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トークセッション2・組織と人とAI(全6記事)

なぜ仕事は“自分ごと”でなくなるのか? 会社が人を「歯車」にする仕組み

【3行要約】
・従来の組織では出世競争と協力が交錯する「読み合い」が横行し、多くのビジネスパーソンが仕事にやりがいを見出せずにいます。
・門拓馬氏は、AIによるオートメーション化が進む現在、マネジメント技術の外製化により組織の安定性前提が崩れ始めていると指摘。
・歯車化した組織から脱却するには、自分の言語を取り戻し「死ぬほど素直である」ことが新時代の武器になると提言しています。

前回の記事はこちら

従来の組織は出世と協力が交錯する読み合いだった

門拓馬氏(以下、門):ありがとうございます。みなさん、読み取りは大丈夫そうでしょうか? いったんちょっと待ちます。言語化の話は、本当におっしゃるとおりだなと思っていて。「規格外なくらい素直である」と(笑)。

小櫃翔真氏(以下、小櫃):そうですね。

門:今日は組織論のネタを持ってきているんですけど、基本的には先ほど小櫃さんがおっしゃった「死ぬほど自分に素直である」というのが、根源的な武器になる。だから、その時代がやってくる、という話をしながら、今までの組織との比較ができたらと思っています。

ちなみに、小櫃さんは、従来の組織や塊としての集団に対して、どのようなイメージをお持ちですか?

小櫃:今と、当時会社員として組織を見ていた時期とで、感覚は違うんですけど。当時の目線で言うと、とにかく読み合いですね。ちょっとエンタメ風に言うと『LIAR GAME』。

(会場笑)

門:確かに。

小櫃:「すごい『LIAR GAME』だったな」って、めちゃくちゃ思います。

門:確かに『LIAR GAME』ですね。読み合いですよね。出世や昇格を狙いにいくと枠が決まっている。順位付けみたいなものもある。一方で、協力し合わないといけない場面もめちゃくちゃある。

「読み合い」というのはおっしゃるとおりです。みなさん知っていますか? マネジメントって技術なんですよ。スキルです。

工場が作られて近代化された時に、集団で人を動かす技術が必要だった。大きい工場を回すには、人を同時にコントロールして動かさないといけない。だからマネジメントというスキルがそこで爆誕したんですね。

その形も、だいぶ変わるんだろうなと思っています。僕が会社員だった頃に「DX化」がはやりました。「この日はこの人が入って」というシフトを、それまでは手作業で組んでいたんですよね。その工数がすごくかかっていた。でも僕が辞める頃にDX化が入ってきて、過去のシフトのデータを読み込ませて自動で出力できるようにして、微調整だけ人がやればいいようになった。それでコストパフォーマンスが下がった。

ある意味、マネジメント技術の外製化、オートメーション化です。オートメーション化されていくものは、めちゃくちゃ多いと感じています。オートメーション化されると、変わっていくものがたくさんあります。

オートメーション化は組織だけでなく関係性も変える

門:「家庭がオートメーション化されたことで夫婦の関係が変わったよね」というのと同じじゃないかな、と思っています。オートメーション化で、家庭にこもっていた主婦の方が働けるようになって、主婦起業が起こる。実際に年収を何千万円と上げている人もいる。「技術革新ってすごいよな」と思うし、組織や集団の形も変えるよなと思っていて、そんなネタを持ってきました。

小櫃:今の話って、すごくポジティブで大事だと思うんですよね。先ほどから「日本人」「日本人」って言っていますが、がんばることが美徳な文化であるというか、そういう時代背景があると思うんです。だから、オートメーションにすることをあまり良く感じてない人も多いと思うんですよね。

家事の外注とか、頼ることって、けっこうきつい。「前提としてそれって……」みたいな自分でやらないことへの攻める空気感がある。でも実際は、外注できたほうが本来回りやすいし、「お互いの時間を確保できて、やりたいことがやれるのに!」ということなんですよね。ここが葛藤で難しいところ。

門:今日は、おもしろスライドパート2を作ってきました。

小櫃:めちゃくちゃかっこいいですね。

門:これ、AIで一緒に作りました。ファーストビューが大事だと思うので、「もうちょっと遊びを入れてくれないかな?」「違うんだよな。もうちょっとワクワクしないんだよな」みたいな注文を5〜6回繰り返しました。どうですか、みなさん。「ギルド・エイジ」ですよ。

小櫃:ギルド・エイジですね。これは男だけの可能性がありますね。

(会場笑)

門:やばい、死ぬほどバイアスかかった(笑)。

小櫃:男心をくすぐっているみたい。

門:アホやなぁ。マジでアホやなぁ。「バイアスかかってるのか」って今言われて気づきました。

小櫃:(笑)。


安定を前提にした組織はAIで揺らぎ始めている

門:組織という形は、どうしても安定性がメインだったと思うんですよ。家庭も安定性、人とのつながりも安定性。そういう安定性の前提がAIのせいで崩れるんじゃないかと思っています。最後に「言語化がなんでつながるのか?」という話もちゃんとしますから、まずは「またAIか……」と思わず聞いてほしいです(笑)。

次のページをお願いします。……そう、お仕事は楽しいですか?

小櫃:楽しい!

(会場挙手)

小櫃:ボチボチ。

(会場挙手)

門:半分くらい楽しくない、っていうリアリティがあっていいですね。

小櫃:リアルですよね。でも本当にこの感じだと思うんだよな。

門:なんでかというと、基本は歯車だからです。大きい企業になればなるほど歯車化する。でも会社って技術ですから、マクロで見ると歯車化するのは良いことなんですよね。属人性がなくても売上や利益が立つ。人をシステムに組み込むことで、その人が抜けても回る。みんな「俺が抜けたらヤバい」とか「あの人が抜けたらヤバい」とか言うんですよ。

小櫃:言いますね。

門:僕も「たくまさん抜けたらキツいですよ」って言われたことがあります。でも会社ってそういうシステムだから、「絶対にそんなことない」と思ってました。最低人数を確保して、システマチックに学んでいれば問題ない。だから仕事が「ちょっとつまらないな」と思う。

歯車化した組織は人から自分の言語を奪っていく

門:既定路線の「これをやったらこのくらい売上が立つ」というゲームの中で、基本的にはやらされていて、クリエイティブな部分は経営層が担う。分業だからしょうがない。この構造を見誤ると「仕事がつまらなくてどうしよう」になる。組織に染まると自分の言語を失う。だから「つまらなくなるよね」って(なる)。

でも経済的な安定を享受できるというメリットもある。表裏一体なので、悪い面だけ見ないほうがいい。基本作業ゲーなんですよね、レベル上げみたいな。



評価のランクもありますよね。C1、C2、D1、D2みたいに枠にはめられて、「こういう人が上に行ってほしい」という設計になっている。本来の自分ではない。僕が冒頭に言ったように、人は環境や役割(ロール)を与えられると、そのように稼働する生き物です。性格ではなくて、そのように動きやすい。

だから「最近、仕事つまんないな」とか「(仕事が)言語を失わせていくな」というのは、けっこう普通というか、健全だよね。そうなるよね、という話です。

お猿さんに「この紐を引かないと餌が出てこない」と教えてそれを学ばせる。そのあと、引かなくても檻が開く状態にして、檻と餌だけを用意すると、紐を引かずに越えて開けようとしないんですよね。(ルールに)順応しちゃう。人間も動物なので同じように順応してしまう。今のみなさんのリアクションも当たり前だと思ってます。

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