50歳での大きな決断、異業種への転職と独立への道
うちの父はすごく文学が好きで、ずっと研究をしていたので「本当に一生のうちで、好きなことをやっていたんだな」っていうのを感じながら「自分も50代に入って好きなことをやってみたいな」「チャレンジしたいな」と。「たぶんこのまま何もしなければ60歳を過ぎて後悔しそうだな」と、そんなふうに思って、思い切って転職をしたということです。
いきなり異業種だったので順調な転職ではなくて、2年間の契約社員で年収も半分近くになってしまいました。家族には迷惑をかけてしまったんですけど、許していただいて転職をしたということです。
そこから上場企業約100社で研修コンサルティングをしながら、昭和の本質とか令和の価値観を融合しながら進めてきました。ちょうど60歳定年を機に独立をして、今はマネジメント・リーダーシップについて実践で使えるノウハウをしっかりと追求してきたというところです。

(スライドを示して)今は企業研修・コンサルティングの実績ということで、上場企業を中心に約100社ほど、延べ登壇日数1,200日ぐらいになりました。受講者数も2万3,500人ぐらい、そのうち管理職が8,000人ぐらいになっています。
自分での管理職経験も約15年ほどありますので、そういった意味で保有資格が、上段がどちらかというと人関係ですね。NLP(認定コーチ)とかキャリアカウンセリングとか、コンサルタントのお仕事で、下の2つがどちらかというと数字系ですね。これは生命保険会社にいた時に証券アナリストとかFP2級とか、そういうのを持っています。
昭和・外資・令和ということと、3つの現場経験と、研修実績とか専門資格で、実務に即した変革支援を行っているということです。
延べ1,200日の登壇実績が証明する、現場に即した変革支援
担当企業、主なクライアントさんはこちらです。だいたい回数が多いところが10社ほどあります。この中で一番多いのが国内最大級のネット通販グループです。数えてみたら160回研修をしていまして、だいたい月に1、2回、リーダー層に問題解決の研修を行って、たぶん延べ人数が3,800人ぐらいになったんじゃないかなと思います。
研修って今はさまざまで、だいたいマネジメントとリーダーシップが3割ぐらい、問題解決が2割弱ぐらい。あとはいろんなテーマで、研修をしています。
本日のセミナーでお伝えすることは、大きく3つあります。1つ目、マネジメント診断で、現在地の把握ということで、まず簡単な10問の診断テストでみなさまのマネジメントスタイルが昭和型なのか、令和型なのかを見える化していきます。
2つ目、昭和の良さと令和のルールの融合ということで、昭和のやり方を全否定する必要はないと思っています。熱意とか関係構築とか、昭和の良いところを現代のコンプライアンスや心理的安全性のルールに適応させるコツをお伝えしてまいりたいと思います。
3つ目、明日からすぐに使えるような、具体的な対話のやり方とか育成技術ですね。これは精神論ではなくて、行動科学に基づいて再現性のあるスキルをお持ち帰りいただきたいなと思っています。簡単なところで言うと1on1での座り位置とか、叱り方とか褒め方ですね。あとは任せる技術の3ステップというところで、この3つをお伝えしてまいりたいと思っています。
「昭和型課長」vs「令和型マネジャー」診断テスト
最初に簡単な診断をしてまいりたいなと思います。みなさんは昭和型の課長なのか、それとも令和型のマネジャーなのかというところで、ここから10問出てきますので、2択でAかBか選んでいただいて、メモにチェックをしていただければと思います。
まず1問目。「部下と1on1(面談)する時に、どんなふうに座っていますか?」。Aは「斜め前に座っている」。Bは「正面に座っている」。AかBかチェックを付けていただければと思います。
2問目。「部下のやる気を引き出すために重視しているのはどちらですか?」。Aは「個別のやる気スイッチを探る」。Bは「給与とか昇進(ニンジン)で釣る」。
3問目。「部下を褒める時のスタンスは?」。Aは「5W1Hを使って、即座に褒める」。Bは「できて当たり前だからあえて言わない」。
4問目。今度は「部下を叱る時のスタンス」。Aは「本人の成長のために個別に叱る」。Bは「大勢の前で感情的に怒る」。
5番目。「部下の話を聴く時の姿勢はどうですか?」。Aは「体をちゃんと部下に向けて聴く」。Bは「自分のお仕事をしながら聞く」。
6問目。「部下への仕事の教え方は?」。Aは「教える・引き出す、これを使い分ける」。Bは「背中を見て学ばせる」。
7問目。「部下に難易度の高い仕事を任せる時のスタンスは?」。Aは「実力の1.2倍の修羅場を意図的に与える」。Bは「自分がやったほうが早いので任せない」。
8問目。「定例会議の運営で、最も重視していることは何ですか?」。Aは「心理的安全性と建設的対立」。Bは「全員一致の和」。
9問目。「部下のキャリア・将来についてどう考えますか?」。Aは「部下の夢に伴走する」。Bは「社命に従うのが当然」。
10問目ということで、最後です。「あなたが目指す理想のリーダー像は?」。Aは「ビジョンを示し、信頼で導く」。Bは「24時間戦う牽引型」。
あなたのマネジメントOSの現在地

