【3行要約】
・若手社員が求める「丁寧な指導」への期待が高まる一方、上司は多忙とハラスメント懸念で適切な指導に悩んでいます。
・高松康平氏によると、人材不足と早期退職率上昇を背景に、若手の育成方法の見直しが急務となっています。
・組織は従来の研修だけでなく、日常的な「課題解決フィードバック」の型を作り、育成力を向上させることが重要です。
若手が求める「丁寧な指導」とは?
高松康平氏:2025年頃から、このようなご相談をいただくようになりました。「上司や育成担当がメンバーの相談に対して正しくアドバイスをできるようになりたい。何かできませんかね?」と。
前からこういうご相談はちらほらといただいていたんですが、2025年くらいになって、
同じようなご相談をいろんな企業から多くいただくようになりました。
研修で解決するとしたら、まずは、問題解決研修とか戦略立案研修を上司の方とか育成担当が受けてくださいとなります。でも、それって個人の実力、自分ができるようになるための研修ですよね。だから、そのような研修を受講したからといって正しくアドバイスできるようになるのかはわからないです。
また、よく起こりがちなことは、研修ってだいたい若手とか、中堅層くらいが受講することが多いです。受けた後、若手や中堅のメンバーが上司に「見てください」って依頼をするけど、上司はその研修を受けていないんです。逆もありますが。
会社によっては、ある層は研修を受けているけど、ある層は受けていない。だから、共通の言語化ができていないから正しくアドバイスができなかったり、アドバイスしたとしてもそれが伝わらないことが多いです。じゃあ、アドバイスできるように育ててよと。でも、すごく大変そうですよね。
そこまでの時間は取れないし、困ったなというお声が多かったので、我々は(フォーマットを)作りました。そして、(フィードバック)できるようになります、というところが今日のお話の内容となります。じゃあ、どうやってやればよいか、いよいよ本題に入ってまいります。
課題解決フィードバックの対象範囲

まずは、この「課題解決フィードバック」とは何かという定義をお伝えします。フィードバックという言葉は、今、人事領域でも非常に注目されていますが、「対象とするテーマ、何に対してフィードバックするか?」は「課題解決」となりす。そこに限定して、つまり仕事に対してフィードバックできるようになりましょう、ということですこれが一番大事じゃないですか。
キャリアとかその人の人生とか、もちろん大事ですけど、会社ですので、仕事に対してフィードバックできるようになることが最初なんじゃないかなということになります。
対象範囲は、こんなかたちで図解もしています。まずフィードバックというと、右上の部分をイメージされることが多いかなと思います。人事フィードバックです。目標設定とか振り返りですね。
横軸がタイミングで、日常、定期的と書いていますが、人事フィードバックは定期的です。四半期ごととか半期ごととか、もしくは年間で1回とか、フィードバックをします。行動とか成果、全部ですね。業務全般について、「あなたはここが良かったよ」とか「ここができていなかったよ」「だから、給料は次回こうなるよ」というかたちで、フィードバックをします。
もちろんこれは大事なんですけど、左下、ちゃんとできていますか? 「日常的に」「資料や発言」に対してのフィードバックです。
「提案資料を作ったんですけど、見てもらえますか?」と、(メンバーに言われて)先輩とか上司が見ますよね。日頃からメンバーのアウトプットに対してちゃんとフィードバックができていますか?それができていないのに右上(人事フィードバック)をされても「なんかなぁ……」と思います。
左下(課題解決)ができてこそ、やはり人事フィードバックとかその人のキャリアを考えることにつながっていきます。この左下がちゃんとできていないんじゃないかなと思いますし、今の若手の方はこの左下を教えてほしいんだと思っている方は多いです。なので、この左下のフィードバックの必要性がさらに高まっているんじゃないかなと思っています。
じゃあ、どういった背景があるのか? 整理をしてみました。人事の視点、若手の視点、上司の視点というところで3つの視点で書いています。この辺はみなさんのご認識のとおりかなと思います。

人事の視点。人材不足が顕在化。どこの会社に行っても「人が足りない」と、だから若手のオンボーディングが鍵になっています。さらに、ちゃんと育てたけど、若手の退職率が世の中全体で上がっています。
そして、若手自身はどう思ってくれるか。仕事を丁寧に教えてくれる上司が人気です。どんな調査を見ても、「ちゃんと教えてほしいんだ」と、明確になっています。教えてほしいし、教えてくれるかどうか、いい上司かどうなのか、冷静に見極めています。
上司の視点。上司は上司で忙しいです。ほぼ全員プレイングマネージャーです。育成に時間をかけたいけど、なかなか(難しい)。さらにはハラスメントを恐れて、やはり言えないんです。褒めてばっかりになっちゃいます。といった状況の中で、若手を育てたい。若手は教えてほしいけど、上司もどう言えばいいかわからない。そんなジレンマが今企業に存在するんじゃないかなと感じてます。
「部下を育てる上司の型」を作る
だから、部下を育てる上司の型を作る必要があります。あえて「型」という言葉を使っています。上司のスキルや能力を上げることも大事なんですけど、そういう力があったとしても、言う環境がないと上司は言うことができないし、若手も受け止められるような素地がないとやはりうまくいきません。
スキルアップよりも、ちゃんと部下を育てる上司の型、フィードバックの型を作る必要があると我々は考えています。
もう少し「課題解決フィードバック」とは何かをご紹介したいと思います。他との違いを見ることによって、より、これが何なのかを明確にしていきます。
フィードバックという言葉とよく対比される言葉として、コーチングとかティーチングという言葉があると思います。何が違うと思いますか?
これも人によって定義はいろいろあるのですが、オーソドックスに言うとこういうことかなと。まずフィードバックとは何なのか。相手、メンバーがいて、あなたが上司だとしましょう。相手の行動を観察して、それに対してフィードバックをする。次のネクストアクションにつなげていきます。

つまり、相手の行動や成果に対して客観的な事実をもとに評価や助言を伝えて、一緒に改善していこうと。これがフィードバックの一般的な定義だと思っています。