【3行要約】
・PMのキャリアにおいて重要な「機会」は限られているが、その獲得方法は明確でないことが多くのPMの悩みとなっています。
・横道氏は61項目の調査から、企業規模や文化に関わらず「やり抜く力」「能動的姿勢」が普遍的に重視される事実を発見しました。
・マネージャーは実績よりも姿勢を評価基準とし、PMは日頃からコミットメントと責任感を発揮することが機会獲得への近道です。
どんなPMに機会が与えられるか? 与えるべきか?
久津佑介氏(以下、久津):モデレーターとして、今日は話をさせていただきますが、この1発目のセッションはパネルディスカッションの形式で始めたいと思っています。
タイトルは、「どんなPMに機会が与えられるか?与えるべきか?」みたいなところで、マネジメントだったり、育成だったり成長みたいなところにフォーカスを当ててお話ができればと思います。この後いろんな有益な情報が出てくるかと思いますので、ぜひお楽しみいただければと思います。
自己紹介コーナーからいければと思うんですけど。
横道稔氏(以下、横道):横道です。Product People株式会社でプロダクトコーチをやっています。よろしくお願いします。
松栄友希氏(以下、松栄):SmartHRの中でタレントマネジメントという領域のプロダクトの統括をしています松栄と申します。一応今日に合わせて言うと、私の配下にPMが10人ぐらいいます。マネージャー、チーフ、メンバーっていうかたちになっているので、間接マネジメント、直接マネジメント、メンバーでマネジメントをやっています。よろしくお願いします。
(会場拍手)
プロダクトのマネージャーの成果と成長のループ
久津:ありがとうございます。さっそく今回のテーマの背景やどういう内容を話すのかを横道さんから説明をお願いします。
横道:前口上なんですけど、皆さんプロダクトマネージャーとして成果を目指していると思いますし、1人の人間として成長をきっと目指されていると思います。そこにはいろんなループがあるなと思って、(スライドを示して)それをまとめてみたものなんですね。

これを今日詳しく説明するわけじゃないんですけど、中央にある「成長」というのは、成果とか学び、フィードバックから得られるものになっています。その時にやはりこの「成果」には、コンピテンシー、行動、スキルみたいなものが影響を与えます。
ただし、前提条件として、「機会」という発揮する場所があってこそ、成果というものにつながってくるので、この「機会」というのは非常に重要です。
機会を通じて成長するっていうのは、たぶん誰も否定しないと思っていますし、成長を志向するのであれば、機会を得ていく必要があります。
ただ、この良い機会は誰にでも降ってくるものではないんですね。それの1つは、PMはやはりリーダーシップロールだと思うので、そんなにその機会がたくさんあるわけではないです。
「じゃあ、この良い機会を獲得する確率を上げられるんだろうか?」っていうのが、私の最初の、いわゆるリサーチクエスチョンみたいなものですね。それをもとに、機会のアサインが実際どんなふうに、どんな要素を重視されて行われているのかを調査しました。
こだわったのは、「どんなふうに考えていますか?」じゃなくて、「実際にどんな判断をしましたか?」っていう事実の事例を集めたことです。
それを紹介していくので、PMのみなさんには、アサイン者がリアルに何を考えているのかを知ってほしいなと思います。それを知った上で、その機会を得る確率を上げるために欠かせないスキルとか思考とか行動みたいなものとか、それの伸ばし方のヒントを得てほしいなと思います。
同時に、マネージャー的な方も来ていらっしゃると思うので、調査結果から自分のアサインの意思決定の解像度を相対化して上げてほしいなと思います。機会を託せるPMを育てることは非常に重要だと思っていますので、そこのヒントもここから得られればと思っています。
PMに機会を託した・任せた経験のある人への調査結果
横道:ここから、事例収集調査がどういうものだったか、簡単に紹介します。収集した時の「note」に書いてあるんですけど、回答の対象者は、PMに機会を託した・任せた経験のある人。つまり、マネージャーとか責任者みたいな人を対象にしたアンケートになっていました。
調査結果をサマリーしていくんですけど、さっき言ったように、Slackに貼ってあるのでSlackから行ってもらうのが楽かと思います。
これがどんな調査だったかでいくと、回答してもらうマネージャーの人に、「事例を1つ思い浮かべてください」というのを最初に促しています。それが、「誰かに託した・任せた事例、なおかつ、その任せた相手が成長した。その後さらに大きな機会を与えられると感じられるようになったものに限定して思い浮かべてください」というのがありました。その他にも小さな諸条件はあります。
それをもとに、思い浮かべた実際の実例がどういう属性を持っていたかを答えてもらっています。例えば、当時の会社がどういう規模感だったかとか、業種だったかとか……会社の文化がどうだったかとか、当時の回答者がどうだったかとか、機会がどうだったかとか、アサイン相手がどうだったかとか、機会の過程とか結果ってどうだったかをいろいろ聞いています。
それを答えてもらった上で、これがメインの質問なんですが、「その人に託す・任せることを決めた時に、あなたが重要視したものは何ですか?」っていう質問をしていて、61項目あります。答えてくださった方、ここにちらほらいると思うんですが、「マジでなんでこんなに長いんだ?」って思われたと思います。
ピックアップされた 「限られた良い機会」の当時の属性
横道:それを「強く重視した」「重要視した」「やや重視した」「まったく重視しなかった」「そもそも検討しなかった」みたいな5段階。実質4段階プラス1で評価をしてもらうことをやりました。

ここから結果のほうに入っていくんですが、先に回答者の属性を説明すると、(スライドを示して)こんな感じで、上がマネージャーの累積経験年数です。4年以上の方が8割ぐらいですね。下が、今の職責レイヤーで、取締役とか執行役員レイヤーが4割以上答えてくれているという、本当に貴重なデータだと思います。
中間管理レイヤーまででも8割いく、ファーストラインマネージャーですらない、さらにその上の人たちが回答してくださっているので、あんまり聞く機会がない話なんじゃないかとすごく思っています。回答してくださった方、本当にありがとうございます。
その前提で、ピックアップして、それぞれの人たちが挙げたn=1ですけど、n=1の属性がどういうものだったかっていうのは、このへん駆け足でいきます。いわゆる左上のほうは9割がSaaSとかアプリを提供している自社サービスですね。左下が、いわゆるスタートアップと自分たちのことを見なしているか、老舗だと見なしているかっていうのをやっていて。

つまり、8割、9割の間くらいがスタートアップ寄りの会社です。実際に社名も書いてもらっているんですが、スタートアップからメガベンチャーみたいな人たちが9割っていう感じです。従業員規模も500人未満が、過半数をしめるような、そういう感じの会社における機会だと見なしてください。
「事業・プロダクト」のフェーズもばらついています。「0→1」「1→10」「10→100」みたいなものでばらついていますし、toB、toCというのも、ややtoBが多いですが、ばらついている感じですね。「その他」みたいなものは少ない。なので、かなりいいデータが採れていると思っています。
あとは、文化を自己評価してもらっていて、その言葉に賛否両論ありますが、いわゆる、ビジネス主導かプロダクト主導かをどう思うかが一番左。意思決定がボトムアップ傾向かトップダウン傾向かとか、スピード感的に大企業的かスタートアップ的かっていうのも分布を出しています。

スピード感に関してはスタートアップが多いので、スタートアップ寄りですけども、比較的良い分布をしているんじゃないかなと思っています。
当時の属性の中で、思い浮かべてもらった機会がどういうレベルの人が担うべきだったかっていうのが左上ですね。これは、一人前から熟練・シニア、赤と黄色というものが機会の特性でした。