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「マネジメントに活かす目標管理制度とは?」&「制度を絵に描いた餅にしない『運用の仕組み』」(全4記事)

リスクが低い目標を優先、期中で戦略を変えられない… 目標の達成度で評価を決める制度の落とし穴

【3行要約】
・多くの企業で導入されている目標管理制度ですが、達成度で評価を決める仕組みには課題もあります。
・イネーブルメント・コンサルティングの杉山敬太氏は、目標外業務への消極姿勢や定量化の罠などの課題を指摘。
・杉山氏は制度を「処遇決定ツール」から「マネジメント支援ツール」へと転換するアプローチを提言します。

目標管理制度の問題点をひもとく

杉山敬太氏:ではさっそく私から、「“マネジメントに活かす”目標管理制度とは?」ということで、前半のお話をさせていただきます。

あらためまして、イネーブルメント・コンサルティングの杉山と申します。私は社会保険労務士(の資格)を持っておりまして、ふだんは社労士としてお客さまの労務相談と、あとは人事コンサルタントとして人事制度の設計・運用という、両方から支援をさせていただいております。

弊社イネーブルメント・コンサルティングの紹介になります。弊社は大きく3つの事業をやっております。人事コンサルティングと、タレントマネジメントシステムのコンサルティング、それから労務のコンサルティングというところで、この3つを事業として一気通貫してお客さまを支援している会社です。

では、まず「目標管理制度の問題点」を出発点として、セミナーを始めさせていただきます。その前に、そもそもよくある目標管理制度ってどういうものなんだろう? というところからご紹介します。

みなさまの会社でも目標管理制度を入れられているところは多いのかなと思っておりますが、どういった目標管理制度がよくあるのか、というお話をさせていただきます。

目標達成度で評価を決める制度の落とし穴

(スライドを示して)例えばここで例に挙げております、営業の方をイメージしていただければと思うんですけれども、営業の方の目標は個人売上です。達成基準としては、売上を3,000万円上げてください。これを期初に設定して、期末で実績を見ます。それが4,500万円です。そうすると達成率は150パーセントなので、その達成率に応じて評価点がつく。

評価点に応じてAランクですとか、Bランクですとかランクがついて、直接処遇に評価を反映させる。というところが、よくある目標管理制度の仕組みとなっております。

それを踏まえて、よくある目標管理制度を運用していくと、みなさんの会社でもこの4つの問題がよく起こっているのではないでしょうか。

こちらは後ほど具体的にご説明させていただきますが、1つ目は「設定した目標以外のことを部下がやらない」という問題。2つ目が「定量化しにくい目標が置いてけぼりになってしまう」問題。3つ目が「あの人の目標と私の目標、不公平だよね」という問題。最後に4つ目が「期中に目標が変えられない」という問題ですね。これらが起こっているのではないかと思っております。

目標管理制度はそもそも何のためのツールかというところを、まずはお話しさせていただきたいと思っております。結論から申し上げると、目標管理制度は「目標の達成度に応じて処遇を決める仕組み」ではなく、「マネジメントのためのツール」ということを今回のセミナーでご紹介したいと思っております。

マネジメントツールとしての目標管理制度への転換点

そもそもマネジメントとは何かという話なんですけれども。これはさまざまな書籍に書いてあることではありますが、「組織が成果を出すためになんとかすること」と本セミナーでは定義しております。

では、このマネジメントを目標管理制度の文脈に入れるとどうなるかというと、「目的や目標をなんとかして達成するための支援ツール」。これが目標管理制度ということで、本日は目標管理制度をマネジメントの支援ツールとして使うためにはどうしたらいいかをご紹介させていただきます。

では、先ほどの目標管理制度の問題点を、1つ目から具体的に見ていきます。1つ目ですね、「設定した目標以外のことをやらない」問題。

(スライドを示して)ということで、上司と部下の会話を示しております。上司が「今期の目標にはないんだけれども、来週の新人研修の講師をやってくれないか」と部下に頼んでおります。ただ部下としてみたら「それって自分の目標と関係ないですよね」ということで、断られてしまいます。

上司はそう言われて、「目標以外のこともやってもらいたいんだけどな……」と困りました。部下はこの目標をやったとしても「直接評価につながらないですよね」ということで今回断っていることになるので、「設定した目標以外のことを部下がやりたがらない」ことが問題1として挙げられます。

