【3行要約】
・仕事のマネジメントにおいて「なぜか人がついてくる人」には、SNSインフルエンサーの戦略と共通する5つの明確な法則が存在します。
・12万人のフォロワーを持つ豊間根青地氏は、単なる「しごでき」に留まらない、組織で自然と信頼を集めるための再現性のあるステップを伝授します。
・「成果で語る」といった大前提から、不機嫌さを表に出さない「仮面」の技術まで、対話の時代に求められる現代リーダーの生存戦略が明かされます。
組織で自然と人を惹きつける人の5つの特徴
豊間根青地氏(以下、豊間根):仕事をもっと。
岩本紘佳氏(以下、岩本):おもしろく。
豊間根・岩本:しごおもTVです、お願いします。
豊間根:今日は、「影響力」の話をしたいなと思います。
岩本:影響力?
豊間根:ちなみに僕は「影響力」という言葉はあんまり好きじゃないんだけど。
岩本:そうなんですか?(笑)。
豊間根:「僕、影響力をつけたいんですよね」って言ってくる人、嫌いなんだけど。
岩本:確かに、ちょっと「おぉ……」ってなりますね。
豊間根:僕自身はXでは12万人以上の方にフォローいただいたり、いわゆるインフルエンサーなわけですよ。別にみんなにインフルエンサーになってほしいという話じゃないんですけども。
特にマネージャーとかリーダーの立場にいる方って、「同じことを言っていても、あの人が言うとみんな動いてくれる・やってくれるのに、俺が言うとみんなぜんぜん動いてくれない」「あの人が立ち上げたプロジェクトは、みんなが『俺もやる、俺もやる!』と言うのに、俺が立ち上げたら、ぜんぜんみんな協力してくれない」みたいなことってあると思うんですよ。
岩本:はい、あると思います。
豊間根:「あの人のところにはおもしろい仕事が集まるし、みんな協力するんだけど、あの人はなんか人が集まらないんだよね」みたいな人っていると思うんですね。昔は組織マネジメントのかたちって、経営からトップダウン、上意下達で「いいから黙ってやれ」「これが今の方針です。やってください。命令です」で良かったんだけども、今って対話の時代なわけです。
そうなると、仕事の中のマネジメントにおいても、インフルエンサーというか、人がついてくるっていうね。一種のリーダーシップが、仕事を進める上でもすごく重要なスキルになってきた感じがあるので。
かつ、その職場で一種の社内インフルエンサーになるみたいな話と、SNSでインフルエンサーになった時の考え方が、オーバーラップする部分があるなと思っているので、今日はそれを対にして話してみようのコーナーでございます。
岩本:でも、けっこう役立つ話かなと思います。仕事を進める上でも影響力というのはけっこう大事だなと、私も組織に入って思います。
豊間根:結局だから、今は一億総インフルエンサー時代なんですよ。
岩本:確かに。誰でもなろうと思えばなれますしね。
豊間根:うーん、まぁどうかな?
(一同笑)
まずはクオリティで語る
岩本:組織の中のインフルエンサーというか。
豊間根:それは本当に必要なスキルだし、センスだけじゃなくて、一定再現性を持ってできる部分があるんじゃないかなと思うので、参考になったらいいなということでお話しをしております。ということで、今日は5つポイントを考えてきました。1つ目は、「まずはクオリティで語る」。2つ目は、「キャラに一貫性を持つ」。
岩本:大事かも。
豊間根:3つ目が、「受け入れやすい表現・伝え方を選ぶ」。4つ目が、「一人ひとりに向き合う」。5個目が、「不必要な要素を出さない」。
岩本:なるほど。
豊間根:という5個のポイントがあるんじゃないかなと思うので、SNSの話と仕事の仕方の話を被せながらお話しをしていきます。1個目「まずはクオリティで語る」なんですけども、まず僕のSNS論の話で言うと、「良いコンテンツを作れ」と。
岩本:(笑)。いちばん大事。
豊間根:「良いコンテンツ」って何かというのは、いろんな流派があって定義があるんだけども。僕がずっと意識していたのは、まだ言語化されていないものを言語化したいんですね。なんかモヤモヤ思っているんだけど、うまく言葉にできてなかったものが、言葉とかかたちになって、「そうそう、それそれ!」とぴーんと来て、「あ、それ!」と言いたくなるものを作るということにすごくこだわっていて。
例えば「影響力を高める」ということを話そうと思った時に、ググって出てきたやつをそのまま出すとか、あるいはAIに「影響力ってどうやって高めますか?」と聞いて、出てきたやつをただ話すだけだと、やはりおもしろくないんですよ。
岩本:確かに。
成果を出せばいいというわけではない
豊間根:やはり発見がないんですよね。だから自分ならではの切り口とか角度とか、自分だからこそわかることをコンテンツにするっていうのに常にこだわっていたんですよね。
岩本:なるほど。でも確かに、それによってダイレクトにいいねがついたりとか、共感を得てフォロワーが増えるとか、たぶんそこが一番関わっていますよね。
豊間根:まずはやはり、質が良いものを出すことにこだわっていたわけですよ。仕事も一緒で、結局成果を出しているやつが偉いわけですよ。
岩本:それはそうだ。
豊間根:基本的にはね。いくら良いことを言っていたりとか、いくら堂々とプレゼンをできたとしても、「あいつぜんぜん仕事できないからな」という印象だったら、やはりついてこないわけですよ。当たり前のようなんだけど、まずは「ちゃんと成果を出す」「ちゃんと良い仕事をする」というのが大事で、これは大前提なんですよね。
ただ、これもいろんなリーダーというかインフルエンサーのパターンがいて。別に仕事ができるわけじゃないんだけど、異常な人たらしタイプのリーダーがいるんですよ。
岩本:あぁ、いますね。
豊間根:すごい仕事ができるわけじゃないんだけど、なんか知らんけど、人心掌握能力に長けていて、「あ、ちょっと◯◯さん、お願いします」。なんか知らんけど、あの人がいるといつの間にか話がまとまっていて、成果が出ているみたいな。
その人自身がいわゆる「しごでき」という感じじゃないんだけど、(その人がチームを)まとめたことによって、1年を振り返った時に成果が出るよねという認識がないと駄目なんですよね。
ゴールへのたどり着き方は人それぞれなんだけど、まず「成果を出す」というのが大前提です。ただですよ、ここからがまた難しいところなんですけど、成果を出せばいいっていうものでもないんですよ。
岩本:(笑)。難しい。
仕事はできるが、人がついていかない人
豊間根:「あの人めっちゃ仕事できるけど、人がついていかないよね」みたいな人っているでしょ?
