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人財育成コンサルタントとして8000人以上の管理職を見てきた田島ヒロミ氏新刊『昭和型のマネジメントは本当にもう通用しないのか』発売記念【無料オンラインセミナー】(全5記事)

会議時間はあえて「28分」に設定する 無駄な時間を減らし成果を上げるタイムマネジメント術

【3行要約】
・感情で発散する「怒る」と、未来への投資である「叱る」。育成や組織運営において成果を分ける違いはどこにあるのでしょうか。
・田島ヒロミ氏は、心理的安全性について「ぬるま湯ではない」と語り、健全な議論ができる組織の必要性を指摘します。
・会議の時間を半分にする工夫や、あえて反対役を指名する仕掛けなど、組織運営をアップデートするための具体的な手法を紹介します。

前回の記事はこちら

感情的な「怒る」と、未来への投資である「叱る」の違い

田島ヒロミ氏:次に「怒る」ですよね。「怒る」と「叱る」は別ですよということです。「怒る」は感情で、「叱る」は教育ということで、「怒る」って自分のためですよね。感情の発散のためで、「叱る」は相手のためということです。

NGとしては「怒る」、人格否定。「お前は駄目だ」「能力がない」とか、あるいは人前で長時間叱責する。公開処刑じゃないですけど、昭和時代はありましたね。課長の前でずっと立たされて、怒られていることはよく見ましたし、自分もされた経験があります。

あとは主観交じりで、なんかイライラするとか、気に食わないとか、そういうのは良くないですね。

「叱る」というのはOKで、教育のためということです。相手の行動変容のためで、あくまで事実について叱ると。叱る場合は大勢の前ではなくて人目のない、個室とか1on1とか、心理的安全性を確保しながら叱る。

あんまりぐちゃぐちゃ言わないで「じゃあ、次同じことが起きたらどうする?」っていうことで、未来に向けて次の行動をしっかり促す必要があるのかなと思います。「叱る」とは相手の未来への投資だよということです。

よくお若いマネージャーは褒めるのが上手なんですね。「でも、私叱れないんです」っていう方がけっこう多いです。今ハラスメントとかいろいろ気にするので、どうやって叱ったらいいかわからないのがお若いマネジャー・リーダーのお悩みなんですよね。

本の中にはこういうところを意識しながら、5W1Hで叱りましょうということも載せています。

ただ、大事なのはその部下あるいは後輩と信頼関係があるかどうかです。信頼関係があれば多少強めに叱っても「この上司は自分のために言ってくれているんだな」っていうことが理解できます。でも、信頼関係がないまま叱ってしまったら、もしかしたらハラスメント、なんていうことはあるかもしれません。

考えてみたら昭和の時は本当に怒るとかそういうことも多かったんですけど、実は昭和の頃って、仕事でもプライベートでも非常に密接な関係があったんですよね。

ですからけっこうワーッと怒られても、その後「ちょっと飲みに行くぞ」って言われて、フォローしてくれたりとか、そういうのがあったからそこで解消されていたのかなと思います。信頼関係がベースとしてあったんでしょうね。

組織運営のアップデート:会議のコスト削減と時間を半分にする工夫

ここからは育成と組織運営をアップデートしていきましょうということで、会議とか傾聴とか指導法、任せ方、チーム編成についてご紹介していきたいと思います。

会議はたくさんありますよね。マネジャーの方に「1週間どんなふうに過ごしていますか?」って聞くと「もう会議ばっかり出ています」と、そんなお声をよく聞きます。

会議のコストってどうなのかなっていうと、(スライドを示して)簡単に言うとこういう計算式ですよね。「1時間、2時間の時間」×「人数」×「それぞれの時給」ということで、この会議のコストっていうのは膨大な浪費の可能性がありますね。何も決まらないと、意味がなかったりします。

そういった意味で、まず会議の回数を減らせませんかっていうことです。なんとなく定例会議をやってしまっているところも、毎週ではなくて隔週にするとか、その回数を減らすこともできるかもしれませんね。間の週はチャット・メールで、会議の代わりにするとか、代替手段を設けながら回数を減らすのも1つのアイデアですね。

次に時間を半分にしましょうということです。例えば、60分やっているのを30分に設定するとか、終了時間を厳守するとかですね。

とある鉄鋼会社のマネジャーさんがやられていたことなんですけど、会議の時間を半分にすると。この会議の時間も30分とか60分ではなくて、28分とか58分とか、わざと中途半端な時間にして、時間を意識させることをしていました。

最初は長引きがちだったらしいんですけど、もう28分になったらバシッとやめる。結論が出なくてもやめる。そうすると部下が「このマネジャー、本気だな」と思って、次からはしっかり時間内に結論を出そうという、そんな意識に変わったというお話も聞いたりしました。

活性化と情報共有を同時に叶える「スタンディング会議」の効能

あと、立って行うスタンディング会議というのですね。私もこれ、試したことがあります。ずっと2時間ぐらい会議室を取って定例会議をやっていたんですけど、なんとか時間が短くならないかなっていうことで、職場の中でホワイトボードの前に集まってもらって、立ってやることにしたんですよね。

立ってやるからやはり、疲れるんですよね。2時間も立っていたら疲れてしまいますので、みんな意見が活発になったりします。ホワイトボードに向かってワーワー言うので、すごく活性化するんですね。ふだんあんまり発言されない方も、パパッと大事なアイデアをボードに書いてくれたりしたので、すごく効果的でした。