定量化しにくい目標が立てにくい

では2つ目ですね。「定量化しにくい目標が置いてけぼり」問題です。例えば管理部門で目標設定をするとなると「ミス0件」とか、「資格取得」ばかりになってしまう。「時間がかかったり、すぐに結果が出ないけれども取り組んでほしい目標が設定しにくいんだよな」ということで、上司が悩んでおります。

ここでは定量化しやすい目標が、ついつい設定されてしまいやすいです。定量化しやすい目標とは具体的にどういうものかというと、自分の努力で完結できるもの、成果が短期で明確に出るもの、そしてリスクが低いもの。失敗しにくい目標をどうしても設定しがちです。

例えば「ミス0件」とか、「資格が取得できました」とか、「期日どおりに業務が実行できました」、あとは「マニュアルが作成できました」というものがあります。

一方で、例えば「経費精算のプロセス改善によって現場社員の負担を軽減してほしい」とか、「新入社員のオンボーディングプログラムの開発をしてほしい」という目標は、定量化しにくい目標ですよね。

具体的にどういうものかというと、他人を巻き込んで自分だけで完結しない、成果がすぐに出ない。あとは何が成果なのかが不確実なもの、リスクが高いもの。これは達成できない可能性も高いということで、目標としてなかなか設定されにくい問題ですね。こういった「本当はやってほしいんだけれども、定量化しにくい目標」が置いてけぼりになってしまうというのが、2つ目の問題になっております。

給与は高いのに目標が低い人が生まれる

そして3つ目の問題ですね。「あの人の目標と私の目標」の問題ということで、Aさん、Bさん、それから上司が登場人物として出てきています。上司が、「Bさんの評価がAさんの評価よりも低くてよいのだろうか。ただAさんは未経験だから、現実的な目標を設定する必要があるしな」と、悩んでおります。

実際、AさんとBさんを見た時に、Aさんは中途で入ってきた方です。なのでこの会社での業務は未経験です。中途採用あるあるですが、給料は新卒採用のBさんよりも高いです。目標のレベルとしては、Aさんは未経験なのでBさんよりもすごく低いです。なので達成できたら、もちろん「達成できました」という評価で高評価を得られます。

一方でBさんは新卒から入っていて、すでに実績もあるので、目標もそこそこ高いレベルに設定されています。ただ、それを達成できませんでした。目標のレベルが高かったので、今回は未達で低い評価になってしまいました。というと、Bさんからしたら「なんでAさんのほうが給料が高いのに、目標のレベルは低いんですか?」ということになってしまいますよね。Bさんは不満を持って当然かなと思います。

ただ、じゃあ仮にAさんに高いレベルの目標を設定したとしても、Aさんは未経験なので現実的な目標ではないですよね。なのでAさんに対して高い目標を設定しにくく、現実的な目標を設定する必要がある。というところで、AさんとBさんの間で目標の設定のレベルが異なり、不満が出てきてしまう。これが「あの人の目標・私の目標」問題になります。

期中で目標を変えることを部下が嫌がる問題

最後ですね、4つ目。1つ目の問題と似ているんですけれども、「期中に目標が変えられない」問題。

(スライドを示して)営業の方ですかね。まず上司が今期は新規開拓10社を目標にしていたんだけれども、期中に市場環境が急変しちゃったので「既存顧客へのアプローチを優先してほしいんだ」と、部下にお願いをします。

ただ部下に、「いや、今さら目標を変えるなんて嫌ですよ。これまでのがんばりが評価されないじゃないですか」と言い返されてしまいます。「そんなことを言っていたら他社に遅れを取ってしまうな……」と、上司は悩んでいます。

これも目標が達成されると処遇に直接反映されるので、仮に部下が10社のうち、もう9社新規解拓ができている状態だったとしたら「今、目標を変えるんですか? そうすると僕の目標は未達になっちゃうかもしれないですよね」ということで、期中に目標を変えるのを部下が嫌がってしまう。これが4つ目の「期中に目標が変えられない」という問題です。

目標の達成度が処遇に直接反映されていることによって、これら4つの問題が生じているということです。これらの諸悪の根源は「目標の達成度をそのまま処遇に反映している」というものになります。

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