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『Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項』トークイベント(全5記事)

“ブレない上司”がむしろチームを停滞させてしまう理由 元Googleマネージャー陣が語るマネジメントの本質 [1/2]

【3行要約】
『Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項』出版を記念し、著者の中谷氏、諸橋氏、水野氏と、ゲストのエール株式会社取締役の篠田真貴子氏によるトークセッションが開催されました。
・水野氏らは部下は変えられないという諦念から出発し、マネージャー自身がまず「変わること」こそが、停滞したチームを動かすと語ります。
・圧倒的な成果を生むために、リーダーはどのようなストーリーを紡ぎ、チームに熱狂を生み出すべきか。小手先のテクニックを超えた、人間味あふれるエンパワーメント型マネジメントの本質に迫ります。

前回の記事はこちら

なぜ、マネージャーにとってコミュニティづくりのスキルが重要なのか

篠田真貴子氏(以下、篠田):今言っていただいたようなコミュニティを(作ること)、それがマネージャーの仕事ですよと明確に書かれている意味合いが、もうちょっと理解できるといいなと。さっき(ジュンさんも)おっしゃっていた、「あんまり私はやっていなかったんです。」

(一同笑)

水野ジュンイチロ氏(以下、水野):やっていますよ。やっていますけど、広さが変わりますよね。もう公三さんとかは全社的に幅広いコミュニティに属していて、私は漫画を描くので手いっぱいだったので。

これは人によって考え方がかなり違うかもしれないです。まず原理原則、この中でいくつかコミュニティを作る理由の中にリテンションと書いてあるんですよね。

これはけっこう大事なポイントで、たぶんこの本に入っていますけど、Googleは部下が上司に無断で辞めていいんですよ。勝手に他の部署に転籍していいわけですよ。だから、居心地の悪いチームを作ったら、人がいなくなるんですよね。だから成立しなくなる。(良いチームを)作らなきゃいけないという圧力があるのが、まず1つ。

もう1つの側面は、やはり創発ですね。やはり意見がちゃんと飛び交う状態にして、みなさんの強みが発揮できる状態を作ると、「じゃあ、この人とこの人で組んでみたらおもしろいかもね」みたいな話だったら、それをチーム内で起こしてもいいし、横の部署で起こしてもいい。

そういうことが活発に起きることを促進するという意味合いでのコミュニティ作り。だから、これもさっきの「圧倒的」の関係にありますよね。新しい組み合わせをくっつけて創発することを仕組み的に起こそうとしているのが、コミュニティ作りの1つの理由。

組織のサイロを突破し、部下の「アクセス権」を広げる

篠田:なるほど。つながっているという。なるほど。だからマネージャー。今のお話は直接自分のチームのパフォーマンスにもつながるということにひもづけていらっしゃったけれども。

水野:はい、私はそうですね。パフォーマンスにつながると納得したからだと、私は理解しています。

篠田:お二人の話はちょっとそれを超えた、リテンションと言えばリテンションですけど。

諸橋峰雄氏(以下、諸橋):僕は、ちょうどこの前、なんかの記事に出ていたのが、コミュニティではなくネットワークという表現だったんですが。組織のパフォーマンスを上げていく時に、個があってチームがあって部門があって、その先に実はネットワークがあるというような言い方をしていたんですね。だから、これを1個のネットワークと捉えてもいいかなと思っていて。

要は、何か物事を達成したいとか、何かをやりたい。それは別に仕事だろうがプライベートに関わるものだろうが、絶対に部署の中で閉じ得ないものだと思うんですよね。

それに対して、やはり部下の人たちが限られた情報の中で生きているんだとすると、僕らが「実はこういうところにタッチをすればアクセスできますよ」というアクセス権をできるだけ広く作ってあげる意味合いがあるのかなとは思います。

マネージャーこそ裸になれ

篠田:そうですね。いやぁ、ありがとうございます。今のお話を聞いて思い出したのが、『企業変革のジレンマ「構造的無能化」はなぜ起きるのか』っていう、2024年に経営学者の宇田川元一さんが出された本で。

