ティーチング、コーチングとの違い
それはティーチング、コーチングと何が違うのか。左からいきましょう。ティーチングは一般的には伝え手(上司)から受け手(メンバー)に対して業務知識・プロセスとか技能などを一方的に伝えます。伝える内容は、マニュアルや教科書が存在していて、それを伝え手から受け手に伝えるというのがティーチングです。

次にコーチングは何か。コーチ(第3者)からの質問にメンバーが答えることで、本人が目指すゴールに近づくための双方向コミュニケーションです。
つまり、コーチ(第3者)の方が質問をしてそれに対してメンバーが回答をする中で気づきがあります。部下の頭の中に答えがあり、経験の中で学んだことをコーチからの質問によって気づかせて、促してもらいます。
それに対してフィードバックは、先ほど申し上げた、相手の行動や成果に対して客観的な事実をもとに評価や助言を伝えて、一緒に改善をしていきます。
客観的事実で、「こういう行動をしていたよね」「こういう成果が出ているよね」。そういう事実に基づいて評価をして、一緒に改善をしていく。こういった違いがあります。
今、世の中全般的に、コーチングという手法が非常に注目されているんじゃないかと思います。これはとても良いことだと思います。コーチングすることによって部下が気づいて、相手が気づく。そういうコミュニケーションが一般的に普及してきました。
その背景には、1on1の普及です。1on1はどうやりますか?。いろんなやり方がありますが、1on1をやる際には、コーチングの手法を使いましょうという企業が多いんじゃないかなと思います。大企業の1on1実施率70パーセントというデータも存在します。
だから、上司と部下がコミュニケーションする際には、1on1という「場」があって、コーチングという手法を使いましょう。これが世の中で一般的になったと思います。上司と部下のコミュニケーションの際にはコーチングなんだと。
「フィードバック」を学んだことがない上司が多い
でも、1on1でコーチングの考え方が普及したが、ちょっと言い過ぎかなって思うことがあります。(スライドを示して)左側に、世の中にあるコーチング本に書いてあることがあります。こう言うと、私がコーチングをあんまり好きじゃないみたいに思うかもしれませんが、そういうわけではありません。

例えば、いろんな本を読みました。「部下の中に答えがある」。コーチングって経験学習をベースにした考え方ですので、その人が経験から学ぶことが大事だということがコーチングの前提ですが、自分で気づけないこともあるよねと。
そして、上司がアドバイスをしてはいけない。自分で気づくことが大事だから。でも、アドバイスが欲しい時もあります。だって、新人なんだもん。若手なんだもん。なかなか自分では考えられないこともあります。
そして、否定をすると傷つく。そりゃあ、私も誰でも傷つきますよ。でも、傷つくという話と、改善点を伝える、伝えないっていう話は別ですよね。改善点は伝えなきゃいけないです。
本によっては、1on1は仕事の相談をする場所ではないと書いてあります。仕事の相談すらできていない場合もありますから、仕事の相談もしたいよね。
つまり、コーチング手法は有効なんだけどすべてではないです。当たり前のことですが、ケースバイケースで手法を使いこなすのが重要です。
ティーチングもコーチングも、そしてフィードバックも大事です。「フィードバック、できていますか?」って言うと、「いや、最近コーチング手法を学んだけど、フィードバックについてはやり方を知らないな」とか「学んだことがないな」っていう方が多くいるんじゃないかなと思います。フィードバックを学ぶことは非常に重要です。
上司のフィードバックで心のシャッターを下ろす若手
そして今回、何のフィードバックか。一番大事なところです。仕事イコール課題解決だと思います。仕事に対してフィードバックできるようにしようと。我々、最近いろんな方の、インタビューや話を聞いています。
例えば、20代の営業職の方、こんなことをおっしゃっていました。「会社の中でもちゃんとフィードバックしてくれる人と、してくれない人がいます。私が欲しいポイントではないことを言われることも多いです。そういう人には、もう相談しないです」と心のシャッターを下ろされました。
ちゃんとフィードバックをしてくれるんだったら受け止める。でも、全く違うポイントを言われることも多いんですって。そうなっちゃうとやはりもう二度と聞かないというか、相談しにいかないんですかね。
こんな声もいただきました。「自分自身がちゃんと成長しているか不安です。会社では褒められてばかりです」。これ、最近聞きますね。「できていない点はできていないと言ってほしいです」。やはり上司の方、褒めてばっかりなんです。
若手の方も最近は、自分が他社で通用する力があるかどうか、キャリアの早い段階で転職とかそういうのを意識する時代になっているので、自分がちゃんと成長しているかどうかって、焦りにも似た気持ちを持っている方は多いです。そういう気持ちを持っている中で褒められてばかりだと、ちょっと不安になっちゃうのかなと。
「理想の上司像」圧倒的な第一位は
これは別に、この2人だけの話じゃなくて、いろんな調査結果で、明らかになっています。一般社団法人日本能率協会さんが「2022年度新入社員意識調査」というのを発表されています。非常に有名な調査なので、どこかで見たことがあるかもしれません。年度ごとにどういう人が理想の上司ですかというのが対比できます。
言いたいことは、「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」が1位なんです。1位が圧倒的に伸び続けています。大人気なんですよ。でも、上司のみなさん自身が丁寧な指導をしてもらいましたかというと、「とりあえずやってみて」でたぶん育ってきた世代かもしれませんが、今の若手・新入社員は、仕事について丁寧な指導をする上司・先輩がよいんです。
これをまず理解しなきゃいけないです。この調査だけではなく他にもあります。SHIBUYA109エンタテイメントさんが「Z世代の仕事に関する意識調査」というのを発表されています。これも非常に、いろんなところで取り上げられています。
理想の上司像というところで、大人気(第1位)は、「わかりやすい言葉で説明してくれる」。第2位、「丁寧に教えてくれる」。第3位、「気軽に相談しやすい」。これが今の現状です。こういう若手に対してちゃんとフィードバックができるかというところが今、求められています。
ティーチング、コーチングも重要だけどフィードバックが重要です。そして、今の若手は仕事について丁寧に具体的にわかりやすく教えてほしいんです。では、できるようになりましょう。
でも、そんなやり方、習っていないからうまくできないです。というわけで我々はプログラム化しました。じゃあ、どんな力を身に付ければ課題解決フィードバックができるようになるか。
相手、メンバーが作ったアウトプット、具体的には資料を、あなた、上司が見て、フィードバックをして、ネクストアクションにつなげます。課題解決を実現するために相手がどのように思考しているか、「あなたはこんなふうに考えているんだね」と可視化した上で共にアウトプットを進化させていくという手法となります。
これができるようになると、こんな効果が期待できます。我々、「課題解決フィードバック」ができる人を、「課題解決フィードバックの達人」と呼んでいまして、それを目指していきます。そうじゃないと下手くそフィードバックだと考えています。