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「39歳、初就職。」出版記念 ドムドムハンバーガー社長藤﨑忍さんトークイベント(全6記事)

「自分軸」ではなく「仕事軸」で働いたほうが圧倒的にラク 仕事で指摘されても傷つかない考え方

【3行要約】
・「自分らしく」働くのが正しいとされる一方で、自分軸で仕事をするあまり、周囲との衝突や上司の言葉に疲弊してしまう人は少なくありません。
・株式会社ドムドムフードサービスの藤﨑忍社長は「仕事ももちろん自分軸でするものだが、仕事軸でしたほうがぜんぜん楽」であると指摘します。
・自分を切り離して「仕事軸」で物事を捉えることで、人間関係の悩みから自分を守り、組織を良くするための意見も言えるようになる思考法を紹介します。

前回の記事はこちら

「性格の合わない人」と仕事をする時はどうする?

司会者:人間関係のご質問がもう1つありまして、これはもう誰もがご経験することではないかと思いますが「性格の合わない人と仕事をする時、どのような心持ちで接するべきでしょうか?」というご質問をいただきました。

藤﨑忍氏(以下、藤﨑):これを言ったら元も子もないと思うんですけど、実はもともとそんなに合う人なんて少ないんじゃないかなって思ったりします(笑)。みんないい感じで接してはいるけど。

どうしてかっていうと、やはり「自分らしい」ってみんなそれぞれ持っているじゃないですか。「自分らしい」ってすごく必要なことです。

例えば、よく講演で話すんだけど、私は女性っていう性で生まれて、女性らしい生き方を自分で選択しているんですよ。なのでお化粧も髪型も、話し方、立ち居振る舞いも「女性らしい」っていうものを、選択して表現しているんですよね。だけど、これって私自身の、私の自分らしさであって、これを他者に押しつけるものではないっていう考え方なんです。

要するに「自分らしい」っていうのを、気が合わない相手も持っているから、「自分らしい」と「自分らしい」がぶつかり合ったら、絶対に融合できないと思うんですよ。だって、みんな行きたいところが違うんだったら、ずっと平行線じゃないですか。なので、やはり他者の尊重を心掛けようと思っています。

相手の気持ちを酌んで「この人って何を考えているのかな?」っていうところからスタートして、お仕事を一緒にされるとすごくうまくいくのではないかなと。

要するに、他者を尊重するためにはその人のことをよく見なきゃ駄目じゃないですか。特に大事なのは「思いやりのある言葉掛け」って言っているんだけど、思いのある言葉をかけるっていうことは、その人をよく見ていないとかけられないじゃないですか。だから、見ているからその人を理解することが進んでいく。

そうすることによってお互いの、相互が「自分らしい」だけのバチバチではなくて、相互理解につながって、他者を尊重することによって、いい関係性ってできるのではないかなって思ったりしています。これ、すべて私ができているのかって、そんなこともなくて、他者を尊重するように心掛けているというところです。

「オン・オフ」の切り替えはしない

司会者:ありがとうございます。「他者を大切に」っていう言葉が何回も本にも出てくるんですけど、「そうやっていつも心を尽くしている藤﨑さんが、それではどうやってオン・オフの切り替えをしているか?」とか。「休日の過ごし方は何ですか?」とか、「健康の秘訣は?」っていう、ご自身の回復に関するご質問もたくさんいただいているんですけど、そのあたりはいかがでしょうか?

藤﨑:スイッチのオン・オフってないんですよね(笑)。ずっとオンみたいな感じです。爆睡している時以外は、ずっとオン状態。

仕事もそうなんですけど、例えば配信の動画とかを見るじゃないですか。今日は具合が悪いとすると「じゃあ、おうちでゆっくりしていよう」と思うじゃないですか。

配信の動画で、ドラマなんかで10本入っていたりとかするけど、具合は悪いんですよ。ただ、10本見ちゃうんですよ。これは本当に体に悪い。10本見るということは明け方なわけですよ。というぐらい、オンとオフが駄目です。

あと、お風呂に入る時に動画を見るんですよ。お風呂にゆっくり浸かったほうがよくて、体のためになると思って浸かるんだけど、1時間以上見ているとよっぽど具合が悪くなるんですよ。だから、そんな感じで、仕事のオン・オフだけじゃなくて、すべてに対して。お料理もそうです。

お料理を、お客さまが来るから作ろうなんて思うと、もう1週間前ぐらいからメニュー表を書くんですよね。何日か前に仕込まなきゃいけないものは先に買い物をして仕込んでっていうふうになっちゃうから。そこも切り替えで言えば本当はオフなはずなんだけどオンになっちゃう。だから切り替えが利かないっていうことですかね。