あれが私の理解でいくと、要は組織が設計上サイロ化するのはもう宿命であって、でも、それが放置され過ぎると、自分の所属部署の範囲でしか課題を見ないために、他の部署と文脈がずれ過ぎちゃってうまく話が合わなくなる。

あるいは、社外で起きている事象についても表層的な視野で捉えてしまうが故に、市場に対応した変革が進まないという構造がありますよね、という話をしているんだと思うんです。それを補助線に言うと今のお話は、メンバーのみなさんは日常的にお仕事がめちゃくちゃ大変なわけじゃないですか。

でも、それもありつつ、それを超えて他の部署とか、さっきのゲストスピーカーみたいなお話でしたら外部の視点とかに日常的に触れる環境を作らないと、サイロにはまり込んじゃう。

圧倒的成果を出すために新しいアイデアを出してほしいんだけど、自分の狭い経験からしかジャッジできなかったら、そんなもの出ないでしょうという。言ってみれば環境作りの一環なのかなという解釈を今しました。

諸橋:ある意味、そうですよね。

リスクを冒さないと、本当の心理的安全性はつくれない

篠田:それもあるし、リテンションみたいなこともあるし、さっきおっしゃったネットワークの広がりが会社を作ることもある。すみません、ご覧いただいている方を若干置いてけぼりにしたら申し訳なかったんですが、個人的にはすごく納得が深まりました。

あと10分、15分ぐらいでもう1個、ここのテーマにつながるかたちで私の感想を交えておうかがいしたいのが、特に漫画部分を読んでいて、要は、「マネージャーは率先して裸になれ」という話だなと感じたんですよね。

これは配信だとちょっと言いにくいけど、「マネージャーはむしろ仮面を被りましょう」という本がベストセラー、かつロングセラーになっていて。今、ほぼタイトルを言いましたけど(笑)。

(一同笑)

やはり部数でいくと、マネジメントをされている方にある種の大きな示唆と救いを与えている本です。これはもう厳然たる事実だと思うんです。ということと、この本で言っている「裸になっていけ」。しかもこの漫画だとわりと極端に……。

(一同笑)

パフォーマンスがいっていないマネージャーは、「むしろ裸になっていないからだろ」ということじゃないですか。そこが、リーダーはむしろ仮面を被って淡々と正解を出し、数値目標だけ与えて、「いきましたね」「いっていませんね」ということだけをやったらいいよというのとは、すごく違うマネージャー像になっていて。

この「裸になる」ってものすごく勇気が要るし、つらいこと。「そこまでします?」というのをちょっとおうかがいしたかったんです。

水野:これはですね、そこまではしません。

(一同笑)

篠田:しない(笑)? 

水野:これ、けっこうおもしろかったんですよ。編集者の佐渡島(庸平)さんと詰めていたんですけど、ここだけちょっと議論になって。自己開示の仕方が、もうちょっとおとなしかったんですよ。

「ちょっとおもしろくないな。本当に思っていることを言わせようよ」と言って、それをそのとおりに描いてみたんですよ。でも私は、「佐渡島さん、この言い方はさすがにプロじゃないです」「いいから、やってみたらおもしろいんじゃない?」と言って、やったんですよ。

ちょっと話のいきさつは忘れたんですけど、そういう衝突があって描いてみたんですよ。描いてみたら思ったよりしっくり来たんです。

篠田:え? そこをもうちょっとうかがいたいです。事実とは少し違うものの……。

水野:本当にこれをやったらどうなるかわかりませんよ。でも、おもしろい思考実験ではありました。本当に裸になるって、ここまで裸になったらこういうことがあってもおかしくないし、とんでもない方向にいってもおかしくないから。

一番最後の話につながってくるんですけど、成功を手放すレベルじゃないと、本当の心理的安全性にはたどり着かないという。ここは当然あんばいですよ。ゼロヒャクの100をいってみたらこうなるという思考実験であって、本当は80とか60に落ち着けるのが現実解だとは思うんですよね。ただ、そういう発見がありましたね。本当に裸になったら、たぶんこういうことになってもおかしくなかったと。

篠田:なるほど。

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