【3行要約】
・リーダーシップ本が溢れる中、「正解がわからない」と悩むマネジャーが急増しています。
・株式会社O:(オー)の三島氏は米国最新の組織開発から生まれた「オルフェウス・プロセス」を紹介します。
・同氏が従来の指揮者型リーダーシップから脱却する分権型リーダーシップについて、4つの原則の効果を解説します。
組織開発モデル「オルフェウス・プロセス」に着目
三島拓人氏:株式会社O:(オー)の三島と申します。私からは「最強のリーダーシップとマネジメント『オルフェウス・プロセス』 ~米国最新の組織開発から紐解く~」と題しまして、1つの革新的な組織モデルをご紹介いたします。

こちらのオルフェウス・プロセスは、今、米国の最新の組織開発において非常に注目されておりまして、組織内で起きている諸問題をすべて解決してくれるマネジメントやリーダーシップのモデルといっても過言ではないものになっております。なので、そういったことに関して悩みを抱えているすべてのリーダー、そして経営者のみなさまへ送る内容となっております。
この時間が、みなさまの組織がさらなる高みへと目指す(ための)1つのヒントになれればと思います。
本題に入る前に少しだけ私の自己紹介をさせてください。現在はオーでインサイドセールスのリーダー、そしてコンサルタントとして活動しており、インサイドセールス部隊の立ち上げと体制構築を担ってまいりました。

現場では数字を追いかけ、チームを構築してきましたが、その中で常に直面してきたのは、いかに個人のポテンシャルを活用して組織の爆発力に変換するかというところでした。
こうした実体験(を基に)、若手から管理職の方々まで幅広く、1on1の質の向上やチームマネジメントをテーマに研修や登壇をさせていただいております。本日ご覧になっていただいたみなさまに、明日現場に持ち帰ってすぐ使える学びをご提供できればと考えております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
「マネジメントの正解って何?」現場リーダーの切実な悩み
私の経歴を少しお話しさせていただきましたが、やはり現場でインサイドセールスの立ち上げやコンサルティングに関わっていく中で、多くのリーダーから共通して聞く悩みがあります。それは「結局、マネジメントの正解って何?」という切実な声になります。

書店に行けばリーダーシップの本がところ狭しと並び、ネットを開けば新しい手法が次々と紹介されています。しかし、真面目に学べば学ぶほど「自社には合わないのではないか?」「どれが本当に正しいのか?」と、かえって迷宮に入り込んでしまう方が非常に多いのが現実です。
みなさまもいろいろな手法を試しては、組織への浸透の難しさに頭を抱えた経験があるのではないでしょうか。そこで本日みなさまにご紹介したい解決策が、米国最新の組織開発からひもとくマネジメント・リーダーシップのモデル「オルフェウス・プロセス」です。

これを知ることで、リーダー一人ひとりが背負い込むマネジメントから脱却し、組織として爆発力を生むヒントが見えてきます。その具体的な中身について、みなさんと一緒に見ていけたらと思います。
(スライドを示して)オルフェウス・プロセスの出所は2002年の出版の本(
『オルフェウス・プロセス: 指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント』)なんですが、その実用性は非常に高く、内容そのものは非常に納得いくものがあるんじゃないかなと。特に、今の日本企業にとっては非常に合致しているんじゃないかなと思っています。
世界最高峰レベルのオーケストラに指揮者がいないという事実
突然ですが、みなさまオーケストラと聞いて何を思い浮かべますでしょうか。おそらく中央でタクトを振る指揮者と、その指示に従う演奏者たちという構図ではないでしょうか。しかし、世界最高峰と称されるニューヨークのオルフェウス室内管弦楽団では、実は指揮者が1人もいないんですね。
ここでみなさんが疑問に思うのが、「これが本当に成立するのか」っていうお話なんですけども、実はそこが今回のポイントです。
「どうせ、メンバー全員が超人的に優秀な天才集団だからできる特殊な事例なんじゃないかな」って思われる方がいるんですけども、もちろん彼らはプロですが、実は指揮者がいないからこそ、彼らは一糸乱れぬ演奏ができ、かつ独創的なパフォーマンスを生み出し続けられるのです。
ここに、現代のマネジメントにおいて自律と規律を両立するための極めて実務的なヒントが隠されています。
仕事が止まる組織の「あるある」
さて、ここからみなさんの現場でもきっと起きている「あるある」のお話になります。(スライドを示して)これ、実は組織が停滞しているサインなんです。