岩本:うん、あると思います。でき過ぎちゃうというか、別に他の人が手伝わなくてもできるというか。組織の中にいて、めっちゃ「しごでき」で自分だけでできちゃうみたいな。
豊間根:そうなんですよ。頼る必要はないからね。助ける必要もないだろうなと。むしろ、「助けたら文句を言われるんじゃないかな」みたいに思っちゃうよね。
岩本:そうそう。逆に「邪魔かな?」みたいな。
豊間根:そうなんですよ。それは駄目なんですよね。それをどうするかというので、2個目以降が出てくるわけですけど。「キャラに一貫性を持つ」ということなんですよね。
岩本:おぉ。なるほど?
豊間根:これはSNSでフォロワーを伸ばすという時……僕は「フォロワーを伸ばす」という表現もあんまり好きじゃないんだけど、フォロワーを伸ばす時に大事だとよく言われていることで、要はキャラを決めるということだね。
誰に対して、どういう価値を提供する人なのかということをちゃんと決める。それを守り続けるのが大事だという話があります。ただ、僕は徐々に仕事論における本質的なところが「資料の人」からちょっとずれようとしているから、ぶれているんだけど。
岩本:(笑)。
豊間根:反面教師にしていただいて。あんまり自分で言いたくないけど。
岩本:(笑)。説明をするとかは一貫していますよね。何についてかというのが違うだけで。
豊間根:わかりやすくユーモアを交えて。でも、「ちょっと普通だったら難しいようなことをおもろく伝えるんだぜ」というキャラは、ずっと一貫しているわけですよ。「俺はこういう人間だ」ということを決めたら、それをぶれさせないということがすごく大事なんですよね。
仕事においても、やはり思想とか美学を持っていることってめちゃくちゃ大事で、「会社がこういうルールだから、そのとおりにしてください」とか、「そういう方針だから、それを守らなきゃいけないです」みたいな、自分を持っていないでやるべきことだけをやっているんじゃなくて、それを再解釈する。
トヨマネ流で言うと、「俺はこういうチームにしていきたいんだ」とか、「仕事をする時に、やはりこういう考え方でやっていきたいんだ」という思想とか美学をちゃんと持って、その行動指針にしたがって、動き続けるということがすごく大事なんですよね。やっぱりみんな見ているのよ。
「オフィスの廊下に落ちているゴミを拾える人」には人がついてくる
岩本:いや、でもめっちゃわかります。上司だったり先輩が思想を持っている方のほうが、こっちもついていきやすい。「どういうモチベーションで、どういう行動をしたらこの人が喜んでくれるかな」というのがわかりやすい。それがない人はわかりづらいから、どうやって協力したらいいかが難しい。
豊間根:「この人何考えているの?」みたいになっちゃうんですよね。
岩本:うん、なります。
豊間根:私はこれ、言葉を変えると、オフィスの廊下に落ちているゴミを拾えるかどうかだと思っている。
岩本:おぉ、なるほど(笑)。
豊間根:俺、それがすごい大事だと思っているんですよね。オフィスの廊下に落ちているゴミを拾う人には、人がついてくると思っているんですよ。
岩本:でも大事かも。
豊間根:拾えばいいっていうものじゃないんだけど(笑)。
岩本:(笑)。そういうマインドがね。
豊間根:そうそう、思想なんですよね。「拾わない」という思想だったら、それはそれでもいいんだけどね。俺は拾う側の思想だし、そういうところに表れると思っている。
3つ目、「受け入れやすい表現を選ぶ」ということですね。これはコミュニケーションの話なんですけれど、ことSNSで言うと、僕が今までいろんな方に見てもらった投稿ってざっくり2パターンあって、「おもろい」か「役立つ」かなんですよ。
岩本:(笑)。
豊間根:「役立つ」のほうで言うと、常に誰かに、この投稿を見てくれる人がどういう気持ちになって、その人にとってどう役立つかということを意識しながら、言葉にする必要があるんですよね。その人がどういう気持ちで受け取って、どういうふうに感じて、どういうアクションを取ってほしいかということから逆算して、表現とか伝え方を考えるという必要がある。
メンバーとの対話でもそうなんですよね。前提、我々って違う生き物なので、言いたいことだけを言っていても駄目なんですよね。違う世界を見ているから、人間って「事実」じゃなくて「解釈」で生きている生き物なので、「相手がどういう解釈と感情を持つか」ということから逆算して、伝え方を変えなきゃいけないんですよね。これは私、自戒も込めて今話しておりますけども。
岩本:振り返りながら(笑)。