「指示待ち」にもさまざまなタイプがある
野田:ちなみに指示待ち人間にも定義があります。自分で考えない、失敗を恐れる、働きがいを感じていない、自身と他人に無関心、自分の意見がない、意見が言えない。仕事の役割の内容を理解していないし、喜びも見いだせていない。最後がおもしろいですね。利己的合理主義。自分に利益があることに対しては合理的に動く状態です。

まさにここから脱するためのKX(カイシャ・トランスフォーメーション:「カイシャの未来研究会2025」が2018年末の発足以来、6年間余にわたって研究を重ね、体系化、メソッド化してきた「人生100年時代の会社=「“人”が主役の会社」へと変えていく組織進化のプロセス)を持ってこない限り、逆に言うと入れ物・制度をどれだけ変えても、たぶん何も変わらないと思っています。
ちなみに「社員」といろいろと一括りにして言っているんですけども、社員もいろいろいますのでね。どこの誰からどう意識を変えていくかについては、もうちょっと具体的に考えていかなきゃいけないかなと思っています。
ホワイトカラーと言っても一様ではない
野田:例えばブルーカラーという言い方がよくありますよね。それに比してホワイトカラーがあります。しかしこの頃は、エッセンシャルワーカーなんて言い方も出てきている。まさに働いている人の働き方というのはいろいろです。だから、どこかだけを見ていたのではダメだなと思っているんですね。

いやもっと言うならば、ホワイトカラーと言われている人たちにも、実はいろんなことをやっている人がいるわけです。我々が通常、ホワイトカラーと考えると、クラリカルワーカー。事務処理をする、事務仕事をするというのが頭の中に一番思い浮かぶわけですけれども。
実はホワイトカラーはそれだけではなく、例えば「顧客接点ワーカー」と私は名付けているんですけど。営業とか、そういうような方々ですよね。コールセンターなんかもそうでしょう。実際にお客さまと接していて、お客さまに喜んでいただく。お客さまに価値を生むことを思考しているような人もホワイトカラーです。
また、さらに言うと、いわゆるイノベーターですよね。新価値創造ワーカーなんて私は考えていますけれども。新しい価値を作るという、企画・開発から始まるいろんなマーケティングとか、そういうことをやるような人たちも当然、ホワイトカラー人材としています。
さらに忘れてはいけないのは、まさにマネジメントワーカーと言っていいんでしょうかね。いわゆる管理職の人、管理をする方。こういう方々もいるわけです。ですから、ホワイトカラーと言っても一様ではないわけですよね。
一人ひとりの社員に、自らの人生の主人公として目覚めてもらう
野田:今は生成AIなんかが出てきて、いろいろなことの働き方が変わろうとしているわけですけれども。その大きな流れから言うと、実はこのマネジメントワーカーとか、クラリカルワーカーという人たちよりも、接点ワーカーとか新価値創造ワーカーのような人たちのほうが、むしろこれからは大切になってくると言いますか、より重きを置かれるようになってくるだろうなと思っています。
ですから逆に言うとクラリカルワークとか、マネジメントワークに取られている時間を機械化などによってできるだけ少なくすることによって、多くの人が顧客接点であったり、価値創造であったりにシフトしていく。さらに言うとエッセンシャルワーカーは、まさに顧客接点でもあるわけですから、この人たちこそが、むしろ価値創造をしていく。
そのようなかたちに変えていくし、また本人たちも自分たちの仕事というのはそういう仕事なんだということを考えるようにしていくことが、KXの本体になってくるのではないかなと私は今思っています。
もちろんブルーカラーの方々も価値を創造するという面においては仲間ですから、同じだと思っております。会社というのは、規則に従って書類を作るところじゃなくて、価値を作るところなんだよねという、まさにその意識を根本から変えていかないといかんかなと思っています。
なので、こんな状況をなんとかしなくてはいけないからということで、KXでは「個人の目覚め」と「組織の進化」ということを言っています。さらに言うと、その「個人の目覚め」と「組織の進化」のどっちが先ですかと。これは私も仕事していて、よく言われるんですね。昔は悩んでいて、ちょっと玉虫色に、「両方です」なんて言ったんですけど。私はもう今、「個人の目覚め(が先)」と言い切っております。
まず一人ひとりの社員に、自らの人生の主人公として目覚めていただきましょうよ。そして会社を作る1人として目覚めていただく。そして、それを組織が支えていくようなかたちに持っていく必要があるのかなと、今は考えているところです。ということで、一応私のプレゼンは、ここまでです。
大野:野田さん、ありがとうございました。