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第一部「歴史の構造と最新の調査からみる、戦略的ハードワーク時代を生き抜く視点」(全3記事)

現場を追い詰める“根拠のない長時間労働” 成功体験が仇になる“昭和100年”型の経営が陥るリスク [2/2]

社員に長時間労働を求めることのデメリット

深井:政治から変わることを期待することは、僕は合理的ではないと思っています。期待している方がいらっしゃるのであれば、ちょっと嫌味な言い方ですけど「なんで?」って聞きたいです(笑)。

もし経営者で「いや、政治から変えるべきでしょ。変わればいいでしょ」と思っている人がいたとしても、僕からするとさっき言ったような「リソースを奪われている」という認知なんです。

女性の中にいる、才能のある意思決定層を僕は経営者として採用したいのに、社会がそういう体制になっていないから、ある意味奪われちゃっているという感覚なんです。その中で政治に期待するって楽観的すぎるし、経営として危なすぎますよね。もし政治がやってくれなかったら自分たちが潰れるわけでしょう。そんなことは期待できないです。

大塚:それこそ、現状認識をできていない感じがしますね。

深井:はい。なので、自分でがんばってなんとかするしかないし、経済人が横串を通して、今の構造を理解して変えていくということをしないといけないと思っていて。

だから、がんばりたい人はがんばってくださいというかたちだし、僕も一緒にがんばりたいんです。ただ、「がんばる」という話と、さっき言った「状況理解と戦略」の時系列を逆にしてほしいんですよ。

大塚:先に状況理解と戦略を持って、よくよく理解して把握した上で、じゃあ何においてどうがんばるのかという話になってくる。

深井:そうしないと本当にまた日露戦争の203高地や、ガソリンがないのに戦って死ぬ、原爆落とされて終戦しますみたいな感じになる。第二次世界大戦と突入の仕方が一緒なので、再現しすぎて怖ぇなと思って見ているから、まさにこういう構造理解を一緒にしましょうね。

構造を理解した上で長時間労働を推奨している方がいらっしゃれば、別に僕はもう何の文句もない。それは意思決定なので。

大塚:その方の意思決定としてそうなんですね、ということ。

深井:その方の意思決定なので。でも、まずは構造を理解してほしいです。じゃないともう本当……怖いですね。

大塚:戦略なしに突っ込んでいくみたいな状態。

深井:僕からはそういうふうに見えますけど、「どうですか?」って逆に聞きたいかな。どういう状況理解に基づいて、長時間労働をしないといけないから推奨したほうがいいと思っていらっしゃるのかとかは、逆にちょっと聞きたい。

僕からすれば半分のリソースを失うけど、その半分のリソースを失わないと思っているのはなんでなんだろうな? って思っています。

エビデンスなき長時間労働推奨の謎

大塚:そこは確かに私も聞いてみたい。もう二十数年この仕事をしていますけれども、その点についてはけっこうずっと平行線という(笑)。

深井:(笑)。半分のリソースを失って、どうやってグローバルの中で価値を出していったり、エコノミクスを上げていくつもりなのかも本当に聞きたいなと思う。どう考えて、どういう理解で、何の科学に基づいてそれを理解しているのか。

本当に言っているんだとしたら、客観的事実とか何の論文や何の言説に基づいて、その戦略を立てているんだろうって。ちょっと嫌味に聞こえちゃうかもしれないですが、そういうふうに聞いてみたいという感じですかね。怒らせたいわけじゃなくて。

大塚:ロジックだったり仮説だったり、まっとうに対話したいってことですよね。

深井:今まで話した人は理解していなかったので、たぶん理解されていない。(構造を理解)してほしいから伝えているんですけどね。別に馬鹿にしたいわけじゃないですし、社会としてこの問題を理解して一緒にクリアしていきたいので。

大塚:私も心底そう思います。私は娘が2人いるので彼女たちの未来のために、深井さんにもご家族がいらっしゃる中で、未来のためにやっていくって大事ですよね。

小さな娘を持つ親としての危機感

深井:そうですね、僕も娘がいるので。今は経営戦略的な角度からしか話さなかったですけど、大元は人権の問題なんですよね。

大塚:人権。

深井:僕も今、ちっちゃい娘がいますが、娘が物心ついた時に今の日本のジェンダーギャップの感覚みたいなものを持たされて、僕の娘に再生産されてもめちゃくちゃ困るというか。

リーダーにもなれないし、「かわいいだけじゃだめですか?」とか言ってリーダーになることを配慮されても本当に困るんですよね。マジで勘弁してほしいんですよ。だから個人的にはマジで、2020何年でそんなことを言うなやと思っているんですけど(笑)。

大塚:ヤバい、止まらなくなっちゃう(笑)。もっと聞きたい。

深井:だから、みなさんもぜひ27時間の音源を聞いてみてください。それを理解した上で今の僕の発言に反論があったら、嫌味じゃなくぜひそういう議論をしたいんですよ。

大塚:いいですね。議論ですよね。

科学とファクトを無視した経営判断への疑問

深井:じゃないと単純にファクトを知らないみたいになっちゃうから、建設的(な議論)にならない。自然科学って、そんなにみんな否定しないじゃないですか。「物理でこう言ってます」というものを無視して、「こういう建物を建てます」とかはしないじゃないですか。

「工学でこういうセオリーがあるけど完全無視します」とかはしないのに、ジェンダーの領域ではそれをめちゃくちゃやっているんですよ。

大塚:持論がおありですが、n=1なのに……っていうことはありますよね(笑)。

深井:そうそう。その持論を各自優先して使って経営判断をしているんですけど、マジで「……?」なんですよね。「大丈夫?」ってなる(笑)。

大塚:(笑)。

深井:工学とか自然科学ではやらないのに。だって、薬学や生物科学を無視して薬を出して売ったりしないでしょ(笑)。

大塚:感情論になってしまうと、自分の持論とかn=1~3ぐらいのご自分の周りのお話に終始しがちなので、ぜひみなさんにはCOTENさんのジェンダーの音源を聞いていただいて、多格的に学んで現状を理解いただく。

ご自分が今、取っていらっしゃる戦略がこのままでいいのか、ちょっと修正が必要なのか、まったくダメなのか。そのあたりを深めていただく機会になるといいのかもしれないですね。

深井さん、いったんここで対談は終わりなんですけれども、みなさんからの質問をたくさんいただいているので、みなさんの持論もうかがえる機会をこのあとに取っていきたいなと思っております。ひとまず深井さん、ありがとうございました。みなさんもありがとうございました。

深井:ありがとうございます。

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