【3行要約】
・『しごおもTV』の豊間根青地氏は、フレームワークについて「問題を解決するために役立つ考え方・手の動かし方のベストプラクティス」と語ります。
・豊間根氏は、一般的な言葉では現場は動かず、あえて耳慣れない言葉に変えることで初めて組織は変わり始めると指摘します。
・「キメヘン」や「3M」などの事例を交え、組織のカルチャーとして定着し、即座にアクションへ直結する型の作り方を提示します。
そもそも「フレームワーク」の定義は何か
豊間根青地氏:どうも、「しごおもTV」のトヨマネです。今日は「型(フレームワーク)の作り方」ということで、特にマネージャーやリーダーがビジネスシーンで部下やメンバーと話している中で、もっとフレームワークを使って共通認識を作りたいんだよね。共通言語を作りたいんだよね。だけど、なかなかうまく作れないよね。浸透していかないよね。とお悩みの方がいらっしゃると思います。
今日はある意味、言語化・構造化によって共通言語やフレームワークを作ることがすごく得意な人間として、Tipsをお話ししていければなと思っております。
今日ご紹介をしていく「型」の定義、「型とは何か」ということからいきたいんですけども。

ここで言う「型」は、「仕事上の特定のシーンで、問題を解決するために役立つ考え方・手の動かし方のベストプラクティスである」と定義をしたいと思います。言ったら、どちらかというとフレームワークですね。
今から紹介するのは、どちらかというとキーワードみたいなことに近いです。いろんな定義があるんですけど、今日はそういう話をします。この定義の中でポイントになるのは、まず「問題を解決する」ということですね。なんらかの問題を解決することを目的として使うフレームワークのことを「型」と呼んでいます。
アクションに直結する「手の動かし方」
もう1個が、考え方だけじゃなくて、手の動かし方ということですね。考え方・思考の整理だけじゃなくて、「じゃあ、それを使って結局何をするの?」というアクションにひも付くように作るのが、うねり流・トヨマネ流の型の作り方のポイントになります。
何ではないかと言うと、いわゆるテンプレートではないです。稟議書のテンプレートとかマニュアルでもないです。あるツールの操作方法みたいなものでもなくて、さっきも言ったとおり、フレームワークとか共通言語みたいな言葉が近い概念です。
例えば、我々がどういう型を作っているかというと、我々は「キメヘン」という言葉をよく使います。「キメヘン」とは、「聴き手・メッセージ・起こしたい変化」の略です。

我々はもともと資料作成のノウハウから始まっている会社なわけですけども、「資料を作る時は『キメヘン』から作りましょう」という話を口酸っぱく言っております。要は、「目的を考えましょう」ということなんですね。「目的思考でやろうぜ」という話なんですよ。
伝える目的は相手の「変化」
資料を作る時、ついつい「何が言いたいの?」と言われちゃうとか、結局いろいろ話したんだけど、「いや、よくわからないけど」と言われちゃうことがありがちなので。
例えば、「小学生が犬を飼うことを提案するプレゼン資料」だとしたら、我々はついつい「何を伝えるか」という、伝える内容にフォーカスをしてしまう。「家族のコミュニケーション戦略の一環として、チワワよりトイプー(ドル)のほうがうんぬんかんぬん」みたいな感じで、「何を伝えるか」に着目しちゃうけど、伝えるのは手段だよね。
そうじゃなくて、伝えた結果、相手になんらかの変化を起こす。今回で言うと、「犬を飼っていいよ」というOKを出してもらうという変化を起こすことが目的であって、極論、変化さえ起こせたら手段はなんでもいいわけですね。なので、おやつのプリンを人質に取って、「飼うことを許してくれ。返さないぞ」と言うみたいな、なにも伝えなくてもいい可能性すらあるんですよ。
なんだけども、我々人間というのは視覚優位の生き物なので、ついつい目に見える「伝える内容」に気を取られてしまう。という我々が、「いや、そうじゃなくて目的を考えないと」と思考を引き戻すための型が「キメヘン」。
これは概念としては別にぜんぜん新しくないんですけど、「キメヘン」という、ちょっと耳慣れない言葉にして略す、呪文のように口にしやすくすることに、我々はすごく意味があると考えています。
この「キメヘン」という言葉は、本当に仕事のあらゆるコミュニケーションで持っているべきもので、例えば「キメヘン」がない人は、こういうコミュニケーションをするんですよね。

