【3行要約】・「管理職は大変そう」という部下の意識を変えようとする上司は多いですが、実は上司が無意識に見せている姿こそが「なりたくない」の根源かもしれません。
・株式会社NOKIOOの古賀奈津紀氏は「意向から変えるのではなく、具体的なスキル獲得と経験のサイクルを回すことが自信につながる」と指摘します。
・女性管理職候補が「自分にもできる」と確信を持つために、組織はどのような機会設計やコミュニティ形成、そして上司の巻き込みを行うべきなのでしょうか。
前回の記事はこちら 女性管理職問題を解決する「3つの柱」まとめ
成瀬岳人氏(以下、成瀬):ありがとうございます。ということで、3つのポイントを見てきましたけども、私がまとめてもよろしいですか?
古賀奈津紀氏(以下、古賀):はい、お願いします。
成瀬:他にも4つ目があるよとか、5つ目があるよというのは、ぜひまたみなさんと一緒に模索していきたいところです。今日のテーマ、「『管理職になりたくない』を『できるかも』に変える」ということでいくと、(まずは)上司の支援だということです。

ここでポイントになってくるのが、みなさんからもチャットで「管理職やマネジメントは大変そうだな」といただきました。そういうふうに、上司側が無意識のうちに見せてしまっていることは確かにあると思います。なので、(管理職候補の)本人を支援していくのですが、やはり上司側も一緒に変わっていく観点もあったなと思っています。
中長期の機会設計とコミュニティが意向を育てる
成瀬:2点目の機会設計ですね。これはもう本当にそのとおりで、いきなり「はい、じゃあ、候補を2人挙げてください」みたいなことになると「そんな、いきなりですか?」となるので(笑)、中長期で本人がしっかりと実行し、行動して、「あっ、できるかもしれない」と思えるような時間が必要です。
ちょっと上司支援に戻りますけども、そこには他者がいないと変化に気づけないので、伴走(の必要)は出てきます。
さらに、同志形成ということで。ある日突然、「じゃあ、古賀さん。来月からよろしくお願いします」と言われて、「えぇ?」みたいな(笑)。「はいかイエスですか?」みたいな感じじゃなくて、ちゃんと「私も悩んでいるんです」とか、「これがあればなんとかなるんですけど」ということをちゃんとシェアしたり、(意見を)出せる場面、1人じゃないんだなと思える機会も必要です。
今日の学びとして、そんなお話があったかなと思います。前半にありましたけど、意向から変えるんじゃないと。具体的なスキル獲得と経験というキーワードがありますが、ここを古賀さんなりに少し補足してもらえますか?
古賀:今日も、行動をして、それを上司も含めて変化とか自信につなげていくのが大事だよというお話がありました。(ですが)中身の抽象度が高いと、なかなか行動の一歩が踏み出しにくいかなと思っています。
概念とか、「こんなリーダーシップがあるよ」だけだと、知識としては「なるほど」なんですけれども。なので、ここではこんな行動をやってみようという、かなり軽い一歩をスキルとして仕掛けていく。
何も考えずとも、と言ったらあれですけれども(笑)、「じゃあ、まずはやってみよう」というところからスタートできる。そこが経験につながっていく流れが非常に大事かなと思っています。
成瀬:なるほどね、ありがとうございます。じゃあ、古賀さん、あと残り10分ちょっとなんですけど。
古賀:はい(笑)。
成果の出し方を個人から「チーム」へシフトさせる体系
成瀬:今までの3つのポイントにいきなり気づけたわけじゃなくて、NOKIOOとして積み上げてきたものがあると思いますので、それを最後に教えてもらえますか?
古賀:はい、ありがとうございます。冒頭の会社紹介でも「全員マネジメント」という表現を出しましたけれども、(NOKIOOでは)まさに、マネジメントは役職ではなくて、成果を生み出すあらゆる活動として定義をしています。