そこに書いていただいた内容をそれまでは、お若い方に議事録を作っていただいていたんですけど、もう書いた内容を写真に撮っておしまい。それを議事録代わりにしていたということですね。

この話をよくいろんな研修の中でさせていただくんですよ。そうすると、実際にやってみたマネジャーさんはけっこう多くて、次のフォロー研修でその効果とかをお話ししていただけるんです。「会議の時間が半分になりました」とか、「進捗がわかりやすくなりました」っていうふうにおっしゃっていたんですね。

とある銀行のマネジャーさんがこんなことをおっしゃっていたんですよ。会議でホワイトボードに書いて、写真を撮ったらそのホワイトボードを消していたらしいんですね。

ところがある日、消し忘れちゃったらしいんです。そうしたら、会議に出席していない派遣社員の方が出勤してきて、そのホワイトボードを見て、トコトコっとそのマネジャーのところに来て「このホワイトボードはとてもいいので、消さないでおいていただけますか?」って言ったらしいんです。

「私たちは会議に出ていませんけど、こういうことが問題になっていて、こういうことをやろうと思っているのがすごくよくわかります」ということで、それを聞いた銀行のマネジャーさんは残すようにしたんです。

そうすると、今度は部下がその週に仕事で帰ってきた時にその進捗のネクストアクションのところに、これは終わりましたって書き込むようになったらしいんですよ。

いちいち共有ファイルとかを見ないでそのホワイトボードを見れば、今の組織の問題の進捗状況とかプロジェクトの進捗状況が一目瞭然でわかるという、そんな効果があったので、ぜひご活用していただいてもいいのかなと思います。

会議の質を高める事前準備と、本来の「心理的安全性」の意味

あと、質を上げるというところで、あらかじめアジェンダとゴールを事前に共有していただいて、報告だけじゃなくて決定に集中していきましょうということです。

私が外資系に移った時は、会議の資料ってフォーマットがきっちり決まっていたんですよ。最初のところがエグゼクティブサマリーといって、1枚で何をするかまとめましょうということで。

この会議は報告なのか共有なのか意思決定なのか明確にして、しっかりテーマが書いてあって、3枚ぐらいのA4でまとめて、残りは参考資料、アペンディクスみたいなかたちで細かい資料が入っているみたいなフォーマットが決まっていました。非常に効率的だったかなと思っています。ぜひこんな工夫をしていただいてもいいかなと思います。

あと、(スライドを示して)心理的安全性って最近よく言われていますよね。健全なコンフリクトを歓迎していくということで、この心理的安全性ってぬるま湯ではないんですよね。つまり仲良しクラブのことではないんです。無知・無能だと思われるような不安がなく、本当に何を言ってもちゃんと受け入れられている状態ということです。

これは人間関係の対立ではなくて、その課題とか事に対しての対立は大歓迎ですね。やはり、異なる見解と見解をぶつけ合えることで新しい知恵が生まれていきますので、これはとても大事なことかなと思います。

マネジャーは「私はここがわからない」とか、そういうようなことをしっかりお伝えして弱みを見せるのも、話しやすい雰囲気になるんじゃないかなと思います。

意見を可視化し、健全なコンフリクトを生み出すためのマネジメント手法

そのためには、こんな仕掛けができますよということですね。「うちの組織はなかなか会議で意見が出ないんだ」と。「一部の人は意見を出してくれるけど、他の人はおとなしくて出してくれないんだ」なんていう時はですね。

これはとある物流会社の女性のマネジャーさんがおっしゃっていたんですけど、最初に「来週の会議はこういうことを話したいので、みんな意見を考えてきてね」っていうふうに振って「その意見を付箋に1アイデア1枚書いて持ってきて」って言うらしいんですよね。

会議に集まったら、それぞれメンバーは自分の前にその付箋を置くわけです。発表したら真ん中に置くみたいなかたちでね。そうするとマネジャーがパッと見て、まだ発表していないアイデアが手前にあったら「○○さんのアイデアはどうなの?」みたいなかたちで、順番に聞いていくことができて、非常によかったということをおっしゃっていましたね。

あと、「うちの組織は非常に仲がいいんだけど、あんまり対立構造はないんですよ」と、こちらのお話はよく聞くんですね。「健全なコンフリクトまでは至らないんです」と、そんな時には、あえて反対役を指名するというのもね、1つのアイデアなのかなと思います。

とある製造会社のマネジャーさんは、なかなかマネジャーの意見に対して反対意見が出てこないのをちょっと悩んでいたわけですね。その時にその組織の中で一番の若手に会議の前に来てもらって、こっそりサクラ役を頼んだんです。

「今日、こういうアイデアを話してみるから、あえて君から全面反対するような意見を出してくれないか?」ということですね。課長の意見に対して一番若い方が「それ、違うと思います」っていうふうにあえて言ってもらう。

大事なのは、その時の課長のリアクションなんですよね。「何を言っているんだ?」みたいな、そんな表情をするんじゃなくて、「そういう考え方もあるな」と。「教えてくれてありがとう」みたいにニコニコ受け入れていくと、周りの人たちも「違う意見を言ってもいいんだな」っていうような雰囲気になったりします。

そんなような対立を恐れない組織風土作りというのも1つのポイントなのかなと思います。

ただ、しっかり議論をしていただいて、一度決まったらちゃんとコミットしてみんなで進んでいきましょうというところですね。反対意見は、質の向上の資源として「ありがとう」という言葉で、感謝の気持ちで歓迎するのが大事なのかなと思います。

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