【3行要約】
会議が単なる報告会になっている――多くの組織で進捗管理が「詰めの場」に終わる課題が見られます。
研修トレーナーの伊庭正康氏は、Amazonの会議手法を参考に「すべてを定量化し、高速PDCAを回す」重要性を指摘。
ビジネスパーソンは、KPIとKGIを明確に区別し、会議を「対策検討の場」として活用すべきだと提言します。
Amazonの進捗確認の会議はいったい何が違うのか?
伊庭正康氏:研修トレーナーの伊庭です。今日のテーマは「Amazonがやっている、結果を出す、すごい会議の方法」です。これを紹介していきます。こんなことはないでしょうか? 進捗管理の会議が、ただの状況確認に終わったり、「詰めの場」になっていたりすることもよくあります。それは絶対駄目ですよね。
今日は、Amazonさんがやっている会議のやり方を紹介します。参考にした本は、佐藤将之さんという方が書かれた
『amazonのすごい会議 ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法』です。
私なりにアレンジもして付け加えてお話をしますが、やはりAmazonをはじめ、多くのイケている会社はやっていることが一緒ということがわかりました。ですので、もし今から紹介することをやっていないのであれば、ぜひ採り入れてみてください。
今日のメニューはこちらです。「Amazonの進捗確認の会議はいったい何が違うのか?」「間接部門も必ず定量化をする」「レビューは確認が目的ではない。じゃあ何が(目的なのか)?」「なぜ毎週進捗の会議をするのか?」「KPIとKGIを混同している組織が多い。だとすれば、どうやって分けるのか?」という話をしていきます。
このチャンネルは、年200回登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えする、本物のTipsを紹介するチャンネルです。
Amazonでは進捗確認で「すべてを定量化」している
さぁ、ではいきましょう。ドン。まず、Amazonの進捗確認はいったい何が違うんでしょうか? それは一言で言うと、「すべてを定量化している」ということだそうです。「いや、ちょっと待て。本当に定量化できるのか?」と思われたかもしれませんが、その話は後ほどいたしましょう。

「Amazonでは、メトリックス=KPIで会話が進む」というお話が本には載っていました。でも、これって私が付き合いをいただいている企業さまでは多くの場合、やはり定量で管理をされています。ここで、「いや、うちの組織は定量(化)できるものがない」(と思われた方もいるかもしれません)。そんなはずはないという話をしていきます。
まず、「やっています」「動かしています」「確認しています」という曖昧な言葉が当たり前になっていることは良くないんですね。もう一度言います。「うちの組織は間接部門です。定量化できません」。そんな声はよくあります。
ドン。Amazonのやり方は「間接部門も必ず定量化できる」ということだそうですが、私とお付き合いがある企業もそうですよ。やはり間接部門も定量化されています。これはなんで(定量化するのでしょうか)? そうです、(定量化しないと)評価できないからですね。私は前職のリクルートグループで管理職をやっておりましたが、間接部門もすべて必ず定量化します。どうやってやるの? その話をしていきましょう。
数値化できない仕事は存在しない
まず「間接部門は数値化できない」とよく聞きますが、数値化できない仕事は存在しません。例えば(スライドを示して)こちらに例を示しました。「○○対応をする役割」です。例えば「顧客対応をする役割です」「クレーム対応をする役割です」「進行管理をする役割です」といったさまざまな役割があります。(これらの役割を)「量」か「率」で数値化することを考えてみてください。もう一度言いますね。量か率です。

