PR2026.03.24
「成果より努力を評価してほしい」 Z世代新入社員に広がる“プロセス重視”の背景
コピーリンクをコピー
ブックマーク記事をブックマーク

宮地尚貴氏:やはり人間は弱い生き物ですので、仕事ができる方だって疲労すれば注意力は落ちますし、忙しければ楽なほうに流れますし、(仕事が)作業になりますし、誰にでも起こり得ることです。なので、状況次第では弱さを見せてくることがございます。
ここをどうやって解決するかというと、意志だけに頼るとできたりできなかったりする部分になってしまうので、機械的な仕組みに頼っていくほうが、管理職の視点としては推奨なのかなと思っております。なので、実際の取り組み事例をお伝えできればと思っています。
まず1つが、超有名企業のトヨタ自動車さまの例ですね。有名かもしれないですが、「ポカヨケ」という哲学があります。作業ミスを「ポカ」、未然に防ぐことを「ヨケる」としています。トヨタの現場だと気合いが評価されないので、「気をつけます」で済まされない。
例えば「物理的制約」といって、部品を取り間違えたら次の工程に進めないセンサーを設置しているとか、「自働化」という、異常があれば機械が止まって人間を監視作業から解放していくといったものがあります。
本日のウェビナーのお申し込みフォームなんかも思い出していただければなと思うんですが、必須の入力項目を全部埋めないと、登録してもエラーが出て次に行けない。言ってしまえば、これはトヨタの工場の例とも同じような発想なのかなと思っています。
(人間は)間違えるものだという大前提がありますので、仕組みでカバーしていく。これこそが、やはり世界一の品質を実現している1つの要素なのかなと思っています。
2つ目が、大本のキーエンスさんですね。キーエンスは営業会社さまですが、創業者の滝崎(武光)会長は「天才はいらない」という言葉もおっしゃっていて、標準化を徹底しています。
営業の行動管理としてSFAという営業の管理ツールを入れて、営業の方の分単位の行動を可視化していたり、あとはトップ営業の方のトークをマニュアル化して、新人でも同じ成果を出せるようにしています。これは“料理のレシピ”みたいなかたちですね。
一流シェフの料理はやはりおいしいので、そのシェフの塩加減が適当なんてことはないと思います。なので細かい部分もこだわって、再現性を持たせるように言語化をしていっている。
なので営業という職種で言うと、一見するとどこの会社さまでも属人化って起こりがちなのですが、営業のプロセスを全部レシピに例えると、工程をかなり細分化しているのかなと思っています。
人のカラーを出した営業をするという部分ももちろんあるとは思うんですが、外してほしくない部分を細かく言語化すると、(要素を)抽出することができます。その抽出した活動をどの社員も必ずやらないといけないというところが、営業の育成のポイントになっているのかなと思っています。私の友人も働いているんですけれども、仕事中はプライベートのことでも携帯を触っちゃダメということもチラっとおうかがいしたりもしました。
性善説、性悪説、性弱説の3つがあるのかなと思っていますが、この3つのアプローチを比較させていただければと思います。性善説の場合ですと「信じればやる」、性悪説の場合だと「サボるから監視しよう」、性弱説だと「環境に左右される」という前提があります。
ミスの発生時の上司の対応で言うと、性善説は「気をつけよう。次は君ならできる」といった、精神論が多いかなと思います。性悪説で言うと、「なんでなんだ?」と処罰を下すようなアプローチ。性弱説ですと、仕組みを変えていくというアプローチです。
なので性善説の場合だと、人の感性みたいなところにけっこう依っていったりしますので、属人化していく。性悪説が続いていくと関係の悪化につながっていきますので、離職や隠蔽体質の組織風土が出来上がったり、上司に怒られたくないのでミスを言えなくなるんですね。なので、ミスを報告しなくなるといったことが考えられます。
性弱説の場合だと、再現性という観点では管理職のアプローチとしてはいいのかなと思っておりますので、1つの観点としてはおすすめなのかなと思っております。
性弱説的マネジメントのポイントでよく言われているのは、この2つですね。1つ目が「言葉の検知」、2つ目が「物理制約」。これらの2つを取り入れていくことで、性弱説的マネジメントにつながってくる。では、一つひとつお伝えできればと思います。
まず1つが「言葉の検知」というものなのですが、(スライドの)イラストをちょっと見ていただければなと思います。例えば、部下が「書類から誤字・脱字を減らすために、今後は意識して作ります!」と言っています。
