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これでイイのか⁈「部下への忖度」webセミナー(全3記事)

上司も部下も“自分を守る”から対話が止まる 職場で増えている「被害者意識」とは? [2/2]


仕事に求められる対話力とは何か

ここまでを踏まえて、3つ目の「問題の本質と解決策」に入ります。まず、これまでの2つの章を振り返ります。

1つ目の「いかに多様性と向き合うか」では、「多様性」という言葉は、人によって都合よく解釈される可能性を孕んでいる、という点を確認しました。だからこそ、この言葉に振り回されるのではなく、こうした言葉が出てきた時には、「組織に所属する目的」や「なぜ一緒に働いているのか」といった共通点を確認し合うことが重要だ、という話でした。

2つ目の「いかにハラスメントと向き合うか」では、ハラスメントは人が関わる以上、避けられない摩擦であり、解決の鍵は制度論ではなく対話力にある、という点を確認しました。しかし現状では、対話力を高めることなく制度だけが増え、その結果、人と人との関わりが難しくなっている、という問題があることを挙げました。

これらを踏まえると、「対話が大事だ」ということが浮かび上がってきます。そこで次に、「対話力をいかに高めていくか」という点に触れていきます。

「対話力」はかなり抽象度の高い概念です。そこでここでは、「仕事に求められる対話」というふうに、いったん範囲を限定して考えてみます。仕事に求められる対話とは何かと言えば、「成果を上げるための対話」だと置いてみます。

では、そのためにどんなスキルが必要なのか。この点を考えるために、メタファーとしてスイカ割りをイメージしてみます。

目隠しをしてスイカを割りに行く人が部下、プレイヤーです。スイカ割りは1人ではできませんよね。周りには外野がいて、「もっと右だ」「もう少し前だ」「行きすぎだ」と声をかけてくれます。この外野を、支援する上司・管理職と捉えます。

スイカ割りを成功させるためには、周囲の声を受け止め、プレイヤー自身も「自分は今こういう位置にいるんだ」と理解しながら、行動を修正していく必要があります。まさに対話力が問われる行為だと思います。

上司と部下の対話に必要な前提

そこで、部下と上司、そしてその間にどんな前提が必要なのかを整理してみました。まず、上司と部下の間で共有しておくべきことがあります。目的やビジョンです。

スイカ割りで言えば、「スイカを割りに行く」という目的を共有することですね。どうなったらゴールなのか。ただスイカに当たればいいのか、しっかり割れたら達成なのか、といった達成基準を明確にしておく必要があります。

次に、やるべきことやルールです。目隠しをして、何回回ってから進むのか、といったルールを事前に共有しておく。そして、部下に対して上司がどのようにサポートするのかも、あらかじめ伝えておく。そうすることで、部下も上司に頼りやすくなります。

最後に必要なのは、率直に話せる関係性です。「これで合っていますか?」と素直に聞ける関係性がないと、対話は成立しません。

一方で、上司側には、目的地と現在地を言葉にして相手に伝えるスキルが求められます。部下側には、そのフィードバックを受け取って、自分の現在地や進み方の癖を捉える力が必要です。「あ、行き過ぎているんだな」と気づけることが大事になります。

ここまで整えば、「言語化してすり合わせていけばいい」という話になります。ただ、スイカ割りならそれで済むかもしれませんが、実際の職場ではそう簡単ではありません。

現実には、上司が部下に対して「もっと右だ」「もう少し前だ」と、率直に言えているかというと、言えていないケースが多い。そこに忖度が入ります。一方で、部下もそれを素直に受け止められているかというと、「それって指示が悪いんじゃないですか」とか、「それは無理じゃないですか」と、受け止めない場面が出てきます。

つまり、この問題は「スキルがあるか、ないか」だけの話ではありません。こうした状況が、多くの職場で現実として起きているということです。

上司も部下も“自分を守る”から対話が止まる

では、なぜ本来は力を合わせてスイカを割りに行くはずなのに、協力し合えなくなるのか。その理由を見ていきます。結論から言うと、「自分を防衛したいから対話を避ける」という構造があります。

部下側の視点で見ると、「上司の指示が悪い」「これはむちゃぶりだ」という考え方になります。自分は悪くない、という被害者意識です。

こうした考え方の背景には、「失敗したくない」「やりたくない」という気持ちがあります。その結果、防衛反応が働きます。自己正当化です。「指示で押し付けるのはおかしい」「自分は自分のやり方でやりたい」といったかたちで、自分を守ろうとする。スイカ割りの例で説明していますが、こうした構図は多くの職場で見られるものです。

逆に右側、上司としても、率直に「もっと右!」とは言えていません。多くの会社でそうだと思います。「言いすぎかな」「言い方がきつかったかな」と考えてしまって、「嫌われたくないな」という気持ちが出てくる。

でも本音では「なんで自分がこんなに気を遣って言わなきゃいけないんだ」「もっと素直に聞いてくれればいいのに」と思っている。「自分は悪くない」という感覚ですね。これも被害者意識です。

上司側の心理背景としては、「言いすぎてハラスメントと言われたくない。だから言わない」というものがあります。ただ、「だから言わない」で終わってしまうと、「あの上司、何もやってないじゃないか」と言われてしまう。そこで自分を正当化する必要が出てくる。

その結果、「ハラスメント」や「多様性」という観点から、「あまり部下に要望するのは良くない」と自分に言い聞かせたり、「部下の自律性が大事だよね」と語ったりする管理職が多くなります。上司も部下も、実はどちらも自分を防衛している。だから一線を越えないし、対話を避ける構造が生まれているわけです。

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