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叱るより褒めたほうが若手社員が伸びる本当の理由(全2記事)

部下を褒めるとは「再現して欲しい行動」を伝えること “甘やかし”にならない、効果的なフィードバック術

【3行要約】
「今の若手社員は打たれ弱く、関わり方が難しい」という悩みに対し、株式会社北の達人コーポレーションの木下勝寿氏が部下の褒め方・叱り方のコツを解説します。
・木下氏は、マネジメントにおける「褒める」の本質は、承認欲求のケアではなく「望ましい行動の再現」をリクエストする戦略的なサインであると提言します。
・木下氏によると、現代の若手は方向性さえ見えれば圧倒的な速度で成長するポテンシャルを秘めており、リーダーの役割は彼らが自信を持って飛び立つための「滑走路」を作ることだと語ります。

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再現してほしい行動を明確にする指導「戦略的称賛」

――(若い世代はハングリー精神を抱きにくい時代を生きているという話を受けて)言われてみると、なんでも満たされているので「喉が渇いていないのに水を飲め」というのが、まさしくその状態なんだなと感じたんですけども。そんな「喉が渇いていない若い人たち」を導くために、リーダーとか上司は、どのように褒めていったらいいんですか?

「すごいね!」「よくやってるね!」だけだと、ちょっと軽すぎるのかなという印象を受けたんですけど。

木下勝寿氏(以下、木下):これはけっこう最大のポイントになってくるんですけども。多くの人が、褒めるイコールお世辞を言うとか、ご機嫌を取ることだと勘違いしているんです。だけど、これはもう完全な間違いです。マネジメントにおける褒めるというのは、再現のリクエストなんですね。要は「君のその行動は正解だから、次も同じようにやってほしい」。

つまり、再現してほしいというメッセージを伝える。これが褒めるという行為の本質なんですね。だから、たまたまうまくいった、まぐれ当たりを褒めても、それでは再現性がないからあまり意味がないんですよ。

なので、本人が意識して行ったプロセスや工夫の中で、これを繰り返せば必ず成長できるとか、成果が出るとか、貢献度が上がる部分を見つけ出して、そこをピンポイントで指摘してあげる必要があります。私はこれを「戦略的称賛」と呼んでいるんですね。

「今日のプレゼン、良かったよ」では足りない

木下:戦略的称賛は3つのセットで伝えると効果的になります。まず1つ目が「再現してほしい行動を具体的に指示する」ところですね。例えば単に「今日のプレゼン、良かったよ」だと、部下は何を再現すればいいのかわかりません。

そうではなくてですね、「今日のプレゼンで、競合他社との比較データを最初に混ぜた構成がすごくわかりやすかった。あれがあって良かったよ」ということで、またやってほしい行動を具体的に事実として伝えることです。「あれをまたやってほしい」というところですね。

次に2つ目が「価値基準」ですね。「なぜ、それがいいのか?」ということを伝えます。「あのデータが最初にあるおかげで、クライアントの信頼が一気に高まっています」と。クライアントというのは、いろいろな会社からプレゼンを受けています。よくあるのが、どこの会社にも同じプレゼン資料を持って来る人って、けっこう多いんですね。

そこで、ちゃんと1枚目のところで競合他社との比較を見せたことによって「御社用のプレゼンなんですよ」ということが最初の段階でわかる。

なので、そのあとに「見よう」という気持ちがすごく生まれたんですね。後半に同じことが書いてあったとしても、1枚目にそれがあったことによってお客さんがちゃんと聞こうと思ったという、「あの姿勢を作ったことがすごい良かったんだ」と、意味を伝えます。「なぜ良かったのか?」を言うことですね。

承認欲求ではなく「成功の再現」のためのサインを与える

木下:そして3つ目が方向です。「再現の指示」ということで、「この構成は君の武器になる」と。競合比較もそうだし、プレゼンの中に最初にあなた専用のものなんですよというものを入れること自体が、今後のプレゼンの成約率を上げていくことになるので。

「次の案件でも、このパターンを再現してやってみましょう」みたいに未来を示してあげる感じですね。ここまでやって初めて、相手の人は「自分のやったこの部分が、こういう理由で正解だったんだ。だから今後もこうやっていけば、どんどん成果が上がるんだ」と理解できてきます。つまり、良い行動を再現できるようにセットアップしてあげること。

褒めるということは、承認欲求を満たすケアではないんです。「その行動で合っているぞ。次もその手を使え」という具体的なサインを出し続ける。これが褒めるという、戦略的な称賛の仕方になってきます。これを繰り返すことで、小さな成功体験が積み重なっていって、それがやがて自信に変わって、最終的には「自分はこうなりたい」とか「こうしていきたい」という、自律的な目標に育っていきます。

叱るタイミングは相手の状況を見極める

――褒め方があるなら、叱り方もあるんですか? 先ほどのプレゼンの例でいうと「これはしたらいかんやろ!」みたいな大きなミスをした場合に、どのように指導をされますか?

木下:叱り方っていうのは、褒められて伸びるタイプの人の叱り方と、叱られて伸びるタイプの叱り方とは違っています。褒められて伸びるタイプの人は「これがダメだろう」と言うと萎縮してしまうところがあるので。最初に言ったような、いいところとかを全部言ったあとに「ここはもうちょっとこうしていきましょう」と、改善する方向にやっていく。

まず、相手の人が「叱る」という行為を受け入れられるレベルにあるかどうかを見ないといけないですね。「悪いところを知って、改善していきたいな」というスタンスにある状態の人だったらいいんです。だけど、まだその状態じゃない人に叱ると、単なる萎縮になるので、その場合は叱るんじゃなくて「ここは、こうしたほうがいいよね」という状態にしていく感じですね。

叱られて伸びるタイプの人は、レベル感はあると思うんですけども。僕なんかは悔しい気持ちが発奮するので、罵倒されるほうが良かったタイプですね(笑)。これは人によるかな?

