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これでイイのか⁈「部下への忖度」webセミナー(全3記事)

“いい上司”でいようとするほど対話は止まる 耳の痛いことを言えない組織はなぜ生まれるのか

【3行要約】
・ビジネス現場で上司が部下への指摘を避ける「忖度問題」が広がり、組織の成長と個人の発達を阻害する要因となっています。
・髙桑由樹氏は、親子関係と異なり職場では双方が「自分は悪くない」と考えがちで、共通目的の欠如が本質的な対話を妨げていると分析。
・当事者意識を育むには、まず行動を変えることから始め、上司・部下の枠を超えた人生観の共有が突破口になると説いています。

前回の記事はこちら

「自分は悪くない」が対話を止める

髙桑由樹氏:上司と部下の心理背景として「被害者意識」という言葉を使いましたが、その背景には、上司も部下も「自分は悪くない」と思っていることがあります。そうなると、「解決しなくちゃいけない」という発想自体が生まれにくくなります。

この忖度の問題を考える時、わかりやすい例として思い浮かぶのが親子関係です。子どもに対して忖度する親は、あまりいないと思います。親は「いい大人になってほしい」「ちゃんとした人になってほしい」と思っている。子どもも、親はそのために注意してくれていると、どこかで理解している。そこには「いい大人になる」という共通目的があります。

だから親は、忖度せずに「何やってるんだ」「危ないでしょ」と言える。本当に大事だからこそ、遠慮せずに言うわけです。

一方で、上司と部下の関係では、「自分は悪くない」という意識が前に出てしまう。そして、「そこまで大事なことではない」とどこかで思っているから、「本当は言ったほうがいいけど、一線は越えない」という関わり方になってしまう。

こうした話は、現場の上司と部下だけの問題ではありません。

部長や、その上の役員との関係でも、似た構造が見られます。「今どきの管理職はなってない」「もっとガツンと言わなきゃダメだ」と言いながら、「これは中間管理職の問題だ」と責任を外に置く。「自分は悪くない」という被害者意識が、やはり前提として流れています。

組織全体にはびこる「自分は悪くない」「仕方ない」という被害者意識

今日ずっと扱ってきた部下への忖度問題を、行動レベルで見ていくと、結局これはどういうことなのか、という話になっていきます。

本当は一番大事なことやものすごく大事なことであれば、相手がどう受け止めるかに関係なく、「ダメでしょ」と言うはずです。でも、それを言っていない。これは、さまざまな組織レイヤーにおいて、「自分は悪くない」「仕方ない」といった被害者意識や、どこか本気になりきれていない空気感が充満しているからだと思っています。

その結果、上司も部下も自己防衛に入る。「自分は悪くない」という前提で、「これは言いすぎると考えなくなるから」などと正当化する。こうして、必要のない忖度が社内に蔓延している。ここに、この問題の本質があると考えています。

だから対話力を高めなければいけない、という話になるのですが、対話力、対話力とスキルだけにフォーカスしても、この問題は解決しません。では、どう解決していくのか。キーワードは「被害者意識」です。「自分は悪くない」という状態は、「自分が解決しなくてもいい」という意識でもあります。つまり当事者意識がない状態です。

耳の痛いことを言える管理職をどうつくるか

今回のテーマは、「耳の痛いことを言える管理職をどうつくるか」という話ですが、そのためには「当事者意識をどう持たせるか」「被害者意識からどう脱却するか」に向き合う必要があります。そのためのステップは、実は決まっています。

上の図では、忖度してしまう中間管理職がいます。この人は「自分は悪くない」と思っているので、「言っていない自分が問題だ」とは考えません。意識のベクトルが自分に向いていないため、自分の状態に気づけない。だから行動も変わらない。

では、どうするか。さらに上の上司が関わります。

「この中間管理職は躊躇しているな」「本当は部下に言うべきことを言わなきゃいけないのに」と感じた時に、少し強引に聞こえるかもしれませんが、まずは「一度、言うべきことを部下に言ってみろ」と背中を押すことが大事です。いわば、「いい上司でい続けること」を、いったんやめさせる。

この段階では、本人は納得していないかもしれません。それでも「一回やってみろ」と行動させる。すると、「言うべきことを言わず、忖度していた自分」と、「忖度せずに実際に指摘した自分」を比較できるようになります。ここで初めて自分を客観視できるようになるわけです。

ポイントは「いい上司であることをやめてみる」

かつ、人間には「自分の言ってることと、やっていることを矛盾のないものに整えたい」という心理が働きます。実際に行動した事実、つまり言うべきことを言った自分が生まれると、「言いたくなかったけれど、言われたからやってみた」というスタートだったとしても、1回行動したという事実が残ります。すると、その事実に引っ張られるかたちで、「次からは、ちゃんと言おう」という意識が後からついてきます。

こうして初めて、「言わなくちゃいけない」という当事者意識が形づくられていきます。当事者意識を高めるためには、まず「やってみる」ことが必要です。これは今回の「部下への忖度」だけでなく、他の場面でも当事者意識を育てるために共通して必要なステップだと思っています。ポイントは「いい上司であることをやめてみる」というところにあります。

ここが最後です。「いい上司であることをやめる」と簡単に言っていますが、これができないからこそ、みなさん悩んでいるのだと思います。そもそも「いい上司」というイメージには、「上司なんだから、部下にはきちんと言わなければならない」とか、「わからないことを部下に、わからないとは言えない」といった思い込みがあります。

逆に「部下なんだから、上司の言うことを聞くべきだ」といったステレオタイプもあります。こうした固定観念があると、自分の行動を変えることが難しくなります。いったん「上司とはこういうものだ」という前提を脇に置く必要があります。

そこで、みなさんに会社で試してほしいディスカッションがあります。上司としての立場をいったん横に置き、上司・部下という関係ではなく、1人の人間同士として、「どんな人生を歩んできたのか」「これからどんな人生を歩んでいきたいのか」といった話をしてみることです。立場を外して話す、ということです。

ここから始めると、自分の行動を変えやすくなります。自己防衛から距離を取ることができるからです。自己防衛が薄れると、お互いにフランクな会話ができるようになります。そうして、この「部下への忖度問題」は、解決に近づいていきます。

ぜひ、みなさんの会社で試してみてください。以上をもちまして、Webセミナーを終わります。ありがとうございました。

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