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顧客対応で見落とし・重複が慢性化する理由 コールセンターに必須の“対応状況の共有”ができる「楽楽自動応対」とは
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高橋浩一氏:(人とAIの協働において考慮すべきリスクは)成果物や意思決定が均質化する、尖りがない方向に行ってしまう、考える力が落ちる。「認知的オフローディング」という言葉は、よろしければキーワードとして押さえておいていただくといいかなと思いますが、要するに脳みそのある一部を使わなくなっちゃうんですよ。
当社もAI活用について取り組んでいるんですけれども、私は社内のメンバーの使い方をけっこう見ていまして、「AIに考えさせることはやめましょう」ということを言っています。
「えっ、何を言っているの?」と思われるかもしれませんが、まずは自分で考えたものをAIに投げてみて、抜けている点とか反論を出してもらう。こういう使い方は大いにやってください。
ただ、例えば「『このお客さんに対する提案内容を考えて』という使い方はダメです」というふうに、ここはけっこう線を引いて、わりと細かくチェックしています。なぜかというと、考える力というのは本当にビジネスの生命線ですからね。
あとは、やる気が落ちる。例えばエンジニアの人の仕事で言うと、これまでは自分でコードを書いていたのが、もうプロンプトを投げるだけだというふうになったら、だんだんとやる気が落ちてしまうことがあったりします。
エンジニアの例を出しましたが、もしかしたら営業も然りかもしれませんね。「提案内容を自分で考えるのが好きだったんだけど、AIにやらせたらなんか楽しくなくなった」みたいな。
私は、こういうことはフラットに見る必要があるなというふうに思っておりまして、やはり手放しにAIを賞賛とはあんまり思っていないんですよね。こういったことも含めて(AI活用を)どう考えていくかという話だと思っております。
このような側面がありますから、やはりAI活用はなかなか一筋縄ではいかない問題です。そういうところもあって、これは組織ぐるみの課題だと見ています。習慣や文化の問題、スキルの問題、決めの問題というふうに分類しています。それから縦軸が、経営なのか現場なのかということですね。
例えば1番の「文化の問題×経営」で言うと、失敗を許容しない文化、あるいは現場からの不信感みたいなのもあるかもしれません。現場からの不信感というのは、経営側が「AIをやるぞ」と言うと、現場が「また始まったよ」みたいな感じでちょっとしらけてしまう。情報共有文化の欠如で言うと、データが溜まっていないというのがあるかもしれません。
スキルの問題で言うと、リテラシーの問題みたいなものがありますね。経営の理解リテラシーもあるかもしれないですし、現場の活用リテラシーもあるかもしれません。あるいは、セキュリティ・プライバシー関連を議論しないといけないとか、ガイドラインがないと使えないというのもあります。
もし(AI活用を)推進されたいというお立場の方であれば、このあたりをチェックしていただくといいんじゃないかなと思います。
ということで、営業組織におけるAI活用の課題なんですけれども、どういう会社がうまくいくのか。いろんな企業さんのご支援をしてきたり、日常的にいろんな方とディスカッションをしている中で、4つぐらいパターンがあるかなと思いました。
まず1つ目が、経営の一種として大胆なビジョンや目標を掲げている。要するに目指す理想があまりにも高いので、AIをフル活用しないと実現できない。ベンチャー企業とかはこういうパターンがけっこう多いと思いますね。「こういうふうに成長をしていこうとしたら、AIを活用しないと到底無理でしょう」みたいなパターンがあります。
2つ目が、元からデジタル経営。これは大企業とかでもありますけれども、ITを使いこなすことに元からけっこう慣れている。こういうケースはありますよね。元からITに強いというパターンもあります。
あと、AI時代になってから新しく浮上してきているのが、クリティカルシンカー集団です。例えばコンサルティング会社とかはそうなんですけれども、全社的にみんなの考える力のレベルが極めて高い。
