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中小企業のためのリスキリング戦略 ~生産性2倍を達成した中小企業の事例を公開~(全3記事)

リスキリングはなぜ挫折するのか 失敗する企業の共通点

【3行要約】
・リスキリングに取り組む企業が増える中、3ヶ月で挫折や成果が見えにくいという課題が多くのビジネスパーソンを悩ませています。
・DX推進の必要性が高まる現在、企業のリスキリング成功には経営者の本気度と実業務連動、長期支援の3条件が重要と指摘されています。
・成功への道筋として、スキル可視化や小さなナレッジ共有など、まずは日常業務に学びを組み込む小さな一歩から始めるべきです。

前回の記事はこちら

自社のリスキリングで成果を出す3つの条件

宮地尚貴氏:リスキリングで成果を上げるポイントは大きく3つあると思います。

1つ目が「経営者の本気度」です。経営者自らが推進していくこと、そして自ら実践していくこと。1回発信して終わりではなく、継続的にその重要性を伝え続けていくことが重要になります。

2つ目は「実業務と連動したリスキリング」です。今まさに現場で困っていること、あるいは近い将来に課題になることを解決するためのリスキリングを行う必要があります。

そのためには、まず現状分析が欠かせません。現状をきちんと把握できていないと、適切なリスキリング施策を設計することができないからです。例えば「業務工数がどれくらいかかっているのか」「残業時間はどの程度なのか」「営業プロセスのボトルネックはどこにあるのか」といった点を分析したうえで、どのような対応策が必要なのかをしっかり検討する必要があります。

こうした準備をせずに始めてしまうと、結果として費用の無駄遣いになってしまう可能性もありますので、この点は注意が必要だと思います。

そして3つ目が「長期的な支援」です。今回紹介した企業の事例を見ても、2年、3年といった長期スパンで取り組まれているケースが多く、すぐに成果が出るものではないという点は理解しておく必要があります。

リスキリングを始めた企業に共通する悩み

一方で、リスキリングを進めるうえではさまざまな課題もあります。実際に取り組んだ企業の多くで共通して挙げられる悩みとしては、「3ヶ月ほどで挫折してしまう」「社員のモチベーションが下がる」「時間が確保できない」「成果が見えにくい」「経営層の理解が不足している」といったものがあります。

そのため、リスキリングの取り組みは経営層が旗振り役にならないと、なかなかうまく進まないという印象があります。経営層を巻き込むことが非常に重要なポイントになるのではないでしょうか。

特に「時間がない」「社員のモチベーションが続かない」「ノウハウが不足している」といった課題への対応が重要です。

例えば「時間がない」という問題に対しては、業務改善と学習を同時に進める仕組みをつくることが有効です。

新人が見積書作成に多くの時間を要しているのであれば、Excelの自動化を調べる時間を1日30分だけ確保するといったように、限定的な取り組みから始める方法もあります。

また「モチベーション維持の難しさ」に対しては、明確な目標設定が重要になります。

個人にeラーニングを課す場合でも、「eラーニングを見ておいて」と伝えるだけでは不十分です。その学習がどの業務にどう生かされるのか、あるいはどのような成果につながることを期待しているのかを明確にしておく必要があります。

eラーニングの視聴はあくまで途中の指標であり、それ自体が目的になってしまうと取り組みは形骸化してしまいます。動画を見ることが目的にならないよう、その先の成果とのつながりを意識して設計することが重要です。

外部に“おんぶにだっこ”では成功しない

あとは「ノウハウ不足」という声もよく聞かれます。

ただ、成功事例については、今はいろいろなところで公開されています。あらためて調べてみると、「こんなに成功事例があるのか」と思うくらい多く出てきます。ですので、ノウハウは十分に参考にできる環境が整っているのではないかと思います。

最初の段階では専門家の力を借りながら進めるのも1つの方法です。そして、そこで得たノウハウを徐々に社内で内製化していくことが重要になります。

一方で、あまり良くないのは、外部に任せきりの状態でリスキリングを進めてしまうケースです。外部に“おんぶにだっこ”の状態で進めてしまうと、うまくいかないことが多い印象があります。やはり社内に推進リーダーのような存在がいないと、取り組みはなかなか定着しないのではないかと思います。

