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【部長・課長に贈る】なぜ部下は指示通りに動かないのか?上司が絶対にやるべき3つのこと(全1記事)

どう動くか不明な指示は「上司のお気持ち表明」でしかない 部下が迷わないコミュニケーションの仕組み [2/2]

「資料を作って」という指示でも、相手と自分の認識は違う

豊間根:これはさっきの話とつながるんですよ。例えば「資料を作って」とヒロカに伝えるじゃないですか。ヒロカが「なるほど。資料を作るんだな」と思ったとして、「資料」という言葉の捉え方が、僕とヒロカで捉え方が違うわけですよ。

岩本:違いますね。

豊間根:「資料を作って」と何を伝えるかにフォーカスするんじゃなくて、「ヒロカが実際にどういう行動を起こすか」というところに着目してコミュニケーションをしないといけないんですよ。「資料を作って」と言ったら、「ヒロカの頭の中に今、資料イコールどういうものとして捉えられているんだろうな」とか。

もし「来週の定例会議の資料を作って」と言ったとしたら、「今までの過去のコミュニケーションからすると、ヒロカだったら恐らくこのタイミングにドラフトをインプットしてくれるだろうな」とか、「ヒロカのスキルでいったら、たぶんこのレベルのアウトプットが出てくるだろうな」みたいなことを認識した上で、「こういうアクションを取ってほしい」というつもりで伝えなきゃいけない。

部下が指示を読み解く努力も必要

岩本:でも、それってけっこう難しくないですか? 例えば「来週の定例の資料を作って」と言われても、どのレベルを豊間根さんが求めているのかがまったく伝わってこないじゃないですか。

それがもともとテンプレ化とかされていたら、そのチームの中で「これはこういうものを作るんだ」ということがわかるんですけど、そういうものがないのに、ただそれだけ言われたら、けっこう部下としては辛いというか。

豊間根:おっしゃるとおり。だからやはり2つ目のポイントで言うと、「言語化」が大事なんですよね。「ちゃんとやって」じゃなくて、「イケてない」「わかりにくい」じゃなくて。例えば我々で言うと、資料の上部に書く、そのスライドが何を言いたいかを示す「キーメッセージ」。

キーメッセージは必ず主張になっていなければいけないんだとすると、「このスライドはキーメッセージが入っていないから良くないよね。じゃあ書いて」とか。あるいは「資料を作っておいて」じゃなくて、「何月何日何時までに、だいたいこのページ・タイトルで作ってきて」というふうに、なるべく明確に言語化をしてあげることがすごく大事で。

そこをきちんと明確に定義してあげるのが、やはり上司としては工夫をする、努力をする必要はあるし、それを毎回いちいち言わなくても、「キーメッセージを書かなきゃいけないよね」ということが社内でルール化されていて共通認識があると、いちいち伝えなくていいから楽になる。

ただ、ちょっと逆の目線で言うと、毎回全部を言語化させるのは、これはこれで部下のエゴなんですよ。

岩本:確かに。

豊間根:そう。ある程度は「この人はこういう依頼をしてきたけど、たぶん裏にこういう背景とか意図があって、このタイミングまでにこのぐらいのアウトプットを出せば満足するだろうな」とか、「やりたいことはこれだろうな」ということを想像してあげる。

そこを先回りしてやってあげるというのは、部下がやってあげないと。上司はちゃんと言語化する努力をするべきだし、部下はそれを想像してあげる努力をするべきなんですよね。

認識合わせをしつこく続ける努力が大切

岩本:確かに。お互いに向こうのために、相手のためにというところが大事ですよね。

豊間根:そう。上司としては、そこを先回りしてねという。お互い違う人間だから、歩み寄らなきゃいけないよねということを伝えなきゃいけないんだけど。

岩本:なるほど。それで最初の話に戻って。

豊間根:そうそう。だからその前提なんですよ。こういう変化・こういう行動を起こせるように、そのためにはどう言語化する必要があるかを考えなきゃいけないし、前提も擦り合わせておかないといけないわけですよね。


豊間根:それで、3つ目が「しつこくやる」なんですけど。とはいえ、そんなに一発で擦り合わないわけですよ。

岩本:それはそう。

豊間根:なぜなら、違う人間だから。だからやはり、しつこくやる。1回やって終わりにしないで、「この間のどうなった?」とか、「我々のルールってこれだったよね。それを守れている?」とか。「お願いね」で終わらずに、やはりある程度は進捗確認をしたりとか。あるいは最初に依頼する時にも、例えば「こういうアウトプットじゃなくて、こういうアウトプットにしてね」みたいに具体例で示すとか。

進捗確認、具体例の提示、一部代行なども効果的

豊間根:場合によっては途中まで自分がやってあげて、4割ぐらい作ってあげて、「あと6割埋めてほしいね」みたいに個別にコミュニケーションをしてあげるというのが大事なんだけども。この時にやはり、言語化された一定の型というか道筋がないと、部下の人も訳がわからなくなっちゃうから。

岩本:確かに(笑)。

豊間根:と言いながら、私もこれまでベンチャーをいろいろやってきまして、反省もいろいろあるんですけども。

岩本:(笑)。自分はどうでしたか?