ここまでで10問、どうでしょうか。Aの数がどれくらいあるか数えていただいてもよろしいでしょうか?
まずAが8個以上の方はいらっしゃいましたか。(スライドを示して)こちらは令和型ハイブリッドということで、すばらしいですね。時代の変化に適応して、部下の主体性を引き出すマネジメントができていますと。ここからは、さらに対話の質を高めてまいりましょうということです。
8個の方もすばらしい。ネクストアクションとしては、周囲への影響力を広げるメンター役になっていくというところです。
Aが4個から7個の方は、これはもうアップデート中。伸びしろが大きいですから、ぜんぜんOKですよ。バランス感覚に非常に優れていますが、場面によってはやや昭和的な管理手法が出ているかもしれません。意識的な切り替えでググッと、飛躍できます。ネクストアクションとしては「任せる」「聴く」を意図的に増やしてまいりましょう。
ではAが3個以下の方。絶滅危惧種なんて書いてありますけど、まさに昭和型ですよね。経験豊富な証拠ではありますけど、もしかしたら今の若手にとってはちょっと重いなと感じられている可能性があります。これはマネジメントのOSのアップデートが急務ということになりますね。ぜひ今日のセミナーの内容を1つでも実践していただければと思います。
ここから第2章ということで、なぜ今マネジメントが変わらなければならないのかと。今、非常に働く環境は良くなりました。それにもかかわらず、なんで離職とかメンタルヘルス不調が増えているんでしょうか。
この本を書くに当たって改めて考えたのは、昭和の時代はけっこう乱暴なマネジメントが多かったかなと。丸投げとか、教えてくれないとか、まったく褒めてくれないとかですね。そんなことはたくさんあったんですけど、周りの人で会社を辞めたりとか、メンタルヘルス不調で会社に出てこられないっていう人はほとんどいなかったんですよ。
労働環境は改善されたのに、なぜ若手の離職や不調が増えるのか
ところが今、労働環境はとても良くなりましたよね。あんまり「残業しろ」とか「土日に出てこい」とか、そういうことも少なくなっていると思います。
そして、育児休暇とかのそういう休暇制度や、ちゃんと有給休暇を取りましょうなんてことも推奨されていますし、とても働く環境はいいのかなと思っています。ただ、そのわりには会社を辞める人はいらっしゃるのかなと思っています。
そういった意味で、入社3年以内の離職率、あるいはメンタルヘルス不調者の割合ってどれぐらいだと思います?

(スライドを示して)実際のところ、こんな数値なんですね。入社3年以内の離職率、34.9パーセント、約3割です。待遇や職場は改善されているにもかかわらず、若手の流出は止まっていないというのが現実ですね。
メンタルヘルス不調者の割合も12.8パーセントと、過去最高水準を更新中。緩い職場でも心が折れている方がいらっしゃるということです。そういった意味では、働きやすさだけでは埋まらないマネジメントの質の欠如があるのではないかということです。
今求められているマネジャー像は、ただマネジメント、いわゆる管理。統制・ルールを守ったり、計画と予実管理とか、権限に基づく指示。これだけでは少し足りないというところですね。
これプラス、リーダーの役割ですね。管理だけではなくて導くこと。つまり信頼と共感であったり、動機付け、人間としての影響力。こういうところも必要になるのかなと思います。
もしかしたらこれまでは、昭和の時代はしっかり言われたこととか、目標についてしっかりマネジメントを進めていくことが大切だったかもしれません。この変化の激しい今の時代は、どちらかというとビジョンを描いたり、新しいことにチャレンジしたり、イノベーションとか変革も求められています。そういう時に必要となるのは管理だけではなくて、リーダー的な役割、導くことということになります。
令和の時代は「両利きのマネジメント」ということで、どちらか一方だけではなくて、マネジャー、プラス、リーダーとしての役割がとても重要になるということになります。