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「管理職は罰ゲーム」状態を抜け出すサバイバル戦略(全4記事)

部下の思考力を奪わない指導術 「つかみ」「型」「制約条件」で成長を加速させる [1/2]

【3行要約】
・部下への指導で答えを教えすぎてしまい、自律的な思考を育てられない――多くのマネジャーが抱える悩みです。
・答えではなく「型」を教える手法として、「お題設計アプローチ」があり、つかみ・型・制約条件の3要素がカギとなります。
・まずは自分が日常的に使っている型を3つ棚卸しし、学習者の成熟度に応じた制約条件を設定したお題作りから始めましょう。

前回の記事はこちら

お題設計のポイントの5つ

仲山進也氏:話を進めましょう。(スライドを示して)お題設計のポイントはこの5つです。今日はあんまり時間がないので上の3つに触れたいと思います。

そもそもお題とは何かっていうと、「この型を使ってこの仕事をしてください。ただしこの条件を押さえてください」というのがお題の基本形になります。

まず「つかみ」。「つかみはOK」とかのつかみなんですけど、お題に答えるのって面倒くさいですよね。宿題を出されて、やるのが面倒くさいっていうのと同じ状態です。なので、お題を出して答えてもらうためには、相手のやる気が必要になってきます。なのでつかみが必要になります。

「つかみ」の2つのポイント

つかむ時のポイントは大きく2つあると思っていて、「興味関心の重なり合い」と「ギャップ」です。ギャップとは、頭の中に「はてなマーク」が浮かんだので、それを埋めたくなる状態。脳には、未完了とかギャップみたいなものを埋めたくなる性質があるので、そこを利用するかたちです。

つかみは、相手がやる気ある人の集団だった場合、そんなに必要ありません。逆に言うと、よく会社である全員参加必須の研修の場合、興味がある人からない人までいろいろ交じった状態になるし、なんなら嫌々参加している人も交じっているので、つかみを相当ちゃんとできなければ、全員でやる意味がないことになります。

僕が「チームビルディングの研修を社内でやりたい」と相談される時は、だいたいみんな全員参加の想定で話をくれるんですけど、僕は「挙手制にしましょう」「やる気のある人だけでやらないと、うまくいくものもうまくいかなくなるので」と必ず言うようにしています。

あと、自治体さんとコラボで講座的なものをやる時も、だいたい参加費無料で企画をしがちなので、「いくらでもいいから有料にしてください」と言っています。

そうやってハードルの高い基準を設けると、そこをクリアできない人は入ってこなくなるので、つかみに労力を使い過ぎずに済みます。こういう視点は大事だと思っています。

型の提示

つかみはこのぐらいにしておきまして、お題設計のほうに移りましょう。まず「型の提示」です。型というと、たい焼きの型みたいなものをイメージしがちだと思うんです。でも、型の専門家によると、型には2種類あって、大量に同じものを作るための複製の型、たい焼きの型みたいなものと、もう1つは生成の型、武道の型だと。生成の型とは、「このポイントさえ押さえておけば、最終的なアウトプットのスタイルは人それぞれの個性を活かしたかたちでいいよ」というものです。

ただ日本人って、武道を教える時もどちらかというとたい焼きの型っぽく、「そこ、もっと肘は内側」みたいな教え方とかをしがちなところがあります。あと、「型にはめられるのが嫌だ」みたいなフレーズは、たい焼きの型を前提に出てくる台詞です。なので、お題設計アプローチで型と言っているのは、たい焼きではなく生成の型、武道の型のことになります。

お題の提示

次がお題の提示です。お題の構造は「この型を使って、このタスクをやってください。ただし、この条件を守ること」というかたちです。

(スライドを示して)まず型については、「ここのポイントを押さえなかったら、この仕事をちゃんとやっていますって言えないよな」と思うことってあると思います。

ここでは「正解」と呼んでいますが、それは自分の中の具体的なマニュアル的なことではなくて、もうちょっと抽象化されたポイントとか、視点とか、価値基準。「この視点や基準を押さえないと、これをやっていることにならないよな」という正解が型になります。

制約条件

次は制約条件について。学習者側の成熟度が低い場合、お題の自由度が高過ぎると、選択肢が多過ぎて一歩目を踏み出せないまま迷っている状態が生まれやすい。

または、とんちんかんな試行錯誤に時間をかけていて、ぜんぜんうまくいかないみたいなことが起こりやすいです。そこで、適切な範囲に選択肢を絞り込んであげるために設定するのが、この制約条件になります。

望ましい行動が引き出されやすくなるとか、望ましくない試行錯誤が発生しないようにするためのものです。

具体例で考えてみましょうか。会社の理念や行動規範がちゃんと日常使いできている会社にとっては、「理念や行動規範から外れると、ちゃんと仕事をしているとは言えないよ」となると思います。それが「型」です。

「ベテランだから理念は無視していいよ」「新人だからまだこの行動規範はやらなくていいよ」とかってことにはならない。「うちの会社で仕事をする時は、この視点や基準を全員使ってください」っていうのが型。

これに対して、制約条件のほうは相手に合わせてチューニングするものです。お題を出してみて、やりにくそうだなと思ったら制約条件をチューニングをしてあげて、相手が取り組みやすそうな状態を作っていくことが大事になります。

というわけで、「答えを教えない」とは、答えがあるのにあえて言わないようにするみたいな、「何にも教えない」のとは違います。具体的なやり方を教えるんじゃなくて、型を教えるのが、「答えを教えない教え方」の本質になります。

ただ、それは生成の型なので、「答えを教えてください」って言われても、「あなたの最適解は私にはわからないんだよ」と本当に思っているから「わからない」とか「知らない」と言うわけです。

『アオアシ』の第1話の福田の行動は何がすごいのか?

ここまでざっくり「つかみ」と「型の提示」と「お題の提示」の解説をしたところで、また先ほどの3人組で、『アオアシ』の第1話の福田の行動を、「つかみ」「型」「制約条件」「タスク」に当てはめると、どんなことが言えそうかをおしゃべりをしていただきたいです。

(参加者で議論)

ありがとうございます。

(スライドを示して)これは僕のほうで当てはめてみたものなので、また(席が)ご近所(の方同士)でおしゃべりしながら眺めていただければと思います。

(参加者で議論)

しっくり来ますでしょうか。ポイントとしてはまず、つかみ。非言語と言語の2つあります。自分でやってみせるという非言語によるつかみは、自分が上位互換である仕事を教える時は使えるけど、そうじゃない時、自分よりもメンバーのほうが上手にできる仕事の場合は使えないやり方ですよね。

プレイングマネージャーは、だいたい上位互換的な立場にいることが多いと思うんですけど、そういう人が陥りがちなのが、「背中を見せればよい」「勝手に学ぶはずだ」みたいな。で、いつまで経っても学ばなくてキレるパターンですよね。

(会場笑)

福田監督のすごいなと思うところは、ちゃんと言語的にもつかみをやっている。ここ、上位互換の時は忘れがちだけど大事です。逆に言うと、上位互換じゃない時は、言語によるつかみができないと、何もつかめないっていうことになります。

(スライドを示して)これが型。で、タスクはここですね。円に入れる。「ボールに3歩以内で触れ」が制約条件ということですけど、これ、「2歩で触れ」にするか「4歩で触れ」にするかで、たぶん難易度とかが変わってくると思うんですよね。あとは、丸の大きさとかでも難易度は変わりますよね。

たぶん(青井)葦人の状態を見て、「まぁ、これができていないのであれば、このぐらいの難易度でちょうどいいな」という設定になっていると読み取れます。で、もう1回型を丁寧に言い換えてあげている。

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