【3行要約】・課題解決の指導は多くの上司が実践していますが、若手メンバーの成長につながらないケースが増えています。
・記事では、若手は「失敗から学ぶ」のではなく「失敗しないための事前フィードバック」を求めていると指摘。
・管理職は4つの問題タイプを見極め、思考の可視化とGood&Moreの評価法で、具体的で実践的な指導を心がけるべきです。
前回の記事はこちら 課題解決には4つの種類がある
高松康平氏:問題解決、課題解決には4つの種類があります。(スライドを示して)上に、発生型、設定型。そして発生型にも2つあって、業務ミス、業績ダウン。

タイプ1、業務ミス発生型。業務ミスが起きてしまい、その問題が再発しないように対策を考える場合。タイプ2、業績ダウン型。売上や利益などの業績がダウンして目標に未達となってしまったために、その問題を解決する。
そして設定型。タイプ3、目標設定型。会社や組織のありたい姿が存在する中で、うちの会社とかうちの事業部のミッション・ビジョンが存在する中で、自らうちの部署とか我々はどこまでいけるかを目標設定し、課題を解決する。
タイプ4、ビジョン設定型。会社や組織の未来の理想の姿(ビジョン)を設定し、そこから考える。それを実現するために課題解決に取り組む。この4つは、ポイントが違うので、違うものだと認識しなきゃいけないです。
タイプ1:業務ミス発生型の場合
イメージをもうちょっと持っていただきます。(スライドを示して)タイプ1、業務ミス発生型。左側に、まず問題発生だと。メールの誤送信とかスケジュール遅れとか。「まずどこで問題が発生したのか? どこのプロセス? それはなぜ?」と実施します。

問題を解決するっていうのは、その業務ミスを直す。業務ミスを100パーセント起こさないようにする。だから問題の発生場所、問題が起きたところを直しにいきます。そして、すべての原因を基本的には解決していくと。だって、一部分だけの解決だったら不安がありますからね。
タイプ2:業績ダウン発生型の場合
タイプ2、業績ダウン発生型は、ちょっと変わるんです。左側に、業績ダウン。売上が、粗利が、営業利益が下がったと。「どこで? どこのエリア? どこのクライアント? あぁ、ここなんだ」と。「それはなぜ?」と。

右側。問題解決するっていうのは業績を上げることが一番です。ポイント2。問題の発生場所を改善する必要は必ずしもないです。このエリアはけっこうへこんでいる。でも、そのエリアが厳しいんだったら、他のエリアを伸ばしてもいいし、あるクライアントが、業績が伸びないんだったら、他のクライアントで取引を伸ばしてもいいし。
ポイント3。業績アップに必要な原因を直す。全部直す必要はないわけです。どこを直したら一番業績が上がるか。ポイント4。悪い原因は放置してもかまわない。
よく、(タイプ)2の話なのに1で対応していることがあるんですよね。どっちですか? それはやはりポイントが違うから見極めなきゃいけないです。
タイプ3:目標設定型の場合
そしてタイプ3。目標設定型。これは今が悪いわけじゃないけど、もっと良くならないかなと。左側、「現状はどうなの?」。良い部分も悪い部分も、「それはなぜかな?」と分析をします。

課題解決という意味で言うと、現状があって、ポイント1、現状をより良くしたい。ポイント2、どの課題に取り組むことでより良い未来を作ることができるか。「この課題に取り組んだらどんな変化が起きるかな?」と。そして、「ここまでいけるんだ」と。
つまり目標というのは可能性なんです。ノルマじゃないんですよ。この場合は課題が先で目標が後なんです。「えいや!」で目標は決めないです。これが目標設定型。
タイプ4:ビジョン設定型の場合
タイプ4、ビジョン設定型。「2030年、2040年、どういう世界になるのかな?」と世界観を持って、「うちの会社はこんなビジョンがあるよ」と、作るんです。「こんな世界を作りたい」。

課題解決が右側。こういうビジョンがあって、野心的な目標に落とし込みます。こういう、「価格を10分の1にしたい」「ここにみんながいけるようになりたい」「できるようになりたい」。「それってどういうこと?」と、要素分解します。「それがなぜ難しいの?」「技術的になぜ難しいの?」。「なぜそれができないのかな?」という理由を見つけて、それを解決に導きます。
この4つはぜんぜん違うので、どういう問題解決、課題解決に取り組んでいるのかをちゃんと上司が理解しなきゃいけないです。
若手が「これで合っていますか?」という質問をする理由
そしてさらに4つ目(課題解決フィードバックの達人になるための5つのポイント)。「これで合っていますか?」という問いから逃げる。「『これで合っていますか?』っていう質問って何なのかな?」っていうことですね。
「いや、そういう話じゃないんだ」って、たぶんみんな思うかもしれないんですが、なんでそういう問いがメンバーからあるのか、理由があるんです。(スライドを示して)「これで合っていますか?」に応えるフィードバックとは何なのか?

今、若手の方が求めているのが「○」で、よくやってしまうのが「×」です。若手の方は、やってみて、結果が出た後にフィードバックが欲しいんじゃなくて、結果が出る前にフィードバックしてほしい。目的としては、次回成功するためです……やってみて、失敗してそこから学ぶのではなくて、失敗しないためにこれでうまくいくかをフィードバックしてほしいんです。
ここが、大きくずれていることがよくあると思います。「とりあえずやってみればいいんだよ」。いや、そうじゃないんです。失敗したくないんです。失敗しないためにフィードバックが欲しいんです。
伝えるポイントとしては、ケースバイケースじゃなくて、ちゃんと型に基づいて、どうやったらうまくいくかちゃんと教えてほしいです。
伝え方としては、抽象的じゃなくて具体的に言う。抽象的なフィードバックをすると、若手からはちゃんと教えてくれない上司だと思われてしまうので、今の若手を育てるためには、こういったかたちで右側のフィードバックをしなきゃいけないです。
つまり、それを実現するためには、失敗しないための評価基準が必要です。どうやったらうまくいくか、どうやったらいいかというところの基準をちゃんと上司が持たなきゃいけないです。それを問題のタイプ別に、ここがポイントだというところをちゃんと認識をしましょう。これをちゃんと伝えればいい。
「フィードバックできる自信」がない場合の対処法
最後に、「課題解決フィードバックの達人」になるためのポイント5つ目。フィードバックできる自信が持てない。やはり大変です。だから、(スライドを示して)フォーマットを作りました。

上からいきましょう。話を聞いて、フィードバックの合意を取る。「私がなんとかさんの思考を可視化してみるので、その後一緒に考えていきませんか?」というかたちで合意を取って、どの問題のタイプなのかというのを見極めます。
このフォーマットを使って、「なんとかさんって今こんなふうに考えているんだね」と図解をして、それに対して、「ここが良いね。悪いね」と、Good&Moreを伝えて、それで助言をします。
自分でゼロベースで図解をするってなかなか難しいので、「どれを使おうかな?」と、なんとかさんの思考を、聞いた話とか資料をここに書いてコメントをすればいいです。というところで型化できます。
そして、こういうふうにフィードバックするんだというところを組織で共通認識してもらえれば、上司の方も言いやすくなりますよね。「ここまで言っていいのかな?」……いや、こういう型を、会社として提供されているから上司の方からしたら言いやすくなる。
部下の方、メンバーの方としても、「うちの会社はこういうフォーマットを使ってフィードバックをするんだ」と理解をすれば受け入れやすくなる。個人としてのフィードバック力も大事だし、組織としての環境というのがここに表れています。