例えば「顧客対応をする」といった場合、「1回で対応できた割合」「再対応が発生した率」「対応件数」「対応リードタイム」といったような数字(に落とし込みます)。私もこれをやっていましたね。
「業務の平準化」という仕事をお願いしたことがありましたが、それだけでは(何をすればいいか)わかりません。平準化(という曖昧な指示)ではなく、「いついつまでに(ある作業の達成)率を何パーセント(にする)」というふうに、時期を決めて目標設定をする。こうすることで、間接部門の方がやることが明確になるとPDCAを回しやすくなる。
そしてそのメンバーの方も組織も、しっかり「改善、改善、改善」(と改善を繰り返すこと)がやりやすくなる。結果として(成果が)出やすくなるんですよね。ですので、間接部門も必ず量と率で確認するようにしていきましょう。
会議は「問題共有」の場ではない
そしてレビュー、つまり会議の場は確認が目的ではないということです。まずAmazonさんは、「(会議は)問題共有の場ではない」とおっしゃっていますね。「○○の状況で遅れが見られます」というのは良くないんですよね。じゃあどういう場かというと、「対策を考えてくる場」なんですね。
まず、条件①「必ず現状分析をした上で」、条件②「きちんと仮説を立て、対策案を考えてくる」。(みなさんの会社では)これをやっていない会議はありますか? 多いですよね。私は多くの企業さまの会議に出席しますが、やはり成長している企業さまは、これがかなり厳しく問われていますね。私も今でも思い出して胸がキュッとつまることがあります。それはグッとくる、ほろ苦い思い出があるからです。
私はリクルートで、ある事業の責任者をしていたことがありました。その当時は、2週間に1回はホールディングスの方が来られました。そしてKPIをチェックし、到達や進捗が遅れているものに対してはちゃんと原因と対策を考えるということを、1週間に1回ということはなかったですけども、2週間に1回はやりました。
ところが、2週間に1回発表しようと思ったら、本当のPDCAは1週間に1回ぐらいは回していないと、そんなの答えられないんですね。もっと言うと、もっと早く回します。じゃないと、2週間後に答えられないからですね。現場も見るし、お客さまにも話を聞きに行くし、データも見るし、ありとあらゆる仮説を立てます。
それまでにうまくいっている事業の関係者に話を聞いたりするなど、やることはめちゃくちゃ多いんですよ。だって、2週間後に発表させられるからですよね。確認が入るわけですよ。現状分析した上で、仮説を立てて対策案を考えてくる。そこまでしないといけないんですよね。
会議に臨むまでにやるべきことがめちゃくちゃ多くあります。ただ、なんとなく共有しますという会議はありません。ということで、目的は確認じゃなくて、きちんと状況分析した上で仮説を立てて対策案を考えてくる。ぜひこのあたり(のことをやってみてください)。今、私が言ったぐらいのことはやっていただきたいということで、今日は提案をさせていただきました。
Amazonでは週に1回必ず「進捗確認」をする
次に、なんでAmazonさんは毎週、進捗確認をしているのか? 必ず毎週1回はされるそうです。高速でPDCAを回すからというお話でしたね。毎週小さくズレを修正していくことで大きな失敗を防ぐ。例えばスポーツと一緒ですよね。「このターンではちょっと負けた。でも、次のターンではここで抑える」ということをやれば、きちんと勝利に導けるという話です。
マラソンだってそうですよね。「よし、最初の3キロのあたりではこうで、最初の6キロのあたりではこうで、そして10キロ、20キロ、30キロ、40キロ……」。きっとこうですよね。いや、すみません、私は5キロ走ってゼェゼェ言っておりますので、フルマラソンを走ったことはありません。走ったことはないけどしゃべっております。口だけは達者でございます。
でも、言っていることは同じですよね。「毎週1回は必ずやってみる」ということをやってみてはいかがでしょうか。かなり濃密なペースですよね。ということでぜひやってみてください。
KPIはコントロールできるものじゃないといけない
そして最後に、KPIとKGIの違いをお伝えします。KPIとKGIがごちゃごちゃになっていませんか? それは駄目だと説明しておりました。「KPIとKGIを混同すると、組織がおかしくなってきますよ。管理がおかしくなってきますよ」というお話ですね。ちなみにKGIとKPIという言葉の意味についてですが、あなたの会社でKPIと言っているものは、ひょっとするとKGIかもしれません。見ていきましょう。

KGIとは、最終的に達成したい成果目標のことを言います。(つまり)成果指標ですね。例えば「顧客満足度4.5以上」(という目標があったとします)。(KPIかKGIかを見分けるためには、)まずこう考えてください。これはコントロールできないですよね。「よし。顧客満足度を今から4.5にするぞ」と、すぐには変えられないですよね。(つまり)「結果」指標ですよね。
KGI……Key Goal Indicatorと言いますが、これは結果のことを言っています。時折、「契約数をKPIに置いています」とか「新規開拓件数をKPIに置いています」ということがあるんです。けれども、「新規開拓件数」はKPIとは言い難い……KPIなんですけれども、KGIに近いんです。
もう一度言いますね。KGIは結果指標、(つまり)最終成果がKGIですよね。(一方で)KPIはコントロールできるものじゃないといかんのですよ。でも、新規(開拓件数)や顧客満足度は、そんなに容易にコントロールできないので、マネジメントができませんという話なんですね。
だからKPIがあるんです。Key Performance Indicatorですね。(これは)プロセスの指標です。プロセスをきちんとマネジメントすることはコントロールできます。例えば、一時解決率や平均対応時間、再問い合わせ率、1人当たりの対応件数とかって(コントロール)できますよね。
ロジカルシンキングができないと、適切なKPIを設定できない
私も営業現場が長かったですけれども、「100件の顧客リストのうち、30件には今週アプローチしようね」というのはできますよね。管理もできますよね。あと、「そのうち50社には、担当者の方ではなく上長の方と会いましょうね」というのもできますよね。行動としてできますものね。
というふうに、KPIは行動として(表現できるものです)。そして、すぐに結果として表れるものじゃないとマネジメントができないので、KPIの数字(の設定)には良し悪しがあるということですよね。新規(開拓件数を)KPI(として設定してしまうことは)ちょっと違和感があるとわかっていただけました?
今回はKGIとKPIの簡単な説明で済ませましたが、本当に数字の多いKGIとKPIを立てようとした時には、Key Success Factorを立てないといけなかったりもするんです。でも、それは今日は横に置いておきます。
これを本当にやるためには、ロジカルシンキングができないとまず無理です。言い切りますが、KGIからKPIを設定する時にはロジカルシンキングができないと、数字の多いKPI(を設定しようとした場合)には、表面的なKPIは設定できるけど、(適切に)設定することは難しいです。
なので、今日はロジカルシンキングの話はしませんが、私の動画でもロジカルシンキングをいくつか語っている動画がありますので、また、ぜひ覗いてみてください。
さぁ、では整理していきましょう。今日の内容はお役に立ちましたでしょうか? 「会議が無駄ではなく、進め方が無駄だから無駄になっている」と思っていただけたんじゃないでしょうか。会議というのは、進め方次第でとても有効な活性ツールでございますので、ぜひやってみてください。