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なぜなぜ分析、やってるのに成果が出ない理由~業務改善につなげる5つのポイントを60分で解説~(全5記事)

「手順書を整備します」ではミスの再発を止められない 原因に合わせた打ち手の設計ポイント [2/2]


ミスが起きたから「すべてを管理職がダブルチェック」ではダメ

では5つ目です。机上の空論ではなく、現実的な実行プランを作るということです。最後はやはり、実際に実行できる対策にしなければなりません。対策として立派な案が出てくることはありますが、「それ、本当にできるのですか」と聞くと、「それは少し難しいです」という話になってしまうことがあります。だからこそ、最後は現実に立ち返って考える必要があります。

では、どうするのか。解決策を評価し、実行策を決定します。つまり、何をやるのかを具体的に決めるということです。ミスをなくしたい。そのための評価基準として基本になるのは、期待効果、コスト、時間です。どこまでミスを減らしたいのか。どれくらいコストがかかるのか。どれくらいの時間で実行できるのか。こうした観点で、どの対策を実行するのかを決めていきます。

ここでよく見かける光景があります。例えば「すべてを管理職がダブルチェックする」という対策です。そうなると、管理職は仕事が増えて帰れなくなります。あるいは、帰らなくても終わらないほどダブルチェックが増えてしまう。管理職の仕事の半分以上がダブルチェックになってしまうような状態です。

ここで重要なのは、現実と向き合うことです。すべてをチェックすることはできません。例えばメールの誤送信を防ぐために、すべてのメールを管理職が確認するという運用をしている会社もあるかもしれませんが、現実的には限界があります。ではどうするのかを考える必要があります。

今であればAIを活用するという方法もあります。また、すべてをマニュアルに書こうとすると、非常に分厚いマニュアルになります。マニュアルを整備すること自体は悪くありませんが、実際に運用されなければ意味がありません。

さらに、マニュアルに書いたとしても、想定外のことは起きます。マニュアルというのは、基本的には「想定内」を整理するものです。しかし現実には、想定外の事態が起きることがあります。

そのような時にどう対応するのか。そう考えると、リーダーシップ教育や倫理観教育といったものを日頃から行っておく必要があります。想定外の状況でも判断できる力を育てておく必要があるということです。

「実行できる対策」だけを残す判断基準

では、解決策を決めるとはどういうことか。整理すると次のようになります。まず現状があります。そして目標があります。ミスをなくしたいという目標です。その間にはミスが発生する原因があり、原因1、原因2、原因3といった要因があります。それぞれに対して解決策1、解決策2、解決策3といった対策を考えます。

さらにその先には、会社や部署として実現したい目的があります。ミッション、ビジョン、パーパスといったものです。そして現実には制約条件があります。その制約の中で何をやるのかを決める必要があります。

ここで「現実と向き合う」というのはどういうことか。重要なポイントがいくつかあります。

まず1つ目は、目標です。現実的にいつまでに、どこまで問題を解決するのかを決める必要があります。正直に言えば、ミスを100パーセントなくすことは可能でしょうか。人間が作業をしている以上、0.01パーセントのような小さな確率でもミスが起きる可能性はあります。

最初の問題定義で「ミスを撲滅する」と定義することもあります。しかし、それをそのまま言い続けると、現実とのズレが生まれてしまいます。では現実的に、どこまでのミスを許容するのか。本当にゼロを目指すのか。もし本当にゼロを目指すのであれば、考えた解決策をすべて実行しなければなりません。しかし、それは現実的ではない場合が多いでしょう。

だからこそ、どの程度のミスの発生確率までなら許容できるのか。どの程度のインシデントまで防げればよいのか。企業としてどこまでを目標にするのか。あるいは顧客とどこまで合意できるのか。こうした点を議論する必要があります。つまり、目標を現実的に再設定する必要があります。

顧客も、社内の人も、人間が作業している以上、ミスを完全にゼロは難しいということは理解してくれるはずです。だからこそ、どこまでやるのかを決める必要があります。現実的な目標と現実的な解決策は、必ずセットで考える必要があります。

採点ミスをなくすために“すべてをマーク式にする”という発想

そしてその3、その解決策は自社の目的にフィットしているか。やりすぎると顧客満足度を毀損するとか、本来のサービスができなくなる可能性もあります。副作用がないか。ここも確認してほしいです。

私がよく話している有名な事例があります。学校の試験でミスが起きてしまったというケースです。「ミスをゼロにしたい」と言って、どうしたかというと、すべてマーク式の試験にしてしまったんですね。

でも、それでいいのでしょうか。確かにミスは減るかもしれません。しかし教育として考えた時、それでよいのかという問題が出てきます。国語の論述問題のように、自分の言葉で考えて書く問題があるからこそ、本来の学力を測ることができ、将来の可能性も見えてくるわけです。

それをすべてマーク式にしてしまったら、その学校として実現したいことに本当に合っているのかという問題になります。ミスは減るかもしれませんが、教育の目的という観点では副作用が出てしまうわけです。

だからこそ、目標をどこに置くのかを考える際には、その先にある企業や部署の目的が何なのかを踏まえる必要があります。そこを踏まえたうえで、どこまで対策を行うのか、何を実現したいのかを考えてほしいと思います。このあたりが、私たちが考えている5つ目のポイントです。机上の空論ではなく、現実的な実行プランを作るということです。

スキルベースにご相談をいただくお客さまの声として、初めて「なぜなぜ分析」を導入する会社もたまにありますが、それほど多くはありません。多くの場合、すでに研修を実施しているものの、内容がしっくりこないという声です。ネット検索を通じて私たちを見つけていただくお客さまも多いと感じています。

何が大切なのか。シンプルに言えば、体系的な理論とリアリティのあるケースです。先ほどお伝えした5つのポイントのような体系的な理論や考え方を身につけていただくこと。そしてリアリティのあるケースで学ぶこと。この2つを、お客さまは非常に重視されていると感じています。

いろいろな業界に対応する「なぜなぜ分析」研修

というのも「なぜなぜ分析」はもともと工場現場や生産現場から広がった考え方で、特に自動車産業で発展してきました。そのため、指導する先生方もその分野の出身者が多く、ケースもそれに合わせたものが多くなりがちです。

例えば「なぜ油がこぼれてしまったのか」とか、「なぜ作業車と人がぶつかってしまったのか」といったケースです。それ自体は重要な問題ですが、「うちは油を使っていない」「うちは作業車が走っていない」という企業もあります。そうなると受講者が研修に入り込みにくくなることがあります。

そこで私たちは、すべての業界に対応できているわけではありませんが、多くの企業がミスの対応を考える際に学びやすいテーマとして、物流業界の誤配送を題材にしたケースを研修でよく扱っています。加えて、メルマガの誤送信といったケースも扱っています。

ケーススタディとしては、物流業界のミスをなくすというテーマです。ある会社で実際に起きた事例をもとにしています。羽田空港の近くにある倉庫会社に取材をさせていただき、ミスが発生したケースについてお話を伺いました。間違った段ボールを送ってしまったという事例です。

その内容をもとに、どのように「なぜなぜ分析」を行うのかを学ぶケースとして用意しています。もちろん、すべての企業に完全に当てはまるわけではありませんが、学びやすい題材として準備しているものです。

私たちは、このような流れで研修を行っています。まずイントロダクションを行います。研修は1日形式が多いですが半日も可能です。イントロダクションのあとに、なぜなぜ分析の解説を行います。そして総合演習として「物流業界のミスをなくす」というケースに取り組んでいただきます。

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