さっき「認知的オフローディング」の話をしたんですが、研究論文とかを見ていくと、批判的思考をどのくらいやるかということが、考える力や内発的動機のマイナス面を補う。要するにどういうことかというと、元から批判的思考の力が高い人はAIによって考える力がより上がるし、また内発的動機も促進される。
だから、元から考えている人はAIを味方に付けられるんだけど、そうでない人からすると逆にAIに使われてしまうというのもあるわけですよ。そうすると、クリティカルシンカー集団というのはAIとすごく親和性が高いわけですね。
あるいは大企業なんかのパターンでは、「思い切った権限委譲」ということで、一部のエバンジェリストに任せて推進し、経営が組織展開を支援するというパターンもあります。(AI活用が成功しやすい組織のパターンは)だいたいこの4つが多いかなと思いますね。
私がAIに関して思うことは、やはり魔法の杖ではなく「増幅器」だなということです。これは、本当に常々思っております。AIを入れればうまくいくとは思っていなくて、それは幻想なんですよ。
増幅器というのはギターのアンプみたいなもので、元の演奏がうまくなかったら、うまくない演奏が拡大されるだけです。だから、これはいろんなところで申し上げているんですが、やはり人と組織のレベルというものが極めて重要です。これが、私の揺るがない主張になります。
人と組織のレベルが極めて重要だから、人と組織のレベルを上げないでAIを使うというふうにしても、あんまりうまくいかないと踏んでいます。ここで、どういう人はAIを使うとうまくいきやすいのか、逆にどういう人はAIを使うと(落とし穴に)はまりやすいのかというところを、自分なりに考えてみました。
営業1万人調査の中で、「ご自身の強みや得意とすることは何ですか?」と、スキルについて5,000人の方々に対して聞いたんです。
ハイパフォーマーとローパフォーマーを分けて聞いているんですが、ローパフォーマーのほうが「強みは特にない」という回答が多いわけです。ただ、「誠実さや真面目さ」「傾聴し共感する力」というのは、ローパフォーマーのほうがスコアが高いんですよ。
これはどういうことかというと、ハイパフォーマーとローパフォーマーとで比べると、ローパフォーマーのほうが「いや、私は強みがありません」という回答が多いわけじゃないですか。
ということは、全般的にハイパフォーマーとローパフォーマーが本当に同じ傾向だとすると、すべての項目においてハイパフォーマーがローパフォーマーをちょっとずつ上回る、みたいな回答になっているはずですよね。なんですが、ここだけやけにローパフォーマーが高いんですよ。素直で真面目さが強みということですよね。
また、特にローパフォーマーの方々は、抽象的な思考力について苦手意識が強いということも見えてきております。(グラフの)真ん中のところをご覧ください。
抽象的な思考力と巻き込み力においては、ハイパフォーマーとローパフォーマーの違いが表れやすいということです。
なので、私はこういう見方をしております。「営業の特性とパフォーマンスごとに見るAI時代との相性」ということなんですが、AIみたいなツールが出てきたとして、認知や行動の特性と現在のパフォーマンスを見た時に、現在のパフォーマンスのレベルはローパフォーマー、ミドルパフォーマー、ハイパフォーマーというふうにわかりやすいです。
「思考寄り」とか「感情寄り」というのは、要は考えるほうで勝負するのか、感情で勝負するのかということですよね。そうすると、AIをめちゃくちゃ味方に付けてパフォーマンスが爆上がりになるのは、ここのゾーン(思考寄り×ハイパフォーマー)の人です。
ものすごく恩恵を受けて、さらに有利になる。考える部分にものすごくレバレッジが効くわけですよね。真ん中の人(思考寄り×ミドルパフォーマー)みたいに、思考寄りの人もものすごく(AI活用が)やりやすいと思います。
一方で、感情寄りのハイパフォーマーの人も、逆にAI時代だからこそ個性が際立ちやすいというのはあるでしょうね。ただ、やはり思考寄り×ハイパフォーマーの人の有利さに比べると、個性が際立つとはいっても、AI時代の影響は受けることは受けるだろうというふうに思います。
素直で真面目なローパフォーマー(思考寄り×ローパーフォーマー)というのは、AIを味方に付けるということにおいては、やはりかなり工夫が必要だなと思いますし、感情寄りの方々もそうですよね。ですので、正直こういう相性はあるかなということは感じております。
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