――うーん。ちょっと昭和チックな感じはあるかもですね。

木下:これはちょっと個人差があるかもしれない。他人と比較して「あいつはこんなにがんばっているのに」みたいな感じが燃えるタイプもいれば、具体的に「ここがこう悪かった」と言われたほうがいいタイプもいるということですね。

――「改善していきたい」という姿勢を見るポイントってあるんですか? 自分が「より改善していきたい」みたいなレベル感になっていたら、指摘してもいいよということだと思うんですけど。「そのタイミングにあるかどうか?」って、木下社長はどこを見ていらっしゃるんですか?

木下:「ここを見れば」というのは、ないかなぁ……。でも、やはり基本的には、自分のできているところを知りたがっているか、できていないところを知りたがっているかだよね。レベルの低い人って、できているところを知りたがっているよね。これはまず、褒められて伸ばされたい状態。「できているところを知りたがっているな」と思っている状態では、たぶんできていないところにまだちょっと目を向けられる状態じゃない。

若い世代の無限の可能性を引き出すために伴走する

――すごくわかりやすいポイントですね。お話を聞いていると、単に褒めればいいんじゃなくて、戦略的に相手を見ながらしないといけないことがすごくわかりました。最後に、部下とか後輩の育成に悩む視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

木下:現代におけるマネジメントというのは、かつてのように不足を埋める、叱って修正するスタイルから、無限の可能性の中から進むべき道をともに発見するというスタイルに進化してきています。若い世代が「やりたいことがない」と言うことを嘆かないでください。

彼ら・彼女らは一度「ここだ!」という方向性さえ見つければ、もっと年配の世代にはない、デジタルネイティブ特有の情報収集能力とか柔軟な思想で一気に加速するポテンシャルというのを秘めています。

方向性が見つかった時の伸びるスピードは、昔の人に比べると今の若い世代のほうが圧倒的に速いです。だから化けるんですね。なので、年配のリーダーの役割は、彼らがもうちょっと自信を持って飛び立つための滑走路を作ってあげることが大事なんですね。

まだ飛ぶ方向がわからない彼らに対して「君の翼はすばらしい」とか、「こっちに向かって走れば風に乗れるぞ!」と伝え続けること。そうやってナビゲートをして、若い世代が自分の力で空を飛べるようになるまで伴走していく。褒めて伸ばすというのは、彼らの探求心と潜在能力を最大限に引き出すための「未来への投資」そのものなんですね。

ぜひ、明日のコミュニケーションから「すごい!」の一言に、「なぜなら、こうだから」とか、「次は、こうしよう」ということを加えてみてください。きっと目の色が変わる瞬間が訪れると思います。

今日のお話を聞いてですね、少しでも気づきやヒントがあったという方は、ぜひコメントで教えてください。みなさんからのコメントが私たちの大きな励みになります。「こんなテーマも取り上げてほしい」みたいなですね、リクエストも気軽に書いてもらえるとうれしいです。このチャンネルでは、ビジネスを成果につなげるための実践的な仕事術をお届けしています。

木下社長自身がYouTubeで体感した「褒められて伸びる」経験

(アフタートーク)

――聞きたいことがあります。なんで、こんなことに気づくんですか? 一般的には「今の若い奴は打たれ弱い!」「向上心がない!」「ハングリー精神がない!」って、どちらかというと責める声が多い中で「なんでこんなに、本質的なところに気づけるんだろう?」と思って。

木下:本音で言うと(笑)。このYouTubeがきっかけなんですよね。なぜかというと、このYouTubeに出るようになって、「優しそう」とか「穏やかな人」っていうことをコメントでよく言われるようになったんです。僕自身、そういう自覚ってあまりなかったんですよ。それがずっと言われ続けると「そう見えるんや」ってなってきて。

徐々に自分が、ちょっとそっち(コメント欄)に寄せていっていることに気づいたんですよ。その時に「これが褒められて伸びる」なんやと。

視聴者コメントが道しるべに

――ご自分の体験から!? そうなんですね!

木下:俺はもともと叱られて伸びるタイプだから。もともと「こうありたい」があるから、足りてないところを知りたいだけであって。「褒められても何の意味もない」と思っていたんだけども。自分が褒められて伸びるタイプになった時に、「なんで俺は今、褒められて伸びようとしているんだろう?」って思ったら、俺は「YouTubeで、どう見られたい」というのがなかったのよ。

「どう見られたい」って、別に思ってなかったので。思っていないから褒められると「そういうふうに言われるなら、そっちに進もうか」みたいな感じになっていって、「なるほど」と。「人は、なりたい姿とかゴールがない時は、褒められたほうに向かっていくんだ」ということに気づいた時にわかったという感じ。

――そうなんですね。視聴者さんのコメントが道しるべのようになっていたんですね。

木下:そうそうそう!

――まさか、そこからだとは思わなかったです。

木下:この話に気づいたのは、本当に最近の話。

――てっきりZ世代の部下の方との接し方で気づいたのかと思っていました。

木下:自分自身が褒められて伸びた時に気づいた(笑)。

――(笑)。じゃあ、みなさん。コメントに、ぜひ良かったこともそうですし。叱られて伸びるタイプなら(笑)。

木下:いや、このYouTubeに関しては、いまだに「どう見られたい」と思っていないので、褒めていただくだけで大丈夫です(笑)。

――では、褒めのコメントをお待ちしております!

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