいよねという話をずっとしてまいりました。

ところが、今そこができている会社っておそらくないんじゃないかと思いますね。きっとみなさんの会社は一番下から3つ目までのところのどこかにいらっしゃるのではないかと思います。

先ほどお示しした1日研修のプログラムがありました。第1章から第5章まで。あれはどこを想定して作っているかというと、真ん中の人材育成段階を想定して作っています。だから、けっこうレベルの高いプログラムですね。もしくはスキル依存段階でもいいかもしれません。導入段階で扱う研修プログラムではないと思います。

つまりどういうことか。まだ導入段階にあって、上司ごとにやり方がバラバラで目的が曖昧な状態なのに、「ちょっと組織マネジメントに接続していこうよ」と言ったところで混乱が起きると思います。やはり段階を踏んで進んでいく必要があるということですね。

今日私がお話ししたのは理想のお話です。でも理想を置いておかないと、なかなか(目標に)近づけないですよね。そして理想を置かないと設計はできない、つまりゴール設定をしないと設計はできません。

「どうなりたいのか? 最終的にどこに行き着きたいのか?」を置かないと、現状に見合った設計はできないので、お示しをしました。みなさんが今どの段階にいらっしゃるか、そしてどの段階をいつ頃までに目指したいかによって、この話は焦点が変わってくると思います。そんなことで、今日のお話はこれで終了したいと思います。

答えはまだ出てきません。今日は1つの考え方のフレームをお示しさせてもらいました。そして1on1マネジメントというお話の中で2つの言葉を提案いたしました。「センサー」と「翻訳」です。そして翻訳スキルをどう身につけて運用していくかが大切で、それは今、みなさんの会社がどの段階にいるかによってスタート地点が変わってくると思います。

今日のお話はこれで終了したいと思いますが、もしご関心がおありでしたら一緒に考えていきましょう。以降はBrew株式会社へご相談していただいて、一緒に考えながら1on1マネジメント設計について構築していけたら大変ありがたいなと思っております。

では、これで今日のお話を終わりにいたします。ご清聴ありがとうございました。

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