多くの上司の方々はここでどう思うのかというと、「そうか。次はがんばって。頼むよ」という感じになるのかなと思っています。ここでやっていただきたいこととしましては、「誤字・脱字を減らすために意識して作ると言っていますが、具体的には何をするんですか?」と、一言聞いてほしいんですよね。
すると、だいたいの部下は「そうですね……」と固まってしまうんですね。どういうことなのかというと、「申し訳ございませんでした。次はないようにします」という、この「ないようにするためのアクションプラン」が固まっていないので、また(同じようなミスを)繰り返すんですね。
なので、これが言葉の検知をしてほしいところでして、「意識する」「がんばる」「反省しています」だけで終わるというのは基本的にはNGワードです。これだと抱負みたいな感じになってしまっているんですよね。「今年は毎日早起きします」と言っても、何かがあったタイミングで早起きがぜんぜんなかったことになる、みたいなことですね。
やはり曖昧な言葉からは曖昧な行動しか生まれてこないところがありますので、こういった言葉をSOSと捉えていただいて、「これはまずい。やらないんじゃない?」、もしくは「できないんじゃないか?」というふうに一言質問するというのが、まずはすぐにできる行動なのかなと思っています。
2つ目は「物理制約」です。またイラストを見ていただければと思うんですが、「誤字・脱字がないか、書類をセルフチェックして問題ありませんでした!」と、部下が報告しています。
時間に余裕があれば、上司の方が細かくチェックするかもしれないんですけれども、よくよく考えてみると、管理職の方のチェックってけっこうサラサラっとなってしまうことが多いと思うんですよね。
忙し過ぎて見る時間も取れず、「後から送っておいて」とか「後で見るわ」と後手後手になったり、見たもののすごく流し見になって、どこか確認漏れがあるとか。やはりこれは落とし穴なのかなと思っておりますし、「確証バイアス」というものがあるんですね。
どういうことなのかというと、自分が正しいと思い込んでいるものは、間違えを見つけにくくなるという心理傾向があります。なので特に誤字・脱字なんかは、何度読み返しても見つからなかったのに、他の人が読んだら一発で見つかるとか、そういった経験がみなさまもあるのではないかなと思っています。
なので、確認作業は人に頼るというよりはシステムやツールを有効活用して、「間違えると進めないようにする」という環境にすることが大切なのかなと思っております。
今回のような書類のチェックだと、だいたい他の方がダブルチェックするという行動が多いとは思うんです。ただ、それが難しいという場合は、例えば既定のプロンプトみたいなものをAIに読み込ませてチェックして、問題がなかったらお客さまに送付するというルールを設けるとか、システム上でそういった制約を求めるようにする。
確認作業ってけっこうムダなのかなと思うんですよね。必要なんですが、もっと他のところに時間を使いたいと思うので、最近の時代だとこういった部分はシステム化していったほうがいいのかなと思っております。
物理制約の例をいくつかご紹介できればと思うんですけれども、「請求書の入力漏れ、送付先間違い」の対策では、送付前に必ず別の担当者が宛名・金額を確認する「ペア承認制」。
これはちょっと人が介在しているので、あんまり(人員に)余裕がない企業さまにはおすすめではないですね。あとは、確認項目をすべて埋めないと次の工程に進めない。特にこちらが進めていただきたいポイントかなと思っています。
もう1つ、「作業手順の抜け、数値入力の間違い」に関しては、システム側で上限と下限を設定していく。それ以外の既定外の数字は入れられないようにするとか、そういったところでシステム化していく部分がないと、働いている側がけっこうしんどいですね。
「またミスっているじゃないか」と怒られる、みたいな。これは誰でもあるとは思うんですよね。だけど、上司がミスってもあまり怒られないみたいな(笑)。なので、確認作業などの作業系は、ある程度システマチックにしていったほうがいいのかなと思っております。
続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。
すでに会員の方はこちらからログイン
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!
スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ
この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします