【3行要約】
・プレイングマネージャーの多くが「育成する時間もなく、今いるメンバーではやれない」状況に陥り、すべてを抱え込んでいます。
・仲山進也氏は、サッカー漫画『アオアシ』に登場する福田監督の手法を例に、「答えを教えない教え方」を提唱。
・従来の手取り足取り教える方法ではなく、「お題設計アプローチ」で部下の自律性を育むことが解決策だと語ります。
仲山進也氏の自己紹介
仲山進也氏:まず、自己紹介したいと思います。ふだんは「自律型の人材とか、チームとか組織文化ってどうやったらできるのかね?」みたいなことをテーマに活動していることが多いです。(スライドを示して)左側の本(
『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』)に出ているのは、サッカー漫画の『GIANT KILLING』ですが、中身をご存じの方は手を挙げてもらえますか?
(会場挙手)
今日はけっこう多い。たぶんおじさんが多いってことかもしれません。
(会場笑)
表紙に出ているのが監督で、この達海(猛)監督がちょっと変わったやり方でチームを強くしていくストーリーなんですけど、それとコラボしてチーム作りの本を書いたのが左側。
右側は
『「組織のネコ」という働き方』という本です。「組織のイヌ」っていう表現を慣用的に使うと思うんですけど、「イヌがいるならネコがいてもよいのでは?」ということをけっこう真面目に考えてみたものになります。

ちなみに、この本が出たことにより「組織のネコナイト」っていうコミュニティができて、2022年2月22日の「スーパー猫の日」に活動が始まりました。毎月22日の20時から22時22分までオンラインの会をやっていて、たまにリアルのイベントをやる、周年にはどこかにみんなで行くっていうのをやっていまして。
ちょうど一昨日が2月22日ということで4周年で。メンバーで「2026年はどこで何しようかね?」みたいな話になっていて。北海道の上川町っていうところで副業しているメンバーがいるので、上川町がいくつかの選択肢の1つとして挙がっていた。
(そうしたら)決まる前にその人から「上川町の役場の人から『町長のスケジュールを押さえた』って連絡が来ました」というお知らせが来て(笑)。
(会場笑)
「えっ? 町長のスケジュールを押さえたのにナシとかないよな」と思って、20名弱で上川町に行きました。おもしろかったです。その話をしていると終わらないので進みます。
ちなみに、「組織のネコナイト」にご参加の方がここに何人かいらっしゃいますけど、手を挙げてもらっていいですか?
(会場挙手)
こんな感じ(数名)です。ネコの人です。
『アオアシに学ぶ「答えを教えない」教え方』
今日のテーマは、最近出した右側の本(
『アオアシに学ぶ「答えを教えない」教え方』)です。これもサッカー漫画なんですけど、『アオアシ』の中身をご存じの方はいらっしゃいますか?
(会場挙手)
いいですね、ありがとうございます。『アオアシ』はJリーグのユースチームが舞台の漫画で、育成がテーマです。サッカー漫画というよりは、育成漫画と思ったほうがいい内容なんですけど。
「正解のない時代とか不確実な時代は、自分で考えて動ける人材が大事」みたいな表現って、日に日に聞く回数が増えているような気がします。ただ、「自分で考えて動け」と言う人のうち、「自分で考えて動くとは、具体的に何をどうすることなのか」というのをちゃんと説明した上で言ってくれる人ってあまりいない気がしていて、だいたい「自分で考えて動け」と丸投げするだけになっています。なので、それを自分なりに言語化してみたものが左の本(
『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方』)です。
その続きで、そういう「自分で考えて動ける人はどうすれば育まれるのか」ということをテーマに考えたのが今日の内容です。この表紙に出ているのが福田(達也)監督なんですけど、(この人は)答えを教えないタイプの教え上手という位置付けのキャラクターです。
サッカーの良い指導者をイメージする時って、子どもをサッカー教室に入れた保護者とかが、「今度のコーチは熱心に教えてくれるから当たりだわ」みたいなことを言っているシーンが浮かびやすい気がするんですけど、福田監督はそういうことはぜんぜんしないんですね。
手取り足取り、丁寧に教えてくれるみたいなことはしない。じゃあ何をしているかというと、何にもしていないようにも見えるんです。人に練習させておいて横で寝ているシーンがあるんですけど。それは「いいお題を作って渡しているのではないか?」ということで、「お題設計アプローチ」と呼んで、考えてみたというのが今日の話になります。