司会者:オンから別のオンに切り替えるみたいな。

藤﨑:あっ、そうそう。

司会者:ずっとオンだけど、違うものだから、それでちょっと息抜きができているみたいな。

藤﨑:確かに、そうですね。

司会者:取材をしていても出てきたんですけど、お孫さんのかわいがり方のエピソードもすごくおもしろかったです。

藤﨑:公表しているからどんどん言っちゃっているんですけど、私の息子ってシングルファザーで5歳の子どもを育てているんですね。(マンションで)上下に住んでいるんです。マンションの3階に息子は住んでいて、私は4階に住んでいるんですね。そうなると、幼稚園で5歳、年中さんなんだけど、2024年に入園する時に、手作りのバッグとかを持っていくじゃないですか。そうしたらすごく気合い入っちゃうんですよ。

うちの息子がすごく野球をがんばっていたので、孫にも野球選手になってもらいたい息子の思いがあって、スポーツを一生懸命やるような幼稚園に入ったんです。

そうすると、そのバッグを作るためのグッズをまずポチるところから始まるんですね。大谷翔平さんのアップリケを輸入するわけですよ、17番、ドジャースって。

(会場笑)

ボタンとかも野球のボールだったり帽子だったりバットだったりする。それで、靴袋、お着替え袋、それから、そういう何点もすごく作るので寝られないわけですよ。というぐらい夢中になっちゃうっていう話ですね。

司会者:そういうエピソード、何て言うんでしょうね、大変とかそういうことではなくて、もう自分がやりたいからやるみたいな。

藤﨑:そうそう。

自主性があると心が消耗しない

司会者:もはやエピソードというか伝説みたいな話がいっぱいこの本にも出てきて、ちょっとまとめでも書いているんですが。

自分事化するというか、自主性がそこにあるから、そんなに心は消耗していないことなのかなと思います。やはり自分がやりたいとか自分事化するのがすごく楽しく、仕事をする上でとっても大切なんだなっていうのをあらためて取材していて思ったところでした。

藤﨑:その時に議論になったじゃないですか。大学の時に就職のレクを受けて就職をしたっていう。若い社員の方もご一緒した時があって、その話になって。でも私は、その本にも書いたんだけど、仕事ももちろん自分軸でするもので、自分らしさは大事なんだけど、仕事軸でしたほうがぜんぜんラクだよっていう話をしたんですね。

上長の方も完璧じゃないですよね。だからその指導が例えば私情を挟んだり、コミュニケーションが不足している中で、叱るみたいなことをしたり、そういうことが起きるとすごく傷つくじゃないですか。

そういう時に、仕事軸で考えていると本当にラクなんですよ。どうしてかっていうと、仕事がなかったら言われないことだから、自分を守れるじゃないですか。だけどこれが自分軸だと、仕事をしていても言われたことが「全部自分がいけなかったんだ」みたいに取ってしまう。仕事でなければ言われないことだから。

さっき仕事中に気の合わない仲間がいた場合っていう話もあったけど、気の合わない人とも、さっき言ったように他者を尊重してがんばってそこで何かをなし得るわけじゃないですか。仕事軸だからそのことも家まで持って帰らなくていいんですよ。という意味でも私は、そういった物の考え方ってすごく自分の心を楽にするのかなって思ったりします。

「会社軸」で考えたほうが楽な理由

司会者:これは、本を出した後とかも、取材して記事にさせていただいたテーマとかで、「会社軸と自分軸を持て」みたいな話にとても反響をいただいたんですね。

社会に出ていく時に言われるのは「いかに会社に消耗されずに自分のやりたいことをやって、自分を見失わずにやるかが大事だ」みたいなことを散々言われてきたんですけど、たぶんそうできない現実にものすごく消耗する事態が起こっていると思うんです。

会社軸とか仕事軸を持っているほうが逆に楽なんだって、私にとって目から鱗だったんですよ。

藤﨑:あの時それでそんな話になったんですよね。それで二十何歳かの時は、仕事で上長に、偉そうなこととか言えるんですよね。

どうしてかって、自分ですごくリアルだなと思ったのは、社長になるって本当に図々しいじゃないですか。私、何の役職もない社員だったんですね。だけど「この会社、このままじゃ本当に駄目だな」って図々しいことを考えちゃいました。「私がいろんなことを考えたらもっと会社って良くなるんじゃないかな?」って言えちゃう。

これが、自分のために言っていたらたぶん駄目だと思うんですけど、会社軸で物を考えていると、上長にもいろんなことが言えるんじゃないですかね。

司会者:その言葉に出会った以前と以後ではだいぶ変わるのではないかと感じています。

ご質問の中には、ドムドムについても知りたいっていうお声がありまして、ドムドムのハンバーガーの裏側について迫っていきたいと思います。2026年、55周年ということでおめでとうございます。

藤﨑:ありがとうございます。

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