みなさんの職場で、こんな状況はないでしょうか。例えば一番左、リーダーのはんこ待ちで仕事が止まる。仕事がないと誰も動かない。自分の担当以外は知らんぷり。そして会議がまるでお通夜。おそらく1つ、2つはみなさん昨日のオフィスで見た光景ではないでしょうか。
まず一番左。ボトルネック化するリーダー、はんこ待ちの行列。リーダーの方が優秀で責任感が強いチームほど、この罠にはまります。「最終判断は俺がやる」。一見頼もしいですが、結果としてリーダーが渋滞のポイントになっています。
現場のメンバーは「あ、また部長のチェック待ちか」と、他のどうでもいい仕事で時間を潰したり。これは、リーダーががんばればがんばるほど組織のスピードが落ちていくという一番悲しいパターンになります。
2つめ、指示待ちの正体。実はこれ、メンバーがサボっているわけではないと思うんですけれども、これまでしっかり管理するマネジメントが、実は彼らの脳を指示待ちモードに切り替えてしまっています。「勝手なことをして怒られるくらいなら、言われたことだけやったほうが安全だ」と。
結果として「指示がないのでやっていません」とか「それは私の担当外です」なんて言葉が平気で飛び交うようになる。せっかく優秀な人を採用したのに、その人の知性の半分も使えていない。それは本当にもったいないことです。
優秀な人材を集めても成長スピードが遅くなってしまう理由
3つめ、不協和音と沈黙の大小。組織の中での不協和音もあるかなと思います。自分の楽器、つまり自分の担当業務は完璧にこなしているけれども、でも横のメンバーが何かしているかってのはまったく興味がない。結果として、お客さまにはバラバラの対応、ちぐはぐな価値しか提供できない。それではプロのオーケストラと呼べないですよね。
さらに4つめ。チームの会議はどうなっているか。反対意見を言えばリスクになるから、みんなシーンとしている。結局大きい人や上司の意向だけで決まっていく。それじゃあチームとして集まっている意味がなくなってしまいますよね。
みなさん、いかがでしょうか。本日のテーマをあらためて考えてみてほしいんですけども、優秀な人を集めて、リーダーが必死に指示を出している。なのに、なぜか組織としては爆発力がなく、成長スピードが遅い。しかし、ここで「もっと優秀な人を採らなきゃ」って考えるのは非常に危ないことです。
4つの原則で構成されるオルフェウス・プロセス
実はみなさんが良かれと思っている管理そのものが、メンバーの能力を閉じ込めているジレンマの正体かもしれない。オルフェウスの事例が教えてくれるのは、個人の能力以上に、それを引き出す仕組みがいかに大事かというところです。
その原因は個人ではなく、指揮者モデル。リーダーのあり方だったり、会社での立ち位置にあります。今回は、そのリーダーをどうやって育てていくかの仕組みについてお話ししていきます。
オルフェウス・プロセスは、厳密に言えば8つの原則から成り立っています。本日はその4つの原則をお伝えできればなと思います。

1つめが分権型リーダーのようなかたちです。オルフェウス・プロセスはリーダーの役割をみんなが分担することによって、みんながリーダーをやれるという考え方があります。
2つめは、特定のリーダーを決めないかたちで、フラットであること。
3つめが一番大事なんですけども、とにかくコミュニケーションと合意形成。とにかくやりとりを重要視します。話し合いをせずには決めないということですね。「話し合わないで決めることはだめですよ」っていうのが特徴でして。
そして最後の4つめが責任の共有。「これはあなたが責任者なんだから、あなたがやれよ」っていうわけではなく、あくまで我々の問題であって「自分たちの責任だから、みんなでちゃんと成果を共同で作っていきましょう」ということが4つめになります。これがオルフェウス・プロセスで大事な4つの原則になります。