もう少し自己紹介を続けると、(僕は)楽天という会社が20人ぐらいの時に入りました。1999年入社です。社員番号は25番。
楽天市場にネットショップを出している方々、僕らは「店舗さん」と呼んでいて、全国各地の中小企業の人が多いんですけど、そういう人たちとリアルに東京の教室に集まって、「どうすればネットで物を売れるかね?」とか、「どうすれば価格競争から抜け出せるか?」みたいなことを学び合う場として「楽天大学」を立ち上げました。
商売が軌道に乗って人が増えたら、「売り方はわかったんだけど、人が増えたわりには最近伸びなくなったんだよね」みたいなことにお悩みの人が増えてきて、それをきっかけにチームビルディングのほうに軸足を移していきました。
楽天大学では横のつながりができるように講座の設計をしながらやっていったんですけど、だんだんみんな仲良くなってきて、今は楽天の外の人から「楽天の店長ってみんなめっちゃ仲いいよね」って言われるような、いい感じの実践コミュニティができています。僕はそのあたりをうろうろする係みたいなものを長くやってきた感じです。
マネージャー白旗宣言をした過去
あと、僕自身の働き方がカオスな感じになっていて、「自由過ぎるサラリーマン」と紹介していただくこととかがあります。具体的に言うと、一応楽天の正社員を26年ぐらいやっているんですけど、兼業自由、勤怠自由で人事考課もなし。
(会場笑)
この契約になったのが2007年で、もう20年ほどそんな働き方をさせていただいています。

今日のテーマ、プレイングマネージャー的な視点で言うと、「楽天大学を立ち上げて」と言われて、2000年に講座を6つ作るところから1人でやり始めたんですけど、気づいたらメンバーが増えてきて、プレイングマネージャーになりました。1年経つか経たないかぐらいのうちにマネージャー業務が増えすぎてまったく回らなくなりました。
新規事業立ち上げなのにミーティングばっかりで、講座を作ったりブラッシュアップしたりする時間が1ヶ月に1ミリも取れない感じになったので、「すみません、ちょっともう無理かもしれません。マネージャーは誰か他の人にやっていただいて、僕はプレイヤーに専念したほうが……」とマネージャー白旗宣言をしました。
そんなことを2001年に経験して今に至っているので、今日の話をする資格があるのかないのかよくわからないんですけども。
(会場笑)
プレイングマネージャーの状態を示した4象限
(スライドを示して)プレイングマネージャーということでちょっと考えてみました。「今いるメンバーでやれている状態・やれていない状態」を左右に取って、「メンバーを育成する時間的な余裕がある・なし」で4象限にした図です。
右下の「育成する時間的な余裕はないけど今いるメンバーでやれています」という状態は、順調。これをマネージングプレイヤーと呼ぶことにします。本来はプレイヤーだけどマネジメントもちょこっとやっている状態。
「みんなプレイヤーとして自律的に動けていて、そこをいい感じにまとめるのは自分の仕事です」ぐらいのイメージです。プレイングマネージャーがみんな、このぐらいの感じで働ければたぶん誰も困らないんですけど、こんな人はあまりいないんですよね。
だいたいは左下の「育成する時間もなければ、今いるメンバーではやれない」状態なので、全部自分で巻き取る、しんどい状態になっている人がほとんどなので、今回のような企画がログミーさんから出てくるのではないかとは思います。
育成の仕方を知らないといつまで経っても楽にならない
(スライドを示して)左上が「今いるメンバーでやれないけど、育成する時間的余裕がある」場合。ここが今日の話の内容になります。要するに、育成の仕方を知らないと、いつまで経っても楽にならない。左下の状態のままだよねっていうことで、「育成について考えよう」の会です。
右上が一番レベルの高い状態です。「今いるメンバーでやれていて、育成もできる」ので、育成できる人を育成することに着手が可能、みたいな感じかなと。
左下に自分がいてしんどいなって思っている時、自責思考が強い人だと(その状況は)全部自分のせいだと思うかもしれません。ただ、必ずしもそうとは限らなくて、立場的に上の人が「無理ゲーをほったらかしているだけかもしれない」という視点は持ってもいいと思います。
事前にいただいた質問で、「そういう状況は誰が対処するべきか?」というのがあったんですけど、「べき」っていうほど決まっているものでもないので。あとは「じゃあ誰がそれをするのか」をすり合わせていくことになると思っています。ということで、今日は左上の話をしていきます。

さっそくですが、やっていただきたいことがありまして。(スライドを示して)このQRコードを読み込んでいただいてよいでしょうか。そうすると、『アオアシに学ぶ「答えを教えない」教え方』の「はじめに」の文章と、後半は『アオアシ』の第1話が半分ぐらいそのまま載っているドキュメントが出てきます。
それに目を通していただいて、終わった人で3人組を結成していただきまして、教え方視点で感想のおしゃべりをするということをやりたいと思います。では、どうぞ。