これは教育分野全般に言えることかもしれません。例えば新入社員研修をすべて外部に任せてしまうと、結果として離職が続くというケースもあります。人材育成は社内の取り組みでもあるので、ある程度は社内の人間が主体となって進めていかないと、教育施策はうまく機能しないことが多いと感じています。その意味でも、ここは特に注意が必要なポイントだと思います。

リスキリングの課題を乗り越えるためのポイント

乗り越えるためのポイントとしては、まず具体的な活用事例を提示していくこと。そして明確な目標設定を行うこと。さらに社内で成功事例を積み重ねていくことが重要です。

加えて、自社の現状をしっかり分析することも欠かせません。そして何より、経営者の決意が大きな鍵になるのではないかと思います。経営層の理解とコミットメントが、取り組みの成否を左右すると言ってもよいかもしれません。

参考までに、「リスキリング計画の立て方」のアウトラインを箇条書きで示しています。

これはあくまで大枠になりますが、その前提として、最初に重要なのは現状分析です。いわば“0番目”のステップとして位置づけられる部分です。そのうえで、「目的・ゴールの明確化」「必要スキルの棚卸し」「具体的な施策の設計」「効果測定の方法の検討」といった流れで進めていきます。

もし現状分析の段階でつまずく場合には、弊社の担当者と打ち合わせを行い、状況を整理されている企業も多くあります。そうした機会もご活用いただければと思います。

大掛かりではなく小さく始める4つの方法

先ほど紹介した成功事例はどれも比較的大掛かりな取り組みですが、まずは小さく始めたいという場合には、大きく4つのポイントがあるのではないかと思います。

1つ目は「スキルの可視化」です。例えば部署ごとに30分ほど時間を取り、「現在の業務に必要なスキル」「将来必要になるスキル」「今何が不足しているのか」「何を強化すべきなのか」といった点を整理する機会を設けるだけでも、課題がかなり明確になると思います。まずはこうした取り組みから始めてみるのはおすすめです。

2つ目は「小さなナレッジ共有」、いわば小さな学びの場をつくることです。例えば会議の冒頭10分で、昨日学んだことや成功事例を共有する。あるいは会社にとって有益そうな記事を1人1本読んで会議に参加し、代表者が共有する、といった方法もあります。こうした情報共有の文化をつくることも、小さなリスキリングにつながるのではないかと思います。

3つ目は「日常業務の中に学びの要素を取り入れること」です。例えば会議の中で「最近使って便利だったツール」や「AIの活用方法」を共有する。あるいは「昨日この業務をこういう方法でやってみたらうまくいった」といった実践事例を共有するなど、小さな学びの機会を日常の中に組み込んでいく方法です。

どうしても業務は属人化しやすい部分がありますので、うまくいった事例を共有していく文化をつくることはとても有効だと思います。

重要なのは本人任せではなく会社が関与する設計

4つ目は「オンライン学習の活用」です。最近は無料で利用できるオンライン教材も多くあります。例えば弊社でも、誰でも・いつでも視聴できる新人研修のコンテンツを提供していますし、SchooやPIVOTのように、いつでも学べる動画サービスも広く普及しています。そうしたサービスの中から、会社として「この動画がおすすめです」と案内するのも1つの方法だと思います。

「こうした学びは、成長意欲のある人が自発的にやるべきではないか」と考える方もいるかもしれません。ただ実際には、そうした呼びかけだけではなかなか進まないケースが多いのも事実です。

eラーニングも同様で、「見ておいてください」と呼びかけるだけではほとんど進まず、仮に実施しても「動画を見ること自体」が目的になってしまい、内容が頭に入っていないというケースもよくあります。

そのため、学習を業務時間の中に組み込むなど、会社側が一定のかたちで関与しながら進めていく工夫が必要になります。そうした設計がないと、なかなか機能しないというのが現実ではないかと思います。

ということで、いろいろとお話しさせていただきましたが、本題については以上となります。

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