「先輩、課長から『新しいセミナーを企画してほしい』という依頼が来ましたね」「そうだね。けっこう大変そうだよね」「そうですよね。私がリーダーを務めるらしいですけど、大変そうですよね」「うん。で、何? どうしたいの?」「いや、本当にどうしましょうか。ほんと大変そうですよね」「(こいつ、俺に手伝えということを暗に言っているのか?)」みたいなね。
「察してちゃん」を脱却する
キメヘンがわからない、かまってちゃんコミュニケーションというか、察してちゃんコミュニケーションというのは、すごくイケていないわけですよ。そうじゃなくて、「とりあえず仮で企画書を書いてみました。ただ、構成がしっくり来ていないからコメントが欲しいです」。
「OK。じゃあこの後ディスカッションしようか。他に何か困っていることはある?」「集客方法は前回踏襲でmixiメインでいいか、ちょっと悩んでいます」。mixiを使うのがいいかどうかは置いておいて、こういうスタンスを持って、「相手にこういうアクションを取ってほしい」ということを常に意識してコミュニケーションをしていくと、仕事のコミュニケーションがすごく円滑になるんですね。

これは別に「キメヘン」という型を知っているかどうかだけじゃなくて、けっこうスタンスとかマインドの問題もあるので、フレームワークを知っているかどうかだけではないんだけども。「目的は何?」というよりも、「キメヘンは何?」と言うと、「聴き手がこれで、メッセージがこれで、変化がこれです」というふうに手が動かしやすくなるんですね。
この「手が動かしやすくなる」というのが、この型を作るすごく重要なポイントです。これは1個の例なんですけども、こういった仕事を進める上でのみなさんの職場ならではのパターンとかキーワード、フレームワークみたいなものを、ぜひ作ってみていただきたいなと思っているんですけども。
優れた型が持つ3つの条件
じゃあ、良い型はどういうポイントを持っているかというと、3つあると思っているんですね。覚えられなきゃ意味がない。浸透しなきゃ意味がない。行動が変わらなきゃ意味がない。この3つが、まず前提としてあります。みんなが覚えやすい。覚えて馴染む。あと、行動が変わる・アクションにつながるということですね。
それをするために、まず言葉として「シンプルで直感的である」ということが必要です。

こういう型は、言葉がポンと出たらすぐに行動につながる、すぐに意味がわかるという状態になっていなければいけないので、こういうふうに直感的にわからないとか、複雑すぎるというのはあまり良くないです。
2つ目が、耳慣れない言葉であるということなんですけど。例えばさっきの「キメヘン」で言うと、「目的思考」といった時に「目的思考が大事だ」の意味は、「キメヘン」とほぼニアリーイコールなんです。「資料を作る時には目的から考えろ」。
でも、「目的から考えろ」と言われても、「目的」が普通の言葉すぎて、パッとそれをやることが頭の中で特別視されないんですよ。「目的が大事だ」「そりゃそうだよね」と。ここであえて「キメヘン」という、ちょっと不思議な言葉にすることによって耳に残るんですね。
このコピーライティングの部分はすごく大事で、例えばリクルートとかサイバーエージェントみたいな、カルチャー・組織風土がすごく特殊な、組織作りがすごくうまい会社さんは、プロジェクトを立ち上げる時に、名付けにすごくこだわるというお話を聞きます。
組織の中に概念を浸透させる時は、言葉選び。耳慣れなくて、シンプルで直感的でスポーンと入ってくる言葉を選ぶのがすごく大事なんです。だから、名付けはすごく大事です。