豊間根:メンバーのみなさんにもいろいろご迷惑をおかけしながら、社員のみんなに支えられながら今日がありますけども。私が今思っている持論はそういうことですね。

なので、まず大前提は、人間は違う生き物なので、違う世界を見ているし、同じ日本語を使っているつもりでも、ぜんぜん違う言葉を使っていると思ったほうがいい。

だからきちんと、「何を伝えたか」という言葉にこだわるんじゃなくて、それによって相手が「どうアクションを取れるか」「どんなアクションを取ってほしいのか」というところにフォーカスして考える必要があるし、それに対して認識がずれないように言語化する。共通言語を作っておくし、認識を合わせておく。

そこに対して、なるべく曖昧な指示をせずに、なるべく認識がずれない指示をするべきだと。さらに言うと、それを1回言って終わるんじゃなくて、何度も何度も行き帰りをしながら、徐々に擦り合わせていく不断の努力が必要だということですね。

上司がやってはいけない「お気持ち表明」

豊間根:1個の「変化から考える」というのがけっこう大事で、「キメヘン」がないコミュニケーションのことを、ネガな表現だけど、「お気持ち表明」だと思っているんですよ。

岩本:なるほど。確かに。

豊間根:お気持ち表明って「キメヘン」がないんですよ。

岩本:確かに、確かに。

豊間根:どういうアクションを取ってほしいかじゃなくて、自分のただのうっぷんを晴らすのが目的だったりとか、パフォーマンスだったりするんだよね。

それって何か言っているつもりで、「自分の怒りを知ってほしい」とか、「自分のモヤモヤをとにかく、ただぶつけたい」みたいなことだったりするので、それは「変化」から考えてないんですよね。上司がそれをやっちゃうと終わりなので。けっこうやっちゃいがちなんですよ。

岩本:(笑)。

豊間根:そのコミュニケーションによってどうしてほしいのか。ただ怒りを、「アンガーマネジメント」とか言うけど、例えば「叱る」と「怒る」は違うとか言うけど、「叱る」だと相手に「こういう変化を起こしてほしい」という目的があるんだけど、「怒る」のはただ自分の感情を吐き出しているだけなんですよね。だから、上司は「キメヘン」のないコミュニケーションをしてはいけないわけですね。

チームで同じ景色を見る関係を作る

岩本:確かに。そういったことをやると、もっともっと上司と部下の仲が悪くなりそうですよね。

豊間根:「キメヘン」がないとね。そうなんですよ。

岩本:こっちとしても、なんで言われているのかわからないし。「お気持ち表明」という言い方はあれかもしれないですけど、向こうとしても(何かを)言っているだけで、特に部下に「こうなってほしい」というものが見えないと、(部下からしたら)どうしたらいいかわからなくなっちゃいますよね。

豊間根:間違いない。難しいんですけどね。でも「キメヘン」のないコミュニケーションが当たり前になって、言語化をサボって察してもらうことが当たり前になっている人っていて、それってやはり是正がけっこう大変なので。

なるべく早めにこの概念を認識して、「キメヘン」があるコミュニケーションをするっていうことと、共通言語を作る、言語化する癖をチームの中でも自分個人でも作るということがすごく大事かなと思います。

ということで、今日は3つのポイントで、部下に動いてもらうためのコミュニケーションをお話ししました。一番大事なのは、やはり相手と自分が「同じ景色を見る」「同じ言葉を使う」「認識を合わせる」ということだと思います。変化から考えるということで、ぜひみなさんもいい感じに、あれをあれしてみてください。

岩本:何を何?(笑)。

豊間根:これ、言語化をサボっているという。

岩本:はい、言語化をサボっていますね。もう一回お願いします。

豊間根:(ゆっくりと)部下の方との、コミュニケーションにおいて、言語化を意識して、同じ景色を見て。

岩本:戦場カメラマンぐらい言葉を噛み締めないでください(笑)。

豊間根:という、あれをあれしてください。

岩本:あれをあれ(笑)。

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