クラシコム青木耕平 × freee川西康之「“健やかさ” と “急成長” 異なる山を登る2人の対話」『freee 成長しまくる組織のつくりかた』刊行記念イベント(全6記事)
マネージャーに対する「経営からのケア」として重要な2つのこと マネジメント層の過重負担を解消する仕組みづくり [2/2]
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マネージャーが産休に入っても空席で待つ
川西:そこまでやっていらっしゃるとなると、やはりマネジメントエクスペリエンスは、会社・組織の成長とか組織の運営をしていく上では、かなり重要な領域として認識して投資していらっしゃるということなんですか?
青木:いやぁ、まさにです。僕らは8割女性の会社で、そのうちの約半数が未就学時のお母さんなんですね。現在のマネージャーも6割ぐらいが女性なんですけど、その多くが任期中に産休に入っているんですよ。
そうするとどうなるかっていうと、マネージャーがいない時期が1年とかあるわけですよ。僕らは空席で待つので。
川西:えっ、そうなんですか?
青木:そうなんですよ。基本的にはマネージャーが産休に入る時は、代役を立てずに待つっていうことになるんですね。そうすると当然、管掌役員が下りていって、そこを見る(ことになる)。
川西:下のチームを兼任するみたいな感じですか?
青木:兼任するみたいな感じで。そうすることで会社からは「自分に続けてほしいんだな」っていうメッセージが出る。「がんばれよ」とか言う必要がなくなるんですよね。
川西:へぇ。
青木:面倒くさいじゃないですか、励ますとか。
川西:(笑)。
青木:できる状況があって、やり方もわかっていて、道具があって、1人じゃなくて。そうなると、適当に仕事するほうが難しいんですよね。
特にマネージャーの問題って、寂しさというか、わかってもらえないとか、助けてもらえないとか、やはりケアされていないことがいろいろな課題を生んでしまう。
川西:いやぁ、おもしろい。組織の中で一番ケアされにくいポイントが、逆にマネージャーっていうことなんですよね?
青木:そうなんですよ。
川西:確かに。
ケアは効率はいいがバッテリーが小さい
川西:昨日たまたま「freee」ユーザーの方で、病院経営に携わっていらっしゃる方と議論をさせていただく機会があったんですけど、今病院の経営ってすごく難しいんです。その病院さんは、病院界の中でもベンチマークにされる済生会熊本病院っていうところなんですけど。
青木:あぁ、なんか聞いたことがあります。
川西:その病院の方に「何が一番マネジメント上で効いているんですか?」みたいな話をした時におっしゃっていたのは、お医者さん向けのとか、看護師さん向けのHRBPみたいな機能に投資していらっしゃるっていう話をしていて。
青木:おもしろい。
川西:病院経営の中において、最もケアされないのはお医者さんとか看護師さんだっていう話は、なんか同じ構造なんだなと思って。
青木:そうなんですよ。ケアとサービスの話で言うと、よく僕、それをバッテリーに例えるんです。契約とサービスの関係って、けっこう効率は悪いんですけど、バッテリーはでかいんですよ。だからそのレベルだと、ケアっていうエネルギーの注入がなくてもけっこう動けるんですよ。
ところが、ケアは効率はいいんだけどバッテリーが小さいので、頻度高く充電しないと機能しないんですよね。そういう意味でも、病院っていうのはいわゆるケア産業なので。ケアをする人は放電しているので。
川西:なるほど(笑)。
青木:小まめに充電してあげないとやはり機能しないっていうのは、当然っちゃ当然なんですよね。
良い道具を最低限渡すこと、勝てない戦いから早く撤退させること
青木:「今までなんでそれができていたんだろう?」っていうのは不思議ではあるんですが、使命感だとか、あるいは「1人でたくさん給料をもらっているんだからがんばろう」とか、いろいろなことがある中で、いろいろなことが豊かだったり均質になっていった時に、「いや、お金をもらっているからってさすがに無理だよね」「社会的名声があるっていったってさすがに無理だよね」みたいな感じになる人が増えるのも、当然だろうなと思っていて。
特に病院だったら「患者さんを幸せにしよう」みたいなことが目標なんだけれども、家族に例えると、例えば僕らが夫婦だったとして、子どもを幸せにしたい時に、誰を幸せにするのが一番いいかっていうと、夫婦がお互いを幸せにするのが一番いいじゃないですか。
お父さんだったらお母さんを幸せにするのがいいし、お母さんだったらお父さんを幸せにするためにまずベットしようってなる。そうすると、夫婦仲が良くなるので、子どもは自然と幸せになります。
ということと一緒で、やはりその中間マネジメントが経営からケアされているっていう感覚を強く持つことがやはり何よりも重要で、それはもちろんHRBPみたいなかたちでケアされることもそうだし、適切な道具が来るっていうこともそう。
だから、やはり良い道具を最大限渡すということと、勝てない戦いから早く撤退させるっていう、この2個が、マネージャーに対する経営からのケアの中で、実は最も重要だと思っているんですよね。
ケアの循環は「優しくしたらいい」みたいなことではない
青木:だから、僕はとにかく逃げ足がすごく速いんですよ。「もう、これ駄目だ」ってなったらすぐやめるので。
川西:それは事業の面で?
青木:事業の面で。
川西:へぇ。
青木:勝てない戦いからどうせ引くんだったら(早く引くということをすると)、「この人は早く引いてくれるんだな」って思われて、(そうすることで)実はギリギリまで戦ってもらえるんですよね。
川西:あぁ、なるほど。
青木:だけど、「あいつ、マジで見てねぇな」「もうこっちはもうバタバタ屍が重なっているよ」っていうような状況を座視してしまうと、ケアされていないっていう感じにやはりなっちゃうので。
難しい状況でも耐えてもらわなきゃいけない時は、「それはどういう戦略的な意味があって、どこまでいったら撤退するのか」みたいなことの基準をしっかりと共有、説明した上で「頼む」と。「これはけっこう桶狭間の戦いなんだ」「なんとか持たせてくれ」ってお願いするっていうことはもちろんなくはないですけど。
でも、やはり勝ち筋をちゃんと見極めることだったり、お願いしている戦いに普通に必要な道具はちゃんとそろえるみたいな。経営としてはけっこう当たり前のことしか言っていなくて、みなさんからしたら失笑しちゃうかもしれないですけど……。
川西:いやぁ、難しいですよ。
青木:難しいし、でもケアっていう言葉を経営の言い訳にはしたくない。
川西:そうですよね。
青木:要するにケアの循環っていうのは、「なんか優しくしたらいい」みたいなことではないんですよね。 続きを読むには会員登録
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