(スライドを示して)これは当事者、女性の方に向けてもそうですし、企画を打ち出す時にもけっこう「いいね」と言っていただけるんですけれども。
登用の候補者にラインナップされる方々は、そこまでに1人でがんばってこられた方なので、「さらにがんばれ」ということではなくて。成果の出し方を変えるタイミングに来ているよということで、右側にシフトさせていくのが非常に大事かなと思っています。
組織から見た時も、もちろん管理職が増えるのはうれしいんですけど、チームの成果を見据えて行動を起こしてくれる人が増えるのは、別に役職にかかわらずうれしいことだと思います。これを管理職のもう一歩手前の層のベーススキルにしていくことで、本人も経験と自信が獲得できて、候補者が増える図を描けるかなと思っています。
成瀬:なるほど。
古賀:当社はそのために必要な行動体系を有しておりますので、これを全部織り込んだプログラムとして提供したいケースもあれば、どこかからか注力点を持って取り組んでいくパターンもあるかなと思っています。
体系的な育成プログラムがもたらす「意向」の向上
古賀:いろんなかたちがあるんですけど、(スライドを示して)赤枠で囲っている体系型のリーダー育成ですね。もし社内でこういった企画を打ち立てる場合は先ほどの7つの要素をベースに4つの学習テーマを設けて、先ほどのコミュニティの話とか、上司関与を組み込んでいき、行動や上司支援も、「任せた!」という(笑)。

「後は現場で」みたいなことではなくて、プログラム期間中にそのサイクルがきちんと機能していくかたちでご支援をするのが社内向けのパターン。ある程度の共通認識を作りたいとか、社内でコミュニティを作りたい場合は、こういったパターンが1つの例ですね。
実際に数値でも結果が出ていまして、先ほどの候補者であっても「あなたには、チームで成果を上げるスキルがありますか?」と聞くと、実はけっこう低い数値が出るんですよね。
ここを4ヶ月、5ヶ月のプログラムで、終了時には左側が(グラフ中の)この赤のラインに上がっていきます。それが右側の(管理職への)ステップアップの意向に反映していくという数値も出ています。なので、まずは意向から変えるというアプローチだと、そもそもの母数が少なくなっちゃうという構図はイメージしていただきやすいかなと思っています。
成瀬:はい、ありがとうございます。
社内でも越境でも共創の場を作る
古賀:次のページですね。これを越境で育てるというパターンもあります。社内でやるとなると企画から予算取りから、けっこう大変ということもあります。
成瀬:確かに。
古賀:そうではなく、当社がご用意した今日の要素が組み込まれたプログラムからスタートしていただいて、そこで内容とか本人の変化を見ていただいた上で、先ほどの社内向けにステップするというケースもあります。
成瀬:これは、上司も巻き込まれるわけですね。
古賀:はい、上司も巻き込まれるというところも入っております。雰囲気は、こんな感じです。それから、修了後に受講者同士で懇親会が立ち上がる感じのコミュニティが生まれますので、社内ばっかりじゃなくて他社の中核人材と一緒に学びたい場合は、このパターンもおすすめかなと思います。
成瀬:これは、今日の人たちでやってもいいんじゃないかなと(笑)。
古賀:(笑)。
成瀬:そのぐらい盛り上がっていますのでね。古賀さん、ありがとうございました。こういう実践を経て、今日みたいな話が出てきているわけなんですけども、どうでしょう、古賀さん。チャットも、これはもう、私の想像以上の盛り上がりで(笑)。みなさんの声も踏まえて、振り返ってみて、いかがですか?
古賀:私もリアクションボタンを使って、このハートを出してみました(笑)。
成瀬:ハートをね(笑)。ありがとうございます。
あらゆる人材が活躍できる組織を目指して
古賀:まずは、今日のチャットの様子を見てもわかるとおり、やはりこのテーマをなんとかしたいとか、より良くしていきたいとか。あとはたぶん、今日は女性だけの話じゃなくて、いろいろな人材が活躍する組織にしたいという方が集まってくださっているんじゃないかなと思っております。
今日お伝えしたことをいきなり全部(やるのは)、もしかしたら難しいかもしれませんが、一緒に考えることはできます。まずはみなさんの今のフェーズに合わせてお役に立てるNOKIOOでありたいなと思っております。
成瀬:古賀さん、ありがとうございます。みなさんチャットでもいろいろと打っていただきました。今日の我々の話を聴いていただいて、チャットには打てない、みなさん自身のいろいろなご事情もあるかと思いますので、ぜひアンケートで教えていただいて、まずは我々が一緒に話していくところから。
別にそれでさっきのプログラムをやらなきゃいけないとかそういうことではなくて、我々にはみなさんのお困りごととか、弱音を吐いてもらっていいですと(笑)。そこからいろいろ話せることもあるかなと思いますので、ぜひそんな声もアンケートで届けていただければなと思っております。